ノアが魔法騎士達に宣戦布告した同時刻、クローバー王国の外にて、
「なぁ~~~~?オカシイよなぁ!?何でこの俺様が追い出されなきゃなんねぇんだよなぁ俺様は王族以上の魔力を持ってんだぞ...!?」
「.............」
左目を布で覆った男が王都を睨みながら誰かに話しかけている。
「この世界は魔力が全てだろぉが.........なぁ!?」
『.........あ...う............』
男が話しかけていたのは、既に死体となっている男であった。
「フザケやがってクソがぁ!!」
「...誰に向かって喋っている...」
「あぁ...!?独り言だよ...!!」
そんな男の背後には、いつの間にかローブを纏った男が立っていた。
「準備出来たぞ...!」
「ああ...!」
男が手を伸ばし、まるで王都を掴むような素振りを見せる。
「俺の力、とくと教えてやるぜ...!魔法騎士団」
この男達の目的は如何に...?
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「魔法帝に...なるだと.........!?」
ノアの宣戦布告にクラウスはやってしまったといった表情になり、ミモザは自分の為に怒ってくれたノアに対して嬉しそうに顔を綻ばせる。
「おい待てノア!魔法帝になるのは俺だ!!!」
張り詰めた空気の中、そんな事はお構い無しに、アスタがノアに言い放つ。
「あぁ、そういやそうだったな....悪かった。ついカッとなってな。」
ノアは一旦、怒りを抑えてアスタに謝罪する。
「でもまぁ、お前が言ってくれたお陰で俺もスッキリした!...だが!魔法帝になるのは、この俺だ!」
今度はアスタが宣戦布告を始める。
これにはクラウスも呆然となってしまう。
「クッ...クク...クククク...」
ソリドから笑いが聞こえる。
「「笑わせるな!!!」」
《水拘束魔法"海蛇の巻縛"》
《霧拘束魔法"霧蜘蛛の縛糸"》
ソリドとネブラがノアとアスタに向かって同時に魔法を発動する。
だが、
「うらァァァ!!!」
《水属性魔法"水神の剣"》
アスタは魔法を剣で消し、ノアは魔法を吸収する。
(あの下民...魔法を消している...!!あっちの下民は魔法を吸収しているのか...!!...コイツら...ただの下民じゃない............!?...だが、)
《砂創成魔法"砂鎧の番兵"》
「ぐ.........!!」
「なに.......!?」
(な....まさか!?)
ノアが目を向けると、そこには、壁に埋め込んだ筈のアレクドラがノア達の目の前で魔法を発動していた。
「この晴れの舞台であのような立ち振舞い...何らかの処分は免れんぞ...!」
「............」
この光景に、ただ固唾を呑んで見守るしかないクラウス達。
「オイオイ~~~何生温いこと言ってんだ金色さんよォォ」
そう言うとソリドは魔法で巨大な弾丸を生成し始めた。
「こういう図に乗った奴らには身体に覚えさせないとなァァ二度とおいたできないように.........!」
下卑た笑いを浮かべてノアとアスタに向かってソリドは言い放った。
「あの一族の"恥さらし"も後で同じ目に会わせてやるよ!!!」
その一言で、アスタとノアの怒りが再び沸き上がる。
アスタは大剣を取り出し、ソリドの魔法を跳ね返す。
「━━━ノエルに...謝れ!!!」
「!━━━━━......!!!」
ソリドに跳ね返った魔法が当たった瞬間、
「消えろ......!!!!」
雷を纏った
それにより、ソリドの魔導書の表紙にはクラレントによる傷が出来上がっていた。
「この俺に...膝をつかせるだけでなく、魔導書に傷まで付けたなァァァ~~~~この下民風情がァァ━━━━!!」
「うるせぇよ...!」
ノアがソリドを斬り捨てようとしたその時、
「「!!!!」」
ノアとアスタはとてつもない威圧感を感じ取る。
「ソリド」
「ノゼル...兄様......!」
「下民ごときにそう容易く魔法を使うな............!」
(何だ...この寒気━━━━......ヤミ団長とはまた違った冷たい
(まるで鷹...いや、巨大な大鷲に睨まれたような感覚...!!...銀翼の大鷲...団長━━━━━...!!)
「王族に逆らいし下民...どう裁いてやろうか━━━━━━━━━━...」
このままでは、殺される...そう、二人が錯覚した時、
「そこまでにしておけ...!」
ノゼルの背後に立っていたのは、『紅蓮の獅子王』団 団長 フエゴレオンであった。
「少年二人に恥ずかしくはないのか...!?シルヴァ一族よ............!!」
「フエゴレオンさん...!」
「ミモザから聞いておった通り...貴様達なかなか面白いではないか...!」
アスタとノアの横には、いつの間にかレオポルドが立っていた。
「よし喜べ!!このレオポルド・ヴァーミリオンのライバルにしてやろう!!」
「「...へ?」」
突然の事態に状況が飲み込めないでいる二人。
「ヴァーミリオン...」
「ええ、フエゴレオンさんとレオポルドさんは私の従兄ですの」
ユノがミモザの従兄だと気付く。
「ユリウス殿がこの場にいることを許した者だ━━━━...下民といえど多少は認めてやっても良いのではないか...?」
「...まさか王族の者からそのような言葉が出るとはな.........ヴァーミリオン家もお優しくなったものだ...天空を舞う鷲が地を這う虫ケラをどう認めろというのだ...?」
「............!!」
まさに一触即発の状況、二人が睨み合ったと同時に窓が揺れ、壁に亀裂が入り、二人の背後にはそれぞれ大鷲と獅子の
(な...なんという凄まじい
今まさに二人の戦いが始まろうとしたその時、
「たっ...大変です━━━━!!」
突如として部屋の扉が開き、宮廷魔導師が一人 大慌てで入ってくる。
「王都が...王都が襲撃されています!!!」
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王都では爆発が起こり、
その広場では、先程の左目に布を巻き付けた男が高笑いしながら王都を襲撃したことに喜びを見せているのだった。