幻想郷にある森、魔法の森。
険しい表情を浮かべたシンヤが、ある一軒家の前で止まる。
「霧雨魔法店」
とある知り合い魔法使いの弟子の自宅で、何度か訪れる機会があったので、弟子さんとの交流もある。
今回は、週の最後にある仕事を行う為に此処にやって来た。
シンヤは霧雨魔法店のドアをノックし、おーい。と声を掛けると、
(霧雨魔法店は昼時までお休みだぜ~)
ドア越しからの室内から聞こえた言葉に、シンヤの怒りがこみ上げて来た。
おい!起きろこら!と今度は大きな声を上げるが、ドア越しから聞こえるのは、
(うるさい・・・!もう少し眠らせてくれよじじい・・・!)
そんな暴言だった。
流石に頭にきたシンヤは、ドアを開けようと昔貰った合鍵を使って開けようとしたが、魔法で開けない様にしていたのがわかった。
更に頭にきたシンヤは魔法の枝で、ドアに付けられている魔法を無理矢理解除して、こじ開けて中に突入する。
ゴミ溜めの廊下を歩いて、この家の主の寝室の扉を蹴破って突入すると、
ゴミ溜めの寝室に、白い下着を着けて爆睡する金髪の少女、霧雨魔法店の主の「霧雨魔理沙」がそこにいた。
「起きやがれ魔理沙!!」
「うわぁ!?」
暴言を吐いてもなお爆睡する魔理沙の姿に、堪忍袋の緒が切れたシンヤは、眠る魔理沙をベッドのシーツごと、引きずり下ろす。
いきなり引きずり下ろされ、そのまま魔理沙は後頭部をゴミ溜めの床に打ち付ける。
魔理沙「いってー!何すんだぜおっさん!」
「うるせえ!週の最後は此処に来て、大掃除するから、家の鍵は開けとけと言っているのに、魔法まで掛けるとはな!」
魔理沙「だっておっさん、私の秘蔵コレクションや魔道書なんかを全て片付けたり捨てるじゃないか!」
「お前の言う秘蔵コレクションは、自分で使い道のわからないガラクタで、魔道書とかは盗んだ物だろうが」
魔理沙「なっ!?ガラクタとか言うなよ!それも魔道書は盗んだじゃない!借りただけだぜ!」
「はいはいわかったから、ささっと服着て、髪を整えて、外に出なさい」
魔理沙「外に出ろだと!此処は私の家だぜ!」
「いいから外に出て遊んで来なさい!」
魔理沙の反論も虚しく、シンヤから言われた通りに外へと出た。
中でシンヤが大暴れ(大掃除)を始めたのが、外でも分かる位、家の窓からホコリが煙の様に吹き出ていた。
「あら?おじ様が来ているのね」
家を掃除されるのを見て悔しがる魔理沙の所に、同じ魔法使いで、同じくこの魔法の森に住む、
「アリス・マーガトロイド」だ。
魔理沙「そうだぜ。あのじじい、いつか覚えていろよ」
アリス「毎度言うけどアンタが原因でしょ?、自分で掃除すれば良いのに」
魔理沙「だから私なりに掃除しているのに、このありさまだぜ?!」
ゴミ溜めなのに掃除したのか。とアリスは心情にて呆れを感じるしかなかった。
「うへぇ。ガラクタが多すぎるだろこの家」
魔法店の入り口から、大きなゴミ袋を抱えたシンヤが現れ、アリスがいるのを確認すると、ゴミ袋を近くに置いて、アリスの方に向かって来た。
「久しぶりだなアリス、お母さんは元気かい?」
アリス「ふふ、お母さんはいつも元気ですわ、おじ様」
「そうか、あいつに送る手紙を最近書いてないからなぁ、どうしてると思ったが、アリスが言うなら想像がつくな」
シンヤとアリス、二人で会話しては昔を懐かしんでいると、シンヤは何かを思い出したのか、アリスに待ってくれと告げて、魔法店に戻っていった。
魔理沙「そう言えばアリスは、いつおっさんと会ったんだぜ?」
アリス「私が幼い時に魔界で会ったわ」
魔理沙「魔界で?そうなると幻想郷に来る前か?」
アリス「そうなるわね」
魔理沙「幻想郷に来る前で、アリスがまだ幼い頃となると、おっさんいくつだ?」
アリス「それは分からないわ。だって、おじ様自体がもう何年生きているか分かってないのよ」
魔理沙「じゃあ、会った時から魔法が使えてたのか?おっさんは?」
アリス「えぇ、魔界に来る前に、元々から使えてたみたいで、お母さんまで驚いていたわ」
魔理沙「へぇ、アリスのお母さんが驚く魔道士なら、大魔法使いになってもおかしくないな、おっさんは」
アリス「・・・、もしそうだったら?」
魔理沙「大魔法使いだったら、おっさんの持つ魔法を全て教えて貰うぜ」
アリス「そう」
魔理沙「おい?何だよその反応は?・・・もしかしておっさんはh「おーいアリス」
アリスに問いただそうとした魔理沙だが、丁度シンヤが魔法店から出て来た。
「ホイこれ、魔理沙の寝室にあった魔道書、持ち主アリスだろ?」
シンヤが渡したのは、アリスの魔道書ばかりであり、それを見た魔理沙は渡すなと言う表情で訴えるが、無視される。
アリス「ありがとうね、おじ様」
「なぁに、今度はパチュリーの所に行って、魔道書を返すだけさ。魔理沙を連れてな」
魔理沙「はぁ?!聞いてないぜ?!」
その後、シンヤはアリスに別れを告げ、魔理沙と共にパチュリーの所に向かった。