ゾイド二次創作小説~西方大陸の地にて~完結!   作:もにもに+マウンテンヘッド

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分割版#11:デウス・エクス・マキナ

 

 

 

・ デウス・エクス・マキナ

 

 

 

 

 逃げるセイバータイガー…紅い虎…に向かい、追い詰めるコマンドウルフたちは、射撃の弾火を降らして浴びせていく。

 

 

 こうまでくれば、嬲りものに近いか、それそのものであった。

 

 

 

 

 弾丸火雨の炎の槍が、紅い虎の至近にへと、突き立ってゆく。

 

 

 そうすると……水柱ならぬ砂柱が、立ち昇って吹き上がり、

 ガラス質のダストが吹き上がって、また再び、セイバータイガーはその猛風に吹き付けられるしかなかった。

 

 

 二機を失ったウルフ部隊は、果たして苛烈にこの手負いの虎を仕留めん、としていた。

 

 

 射撃と銃撃を加えながら、

 しかしウルフたちはそれを相手の致命傷となしえるつもりはなかった。

 

 

 最大限に、痛めつけて、そして絶望を味あわせながら、地獄行きの門へと放り込む……

 

 

 それが大まかの希求であり、求められたそれは、まあ大まかには成立をなしかけていつつあった。

 

 

 後を追うウルフたちは……

 この至近距離で、コマンドウルフのパワーを全開にした。

 

 

 

 

 そうして、ふたたび……満身創痍となったセイバーを、また再び、ウルフたちは囲んだ。

 

 

 獣のための謝肉祭の始まりであった。

 

 

 

 喰らいつく

 

 もう一機が食らいつく

 

 さらに一機、喰らいつく

 

 

 

 もはや、セイバータイガーは限界をきたしつつあった。

 機体の再生治癒速度も、大型機であるからこそ、の余裕はもともとあったではあろうが、

 しかし現在となっては……もはや死にかけのゾイドに、これ以上のことはできない。

 

 

 

 

 そうして、虎が、砂漠で……斃れた。

 

 

 

 まだ死んだわけじゃない。

 

 

 

 しかし、もうだめであろう……

 

 

 

 

 

 ウルフ隊のコマンダーが、止めをさすべく、命令を下そうとした……

 

 

……その時、

 

 

 

 

 

 

─────!!!!!!───

 

 

 

 

 突如、この戦場に、煙幕弾……スモークスクリーン……が打ち込まれていき、展開されていった。

 

 

 

 

 そして、煙幕が立ち込めた瞬間、

 先出していたコマンダー機のウルフの目前を、高速で通過した、黒い影……の姿がよぎっていた。

 

 

 

 

 その辻斬りかのような一瞬によって、しかし、結果はそのとおりであった。

 

 

ウルフの一機が、擱座した。

……コマンダー機のウルフが、その場で崩れ落ちたのだ…。

 

 

 

 

 

 コマンダー機のコマンドウルフだ。

 その頭部は、一撃で、吹き飛ばされていた……

──コマンダーは戦死していた。

 

 

 

 

 対する、黒い影、その正体も、この煙幕雲の最中で、見せつけるようにさえも、はっきりと現れていた…

 

 

 セイバータイガーだ。

 

 

 

 黒い塗装に身は包まれていた。

 

 

 そうして、その背部には、帝国軍の“マーク2セット”…大型ゾイド改造装備。強襲用グレードアップ・パーツ、アサルトユニットが、装備されている……

 

 

 

 

 セイバータイガーは、もう一機いたのだ!

 

 

 

 

 グレート・サーベルタイプ、その機体種類であった。

 

 

 

 

 ウルフたちは、この状況局面に恐慌するそれぞれの搭乗員達とは違って、

 しかし一方でその搭乗機体のゾイド生命体は、尚も闘志を燃やして、ふたたびの激闘を予期して、一様に硬直して、一気にこわばる……その一拍の間、

 永劫というかのような、その時間経過。

 

 

 そのグレートサーベル…いや、グレートセイバー、と呼ぶべきが良いだろう…

 

 

 その機体は、さきほどまで 散々に打ちのめされた、やられかけの紅いセイバーにへと、その傍にへと、寄り添っていた。

 

 

 

……ウルフたちは、退いて下がるしかできなかった。

 

 

 

 すると、地面大地に崩れ落ちていたその紅い虎が、信じられないことに、ふたたび、駆動稼働を執った……

 

 

 

 その紅い虎は、黒い虎の傍らに、自らの起こした体を、寄り添わせた……

 そして、一歩踏み出した。

 

 

 

 幽玄とした佇みにその止まりを見せる、セイバータイガー、

 

 

 

 あれだけの攻撃を与えて、あれだけのダメージを受けているのに、

 

 

 虎と狼では、格が違ったのか。

 

 

 

 

その時、電光が降り落ちた……自然現象としての、落雷だ。 

 戦闘によってチリが大気中に舞っていたために、であろうか。

 

 

 

 いかづちがそうして降り落ちる中、

 

 

 

 

 黒と紅、

 二体のセイバータイガーは、そのまま、走り出していった……西の方角にへと。

 

 

 

 

 

 

 残された共和国軍のコマンドウルフパイロットたちは、それが、悪夢の終了終結であることを、さらに数分してから、ややあって実感した。

 

 

 

 

 通信では、何も聞こえない……

 ウルフたちの搭乗員ら同士の以外には、ノイズしか聞こえなくなっていた。

 

 

 

 

 歩兵部隊もカノントータスも、全滅がなされていた。

 

 

 

 

 

 事態の把握ができようのないこの現状に、コマンドウルフたちの搭乗者らは、一様に不条理に顔を見合わせ合うしかなかった。

 たしかに陣地構築の打破と、24ゾイドの全滅という当初目的は達成できた。

 しかし、これでは。

 

 

 

 勝利の美酒とはこうまで不味いものだったのか?

 

 

 

 負けたのは……勝ったのは……

 

 

 

 

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