シロとレイは、キリトのホームへ向かった。
「あら、レイちゃん。こんにちは…ってシロ!」
「えっシロが来てるの?」
アスナの驚いた声がすると、シロが来た事を知ったメンバーたちによって、囲まれた。
「マスターが、無事に戻ってきたのです!」
「お久しぶり…ぐふっ!」
シロが挨拶しようとすると、アスナが一番先にシロに抱きついた。
「心配したんだよ…!事件の後、ログイン…できないのは分かってたけど。」
「ごめんね、アスナ。キリトからみんなが心配してるって聞いてる。」
「そういえば、今日は現実世界でキリトくんと会ったんだよね。」
「そうそう。人生で初めて、バイクに乗ったよー」
シロのその言葉に、シリカ、リズベットが詰め寄る。
「どうして、キリトさんのバイクに乗ったんですか?」
「あぁ、菊岡さんっていう人が私と話をしたかったらしくて…」
「まーたキリトのやつ、バイクの後ろに女の子の乗せるなんて…!」
2人の様子から、少し悪い事をしたのではないかと心配になる、シロ。
「はいはい、2人とも。シロが戻ってきてくれたんだし、お祝いしましょうよ。」
「それもそうですね。久しぶりに、狩りに行きますか?」
「いいわねー。」
そんな事を話していると、ホームの扉が開いた。
「こんにちはー。誰かいるー?」
入ってきたのは、クレハだった。
「やっほー…クレハさーん」
「…ってシロ!?」
予想通り、驚くクレハ。
現実世界でメールのやり取りはしていたが、顔を合わせるのは、事件後、今日が初めてである。
怒られる事を予想して、身構えるシロ。
だが、その予想は実現しなかった。
クレハは泣きそうな表情でシロに近寄ると、何も言わずに抱きしめる。
「えっ、クレハ…!?」
「バカ…無事で、本当に良かった…。」
シロは仕方なく、クレハの頭を撫でる。
「あんたはっ、一度本気で怒ろうと思ってたのよ!!」
しばらくして、復活したクレハとアスナからお説教されるシロであった。
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「ツェリスカさんもあれから、ログインしてないから心配だわ。」
「あれだけの事があったもんね…。」
「イツキさんも、最近見てないね。」
「…。」
「大丈夫だよ、2人とも、突然顔を出したりするわよ。」
「そうだね。」
気付いたときにはレイはどこかへお出かけに行ったらしく、1人で自分のホームへ戻った、シロ。
ホームへ戻ると、シロの期待とは外れて、静かだった。
まっすぐイスに向かって、座る。
「…ハァ。」
「ため息なんかついて、どうしたんだい?」
「!」
驚いて、声のする方を向くと、イツキが立っていた。
「僕が来ているのに気付かないなんて、ちょっと酷くないか?」
「あっ…」
いざ本人を目の前にすると、何から言い出してよいか迷うシロだった。
「どうしたの?そんなに見つめられると、照れるじゃないか。…なーんてね。」
いつもの調子で冗談を言う、イツキ。
それを聞いて、安心したシロは、ぼろぼろと泣き始めた。
「あっ…シロ?ごめんよ、傷つけるつもりは、その、なくて…」
勘違いしたイツキは、シロが泣き止むまで、胸を貸すことにした。
「今まで、何してたの?」
「仕事の合間に警察へ事情を話しに行ったり…。色々あったよ。」
泣き止んでから、イスに座り、今までの話をする。
シロの目は心なしか、赤い。
「すぐに君に会いに行こうと思ったんだけど…いざ、連絡しようとすると、どんな顔して会えば分からなくて…すまない。」
「でも、こうして会いにきてくれたから。それだけで充分だよ。」
笑顔で言うシロを見て、イツキは少し嬉しそうな顔をする。
「…ゴホンッ。それで、シロ。」
「どうしたの?」
「今度の休みに、現実世界で会いたいんだけど…。」
「今、言うなんて珍しいね。」
「この部屋には2人きりだし、いいじゃないか。」
「確かに、そうだね。…うん、いいよ。今度の休みだね。」
「ありがとう。時間はまた連絡するよ。」
イツキはレイが戻ってくる前に、ログアウトをした。