ブラッククローバー ~武器魔法の使い手   作:晴月

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ページ4 もう一人の新入団員

アスタとノアの洗礼の儀が終了し。今現在、マグナによってアジト内部の案内が行われていた。

 

「ココが食堂だァー!!」

 

「おおおっ」

 

「ココが大浴場!!」

 

「おおおーっ。広い!」

 

「.....」

 

マグナが先輩としてアジト内の各施設の紹介をする度にアスタは面白いくらいの反応を返す中、ノアはそんな二人をただ無言で見ていた。

 

「こっから向こうは女共の部屋だ。男が入ったら罠魔法で死ぬぞ。」

 

「えええΣ(Д゚;/)/死ぬの!?」

 

「ああ、でもノアは大丈夫だな。女だし。」

 

マグナはまだノアが女だと信じているのかそう言った。

 

「いや、俺男ですから。」

 

ノア自身。この訂正が何度目になるのかを考えながらそう訂正する。

 

「分かってるって冗談だよ冗談。」

 

マグナは笑いながらそう言うが、明らかに目が泳いでいるためノアはもういいや、と諦めてしまった。

 

───────────

 

そして、次の施設の紹介をしようと移動中、目の前にまだ会っていなかった人物が現れた。

 

銀色の髪をツインテールにしている少女だ。

 

「テメーこんなトコにいたのか。オイ、アスタ、ノアお前らの同期だ。今年のもう一人の入団者」

 

「えっ!Σ(Д゚;/)/」

 

「へぇ。」

 

するとアスタは彼女に挨拶をして握手を求める。

 

「俺、ハージ村のアスタ!一緒に切磋琢磨して頑張ろうぜぇ~」(同期!素敵な響き!)

 

が、彼女はアスタに差し出された手を払いのける。

 

「気安く話しかけないで、魔力の乏しい下民の小虫が。私はノエル・シルヴァこの国の王族よ。」

 

彼女はそう言うとアスタとノアを睨み付けた。

 

アスタは王族に初めて会ったことに対して驚いた。

 

「これはこれは私のような小虫が失礼をば~。」

 

「わかればいいのよ。」

 

アスタはノエルに土下座した。が、

 

「─って..誰が小虫だぁぁ~~~~!!」

 

(おぉっ、ノリ突っ込み。初めて見た。)

 

ノアはノエルの反応に対してくだらないと感じ、視界に入れない様にしていたが、アスタの反応に少し驚いてしまい。ついノエルを見てしまう。

 

「俺とお前は騎士団の同期!王族だとか関係あるかぁぁー!!」

 

「そうだ。アスタ!言ってやれぇぇぇ」

 

「.....」(これだから王族って奴は)

 

「関係あるわよ。」

 

「愚かな下民は言葉では理解出来ないのかしら...」ハァ

 

ノエルはため息を吐くとアスタに向かって構える。

 

「魔力の差でわからせるしかないようね...!」

 

ノエルが放った魔力弾はアスタに向かって...........

 

行かず、近くにいたマグナに当たってしまう。

 

「「えっ」」

 

以外にも自分達の方に向かって飛んでくると思っていた魔法が何故かマグナに向かって行ったため、二人は唖然としてしまった。

 

「このアマぁぁ~~~イイ度胸してんなァァ~~~」

 

「.......アナタの立ち位置が悪いのよ」

 

(えええええΣ(Д゚;/)/)

 

(いくら何でもその言い訳は無いだろ。)

 

ノエルは謝罪するかに思われたが、自分の不備を認めることはなかった。

 

「テメーコラァァァァ俺先輩だぞォォ!?」

 

「私は王族よ!」

 

「王族だが『銀翼の大鷲』団長の妹だか知らねーが、テメーみてぇなじゃじゃ馬引き受けてくれんのはヤミさんだけだからなァァー!!」

 

(ああ、そうか。どこかで見た顔だと思ったら『銀翼の大鷲』団の団長そっくりだな。...妹だったのか。)

 

「.......こんな団こっちから願い下げよ。」バサッ

 

ノエルは少し何かを考えると身にまとっていたローブを脱ぎ捨てた。

 

「テメっ...オイぃぃぃぃ何てことしてんだコラァァァァ。てゆーか詫びは詫びぃぃぃぃ。...俺が必死で手に入れたローブ....」orz

 

((何だったんだ一体...........))

 

───────────

 

「アスタ。ココがお前の部屋だ。」

 

アスタが案内されたのは、見るからにボロボロの家具が置かれた部屋だった。

 

「どーだァ~~切ないくらいに狭くて汚い部屋だろォ~~因みに俺の部屋はこの倍の...」

 

「俺の...部屋............!」ドバァー

 

「!」

 

アスタは自分の部屋が持てたことに感動し、泣いてしまう。

 

「俺自分の部屋とか無かったんで感動っす。めっちゃキレイにしてやる~~~。」フキフキ

 

「おー磨け磨け!任務があるまで自由だ!何かあったら俺んとこ来いや!...ノア。お前の部屋は隣だ。」

 

「ういっす!あざぁぁす。」

 

アスタはそのまま掃除を続ける。

 

「...俺も部屋に行くか。」

 

アスタの部屋を出て隣の自室に入る。だが、中はアスタの部屋と同じようにボロボロの家具が置かれているだけの部屋だった。

 

「......掃除しよ。」

 

先ずは掃除道具を探そうとアジト内を探すのだった。

 

─────────

 

その夜。

 

「凄いな!"●●● "友人として鼻が高いよ!」

 

「いいや、"●●●●"それは私の方もだ。」

 

(何だ.......これ?)

 

ノアは夢を見ていた。それはまるで誰かの記憶を覗いているようなそんな夢だった。どうやら二人は友人関係にあるようだ。

 

だが、二人は互いの名前を呼びあっているようだがまるでそこだけ音が切り取られたようになっていて何を言っているのか全く聞こえない。

 

(誰だ?...この男。)

 

男は耳が長く、それは遥か昔に存在したとされる"エルフ"と呼ばれる種族だと思われる。対してもう一人の男は見るからに普通の人間の姿をしている。

 

(もしかしてこれ....昔の誰かの記憶。...なのか?)

 

ノアはそんな事を考え、暫く様子を見る事にした。

 

すると、場面が変わった。

 

 

「"●●●"結婚おめでとう!」

 

「"●●●●"結婚おめでとう!」

 

どうやら今度は結婚式の最中らしい。

 

(あの"エルフ"の()の結婚式か。相手は...人間の女性のようだな。)

 

ノアは結婚式の会場を見回す。

 

(二人を祝福してるのは二人の友人か?....種族の違う二人が結婚.....か。)

 

この映像が表すのは人間とエルフ(・・・)、2つの種族が手を取り合って助け合っていくという事を表しているようだ。...ノアはその事事態には気付いていないようだが、

 

そしてまた場面が変わった。

 

(な!?...何だ...これは!!!?)

 

ノアが見た光景。それは先程の結婚式のような幸せそうな雰囲気から一変し、そこには凄惨な光景が広がっていた。

 

(何でこうなってるんだ!....さっきまでの幸せそうな光景は何処へ行ったんだ!)

 

その光景では。空から光が降り注ぎ、その光が"エルフ"達を次々に殺害していく。

 

(誰か.....居ないのか!....生きている奴は!)

 

ノアは無意識のうちに誰か生きている人がいないか探す。だが、周りを探しても遠くを探しても其処に拡がっているのは死体の山が出来上がった光景だけだった。

 

(一体...........誰が?.......何でこんな事を。)

 

すると、向こう側から魔導書(グリモワール)を広げた誰かが近づいてくる。

 

(アレは、誰だ?)

 

見るからに魔法騎士のようだが、表情がどうなっているのか見えない。

 

(まさか、あいつ(・・・)が...殺ったのか!?)

 

魔法騎士はこちらを見ると、魔導書(グリモワール)を構えて魔法を撃ってくる。

 

(....!!)

 

──────────

 

 

「うわあああああああ!!!」

 

魔力弾があと少しの所で当たるかに思われたが、ノアはそこで目覚めた。

 

「アレ?」

 

周りを見回すと其処は自室だった。

 

「ああ、そうか俺...魔法騎士団に入団したんだったな。」

 

ベッドから起き上がり、窓から外を見ると、昨日アスタとマグナを馬鹿にしたノエルが魔法の練習をしていた。

 

「......」(やっぱり...昨日のアレは。)

 

何かに気付いたのか。ノアは部屋を飛び出し、急いでノエルの元に向かう。

 

─────────

 

アジトの外にて。其処ではノエルが魔法の練習をしており、幾つもの大きな穴が四方に出来ており。放たれた魔法の威力が凄まじい事を表していた。

 

「──......なんでよ...何で思った通りに....当たらないの..........!?」

 

実は彼女は魔力のコントロールが大の苦手で、何時もこうして皆が起きてくるまでの時間帯に練習しているのだ。

 

(お前のような出来損ないを生ませたつもりは無い。)

 

(魔力のコントロールも出来ないなんて...情けないわねー...)

 

(何だその薄っぺらい魔導書(グリモワール)は...本当に王族かお前)

 

(お前のような一族の恥晒しは『銀翼の大鷲』には必要ない)

 

(この出来損ないめ...)

 

今までノエルは兄弟達に魔力のコントロールが出来ないことで馬鹿にされ、認められなかった。だからこそ必ずコントロールが出来るようになるために今日も練習を重ねる。全ては自分を馬鹿にした兄達を見返す為に。

 

(絶対に認めさせてやるんだから───)

 

だが、どれだけ的を狙って撃っても当たる事なく。軌道が曲がってしまう。

 

「───......何でよ...何で...何で─────...!!」

 

すると魔力弾が急激に膨張し始め、ノエルを呑み込んでしまう。

 

──────────

 

「遅かったか....!」

 

ノアがアジトの外に飛び出した時には既にノエルは魔力弾に呑み込まれてしまっていた。

 

「あらあら~」

 

「なんつー魔力量だ...!アレほっといたらやべーぞ。」

 

「魔力が暴走しちまってやがるな。」

 

するとノエルの魔力を感知してか、ヤミ達がアジトから飛び出してきた。

 

「オイ、ノア。お前魔力を吸収出来ただろ。アレも出来るか?」

 

不意にヤミがノアに話しかけてきて、そんなことを言う。

 

「....無理ですね。半分はなんとか出来ますけど、全部吸収しようものなら俺がパンクします。」

 

「....そうか。...なんて言うと思ったか?今ここで限界を越えろ!....ほらやれったらやれ」ゴゴゴ

 

ヤミはノアが無理だと言ったにも関わらず、ただやれと言ってノアを威圧する。

 

「ハァ...分かりました。」

 

ノアは嫌々ながらも魔導書(グリモワール)を取り出し、魔法を発動する。

 

武器魔法 水神の剣

 

ノアの魔導書(グリモワール)から飛び出した剣。それは刺突することに特化したレイピアと呼ばれる形状をしていた。そしてやはり剣先は海のように蒼く煌めいていた。

 

「行くぞ!」

 

ノアが魔力球に剣先を向ける。すると、剣先に少しずつ魔力の球が小さくだが、出来始めている。

 

「ぐうおおおおおあお!!!」

 

ノアはレイピアを両手持ちに切り替え、そして集中して剣先に魔力弾から吸収した魔力を集めて自身に吸収している。次第に魔力球も小さくなっているように見える。

 

だが、

 

「.....駄目だ、これ....以上は.....!!」

 

どうやら先に、ノアの方に限界が来てしまったようだ。

 

「無理....か。...だが、魔法で攻撃しちまうと中のあいつがただじゃ済まんな...」(魔力を無効化出来るヤツとかいればな~)

 

ヤミがそんなことを考えているとアスタがこちらに吹っ飛んできた。

 

「ちょーどいいトコに飛んで来たなちょっとアレどーにかして来い。」

 

「いやいやいや、あんなんどーすりゃいいんスか!?あんなトコまで飛べないです───...し」

 

アスタはそう言うが、ヤミはアスタを掴んでいた腕に魔力を込め始める。

 

「今ここで限界を越えろ」

 

そして振りかぶってアスタを魔力球まで飛ばす。

 

「うおおおおおおおおおおお」

 

そして魔力球に近づいたところでアスタが魔導書(グリモワール)から大剣を取り出す。

 

「ふんがあああああ」

 

そして大剣を振りかぶって魔力球を斬りつけると、中からノエル落ちてくる。

 

そしてアスタも同じように自由落下する。

 

が、フィンラルが空間魔法を使ってアスタ達を地面に移動させる。

 

「生きてたァーーー!!空間あざああす!!!」

 

アスタはそう言ってフィンラルに感謝の言葉を言う。

 

「よくやった小僧共。」

 

ヤミもアスタとノアに称賛の言葉を贈る。

 

「あっ!おいお前!」

 

アスタは自分の後ろにノエルが居ることに気付くと彼女に声を掛けた。声を掛けられたノエルは兄達に言われた心無い一言を思い出す。

 

『この出来損ないめ...』

 

(また...馬鹿にされる....!!)

 

だが、アスタから返ってきた言葉はノエルの耳を疑う言葉だった。

 

「なんちゅー魔力持ってんだよ!!すっげぇーな!!」

 

「え...」

 

「俺、魔力無いから羨ましーぞチクショオオ!!」

 

アスタは更に続ける。

 

「特訓して自在に扱えるよーになればお前無敵だな!!」

 

其処にノアもやってくる。

 

「昨日の"アレ"....やっぱりわざとじゃなかったんだな。」

 

ノエルを見下ろしながらノアはそう言った。

 

(もしかして、怒ってるの?)

 

ノエルはノアの様子を伺う。するとノアの口が開く。

 

「...もしよかったら俺が教えようか?魔力のコントロールも得意だからさ、俺。」

 

ノアは優しく微笑みながらノエルにそう言った。

 

「何だ魔力がコントロール出来なかっただけかよ。早く言えよ出来損ない王族。」

 

するとマグナ達もこちらにやって来る。

 

「俺達は出来損ない集団『黒の暴牛』だぞ。テメーの欠点ごときどーってこたねぇんだよバカタレ。」

 

すると次々にノエルに話しかける団員達。

 

「とにかく無事でよかったねぇ~ところで美味しいパスタの店があるんだけど今度一緒にどう?」

 

「その前にとりあえずコレ食べてみ?な?」

 

「私も魔力のコントロールだけは超得意だから教えてあげるわよぉ~あと大人の女のテクニックとか❤️」

 

そんな光景を目の当たりにしながらも、自分の事を認めてくれた団員達に心から感謝するノエル。

 

「ほいよ!」

 

アスタがノエルに手を差し出す。

 

それに対してノエルは、

 

「...よろしくお願いします。」

 

アスタの手を取って起き上がる。

 

「....やれやれだな。┐(-。-;)┌」

 

ノアはそんなノエルを見てやっと素直になったのかとそう呟いた。

 

かくしてノエルはまた『黒の暴牛』の一員として活躍していくことだろう。

 

「....その日が楽しみだな。」ニヤッ

 

ノアはノエルがいつか、魔法騎士団の一員として活躍してくれる日を想像し、それまで彼女に魔力コントロールを指南することを心に誓うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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