王都襲撃の知らせを受け、ノア達は戸惑いを隠せないでいた。
そんな王都での様子はというと、
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至る所で爆発が起こり、住民達は悲鳴を上げ、逃げ惑う。
「ハハハハハハハハハハ、壊せ壊せ壊せ壊せェェー!!!」
男が死体を操り、王都を火の海へと変化させているからである。
「俺様の価値も分からねぇ
天を仰ぎ、高笑いする男。しかし、そんな光景を黙って見ている筈もなく、
現場に到着した魔道士達が応戦を始め、死体に攻撃を仕掛ける。
「気持ちの悪いヤツラめ...!一体何処から湧いて出た...!?この王貴界に侵入するなど...命知らずめ━...」
しかし攻撃を受け、身体に穴が開いた筈の死体達が魔道士目掛けて襲い掛かる。
「な...何だコイツら............!?」
「身体をもがれても...向かってくる━━━━━...!?」
死体なのだから当然である。
「怯むな...!!我らがクローバー王国を...護」
「れねぇよ...!!テメェらクズじゃあ!!...失せろクズ、クズ、クズ...!!!」
(何だ...!?この魔力は━━━━...!!)「ひ...」
怯える魔導師に、地中から再び複数体死体が現れて魔道士達を恐怖に陥れる。
「俺様より強いんだろ?なぁ...!?出て来いよ魔法騎士団━━━━!!」
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「王都が...襲撃されているだと━━━━━!?」
驚きを隠せない魔法騎士達だが、その中でもシレンだけは違った。
《岩石創成魔法"世界を語る模型岩"》
彼は、即座に魔法を発動し、王都の様子を魔法で再現した。
「...これは...王貴界の立体模型...!?...現地の人間の声や魔力量まで...!魔をこの地域一帯に張り巡らせ同時にそれを可視化させているのか...!」
「私の"魔花の道標"より遥かに高レベルですわ............!」
これにはクラウスとミモザも驚いている。
「...これ程の魔力量の軍勢が我々に気付かれず五ヶ所同時に......」
「どうやら相当な空間魔法の使い手によって一瞬の内に現れたようだな...」
フエゴレオンはその事に疑問を感じずにはいられなかった。
(だとしてもこの王貴界には護衛の魔道士によって交代制で常に魔法障壁が張られていて侵入は不可能...!!その魔法障壁の仕組みを分析して破った...!?もしくは護衛の魔道士に賄賂を渡した...!?)
そんなことを考えていたが、今自分達がすべき事はただ一つ。
(何にしても............とてつもない手練れに違いない━━━━━!!)
「今のメンバーをどう充てるべきか...」
「いやまずは城周辺の守りを━━━...」
フエゴレオン達が作戦を練っているが、
「いや、コレ何待ち!?」
焦れったいと感じたのか、アスタが大声を挙げる。
「助けを求めてる奴らがいるのは充分わかった!!俺はもう行く━━━━━!!」
町の人々を護る為に、アスタは走る。
「何処に行くつもりなのだアスタ...!まだ状況を把握し切れていないし...それにお前は魔力の感知が全く出来んのだろう━━━━!?」
クラウスがそう言ってアスタを止めようとするも、
「音のデカい方に行く!!」
それだけ言うと、王都へと走っていった。
「動物かお前は...」
「アイツ、ホント獣だな....」
呆れていたクラウスとノアだったが、
「フハハハハハ!!面白ォォい!!貴様の力見せてもらおう!!」
「いや、アンタも行くのかよ!!!?」
アスタを追いかけていったレオに対し、遂にノアがツッコミを入れてしまう。
「あー...もう!!!」
仕方ないと思いつつ、ノアもアスタとレオの後を追い掛ける。
「あっ...!」
走っていったノアを見て、届かないと分かっていても手を伸ばすミモザ。
(ノアさんにお礼...言いそびれてしまいましたわ...)
お礼を言いたかったが、今は緊急事態。事は一刻を争うのだからそんな余裕は無いと自分を律した。
「私に指揮されるのは癪だろうが...聞け!!魔法騎士団員!!」
フエゴレオンが魔法騎士達に指示を送る。
「私はレオと暴牛の小僧達を追い、合流した後に北区に向かう!!暴牛の娘も共に来い!」
フエゴレオンは魔法で獅子を作り出し、ノエルを後ろに乗せる。
「『銀翼の大鷲』は敵の魔力量が最も大きい中央区を頼む!!」
「............いいだろう...」
ノゼルは何か言いたげだったが、自身のプライドよりも今は優勢させる事があると理解している為、指示に従う。
「『碧の野薔薇』は東区を!!」
「男の指図は受けたくはないが...仕方無い」
シャーロットもノゼル同様、指示に従う。
「『金色の夜明け』は二手に分かれ、北西区と西区に向かってくれ!!」
『金色の夜明け』も指示に従う。
「王都を守れないとなれば魔法騎士団の恥だ!!!絶対に敵を逃すな━━━!!!」
5組の騎士団達が窓から王都へと向かい、その場から立ち去った数分後、
テーブルの下から『黒の暴牛』の一人チャーミーが食べ物を口にしながら現れる。
((食べ物目当てに)アスタくん達に
「ここはこのチャーミーの出番だねっ!活躍すれば更なる高みの料理が食べられるかもしれないっっ!!」
そう言って、ノア達と合流するのかと思いきや、
「戦の前にまずは腹ごしらえをしなければっっ」
料理の匂いに釣られて何処かへと走っていく。
やはり彼女は平常運転のようだ。
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その頃、王都では...
死体が王貴界の住民達を襲い、殺し、パニックとなっていた。
「お嬢ちゃん...!...クローバー王国は好きかい?」
一人の少女を壁に追いやり、眼帯の男がそう訪ねる。
「............大好きよ...!...だから............お願い......もうやめて............!」
少女の悲痛な訴えに男はニヤリとほくそ笑む。
「俺は大ッッ嫌いなんだよ!!!...だから街も人間もお嬢ちゃんも壊しちまうのさ!!」
男が少女に襲い掛かろうとしたその時、
「じゃあ俺が護る!!!」
炎の中から大剣を携えてアスタが現れる。
アスタの男との戦いが始まろうとしていた。
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一方、アスタとレオを追い掛けたノアはというと、
「クッソ、見失った!アイツら足速ぇな....」
ハァ、ハァと息を切らして踞るノア。
「仕方無い...今は住民の避難を優先...!!」
その時、ノアの瞳に映ったのは、一人の女性に襲い掛かるローブを纏った男の姿。
「死ね...!!!」
憎しみが籠った言葉を放ち、女性を殺そうとした時、
「!?...一体、何処から...!?」
男と女性の前に一振りの剣が突き刺さる。
「オイオイ、それは無いだろ。」
「誰だ!?」
「それはこっちの台詞だ...!」
ローブの男と対峙するノア。
此方でも戦いが始まろうとしている。
ローブの男:見た目はMTGの精神を刻む者 ジェイス