アブソリュート・デュオ〜天狼〜   作:クロバット一世

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47話 ベラドンナ

情報を得るために、まずは街を知ることから始めた。数日が経つと、人が集まる場所など大まかに把握したことにより次のステップへと進む。

それは____活動の拠点を定めることだ。定めた拠点、もしくはその付近をテリトリーにしているやつらに、俺たちという新参のグループを認識して貰うというのが狙いだ。互いに顔を覚えていれば、いずれ言葉を交わす機会もそのうち出てくるだろう。そうなれば、《禍稟檎(アップル)》に繋がる情報もいずれは得られるだろうと踏んで。様々な候補から俺たちが選んだ場所は________三番街付近に位置するゲームセンターだった。

 

人の出入りが多く、そのほとんどが若者_____もちろん社会人もいるが、今回の任務を考えれば適切な場と言えるだろう。拠点を定めた俺たちは、今日も騒々がしいゲーセンへと足を運ぶ。

 

「ふふっ、完璧(パーフェクト)ね♪」

 

パチンッと指を打ち鳴らし、喜びを露わにするのはリーリスだ。彼女の目の前でクレーンが左右に開き、挟んでいた景品が穴に落ちる。景品ーーーぬいぐるみを取り出して、嬉しそうにぎゅっと抱えるリーリスを見ながら思う。

 

(いまだにあれの良さがよくわからないな……)

 

世界的人気のホラーテーマパークDNL(デスニューランド)のマスコットキャラ・ロジャース。

ハート形をしたリーゼントのたてがみを持つ馬で、後頭部からは脳みそが見えるという不気味なデザインだ。

 

(それにしても…ドラックなんてばら撒いて…《666(ザ・ビースト)》は何を企んでるんだ?)

 

ただの資金集めではない気がしてならない…俺は妙な胸騒ぎがした。

 

(……まぁ考え過ぎても仕方ないな、今はゲーセンを楽しむか)

 

現在トラはメダルゲーム、橘と梓は将棋ゲームで対戦していおり、透流はユリエと一緒にインコの入ったプライスキャッチャーをやっていた。

 

「………ん?」

 

ふとみるとみやびが1つのプライスキャッチャーを見つめていた。そこには可愛らしい猫のぬいぐるみが入っていた。

 

「みやび、ちょっと待ってな」

 

「え?」

 

俺は百円を取り出すとキャッチャーを動かした。

 

 

キャッチャーはぬいぐるみの真上で止まりそのままぬいぐるみめがけて降りて来た。そして、爪でぬいぐるみをしっかりと掴むとそのまま持ち上がりファンファーレとともに景品取り出し口へぬいぐるみが落下して来た。

 

「ほら、みやび」

 

「あ……ありがとう悠斗くん//////」

 

俺がぬいぐるみを渡すとみやびは嬉しそうに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

それから進展があったのは、程なくしてのことだった。

 

通路を歩いていると突然、プリクラコーナーから前を見ずに出て来た女子高生の二人組とぶつかりそうになる。

 

「どこ見てんだよ、テメー!」

 

直後、ウェーブヘアの女の子が怒鳴る。不注意に通路に出て来た相手に怒鳴られるのは納得が行かないと思うが、それで騒ぎ立てるようなものでもない。

 

「悪かっ________」

 

と謝ろうとしたところで

 

「ん?テメーらどこかでーーー」

 

こちらの言葉を遮り、眉間にしわを寄せ、こめかみに指先を当てる女子高生。

 

(ん、この子ーーー)

 

ブリーチで茶髪にしたゆるい短めのウェーブヘアは、つい最近どこかで見た憶えがある。

 

「誰よ?」「待った。あとちょっとで思い出せそうだからーーー」

 

怪訝そうな顔で話し掛ける友人を、茶髪の子が手で制した直後ーーー

 

「あーーーーーっ‼︎この前《沈黙の夜(サイレス)》に絡まれたときのやつじゃん‼︎」

 

彼女は俺に指を突きつけて叫ぶ。

 

「ちょっ、こいつ《沈黙の夜(サイレス)》のやつかよ⁉︎」

 

「違う違う!なんか知んねーけど《沈黙の夜(サイレス)》の邪魔したんだって!」

 

「はあ?つまりどういうことよ?」

 

「だからー、この前《沈黙の夜(サイレス)》に絡まれたときに、変なやつ、が出て来たって話したじゃん!」

 

(……変なやつって俺らのことかよ……てか、それよりーーー)

 

「もしかして先週、三番街の近くで絡まれていたーーー」

 

「そうそう!それあたしあたし!人が楽しく遊ぼーってときに《沈黙の夜(サイレス)》のやつらに邪魔されてさー。けど、あんたらのおかげで助かったわけよ♪」

 

「あー、あの話ね。把握したわー」

 

バンバンと俺の肩を叩きながら笑顔を見せるウェーブの子に、もう一人の女子高生ともどもようやく話を理解する。どうやら任務初日に俺と透流が首を突っ込んだトラブルのときの女の子のようだ。すぐに記憶と一致しなかったのは、今と違ってあのときは私服姿だったためだ。

 

「助かったなら良かったけど、最後の蹴りを入れるのはどうかと思うぞ。あれじゃ相手の神経を逆なでーーー」

 

「説教うぜー」

 

「っ……」

 

余計なお世話だとばかりに睨まれ、それ以上言葉を続けるのをやめた。そこへーーー

 

「透流、天峰?そこ子たちは?」

 

ひょっこりと筐体の陰から顔を出したリーリスが、俺と二人の女子高生を見て不思議そうな顔をする。

 

「ああ、この子たちはーーー」

 

「リアル外国人っ!マジ金髪じゃん‼︎」「胸でかっ‼︎ぼーんっ‼︎」

 

「えっと……?透流、天峰。いったい何なのよ、この子たち?」

 

説明しようとした矢先に二人が騒ぎ出し、さすがのリーリスも困惑を隠せない。

 

「いや、実は……」

 

「どうかしましたかトール?」

 

「どうしたの悠斗くん」

 

「リアル外国人パートII!マジ銀髪じゃん!!」「顔ちっさ!!きゅーとっ!!」

 

「こっちの女の子も可愛いっ!!」「てか胸でか過ぎっ!牛かよっ!!」

 

説明しようとした矢先、みやびたちが現れ再び騒ぎ出した二人組だった。

そのまま二人が騒いでいる間に、手早く説明を済ませたのだが____

 

「ふむ、先日の者だったか……。ところで今の話で一つ気になったのだが、《沈黙の夜(サイレス)》とは?よければ聞かせてもらえないだろうか?」

 

さりげなく会話へ交ざりつつ、橘が情報収集を始める。

 

「あいつら知んねーの?」

 

「すまない。我々はこれまでは待里に立ち寄るばかりだったのでな。皐月へ顔を出し始めたのは、つい先日の話なのだ」

 

橘は皐月市に隣接した街の名を出して皐月の事情に詳しくないことを述べると、二人の女子高生は何の疑いもなく、自分たちのことを語り始めた。

 

「うちらはさー、自由に楽しくってのがアピールポイントのベラドンナってグループなわけよ。いろんなガッコのやつや、ぶらぶら暇してるやつが集まって遊んでるっしょ」

 

「なるほどな。では、この前揉めていた彼らは?」

 

正直、ストレート過ぎる質問と思えたが、ウェーブヘアの子は気に掛ける様子もなく答えてくれる。

 

「あいつはいろんなガッコのドロップアウト組が集まってるグループで、《沈黙の夜(サイレス)》なんて名乗って、街を仕切るーとかチョーシこいてるやつら」

美咲みさきと名乗ったーーー自己紹介をしたーーーウェーブヘアの子からの話をまとめると、皐月の繁華街には四つの派閥があるということらしい。

 

ベラドンナーーー美咲たちの属する、楽しく遊ぼうというグループ。

 

《沈黙の夜サイレス》ーーーベラドンナと不仲にある少人数のグループ。

 

皐月工業高校ーーー昔から皐月で幅を利かせる、不良の多い高校として有名。通称皐月工(ツキコー)。

 

流河(ながれかわ)高校ーーー皐月工と昔から対立関係にある高校。校内でもさらに少数の派閥に分かれている。通称、流河高(リューコー)。

 

加えて、四つの派閥のいずれにも属さない個人や小さなグループも相当数。

 

(ほぼ資料どおりだな。……だけど、溜まり場の情報が増えたのは嬉しい話だな)

 

「《沈黙の夜(サイレス)》のやつらマジうぜーから、ナイツには行かない方がいいっしょ」

 

「はは……忠告感謝する」

 

《沈黙の夜'lサイレス》)の溜まり場はナイツというバーとのことで、未成年の俺たちは忠告されずとも店に入ることはできない。ここはドーン機関に報告し、然るべき要員を派遣してもらうのがいいだろう。

 

 

 

「で、悠斗たちはこれからも皐月に顔を出すんだよな?」

 

美咲に問われて____名乗られた際に名乗り返した____俺はそのつもりだと頷く。

 

「だったらさ。ベラドンナ(うちら)のとこ来ればいーじゃん。みーんなバカでいいやつっしょ♪」

 

「えーっと……」

 

(潜り込んで情報収集も悪くないか?でも、いきなり深入りは……)

 

ナイスアイデアとばかりに手を打ち合わせる美咲に、どう答えるべきか悩む。

 

「まっ、いいからついて来なって。みんなに紹介するっしょ♪」

 

どうしたものかと俺たちが答えを出すよりも早く、美咲は相方のココという子とともに動き出す。

 

「……とりあえずついて行ってみるか?」

 

「せっかく出来た縁だ。ここで下手に断るよりも、まずは目で確かめてみようぜ」

 

透流小声で俺に相談すると、美咲について行こうと返ってきた。頷くことでリーリスにもその旨を伝え、俺たちは美咲の後をついてゲーセンを出ることにした。

 

 

 

 

三番街から少し離れ、洒落た外観の店が立ち並ぶ細道に入ったところにその店は在った。

クラブ・エレフセリア____美咲たちの属するグループ・ベラドンナの溜まり場だ。扉を潜った先にはエントランスがあり、その先に進むと壁際にバーカウンター、対面にはテーブル席。さらに奥は大きく開けており、四、五十人くらいの客で賑わうダンスフロアと、何色ものレーザーで派手に照らされたステージが目に入る。

 

「随分と人が多いな」

 

「えー、今日は少ないっしょ。週末はこの倍は集まるしー」

 

美咲は知り合いらしきやつらと軽く声を掛け合いつつ、店の奥へ奥へと迷い無く歩を進めていく。

最奥には個室があり、扉を開けると室内は暗めのブルーライトで照らされ、まるで海の底を思わせた。

 

「リョウ、ちょいいーかな?」

 

美咲は部屋の中央に設置されたテーブルを囲む数人の男女____その中央に座ず、黒緑眼鏡を掛けた男に話し掛けた。

 

「なんだい、美咲」

 

年齢は二十歳くらいだろうか。リョウと呼ばれた端整な顔立ちの男は、髪の先の方を白っぽく染めたツートーンのヘアカラーが特徴的な人物だ。

 

「実はさ。この____」

 

と美咲が俺たちを紹介しようとしたそのとき、リョウという男にしなだれかかっていた女が、俺たちの姿を見て甘ったるい声を発した。

 

「だれぇ、その子たちぃ?もしかしてぇ、ナンパでもして来たのぉ?」

 

かなり明るめ茶髪にピンクと緑のヘアチョークをした派手な外見の女____そんな彼女の唇に指を当てると、リョウは笑顔で言った。

 

「スミレ。今は僕と美咲が話しているんだから、ちょっと待っていてくれるかな」

 

「はぁーい。いい子にしてるからぁ、はやくしてね、リョウちゃん♡」

 

リョウは勿論さと返しつつ、躊躇うことなく恋人らしき女とキスをする。

 

「っっ⁉︎」

 

背後で橘が息を呑む。不埒者という単語が口から出なかったのは、頑張って我慢したのだろう。隣ではみやびが口をパクパクして顔を真っ赤にしていた。

 

「さて、紹介が遅れたね。僕のことはリョウと呼んでくれ。ベラドンナの相談役をさせて貰っている」

 

「相談役?リーダーじゃないのか?」

 

俺の問いに、リョウは頷き言葉を続ける。

 

「ベラドンナのモットーは自由ーーーだからリーダーと言えるような者は誰も居ないよ。僕はみんなが困ったときにアドバイスをしていたら、相談役なんて扱いになってしまったんだけどね」

 

リーダーは居ないと語るものの、実質的には彼がトップと思っていいだろう。

 

「ええっと……キミたちも今日からベラドンナの仲間入りってことでいいのかい?」

 

「そそっ♪この前《沈黙の夜(サイレス)》に絡まれたって話したっしょ。そんときにこの二人が助けてくれたんだよねー」

 

実咲が俺と透流、そしてリョウを交互に見ながら、どういった形で知り合ったのかを伝える。

 

「そういう話なら歓迎するよ」

 

「……悪い。ここまでついて来てこう言うのもどうかと思うけど、俺たちは仲間入りをさせて欲しいってわけじゃないんだ」

 

「えーーーっ⁉︎どーゆーこと、悠斗⁉︎」

 

「すまん。なんか言い出しづらい流れだったんで……」

 

「つまり、美咲が先走ったというわけだね?」

 

「ははは……」「う……」「キャハハハハ!美咲だっせー!」

 

経緯を察したリョウに苦笑いで返す俺、ここで自分が先走ったことを理解する美咲、おまけで外野の笑い声。

 

「じゃ、じゃあどうしてついて来たわけ⁉︎」

 

「せっかく知り合ったわけだし、美咲が普段どんなところで遊んでるのかなって思ってさ」

 

「む〜……」

 

頬を膨らませてちょっとお怒りモードの美咲は、俺の返事を訊いて少し唸った後ーーー

 

「まー、それなら仕方無いっかぁ……。あたしが勝手に盛り上がってただけじゃんねー」

 

ぷしゅーっと膨らんでいた頬が元に戻る。

 

「そう肩を落とすことはないよ、美咲。彼らがこの店やベラドンナのメンバーを気に入れば、自ずと仲間入りを希望することになるさ。まあーーー」

 

俺たちの顔をぐるりと見回し、リョウは続きを述べる。

 

「キミたちのようなユニークなメンバーが加わってくれるなら、僕も大歓迎だよ」

 

「オレっちも歓迎するぜーい♪特にそっちの金髪ちゃんをダイカンゲーイっ!ってなわけで今夜オレと付き合わなーい?」

 

ヒュウと口笛を吹いたのは、リョウの隣に座るドレッドヘアを後ろで結んだ軽薄そうな男だった。

 

「残念ながら、あたしの予約(リザーブ)はもう済んでるの。……ね、透流♪」

 

パチリと透流に向かってウインクをする黄金の少女の発言に場が大きく沸き、透流は必死にリョウたちへ弁解を始めるのだった。

 

「今のうちに言っとくけどみやびにも手を出すなよ。さもないと俺が黙ってないんでね」

 

「ゆ、悠斗くん!?/////」

 

とっさにみやびを抱きしめながら俺も警告し、再び周囲が大きく沸いた。

 

 

 

 

 

二十二時を回ったところで繁華街を離れ、所定の場所で迎えのサラと合流して学園へ戻ることにする。

 

「さて、本日は皐月市繁華街における四大派閥の一つ、ベラドンナに接触したわけだが、彼らに対して抱いた感想をそれぞれ聞かせてほしい」

 

車が走り出してからしばし後、橘が任務に進展があった今日の出来事について話し始めた。

 

「今のところはまだ白か黒かの判断が出来るほどじゃないな。見たところベラドンナの殆どのメンバーがそれぞれ好き勝手に遊んでる感じだったし……」

 

透流の言う通り、ステージで踊ったり歌ったり、それを見て騒いだらというだけじゃなく、テーブルについて談笑する奴らもいれば、カウンターで静かに過ごす奴もいたりと好き好きに過ごしていた様を見ただけなら確かに疑わしい点は見られない……しかし、

 

「ふんっ。統制がとれてないからこそ、中で誰かが好き勝手やっていてもおかしくないと思うがな。特にあのリョウという男を中心に、数名が動いているという可能性は捨てきれないんじゃないか?」

 

トラの否定気味の発言を聞き、リーリスも頷いた。

 

「あたしもリョウが少し怪しいかもって思ったわ。他は気のいい連中って感じがしたけど」

 

「リーリスはダンスに交じって大喝采貰ってたもんな」

 

楽しかったわとでも言わんばかりに、パチリとリーリスは片目を瞑ってみせた。

 

「気のいい連中だと?僕としては非常に不愉快な女が一人いたけどな」

 

「トラ……お前あのリョウってやつの彼女に「小さくて可愛い」って言われたのまだ気にしてんのか」

 

「うるさい!!」

 

俺の言葉にトラはさらに不機嫌になった。

 

「……私には、あの人が悪い人とは思えませんが」

 

「私もそう思います。」

 

ユリエと梓はそう言ったが……

 

「ユリエ、オレンジジュース奢って貰ったからってフィルターかけちゃいけません」

 

「梓も「胸だけが女性の魅力じゃない」って言われたからって信用しちゃダメよ」

いつかこの二人は悪い奴らに騙されそうで心配だ。

 

「でも、不愉快ってほどじゃないけど、ちょっと勘弁願いたい相手が居たわね」

 

とリーリスは、ドレッドヘアの男の名をあげる。

 

「気持ちよく踊っているところに、あたしのお尻を何回か触ろうとしてきたのよ、あいつ」

 

ビキッと何か音がしたがそれは無視した。

「ええと……わたしはみんなは好き勝手にしている感じだなとは思ったけど……まだ白か黒かはわからないな」

 

みやびは少し申し訳なさそうにそう言った。

 

「私の意見も九重に近いな。彼らに関しては保留として、今後も付き合いを続ける中で捜査を進めるべきだろうな。それと、これは個人的な意見になってしまうのだがーーーあ、あのリョウという男は……その、人前で……あ、あ、あのような風紀を乱すような行為は、まとめ役として如何なものかと、だな……」

 

「乱す?何の話だ?」

 

「…………せ、接吻だ(ボソッ)」

 

「悪い、聞こえなかったから、もう一度大きな声で言ってくれ」

 

透流は走行中のため、小声で喋られても聞き取れなくてと言ってみるとーーー

 

「キキッ、キミは私にそういったことを言わせたいのか⁉︎それとも、そういうプレイが好みといったいかがわしい趣味でもあるのか⁉︎」

 

突然、橘が怒り出した。

 

「悠斗はどうだと思う?なんかこう……月見のことを暴いた時みたいに……」

 

「あのなぁ透流……そんな嘘発見器じゃないんだからあっさりわかるわけないだろ?……まぁ何か怪しいかな?とは思ったけど保留だな……ただ……数名ほどみやびの胸を何度も見ていたやつらがいた……あいつらは《666(ザ・ビースト)》以前に極悪人だ。即刻刑務所に突き出して10年ほど牢屋にぶち込もう」

 

「それ100パーセント私怨じゃねえか!?」

 

「ところで____」

 

その時、赤信号で停車中に珍しく口を開いた人物がいた。それは____サラだった。

 

「ドレッドの男はいつ東京湾に沈めればいいのですか、お嬢様?」

 

「冗談でも怖ろしいことは言うなよ⁉︎」

 

「……ふふふ、以後気を付けます」

 

ニッコリと笑みを浮かべて振り返ったサラに、透流は明日は我が身を知る気分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、クラブ・エレフセリアのとある個室、そこには一人の男が静かに座っていた。

 

「ボス、《禍稟檎(アップル)》は問題なく広まりつつあります」

 

部屋に入り部屋の中にいる男に報告をしたのはベラドンナの相談役、リョウだった。後ろにはドレッドヘアの男もいた。

 

「ですが……ボンゴレの守護者がこの街を嗅ぎまわってるみたいです。 」

 

「前に《禍稟檎》を持ち出して並森で売ろうとしたやつがいたらしくて……入手先がここだって気づかれたみたいなんすよ」

 

ドレッドヘアの男はため息を吐きながらリョウの言葉に続いた。

 

「まぁ問題ありませんよ、いくらボンゴレでも我ら《666(ザ・ビースト)》の敵ではありません。なんせこの街は……」

 

そのままリョウは部屋の主の方を向き

 

 

 

 

 

 

「メドラウト様直属の戦士、六冥獣の一人であるボスの拠点なんですから」

 

その言葉に部屋の主はニヤリと笑い頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボンゴレどもに我らを敵に回すとどうなるか……骨の髄まで教えてあげようではございませんか」

 

 

 

 

 





《666(ザ・ビースト)》が気づいたボンゴレは悠斗ではありません、さて誰でしょう……
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