shall we duel? 〜ヨモコウ決闘部〜   作:練武

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プロローグ
第1話 ヨモコウ決闘部


蓬高校、通称「ヨモコウ」。普通科のみのどこにでもある公立高校。

特色がないのが特色と言わんばかりの見栄えしない部活の成績や滑り止めに最適な平均的偏差値がもうこの高校の特色であると思う。

そんな普通の高校に普通の人間が集まるのは当然の結果、なんとまぁ「一般人」がよくよく集まることやら。

しかしどうも去年輝かしい成績を上げた部活がある、それが決闘部。近年爆発的に拡大した遊戯王を活動の内容としている部活だが規模が小さかったヨモコウではその活躍によりやっと認知された。

全員が1年生にも関わらず県大会ベスト4に入るダークホースっぷりを見せつけヨモコウ決闘部は注目の的になり、そもそもヨモコウとは何処かという場所から話は持ち上がった。

ヨモコウ決闘部の1年トリオ、一体どんな人物達なのか。

 

 

 

 

 

「はーい、僕は幽鬼うさぎちゃんが1番だと思います。理由は可愛いからに決まってるだろ」

 

「あのな?うららだな。あのおでこ最高。この可愛さがわからないなんてかわいそうだな」

 

「うららは俺のサーチ潰すから嫌い」

 

「最初に言ったぞ。効果は除外してイラストで1番決めようって」

 

「それでも幽鬼うさぎ」

 

「バカ言え灰流うらら」

 

「...浮幽さくらだな」

 

「急に入ってくるな!!」「せめて一声かけてから部室入ってこい!」

 

パイプ椅子に腰掛け向かい合う2人の青年は互いにカードを持ちながら相手に見せつけ合う。イラストを指差しここがいいここが最高などと言い合って譲る気配はない。そこに現れたのが僕、2人の会話に飛び入り参戦。

 

「あー、待て。屋敷わらしもいいと思う」

 

「だから、聞いてるか?」

 

「聞いてるよ。手札誘発組No.1を決めようってことでしょ?どうせ」

 

「どうせって」

 

お前ら2人の単純脳みそから出た話題なんてなんて頭ひねって考えるまでもなく答えにたどり着ける。鞄を下ろして誕生日席に遠慮なく腰掛けると肘をついて2人を見た。

 

「ほい、話って何?部長」

 

「えっとだな。交流大会が近づいているってだけ。」

 

脇に置いた鞄に手を入れゴソゴソとかき回すと一枚の紙を取り出し机の上に置いた。腰を浮かせて覗き込むと「北地区交流大会」とゴシック体で横に大きく打たれ、下には細かなルール説明が印刷されていた。

 

「出る?出ない?」

 

「ユージはどうなの?出る?」

 

幽鬼うさぎを見つめてニヤニヤしている茶髪ロングに声をかけると頷いてから

 

「部長が出たいって言うから、俺は暇だしいいよ」

 

「ふーん。じゃあ出るかな。いつものチーム戦?」

 

「そうなるな。じゃあエントリー出しとく」

 

北地区交流大会がもう2週間先か、1年経つのが早いったらなんの。光陰矢の如し、銃の如し...。しみじみ時の流れを感じている傍ら、2人の了承を得た部長は制服のポケットからメガネを取り出すとかけ、紙の上にペンを走らせる。

 

1年前、北地区交流大会でボロ負けしたあの日を忘れない。これが高校生のプレイングかと思い知らされた。だからその悔しさをバネにして、見事大会ではベスト4になった...こう話すと美談になるな。

正直悔しいなんて微塵も考えてなかったしすげーとしかプレイ中思ってなかった。気持ちよく負けたし、楽しかったなーで終わり、交流大会だし気分はそんなもの。

大会に関して言えば僕たちは記念程度にしか捉えてなかった。勝てたらラッキー、で初戦当たって砕けろ精神でデュエル、すると3タテで見事完勝、続いて二回戦、三回戦、四回戦と連続3タテ勝利。

幸運の女神のいたずらである、ここまでくると変な高揚感が生まれてしまった。もしかしたら、もしかすると、ソワソワしながら挑んだ準決勝、相手は一昨年全国で暴れた強豪校。

結果は3タテを食らってボロ負け、しかし1年生だけでベスト4と結果を残してしまった。

それ以来地元のカードショップに行くと時々耳にするヨモコウの1年トリオの噂。嬉しいような、照れくさいような、ちょっと顔を知られる存在にってしまった。

 

 

 

「今年、勝てると思う?」

 

「どうかな」

 

髪を耳にかけて腕を組みながら空を仰ぐユージがポツリと呟いた。

その長髪女子から不評だぞと言ったにも関わらず相変わらずである。

 

「部長はどうなの?」

 

「え?あぁ、まぁ神のみぞ知るだな」

 

誰も勝てる!とか優勝だ!とか口にしない。一応ベスト4の成績なのにな。ま、でもこの空気が好きなんだ、のんびりと、時にがっつりとデュエルを楽しむ。どちらにも偏らない、どちらも大切にする。

部長、竜見真矢。副部長、外丸悠二。そして僕、光屋涼。

ヨモコウ決闘部、今日も平常運転

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