転生してアイドルになった件(徐行更新中)   作:amedama

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いま・・・スタートしましたぁ!
けどそれははやすぎるぅぅエリカさぁぁん!!!!
現在スタート審議中!スタート審議中!
お手元の投票券、大切にお持ちくださいませぇぇ!!



、というわけで。まず、半年近くまた地域での団体活動や学業との関係から長らく更新を見合わせておりました。申し訳ございません。

他作品も遅くとも来月には更新を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


第21話 スタート審議中(いくら何でも早すぎん?)

「ねぇ、それ・・・本気で言ってる?」

 

本当にRIZIN.1でデビューする気なの?

そうするとしたら、それまでの期間は練習の時間と密度をかなり濃くしないといけない。

ユニットのデビューはそんなに簡単にはできない。Lyrical Lilyがデビューするまでの練習生(エチュード)であった期間は9か月あった。それでもまだ早いほうで、普通なら1年くらいは要するのが実情なのだ。

 

「あの、エリカさん。正直それは難しいと思いますわ。私たちでも9か月かかっています。養成所にいた期間を合わせれば1年弱。それくらいはかかってしまうのが現状で、実力がある程度担保されているとはいえ、養成所をスルーしていきなり練習生(エチュード)なんですから、即デビューというのはさすがに・・・」

春奈さんは4人のなかでもかなり苦労してきた。だからこそ、デビューを早めようとすることの大変さを一番実感しているのだ。

本来リリリリは、346の秋の大型ライブの中でのデビュー、早くても夏ごろにプレデビューできるか、とみられていた。そこにRIZINの誕生を受け、その舞台でデビューするべく、練習の量を増やすなどして、なんとかここに合わせてきた。それを結成したばかりのユニットが数週間でやろうとしているのだ。異を唱えないわけがない。

「春奈さんが言いたいこともわかります。でも、今しかないんじゃないかとも思うんです。今だからこそ、デビューするべきなんだと思うんです。」

エリカの意思は固いようだ。

「だとしても、曲はどうするんですか?パートは?振り付けは?」

・・・痛いところを突かれた。

正直、私たちはつい最近結成を決めたばかり。何も用意はできていない。

いや、一つだけできそうなものもあるし、Afterglowのようにバンド路線でまずデビューするとすればまだやりようはあるけど。

 

そして、私の思っていることをわかっていたかのように、佳奈が切り出す。

佳奈「ねえ、そういえばさ、私がアイデア出して、遥が作ったやつなかった?あれじゃ、だめかな?」

瞳「『ダイナミック琉球』か・・・」

みいこ「それって何なの?」

「佳奈のお母さんは沖縄出身で、佳奈も沖縄生まれなんです。最も、生まれてすぐ東京(こっち)に来たので、方言や訛りはないのですが。一応毎年里帰りはしていて、私たちも行ったことがあって、一緒に曲を作ってみたのが、『ダイナミック琉球』になります」

・・・ごめんなさい。イクマあきらさんの曲を引っ張ってきただけなんです(罪悪感)

 

「確かにあれなら、私たちも歌えるし、あれの振り付け考えたこともあったっけ」

蘭「あ~、あったあった。ねえ、試しにここで合わせてみる?」

胡桃「へぇ~、見てみたいな」

みいこ「確かに気になるの!」

春奈「ちょっと、胡桃さんもみいこさんもいきなりすぎます!さすがに今すぐは難しいのでは?」

「いや、インストの音源はスマホにあるし、少し準備時間くれれば、やろうと思えばできるかもですけど・・・」

 

15 minutes later・・・

 

・・・というわけで、スタジオに移り歌うことになりました。

 

『海よ 祈りの海よ・・・波の声響く空よ・・・

大地 踏み慣らし叩く 島の太鼓(てーく)ぬ響き・・・』

佳奈が歌いだす。最初の方だからこそ、沖縄生まれである佳奈が歌うべきという考えからだ。その後ももう一度佳奈のパートが続き、私に移る。

 

『風に吹かれて島を歩く 夢に吹かれて海を渡る

月に吹かれて涙を流し 罪に吹かれて明日を想う』

私のパートが終わり、瞳のパートに移る。

 

『見果てぬ夢は 奏でてる想い 問いかける未来 走るあの空へ!』

普段物静かな瞳にしては、少し声を張り上げることのあるこのパート。

そして、エリカのサビに移る。

 

『海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ

大地 踏み慣らし叩く 島の太鼓(てーく)ぬ響き』

エリカの力強めのサビで、私たちのテンションも高まり、曲は特徴的な口説(くどぅち)に移っていく。ここからは蘭だ。

 

南風(バイヌカジ)吹く うりずんぬぐどぅに

(むに)(うむ)いゆ 語てぃ話さな

海ん渡りてぃ 島ん巡りてぃ

()した青年(にせた)(ちむ)やどんどん

てぃーさじ めーうち 歌ゆサンシン てぃんとぅる!』

 

 

 

実際の時間は短いだろうが、私たちにとっては披露しているときの時間は長く感じるものだ。

 

 

 

 

 

『ヨイサー!!!』

 

5人で歌い切った。下手だったりするシーンもあるかもしれない。けれど、歌い切った私たちは、晴れやかな表情をみんな浮かべるのだった。

 

春奈「・・・すごいです。まだ結成すると言ってそこまで経っていないのに・・・」

胡桃「直すべきところもあるのかもしれないけど・・・」

みいこ「みんなすごいの!おっきいステージでやったらもっとすごくなると思うの!!」

美夢「みいこちゃんの言う通り!すごくよかったと思う!!」

「上郷さんは、どう思いましたか?」

 

「・・・胡桃さんの言う通り、直すところはあるだろう。だけど、それでも・・・

 

ステージで見てみたいと思った。だから・・・

 

 

 

 

 

RIZIN.1まで期間は短いけど、できるだけ詰めてステージあがるぞ!!!!

 

 

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

RIZIN.1まであと少し。絶対に失敗したくない。

 

 

できるだけのことをして、ステージを笑顔で迎えよう。




今回の登場楽曲
「ダイナミック琉球」イクマあきら
↑2008年ごろのオリオンビールのCMソング。福岡県出身の音楽プロデューサー・シンガーソングライターのイクマあきら氏が沖縄県に移住したのちに制作され、エイサーの曲としても使われているほか、甲子園やバスケなど、学生スポーツの応援歌としても親しまれている。カバーも多数。

基本はゆっくりとした曲ですが、今回は脳内イメージとしては沖縄出身のユニットであるChuning Candyさんのカバー版です。


次回:RIZIN.1~beginning~

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