FAIRY TAIL~妖精の錬金術士~   作:中野 真里茂

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アーランドDXとか他のゲームとかいろいろやってました。ごめんなさい。

アーランドの4作目が発表されましたね。主人公はロロナの娘だとか。

一番驚いたのはアーランドという名字の剣士さん。

いざとなったら無理やり後付けするしかないと思いました。


誰が為に

「どこまで登ればジェラールのところに着くんだ……」

 

 塔の螺旋階段を登り続けているが、未だ頂上が見える気配はない。日ごろの運動不足が祟ったのか既に足首が痛くなり始めている。

 エルザ、ナツやグレイたちもこの階段を登っているのだろうか、もしくは既にジェラールの元へ辿り着いたのだろうか。はたまた考えたくはないことだが、残る戦士たちに敗れてしまったのか。

 

「ん?」

 

 階段を駆け上っていると前に人影が見えた。シモンとシモンに背負われたナツだ。

 

「おい! シモン! ナツ!」

 

「ララバンティーノ! 無事だったか」

 

「何とかな。ナツは……寝てるのか」

 

「三羽烏のフクロウと戦ってダメージを受けすぎたんだ。フクロウはグレイとジュビアが倒したが、その二人は既にミリアーナ達と一緒に島外に避難させて、既に船の上だ。それからショウからの通信で三羽烏は全滅したことは聞いた。そっちでやったのか?」

 

「三羽烏のヴィダルダス、そしてロロナを倒した。ロロナには危害を加えていない。あいつも騙されているだけだった。ロロナにはヴィダルダス戦でダメージを受けたルーシィを連れて避難するように伝えている。つまりこの島に残っているのは俺達とエルザだけだな」

 

 エルザは一足先にジェラールの元へ到達しているだろう。二人の確執の間に割って入ることが許されるとは思っていない。出来る事ならばエルザが自らの手で決着を付けることが最善だ。だが、ジェラールに対してそこまで上手く事を運べるとは思っていない。

 

「ララバンティーノ。もうじきナツが目を覚ます。その前に言っておきたいことがある」

 

 シモンは立ち止まる。

 

「エルザを救ってやってくれ」

 

「エルザを救う? 彼女は強い。誰よりも。ジェラールにも負けやしない」

 

「力や魔力の話じゃねえんだよ! エルザは……エルザは今に至っても尚、ジェラールを救おうとしている!」

 

 大きな腕に胸倉を捕まれる。その腕は震えながらも強い意志を持っていた。

 

 ジェラールを救う。それは即ち、ゼレフに囚われたジェラールを闇から解放するということだろう。闇に染まり切ったジェラールを救うことはもはや誰の目からしても不可能だと見えるだろう。

 だがエルザだけはそれを諦めていない。自らの命と引き換えにでもジェラールを闇から引っ張り出そうとしている。

 

「俺にはわかる! あいつにジェラールを憎むことなど出来ないから! ジェラールは狡猾な男だ。そういった感情すらも利用してくる。状況は更に悪い。あと10分もすればここにエーテリオンが落ちる。塔の中にいれば死は免れないだろう」

 

「なるほどな。エルザはジェラールを道連れにしてでもって腹か」

 

「否定は出来ん」

 

「俺はここまでロロナを騙していたジェラールへの憎悪で駆け上がってきた。ただの私怨だ。だが、仲間の死となれば個人の問題ではない。ギルドの沽券に関わる。ジェラールを叩くしかない」

 

「頼むぞ。ナツとともにな……ぐっ……」

 

「ケガをしているのか。薬を渡す。船の上で塗ると良い」

 

「船? あいつらの船は既に島を出ているぞ」

 

「だからお前もナツも船まで飛ばしてやる。とっとと頭に船を思い浮かべろ。妖精の道標!」

 

「なっ……ララバっ」

 

 手に握った木製の矢印型をした小さな看板。それをシモンに突き刺した。するとシモンは瞬間移動のようにこの場から消えた。シモンに背負われていたナツも同様だ。実際に瞬間移動だから今頃船上は大慌てだろう。前々からナツに頼まれていた簡易型トラベルゲート。ギルドへの接続はまだだったのが救いだった。今なら頭に強く思い浮かべて場所へ飛ばせる。少しでも雑念が入ると全く違う所に飛ばされる危険性も秘めているが。これも試作品の域を出ていないので例え上手く船上をイメージ出来ていても少し座標がずれてシモン達は海に放り出されている可能性もある。

 

「全員逃がせ……か。後は俺とエルザだけだな。エーテリオンまではもう十分もない。頂上まで間に合うかどうか」

 

 拳を握りしめ、再びエルザとジェラールがいる最上階を目指す。そして塔のおよそ八合目まで来た頃だろうか、島全体が大きな揺れに襲われた。直後に目が眩むほどの光に包まれる。身体に痺れるほどに感じる大量のエーテルナノ。魔力が降り注ぐ感覚が伝わってきた。

 

「これがエーテリオンか……くそっ、ジェラールに負けるならまだしも会う事すら出来ないなんて……」

 

 命の終わりを感じ、走ることを止めた。ロロナを救うことが出来たのがせめてもの救いだ。まだ錬金術の系譜は途絶えない。それだけで十分だ。

 

「……ん?」

 

 いつまで経っても心臓の鼓動は鳴りやまない。死んでいない。確かにエーテリオンは落ち、楽園の塔を破壊したはずだ。だが、今も尚、塔の階段に立って、生きている。

 

「どういうことだ……これはラクリマ?」

 

 今まで石で覆われていた塔内は青白く光り輝いている。窓から顔を覗かせ、塔の様子を見れば、塔内同様に党全体がラクリマへと変化し、光り輝いていた。

 

「まさかエーテリオンすら計算の内というのか……塔全体が巨大なラクリマだとすればエーテリオンの魔力を吸収して、大量の魔力を保有している状態。あまりにも危険だ!」

 

 踵を返して、再び最上部を目指す。今にもこの塔が爆発四散してもおかしくない状況だ。ジェラールはエーテリオンを塔に落とすことでその魔力をラクリマに吸収させ、楽園の塔、Rシステムの完成を目論んだのだろうが、そもそもRシステムは机上の空論。人を生き返らせるなど不可逆的なことはどれだけ膨大な魔力をもってしても成しえない。Rシステムを発動させる前にこの塔そのものが持たずに崩壊するだろう。

 

 ようやく頂上への出口が見えた。そこから見えたのは高笑いするジェラールと生贄としてラクリマに取り込まれようとするエルザの紛れもなく勝者と敗者の構図だった。

 エルザを救うべく、すぐに見えないクロークを羽織る。これでジェラールからは姿を視認されない。出口から一気にエルザの元へ駆け寄り、下半身をラクリマに呑み込まれたエルザの脇の下に腕を入れて引っ張り出した。エルザに触れた瞬間に見えないクロークの効力は切れ、ジェラールが一瞬驚いた表情を見せた。

 

「こいつはもう妖精の尻尾の者だ。お前には渡さん」

 

「ララン……すまない。もう身体が動かん」

 

「いいんだ。もう休んでくれ。ここからは俺がやる」

 

「それはダメだ……今すぐここを離れるんだ」

 

「嫌だね。シモンとの約束だ。それにロロナをアーランドを利用してずっと騙してたのも許せん」

 

「相手が悪い……お前はジェラールを知らなすぎる」

 

「動けない者に言われる筋合いは無い」

 

「頼む……言うことを聞いてくれ」

 

「約束だ。皆を連れてこの島から出ろ。後は俺とエルザだけだ」

 

 地面に倒れるエルザに肩を貸して、無理やり立たせる。

 

「次に会うのは島の外だ」

 

「え?」

 

「魔女の秘薬」

 

 唖然として口を開けたエルザに薬を一粒飲ませる。途端にエルザは糸が切れた人形のように力が抜け、体を預けてきた。これが薬の作用だ。催眠薬にも毒薬にもなる魔薬。今回は一時的に睡眠状態にする程度の軽い物を使ったため、この勝負が決着し、島から脱出した頃には目を覚ますはずだ。

 

「身体の傷は治せる。だが心の傷は一生治らない。ジェラール、お前は多くの人間を傷つけすぎた。その報いを受ける時だ」

 

「エルザにも劣る戦闘力の貴様が俺に勝てるとでも?」

 

「妙薬ドラッヘン」

 

「ドーピングか。そうでもしないと力の差は歴然だからな」

 

「お前は全力で潰す」

 

 妙薬ドラッヘンの効果で体力の回復とともに攻撃力が増強。杖を構えてジェラールに一直線に向かっていく。確かにジェラールへの攻撃は通っている。杖から通じてくる拳の感覚も確かだった。だが、まるでダメージが通っている気がしない。

 

「うあああああああ!!!」

 

 手加減など勿論していない。本気でジェラールの腹部へ杖のスイングを叩き込むがジェラールの身体はびくともしていなかった。

 

「ドナーストーン!」

 

「ぐああああ!」

 

 急いで距離を取ろうと、苦し紛れにドナーストーンを投げてヒットさせる。痛がるような声を出してはいるが、それは演技にしか見えない。身体の表面にところどころ傷が見えるが、全く意に介していない様子だ。

 

「それが本気か? やはり錬金術など大したことはない。小国で少し栄えただけの零細技術だ」

 

「てめえ……」

 

「よくも儀式の邪魔をしてくれたな。俺の天体魔法で塵にしてやるぞ。“流星“!」

 

 身体に光を纏ったジェラールは宙へ浮き上がりスピードを格段に上げて、襲い掛かって来た。というか速いどころの話ではない。目で追えない、もはや人間のスピードを超えている。ジェラールの攻撃は確実に痛みを加えてくる。姿は見えなくとも、攻撃される感覚と痛みだけが奴の行動の証だ。

 

「神秘のアンク!」

 

 奴の流星に対抗するには自らのスピードを上げて追いつくしかない。神秘のアンクによるドーピングでスピードを上げてジェラールの攻撃の波から抜け出す。だが、奴は想像以上に速かった。

 

「まだ同速か……ここだ!」

 

 同じ土俵に立ったことで、ジェラールの動きを目で追えるようになった。次に攻撃を仕掛けてくるタイミングで、動きを予測し、その地点に向かって杖をスイングした。

 

「ふんっ……」

 

「なっ!? まだ速くなるのか!」

 

 完璧に捉えたと思ったが、虚しくもジェラールは簡単に避けて行った。あのスピードが最大では無かったということだ。ドーピングを施している速さでも目で追えないほどのスピードに翻弄されてしまっている。

 

「少しスピードが上がったから俺に触れられるとでも? スピードに合わせてやっていただけだ。お前の攻撃など二度と当たらんよ」

 

「ぐっ!?」

 

 速さが増したことで攻撃の威力も上昇。さらに一方的に攻撃を受け続ける。執拗なボディや足狙い。既に吐血しているし、足首も限界が近い。避けるという選択肢が無くなって来て、いかにダメージを少なくするかという考えが強くなってきている。

 

「止めだ。お前に本当の破壊魔法を見せてやろう」

 

 ジェラールは空へ舞い上がると両手を構えた。

 

「七つの星に裁かれよ“七聖剣”!!!」

 

 星々の輝きが光線となって身体を貫いていく。これまで受けてきたダメージで最も大きいものだということは考えなくても分かった。痛みを通り越した何か、まるで隕石にぶつかったような衝撃だった。塔の崩壊する音が聞こえる。結晶化した分厚いラクリマを打ち抜くほどの威力の攻撃を人間に耐えろというのは非常に酷な物だ。

 

「隕石にも匹敵する破壊力を持った魔法なんだがな。良く身体が残ったものだ。それにしても派手にやりすぎたな。これ以上Rシステムにダメージを与えるのは不味い。魔力が漏洩し始めている」

 

 薄れゆく意識の中でジェラールの声だけが聞こえた。ジェラールがゼレフを蘇らせようとしている? 確かに魔法界としては許されざる大逆罪なのだろう。だが、今この瞬間にそんなことはどうでもよい。エルザの為に、ロロナやシモン、8年間もジェラールに騙され続けた皆の為に、ジェラールを討たねばならない。どんな手段を使おうとも。

 

「む? まだ立ちあがるのか。見上げた根性だな」

 

「妖精の道標……」

 

「何?」

 

 ボロボロの身体を引きずって、エルザの元へシモンにも使用した妖精の道標を投げる。エルザが動かない分、目標に当てるのはいくらダメージを負っていても容易い。エルザが光に包まれ、姿が消えると流石のジェラールも驚きを顔に示した。

 

「……何をした!」

 

「エルザはどこかに行ってしまった。これでもうRシステムは発動できない。興味の無いことだが、魔法界にも少し貢献してやる……この塔を破壊してな。運が悪かったな。妖精の尻尾の魔導士の共通点は壊すのが得意なとこなんだよ!!!」

 

 地面に叩きつけた拳がラクリマの塔にヒビを入れる。それにジェラールは猛るように怒声を上げた。やはり嫌なのだろう。だが、続ける。

 

「死に損ないが余計なマネを……一瞬で終わらせてやる。立ち上がったことを後悔しながらあの世へ逝け」

 

「止めれるもんなら止めて見ろよ」

 

 最終決戦に相応しい激しいぶつかり合いが始まる。拳と拳、腕と腕、脚と脚が目にも止まらぬスピードで火花を散らす。だがジェラールにはどこか遠慮があるように感じた。心のどこかに塔を破壊してしまう恐怖を覚えている。強力な攻撃も先ほどのまでの容赦無い攻撃に比べれば優しくなったようだ。

 

「ドナークリスタル!」

 

 ドナークリスタルをラクリマの地面に叩きつける。すると塔中に雷が駆け巡り、塔のあちこちを破壊する。それは下からの塔が崩れ、海へ崩落する音で分かった。

 

「貴様……俺が8年もかけて築き上げてきたものを……許さんぞ!」

 

「なんだこの邪悪な魔力……」

 

 両腕を交差させ、天高く掲げたジェラールから禍々しい魔力が発せられる。魔力はジェラールの頭上に集中していき宇宙のような光玉が周囲の空気を吸い込みながらどんどんと大きくなっていく。吹き飛ばされそうになりながらも踏ん張っていると、ふと自分の影が目に入った。

 

「影が光源の方へ逆に伸びている!? 何だこの魔法は!」

 

「無限の闇に落ちろおおおお! 錬金術士ィィ!!」

 

「誰もいない今なら……精霊……がはっ!」

 

 ポーチから取り出した精霊石を不意の吐血から零してしまった。先ほどの一方的にやられている間のボディと脚へのダメージが溜まりすぎている。こんな時に限界が来るとは何とも間が悪い。精霊石は風にも煽られ、すぐには取りに行けない位置まで流されてしまった。

 

「ララ君!!」

 

「ロロナ!? どうして戻ってきた!」

 

「運が悪いのは貴様の方だったな錬金術士。生贄が自分からやってきた。この攻撃で仕留めた後にゆっくりとRシステムを発動させてやる!」

 

「ララ君。ルーシィちゃんとホム君ホムちゃんはウォーリーとミリアーナ達と一緒に脱出させたよ」

 

「今はそれじゃない! 何で戻ってきたかって言ってんだ!」

 

「ごめんね。でもこれが私の気持ち。ララ君だけに任せる何て出来ないよ」

 

「二人纏めて砕け散れ! 天体魔法 ”暗黒の楽園”!」

 

 宇宙が迫り来る。もう足は動かない。ロロナは依然として目の前に立っている。このままではロロナが死……ダメだ。またしても目の前で人を見殺しにするなんて出来ない。動かない足を叩いて無理やり動かそうとする。立っているのもやっとだということは自分が一番分かっている。それでもやらねばいけない時がある。

 

「私だってもう守られてるだけの私じゃない。いなくなった皆の分まで私が生きるんだ!」

 

「ロロナーーー!!!」

 

「ヒンメルシュテルン!」

 

 巨大な光玉に対してロロナはヒンメルシュテルン、隕石を召喚した。ヒンメルシュテルン。俺もまだ作れたことのない最上級アイテムの一つ。弱い弱いと思っていたロロナがこのような力をつけていたとは見くびっていた。そしていつまでも自分の力が上であると過信していた。

 暗黒の楽園とヒンメルシュテルンはぶつかり合いの末に両者共に消滅。その隙に最後の力を振り絞って、ジェラールとの距離を詰める。

 

「エンゼルシュート!」

 

 杖による攻撃でジェラールを吹き飛ばす。今度は確実なダメージが入っているはずだ。だが、まだジェラールは立ち上がる。流星によって空へ舞い上がり、見覚えのある魔法陣を描いていく。

 

「俺は選ばれし者だ! 俺がゼレフと共に真の自由国家を作るのだ! 世界を変えようとする意志が歴史を動かす。何故それが理解できないのだ!」

 

「その魔法陣、煉獄破砕!? 自らの手で塔を破壊するつもりか!?」

 

「また8年、いや次は5年で完成させるさ。ゼレフ待っていろ……ぐっ……」

 

 煉獄破砕の魔法陣が完成まであと一歩のところでジェラールの身体が揺らいだ。今までのダメージの蓄積はジェラールにもあったのだ。この隙を見逃さなかったのはロロナだった。唖然とする俺の横ですぐさまアイテムを取り出してこちらに呼びかけた。

 

「ララ君!」

 

「……あぁ!」

 

「ジェラールを解放してあげて」

 

 ロロナの目には薄っすらと涙が見えた。ロロナからアイテムを預かり、宙のジェラールに向かって一直線に飛ぶ。

 

「お前はゼレフに囚われた愚か者だよ。でもな、生まれ変わったら自由になれる! 自分を解放しろ! ジェラール!!」

 

 ジェラールに向けて最後の一撃を放つ。ロロナから受け取った浄化の炉からの光線がジェラールを包んだ。宇宙まで届きそうな光線もやがて消え、ジェラールは塔へ落下した。既に意識は無く、これで完全に勝負は決したのだ。

 

「ララ君! ちょっと不味いかも……」

 

 そう言うロロナの言葉の意味はすぐに分かった。塔が崩壊を始めているのだ。地震のような揺れと共に大量の魔力が溢れ出している。27億イデアもの大量の魔力をラクリマにギリギリまで詰め込むことで成立していたこの塔が少しでも壊れた時点でこうなることは免れない運命であった。

 

「ちょっと待て。もう身体が……」

 

「ララ君! 早く逃げなきゃ……」

 

「それは無理だ。逃げて皆のいる船までたどり着けたところで、このままじゃエーテリオンの爆発に巻き込まれて……死ぬ」

 

「そ、そんな……」

 

 既に手の施しようがない状況にある。こんな大量の魔力の塊を処理するなんてことは不可能だ。ジェラールを今から叩き起こして頼む? 無理だ。恐らくジェラールにも処理は出来ない。空飛ぶじゅうたんで船まで飛んでトラベルゲートでギルドへワープする? これも無理だ。速度が魔力依存の空飛ぶじゅうたんでは既に空っぽの俺の魔力では爆発までに船に辿り着けもしない。

 

「どうする……」

 

「ララ君。私に考えがあるの。でも言ったらきっと、ううん、絶対反対されちゃうから。勝手にやるね」

 

 何をやるのかと思えば、ロロナは魔力で膨れ上がり、変形したラクリマに片腕を突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




登場した錬金アイテム

魔女の秘薬

錬金の際に使うアイテムによって毒薬や睡眠薬など効能が変化する薬。ただ共通点として病を治す類の効能にはならない。

妙薬ドラッヘン

竜の頭を模した瓶が特徴。飲むと体力回復と共に攻撃力を増強させる効果がある。

妖精の道標

二門一対のトラベルゲートとは違い、一つで完結している小型ワープアイテム。簡易型であることもあり、使えば無くなる。頭に強く思い浮かべた場所へワープできるのはワープ位置を定めていない今回限定。しっかりとワープ座標を定めれば、その位置への帰還になる。

ヒンメルシュテルン

最上級攻撃アイテム。隕石を呼び寄せる。単純な破壊力はN/Aと同等かそれ以上。

浄化の炉
最上級攻撃アイテム。聖属性の光線攻撃を放つ。敵を一撃で仕留めることもある。悪魔など悪属性の敵に有効。



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