白銀の刀剣   作:雪宮春夏

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 日を置かずにして投稿です。雪宮春夏です。

 しかし、継続できるかどうかはあまり期待しないで下さい。

 かなりその場その場でやっています。


それでも良いよと言うお心の広い方のみ、どうぞご覧下さい。




♯2  安室透

「親戚の特徴か? ……その「ポアロ」って、喫茶店で働いている、俺とは正反対の色黒の男さ」

 軽い調子で続けられた言葉に、コナンと灰原は息を吞んでいた。

 一方、事情を知らない子供達は、わっと、はしゃぎ始める。

「それって安室さん!?」

「え? ……でもよ、安室の兄ちゃんと鶴丸じゃあ、肌の色違ぇぞ?」

「それはついさっき鶴さん本人が言ってましたよ? 元太君。後目の色も違いますよね?」

 遠慮無く、友達となった子供とその親戚だという男との間にある差違を三人が交互にあげていくも、鶴丸は全く気にしていない様子で、だよなぁと笑った。

「基本的に俺は父親似なのさ。「安室さん」は母の弟さんでな? だから父方の姓である俺とは姓……名字が異なるんだ。生後間もない頃はあの人よりも更に薄い金の髪だったらしいが、何がどうなったのかこんな形になっているな」

 つらつらと並べられる言葉に三人は納得しているようだったが、コナンにはその真偽は分からない。

 なぜなら、コナンは知っているからだ。

 喫茶「ポアロ」の店員……「安室透」。

 私立探偵で、毛利探偵事務所所長、毛利小五郎の弟子となった彼は、コナンと灰原の体を小さくした毒薬、アポトキシン4869を灰原となった少女、「宮野志保」に作らせた、通称「黒の組織」……若しくは「黒尽くめ」と称される、正体不明の犯罪組織の一員なのだ。

 組織の中では、「探り屋」と言われるほど情報収集に特化した実力を持つ彼に与えられたコードネームは「バーボン」。

 少し前はコナンの立案した作戦によって、身内にさえ死を偽装しているFBI捜査官……組織からは、「銀の銃弾(シルバー・ブレッド)」と呼ばれ恐れられる男、赤井秀一の死の確認をしているような行動をとっていた様だが、つい数日前のミステリー・トレインでは、一時的に怪盗キッドが変装していた姿とはいえ、灰原……大人の姿であったので、宮野志保と言うべきであろう彼女を殺すために、拳銃を向けた過去がある。

 結果としては前述の通り、そこに仕事の下見として訪れていた怪盗キッドを始め、コナンの元の姿である高校生探偵、工藤新一の実母、工藤有希子他、協力者達の活躍により、灰原自身に危害を加えられることも無く、「バーボン」の正体を掴むことも出来たのだが。

(おっちゃん達にはバレていないとは言え、堂々と関係を持ち続ける事は俺にとっても予想外だったな……)

 ミステリートレインにおいても、作戦の主軸を担っていたコナンも、その協力者にして、灰原哀の現在の保護者となっている阿笠博士も、組織の人間であると露見した以上、安室透は、この町から姿を消すと思っていたのだ。

 しかし現実として、数日ポアロを休みはしたものの、それ以降は以前と変わらぬ形でポアロにシフトを入れ、その上層階にある毛利探偵事務所にも顔を出している。

 その堂々とした様子はこちらが気づいていると言う事を知っているかどうかという判断までも惑わせている。

 そんな中に現れた転校生……彼の親戚を名乗る鶴丸に、余計に勘ぐるなと言われる方が難しかった。

(組織の構成員にしちゃあ、若過ぎるが、まさか、本当に親戚を預かっているとは考えにくい……絶対なんかある筈だ……)

 知らず知らずのうちにじっと鶴丸に、視線を向けているが、鶴丸が気にする様子は無い。

 気にしていないのか、気が付かないのか。

「えぇっ!? 哀ちゃん、ポアロに行かないの?」

 どうやらコナンが思考に沈んでいる間に、鶴丸と共にポアロへ行くことが三人の子供達の間では本格的に決まってしまったらしい。

 それを一人、灰原は断っていた。

「えぇ。ごめんなさい。博士に呼ばれていたこと、すっかり忘れていたの」

 眉根を下げながら謝る灰原に、歩美もしかたないと意気消沈した様子で呟く。

 しかし直ぐさま、気を取り直すように、また明日と言えるのは子どもの特権だろうか。

「ではまたな。……あい、ちゃん?」

「灰原よ」

 下の名前で呼び、首を傾げた鶴丸は、おそらく呼び方に迷ったのだろう。

 それにツンケンドンと言い放つ灰原は、組織の一員と何らかの関係があるかもしれないと言う疑惑も相成って、素っ気なさに磨きがかかっていた。

 最後にチラリとこちらを見つめる灰原を、安心させるようにコナンは頷いてやる。

 具体的な策は何もないが、何らかの手を打たなければならないだろう。

 仮に鶴丸が探偵団の一員になれば、博士の家同様、子供達がポアロをたまり場にしてしまう可能性がある。

 ミステリートレイン以前から、バーボンである安室は、宮野志保……コードネーム「シェリー」の顔を知っているのだ。

 彼女の顔は、大人になっても殆ど変わっていない。

 幼少期から組織にいたこともあり、調べようと思えば直ぐさま気付かれてしまうだろう。

(……いや、まさか、もうきづかれてんのか?)

 ふと、コナンの中に強い危機感が芽生えた。

 鶴丸が最後の大詰め……証拠を集めるために距離を縮める為の策だと考えれば、いきなりの転校生は、納得がいくのかもしれないのだ。

(……いや、決めつけるのは早計だ……俺がバレるわけにも行かねぇ……取りあえず、今は様子を見るっきゃねぇ……)

 ひとまずは、バーボン……安室さんと対峙する必要もあるだろう。

 後は……。

(「赤井さん」にも……一言、伝えねぇとな)

 やることは多かった。

 

 

 




 しばらくは、刀剣乱舞の人物は、鶴丸オンリーの予定です。

 イメージとしては「活劇」の彼に近いと思います。

 まぁ、子供とわちゃわちゃやっているのは、「花丸」に近いですけど。

 文中から、コナンの原作が何処ら辺かは分かると思います。
 春夏は該当する単行本は所持していませんので、事件等々、原作は当てにしていません。
 ……と言うか、()()の事件が起きるかは未定です。
 その理由はまぁ……クロスオーバー先がこれですから。(苦笑)

 それではここまでありがとうございました。

 ではまた、機会があれば。
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