ブラッククローバー ~武器魔法の使い手   作:晴月

22 / 34
遅くなりました。続きです。


ページ22 一騎打ちの末に...

「フ...フフフ、フハハハハ!!ハーッハッハッハッ!!!」

 

高笑いをする魔導士

 

「何が...可笑しい...?」

 

「そんなボロボロの身体で私を倒すだと?これが笑わずにいられるものか...滑稽極まりない言い分だ。」

 

「随分、言ってくれるな....侵略者(インベーダー)...だがな、俺だってまだまだやれる」

 

ノアは再び、ファントムソードを展開し、魔導士を睨む。

 

「あんま舐めてると....!」

 

その時、魔導士の頬を一つの剣が掠めた。

 

「....な......!?」

 

反応出来なかった。その事実が男を驚愕の感情へと駆り立てる。

 

「これが俺の出せる最高速度だ...さっきまでの態度を続けるなら...」

 

「痛い目見るぞ...!!」

 

先程は感じなかった圧倒的な威圧感を今現在、ノアから感じている。

 

その事も魔導士にとっては理解を越えた出来事に感じられる。だが、

 

「面白い.......!!!」

 

魔導士は恐怖に怯えるどころか、まるで獲物を見つけた肉食獣の如く笑みを浮かべた。

 

(久々に現れた....私と同等に闘える魔導士を.....!!!)

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

 

一方、チャーミーは...

 

「料理長何やってるんですか!早く避難しましょう!」

 

城の調理室へとやってきていた。

 

「馬鹿野郎!!!料理人が途中で料理ほっぽって逃げれるかぁぁぁ!!どんな状況でも最高の料理を届ける!!それが一流よ!!」

 

料理長らしき男はそう言って料理を作る手を休める事はない。

 

「いやもう騎士団の方々出払ってて誰もいないですよ!?」

 

「なにぃぃ~~~~~!?俺のメインディッシュを食べずに行くとは一体何事だぁぁ━━━━━━!?」

 

「いやだから国の一大事です!!」

 

早く逃げようと言う料理人と作り続けると言う料理長

 

「そのメインディッシュとやら...あたしに食べさせてくださぁぁ━━━━━い!!!」

 

その様子を伺っていたチャーミーがメインディッシュという言葉に反応して飛び出してくる。

 

「な...何だこのチンチクリンは.........?」(...だが、騎士団のローブを着てるってこたぁ...一応 戦功叙勲式に招かれるってことか......それに━━━━...)

 

料理長はチャーミーの目に宿る炎を見て、只者ではないと感じる。

 

...まぁ、実際はただメインディッシュを食べたいだけだと思うが...

「よぉぉぉしわかったぁ!!待ってろ今最高のメインディッシュを作ってやる!!」

 

「いやったああ━━━━!!!」

 

「いや、早く逃げましょうよ~~~~~~!!」

 

果たして、こんなやり取りでチャーミーは魔導士として活躍出来るのか...?

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

 

北西区

 

「フン...粗方片付いたか...」

 

「...」(この程度で手こずらないようにもっと強くならないと...)

 

「ふぅ...」(キ...キモチ悪かったですわ......!)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

 

西区

 

「コイツら...一体何だったのだ...?」

 

「............」

 

「何にせよ...我々の敵ではなかったですね~」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

東区

「姐さんを襲おうなんて愚か者共めっ!姐さんに触れていいのは私達『碧の野薔薇』の女だけなんだぞ~~~~!」

 

「ソル、誤解を招く言い方はやめろ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

王都中央区

 

「どうした...もう終わりか━━━━!?」

 

 

「遊び足りませんわねぇ」

 

「............」

 

(おかしい...こんなに弱い者共を放って敵は何がしたい...?本陣は何処にいる...?)

 

ノゼルの考えは当たっている。

 

確かに数が多くても相手はただの死体、そこまで強い筈がないのだ。

 

「まさか...」

 

何かに気付いたノゼル...しかしその時、

 

「━━━━━...全員...マーキングエリアに入ったようだな...」

 

誰かがそう呟いた。

 

その瞬間、ユノの魔導書(グリモワール)は光を放ち始める。

「!」

 

それに気付いたユノは何かヤバいと悟った。

 

━━━━━━━━━━━

 

「...陽動...つまり、」

 

振り向くノゼル。

 

「やはり狙いは...王か━━━━!?」

 

そして━━━

 

「━━━━━...!!」

 

「━━━━━━...何...!?」

 

「これは...」

 

「しまっ━━━━...」

 

各区画に散らばっていった魔法騎士団の足元には、いつの間にか黒い穴のようなものが出来上がっていた。

 

「お疲れ様...騎士団の諸君━━━」

 

空間魔法 "ブラックアウト"

 

次の瞬間、その場にいたであろう騎士団の魔導士達は忽然と姿を消していた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

 

消えた魔導士達はというと...

 

「何処ですかここは...!?」

 

「............少なくとも王都から数百キロメートルは離れているようだ...」

 

「やられたああああ」

 

「...敵に相当な空間魔法の使い手がいるとわかっていたが...まさかここまでとは...!」

 

「~~~~~~~~~...不覚━━━━━━━━━━━!!!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「魔法騎士団ともあろう者が揃いも揃って...あんなトラップに引っかかるなんてバッカなんじゃな~~~~~い」

 

魔法騎士団達が消えた後に、一人の魔女が箒に乗って現れる。

 

「溢れた奴らと遊ぶハズだったけど...意味なかったわね~~~」

 

突然現れた黒衣の魔女に市民達はどよめいていた。

 

「さて...今の内に若いマナ(エキス)もらっちゃお~♪」

 

そう言って魔女は市民から次々に生命力を吸い取っていく。

 

「このバケモノめ!!何て事を━━━━...」

 

一人の男が魔女に向かってそう言い放つ。

 

「誰がバケモノだ!!死ネ!!!」

 

魔女は男の言葉に怒り、生命力を吸い取ろうとしたところ...

 

「!」

 

男と魔女の間に竜巻が出現する。

 

「ア~~~~~ラ、あの空間魔法から逃れたヤツ...いたのね......!」

 

其処にはノアが魔導書を開き、魔法を発動させていた。

 

「アラぁ~~~~~!超イケメン♪超タイプ~~~♪私と楽しい事しなぁ~~~い???」

 

「その人達から離れろ...オバサン(・・・・)

 

だがユノは、聞こえていなかったかのような反応で魔女を睨み、そう言った。

 

「......殺す!!!

 

笑顔だった魔女の表情が一瞬にして怒りへと変化する。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ノアはというと...

 

「.......」(此処は....これで...!)

 

《武器魔法 "リボルバー"》

 

次にノアが魔導書から召喚したのは銃口が刃と化している大きな拳銃のような武器であった。

 

「なんだ?その武器は...?」

 

「あぁ、この武器はな...」

 

見たこともない武器に戸惑う男、対するノアはニヤリと笑みを浮かべると一瞬で男との距離を詰める。

 

「!!!」

 

「こう使うんだよ!!!」

 

もう少しで剣先が男に触れるといった距離で男はなんとか回避に成功する。

 

(何だ...?今の一瞬、いったいどうやって私との距離を詰めた...!?)

 

「まだまだ行くぞ...!」

 

「何っ!?」

 

続けてノアの連撃が始まる。

 

(速い...!こうも立て続けに距離を詰められれば、私とて魔法を発動できない....もし発動すれば私とて無事ではすまない....ならば!)

 

「ハァッ!!」

 

「何っ!?...ぐっ!」

 

男はノアと同時に距離を詰め、掌底でノアにカウンターを入れる。それがノアの顎にクリーンヒットしてしまい、頭から後方へと吹っ飛ばされてしまう。

 

「......。」

 

男は、暫くの間ノアが飛んでいった方角を見つめていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

吹っ飛ばされ、とある壁の中に侵入してしまうノア。不本意に開けてしまった穴は即座に瓦礫の中に埋もれてしまう。

 

「だぁー!!!クッソ、やっぱアイツ強ぇな...」

 

このままでは自分は確実に負ける。そう思い、どうすべきかと悩んでいたところ...

 

「ん?...そういやここ...何処だ?」

 

飛ばされて飛んできた場所はノアの見たこともない場所であった。

 

「えー...ここ、王都だろ...こんな場所あるのか...?」

 

そう呟いたノアも王都に来たのは今日が始めてなので王都の街中の事など何も知らないのだが......

 

取り敢えず、出口を探そう。ノアはそれだけを考え、その場所からの脱出を考え始める。

 

ノアが侵入した場所の中は薄暗く、灯りがなければ奥へは進めなさそうであった。

 

「あれ?...これって....」

 

更に奥へと進んだノアが見つけたもの...それは魔宮の宝物庫の壁の中にあったあの墓所と同じものであった。

 

「これも、あの時の...?」

 

試してみよう。そう思い、手を翳す。

 

すると墓所から両手斧の幻影が現れ、それがノアの中へと入っていく。

 

「この感じ...!」

 

あの時、父王の剣を手に入れた時と同じ感覚が思い起こされる。

 

そしてノアの魔導書が開き、新たなページが追加される。

 

「修羅王の刃....斧なのに刃か....ファントムソードって色々な種類があるんだな....ぐ...!?」

 

突如、ノアを激しい頭痛が襲った。

 

「なん...っだ....この...痛みは!?」

 

今まで感じた事の無い程の強烈なまでに激しく、そして響くような痛みに踞るノア。

 

(父王の剣の時には無かったこの痛み....いったいこれは...!?)

 

「ぐっ...アアアアアアアアアア!!!!!」

 

まるで、脳に直接文字を彫られているかのような痛みを感じながらも必死にその場から遠ざかろうとするノア。だが、突如現れた激痛に耐えられずその場で失神してしまう。

 

「............」

 

━━━━━━━━━━━━━

 

「............」

 

魔導士の男は掌底で吹き飛ばしたノアが戻るのを待つかの如く、じっとノアが飛んでいった方角を見つめていた。

 

「所詮はこの程度か...」

 

そう呟き、背を向けた瞬間

 

「おい、待てよ...!」

 

「!!!」

 

突然聞こえた声の方向に振り向くも、誰もいない。

 

「いったい何処を見てるんだ?俺は此方だ。」

 

「!!!」

 

もう一度振り向くと、其処には両手斧を担いだノアが男の眼前に立ちはだかっていた。

 

「貴様...それはまさか...!」

 

男はノアの担いでいる斧を見ると顔色を変えた。

 

「?」(何だ?今までに無い反応だな...この斧の事、何か知ってるのか?...まぁ、別にいいか......それよりも今は....!)

 

男を一瞥し、担いだ斧を天高く投げる。

 

(何をする気だ......?)

 

男は、ノアがどんな手で立ち向かってくるのかと身構える。

 

が、何故か修羅王の刃に目が惹かれてしまい、そちらに目をやってしまう。

 

それが命取りになるとも気付かずに...

 

(しまった...!)

 

気が付いた時にはもう遅く、男の眼前にいたノアは音も立てずにその場から姿を消した。

 

「ぐっ...!」

 

そして次の瞬間、男の背後からノアがリボルバーを手にして斬り上げる。

 

「ぐはっ...!!!」

 

「......ラフティバイド...!!!」

 

男を斬り上げ、続けて攻撃を仕掛ける。

 

「ハアアアアアアアッ!!!」

 

男の目の前に現れ、その場で回転を始めるノア。

 

それと同時に彼の周りで爆発が起こる。

 

「フェイテッドサークル!!!」

 

「ぐふっ!!?」

 

今までのお返しとばかりに連撃で男を追い詰めるノア。

 

「まだまだ!」

 

《武器魔法 "クライム&ペナルティ"》

 

即座にリボルバーから変更した武器。造りはリボルバーに酷似しているが、剣先が二本に別れた造りとなっており、形が異なっている武器である。

男よりも早く地上に降り立ったノアはクライム&ペナルティを天高く掲げる。すると剣先から光が現れ始めた。

 

「ブラスティングゾーン!!!」

 

「ぐうう...!!!」

 

地面に勢いよく叩きつけられ、これで終わりかと思われたノアの連撃。しかし、これで終わりではなかった。

 

《武器魔法 "ライオンハート"》

 

次にノアが手にした武器は、リボルバーやクライム&ペナルティとは造りがかなり異なる武器であり、剣先は蒼白く輝いている。

 

「ハアアッ!!!」

 

ライオンハートの剣先に光が集まっていく。

 

次の瞬間、再び空へと打ち上げられた男。ノアの連撃によるダメージが蓄積していることで動けず、ノアの攻撃を防ぐ手立ても無くなっているためされるがままの状態である。

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ!」

 

幾度も男を斬りつけるノア、再び剣先に光が集まる。

 

そして....

 

「エンドオブハート!!!!」

 

斜め一閃に男を斬り、地上に降り立ったノア。

 

「今までのお返しだ、この野郎...!」

 

「............」

 

「どうした、その程度か....?」

 

その場に倒れ込んだ男に対して更に挑発をするノア。

 

「いいや...」

 

「!」

 

「まだだ...!」

 

「...頑丈だな...」

 

「それはこちらの台詞というものだ、私から受けた攻撃で...何度もダメージを受けているというのに....何度も立ち向かってくる...貴様も頑丈ではないか」

 

「...そうかもな。」

 

暫しの沈黙の後、男の方から口を開いた。

 

「...少年、名は何という...?」

 

「...ノアだ...ノア・レイダス......アンタは...?俺の名を聞いたんだ....俺からも、名を聞いておきたい。」

 

「...いいだろう。私はジェイド....憶えておけ....私の生涯最大の強敵よ!!!」

 

そう告げると、ジェイドは構えを取り、沈黙を貫く。

 

「.........」

 

それはノアも同じであった。

 

そして遂に、

 

『!!!』

 

建物が崩れ、その瓦礫が地に落ちた瞬間、二人は動いた。

 

『ハアアアアアアアアアア!!!!!!!!!』

 

先に動いた方がこの勝負に決着を付けられる...!!! そう感じている二人はその時だけは戦いを楽しんでいた。

 

そして、先に動いたのは、

 

「ぐっ...!!!」

 

ジェイドの方であった。

 

「私の勝ちだ...良き戦いだったぞ、ノア。」

 

そのまま動かないノアにそう告げるジェイド。

 

「あぁ、どうやらそうみたいだな......勝負にはな(・・・・・)。」

 

「!!!」

 

ノアの手には、先程握っていた剣ではなく紫の短剣が握られていた。

 

《闇属性武器魔法 "闇の短刀(ダークナイフ)"》

 

どうやらノアは動かなかったのではなく、動けなかった(・・・・・・)のだ...自身の拘束魔法によるデメリットで、

 

「勝負を捨て、自身の利益を優先したか...全く、利己的な男よ。」

 

「魔法帝へ近づくには、アンタを倒すよりも捕らえた方が良いと、あの瞬間気付いた...だから俺は勝負を捨て、拘束することにした。」

 

「...いいだろう、だが、その時は必ず貴様を殺す....!!!覚悟しておけ...!!!」

 

「ハッ、上等だ.........!!!」

 

《拘束魔法 "闇の呪縛"》

 

「....っあー!!!やっと....やっとだ、クッソ...!」

 

ジェイドを拘束し、緊張の糸が解けたノアは安堵からかガッツポーズをして笑顔になる。

 

「さて、と....次は...」

 

捕らえたジェイドを城まで運ぼうとするが、

 

(あれ...?)

 

突如として、身体がふらつき、その場に倒れ込んでしまうノア。

 

(あー....成る程、ここで限界(・・)ってことか....)

 

そう、ノアの言うとおり彼はジェイドから受けた物理的ダメージとファントムソードを含む自身の武器魔法の連発によりかなり疲弊していたのである。

 

先程まではジェイドとの戦いに集中していた為、ノア自身も気付かなかった様子だが、今はジェイドとの一騎打ちも終わり、安堵した事で緊張の糸が解れた為その場に倒れ込んでしまったのだ。

 

(あー...くっそ、あと少しだってのに......)

 

身体を動かそうとするも、ピクリとも動かない。それどころか段々彼を睡魔が襲う。

 

(チクショウ、ここで...リタイアかよ......)

 

少しずつ意識を手放すノア.....果たして、彼は此処までなのか...?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。