夢のチカラ Episode origin~Before the Animarle   作:みーぷ

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第2章が長すぎたかなーと思いがち。



第2章 手掛かりを探って 3

ユヅカの怒声にもあまり深く反応せず、笑っていた。

「ネネさん…この人は…?」

明らかに同年代なのにねねと同じく重要文書を片付けていく目の前の眼鏡の子。美来が不思議そうに聞くと、ひらひらと手を振って、おどけるように応答する。

「ユヅカだよ。ネネと同い年。元々は違う所から来たんだけど諸事情でここでネネのお手伝い?的なのやってる」

「ふーん?」

訝しげにユヅカを見つめる玲音の視線に気づいたのか、ケラケラと笑いながら、

「や、他国の間者ってことはないよ。来た時の状況的にね。というか出会ってからもう4年くらいになるから大丈夫大丈夫!」

「そ、そうか。ならいいけど」

半ば呆れた様子で笑い返す。

「とりあえず美来さん達はどうしたんですか?仕事整理しながら教えてください」

「ちゃっかりしてるな〜」

ぽんぽんとリズムよくプリントを処理していく。その動きにぶれはない。

「OLっぽい…」

思わず美来が呟くと、チラリとそっちを見てから

「OLって…私まだ16ですよ…?すごい複雑な気持ちになるんですけど」

僅かばかり反論するユヅカ。

「OLしってるの?日本くらいじゃない、そんな言葉?」

「いえ、ただ単に自分が日本出身なだけなので」

「えっ?ええっ?あーゆーじゃぱにーず!?」

「いえすあいあむ、です」

「おぅ…ゆーあーきでぃんぐ…」

「いえ、まじです」

まさかの事実に驚きを隠せない美来。

「あ、自己紹介まだだったね、夢沢美来です。で、こっちが玲音。一応向こうじゃいろいろあるけど。ね?」

「うるせー」

「存じあげています。玲音さんはこっちの世界の人なんですか、それとも普通に日本人?」

問われた本人は困ったように唸るとどっちつかずに首を傾けた。

「イエスともいえるしノーとも言えるんだよなぁ…ノーコメントでお願いします」

「了解しました」

ぺこりと軽く頭を下げると、ネネに向き直って、

「それで閲覧許可証…というか例のものを見たいというのはほんとなんですか?失礼ですが美来さん達は高校生ですよね?」

「おお…自分のこと高校生って認識してくれた人初めて…」

見当違いなことに感動している人が若干1名…。

「まぁ一応な。僕ら二人とも16だよ」

「なのにここまで踏み込むなんて勇気ありますねー…。というかよく来ましたね」

「半分以上こいつが、だけどな」

「こいつとは失礼な」

面白がって肩をすくめる玲音とむくれながら言い返す美来を傍目に、ユヅカは手を止めずに話し出す。

「本来許可証の発行には王族直々の印が必要なんですけど…まぁご覧の通り姫様がいるんでそれは省かれるとして。問題は怪しまれないか、なんですよね」

「そこは考えてなかった…」

いきなり来たまだ子供ともいえる2人に病院側が怪しまないわけがないだろう。いくら許可証があるとしても何かしら理由が欲しいところだった。

「…姫様の親戚…は難しいですかね…」

「いや、いけるよ。ネネのママは人間だし、玲音はネネと同じ瞬間移動できる。美来も異能持ってるんでしょ?それなら何とかなりそう」

解決策が見つかって、うんうんと頷くネネだったが、ユヅカは今ひとつピンと来ないしない表情で考え込んでいた。

「でもそれだと年齢差…もしくは見かけが引っかかられる可能性ありますね。

美来さんを小さくして、玲音さんを何か別の姿に出来ればあるいは」

小さくする、という言葉に僅かばかりピクリとする美来と、別の姿に、のフレーズにギクリと体を震わす玲音。

「あのー…すみません。心当たりあるんですか?」

申しわけなさそうに尋ねる声に二人は無言で首を縦に振るしかなかった。

「玲音は何かになれるとして美来は…どうするの?」

「うぅ…慧、言書のコピーある…?」

仕方なさげに手を伸ばす美来にほい、と今はあまり使い道のない言書をのせる玲音――改め慧。

「慧…?あぁ…もしかして春岡さんでしたか…」

ユヅカのごくわずかな声量では、その言葉を聞き取れたのはネネくらいだった。

「ユヅカ…?」

「気にしないで下さい。ただの独り言です」

どことなく腑に落ちない感じだったが、ネネは考えるのを放棄する。二人のやりとりに首をかしげた美来が一応話を元に戻す。

「何歳くらいがいい?」

「じゃあ10とか?」

「はいはい了解しましたっと。

…これで文句言わないでね」

一瞬後には130センチくらいの身長になった美来。やはり小さい。なんとなくへこんでいるようにも見えるが。

「これでひとまず大丈夫かな?二人は…うん、ネネのとこに遊びに来て、読書が好きな美来にたくさん本がある王立病院の書簡庫を見せて上げたいお兄ちゃんが頼み込んだ…ってことにしておこう」

「了解」

「美来はちゃんと10歳っぽく振舞ってね」

からかってるようにも見えるネネの表情に、美来は敬礼っぽいポーズをしながら、

「りょーかい、おねえちゃん!」

と答えてみせた。

 

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