転生してアイドルになった件(徐行更新中)   作:amedama

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美城賢介(みしろ けんすけ)
株式会社346プロダクション会長兼CEO、株式会社美城芸能会長。40歳の若さで会長に就任した。メディアなどへの接待や売り込み、お願いが無ければスターになれないとも言われるメディア、クライアント優位な今の芸能界に疑問を感じており、打破したいと考えている。
美城喜兵衛(みしろ きへい)
美城芸能のルーツである美城屋(歌舞伎の屋号)を旗揚げした、江戸末期から明治後期まで活躍した歌舞伎役者。「将来の芸能の世界は梨園の直系優遇のような家柄社会ではなく実力で評価されるものであるべきであり、売り込みなく、興行主や座長から仕事を依頼されるのが理想」という信念を持ち続け、トップクラスまで成り上がった。彼の考えは美城代々の信念として受け継がれるとともに、そこにタレント優位な欧米の芸能界に近付けたいという考えが混ざり、今の「美城イズム」が形成されている。


第15話 美城イズムとRIZIN

2ndシングル発売から3日が経った。

今日この日、私は事務所の大会議室に呼ばれた。

どうやら、次のライブについてだという。

大会議室ということは、取締役の人とかが来るかもしれないということ。断られたり・・・するのかな?

「ふぅ」

呼吸を整えて、ノックする。

「どうぞ」

「失礼します」

「お待ちしていました、桜木さん」

「はじめまして、桜木さん。私がこの346プロダクションの会長兼CEOの美城賢介です」

会長はかなり若い人だった。60代くらいの人を想像していたが、取締役の人たちも、だいたいが40、50代の人のようだ。

「今日は、『RIZIN』について話をしたくて呼ばせていただきました。」

「はい・・・」

「単刀直入に言わせていただくと、『RIZIN』のコンセプトを変えていただきたいと考えています。つまり、桜木さんのライブとは別に、独立したライブイベントにしたいというものです。」

「どういう事ですか?」

「実は、現在美城グループでは、他の芸能事務所などに声をかけて、若手や新人を中心としたライブイベントの開催を考えています。一日に、一つのステージで、様々なバンドがパフォーマンスをする、ワンデーフェスの様なものです。そして、その日の公演の中で最も会場を盛り上げたパフォーマーには賞を与えて、今後の活動を応援していく、といった形のものを予定しています。」

「現在の芸能界は、テレビや雑誌など、メディア側の立場、権力が強い状態です。我々事務所は、自前のプロモーションツールを持つなどして、タレントの知名度を自前の力で上げていくなどの工夫はしていますが、依然としてメディアが強い。その中では、コネを持ったり、過剰ともいえる接待や賄賂を出さないとやっていけない事務所も存在しているほどです。しかし、それは日本における話で、欧米では、どちらかというとタレントの方に発言力があり、タレント優位な状況になっている。我々は、ダーティーな営業手法を駆逐して、実力で評価される世界にしていきたいのです。美城グループは、もともとは歌舞伎の家がルーツです。創業者の美城喜兵衛は梨園の外の出身でありながら、実力でトップへ駆けあがった人間。実力で評価され、将来的には、仕事を探すのではなく、依頼が舞い込んでくる状態になるべきという考えを持っていました。今の芸能界を、喜兵衛が思い描いたような世界にしていくのが、今の美城グループに課せられた使命であると考えています」

会長は熱が入ったのか、強く思いを語ってきた。

「それはわかったんですが、今回の話とその使命にどんな関係があるんですか?」

「タレント優位にしていくには、そのタレントが自身の実力を披露できる場が必要と考えています。そうしたことから、先ほどのワンデーフェスを企画しているんですが、タレントたちが芸能界を駆け上がっていく、芸能界の頂に『昇っていく』ということをコンセプトとした場合、『RIZIN』のタイトルとものすごくマッチするのではないか、と考えたのです」

「わかりました。では、仮にそうしたとして、運営はどうするんですか?」

「そうですね・・・。そうしたとして、運営は美城グループとは別の会社で行っていきたいと考えています。美城以外の事務所のタレントを取り込むとなると、美城以外の事務所などとの合弁にしたり、それ以外の会社で行うことも考えたいです。場合によっては、桜木グループ傘下での運営も良いかと考えています」

「そうですか・・・」

「これからの芸能界のために、是非とも了承いただけないでしょうか」

・・・確かに、芸能界に入って、実力があってもなかなか活躍できず、コネや権力のある人たちが勝っていることはある。

東豪寺財閥系のプロダクションに所属する「魔王エンジェル」がその例だ。以前は「幸運エンジェル」として、実家の権力に頼らず活動していたが、「雪月花」に仕事を妨害され、それ以降は実家の権力をフルで使い、あらゆる手段を用いて対立するアイドルをねじ伏せている。「魔王エンジェル」は実家が財閥だから何とか出来た。しかし、財力もコネもなかったら、夢破れて消え去るしか道はない。

・・・これだけで芸能界を変えられるなら、喜んで差し出そう。

「・・・わかりました。では、その方向で行きましょう」




課題地獄の中、センター試験に伴う休講を活用してなんとかアップできました。
・・・話が重くなってきたのは気のせいです、はい。
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