あらすじ
デュラハンが激おこ。ハクヤが吐く。
ハクヤサイド
「すまねえフーリン。」
「ああ別にこれも仕事だからよ。気にすんな」
俺の中から出て来たものをフーリンが嫌な顔をしないでって言ったら嘘になるけど片付けてくれた。店員で仕事だとしても優しいね。
「ああ・・気持ち悪い。」
俺は誰もいないのをいい事にギルドのベンチに寝そべって休憩していた。
「ったく、飲み過ぎなんだよテメーは。」
「不覚」
「不覚、じゃねーよ。普通無一文で吐くまで飲む奴なんてそうそういねーぞ」
「ここにいるぞ」
「ドアホ!!」
ストレートに言われると普通に傷つくな、その言葉。まあ僕が悪いんですけど。
「それよりも正門に来た奴らどうすっか考えねーと。」
「ああ。おそらく気配からして片方はアンデットだろ。もう片方は人間だな。強さは十二師団の三席くらいか?」
「気配というか魔力でなんとなくどんなやつかって事は、わかっけどよ、強さまでは普通わかんねーぞ?」
近くの椅子を俺の前にまで持ってきて逆向きに座るフーリン。背もたれの所に両腕を乗せて俺を見てくる
「直感でな」
そう答えるとフーリンは呆れた顔で俺を見た。
「そんなんでわかんのかよ」
「まあ大体はな」
「ふーん。それでお前は自業自得なバカやらかして参加できないとして。俺は行かなくてもいいか?」
「ああ。コジロウはわからねーが。ソイホンとマリーは多分向かったと思う」
「あの二人ねー。大丈夫なのか?」
「大丈夫だろ」
「それも直感か?」
「うん」
「けっ。まあ俺には関係ねーさ。」
そう言うとフーリンは立ち上がり厨房へと戻って行った。
「あ、フーリン。水を一杯くれるか?」
ソイホンサイド
「爆裂魔法?」
「爆裂魔法って言ったら」
「爆裂魔法・・・」
皆同じ単語を繰り返し一人の少女を見る。
「またあのバカか・・・」
この街で爆裂魔法と言ったら一人しかいない。紅魔族で・・・確かめぐみんとか言ったっけ?一度私達のパーティーに入りたいと志願してきた事があったのだ。もちろん悪評を知っていたのでハクヤは丁重に私は冷淡にマリーは笑いながら断ったがな。
そして観念したのかめぐみんは一人で奴らに近づいてく。
「貴様か・・・・・」
「はい。そうです」
素直に答えるめぐみん。いつでも助けられるようにしないと。
「お前が毎日毎日爆裂魔法を城に打ち込んでくる大馬鹿ものかああああ!!!俺が魔王軍の者と知ってケンカを売ってきているのなら堂々と城に攻めてくるがいい!!!そうじゃないなら街で震えているがいい!!ねえなんでこんな嫌がらせるするのおおおおおおお!!いつ来るかわからないから怖くて眠れないよ!!!!!!団長なんか折角苦労して完成させた『トランプタワー』が振動で崩れてショック受けてたぞ!!どうせ雑魚しかいないからと思って放置してたら調子に乗って毎日ポンポンポンポン城に打ち込みやがって!!!頭おかしいんじゃないのか貴様あああああ!!」
デュラハンの言い分を聞いて同情してしまう自分がいる。
「さ、さすがに可哀そうに思えてくるんだけど・・・・」
マリーも同じみたいだ。しかしあいつの言ったものの中に何か引っかかるものがあったような・・・ないような・・・・。
「我が名はめぐみん!!!紅魔族随一の魔法使いにして爆裂魔法を操る者!!」
でたー。紅魔族特有の痛い自己紹介。聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるからやめてほしい。しかし彼らにとってあれが普通というのだから不思議に思う。
「めぐみんってなんだ。バカにしているのか」
「ち、ちがうわい!!」
なんだろう。こう見るとデュラハンの方がまともに見える。
「我は紅魔族にしてこの街随一の魔法使い!我が爆裂魔法を城に放ったのはあなた達をおびき出すための作戦だったのです!!こうして二人だけで私達の前に現れたのが運の尽きです」
「「「「「「「おおおおおお!!!!」」」」」
周りの冒険者が驚いているが多分違うと思うの私だけか。
「す、すごい・・」
「いや違うと思うぞマリー」
しかしなるほど。最近あのめぐみんの爆裂魔法の音が聞こえない理由がわかった。多分知らずにあいつらがいる城に毎日ぶっ放していたのだろう。
「ふん。まあいい。俺たちはお前ら雑魚どもに用はないんだ。しばらくはあの城に滞在する事になる。もう爆裂魔法は撃つな。いいな」
「無理です。紅魔族は一日に一度爆裂魔法を撃たないと死ぬんです」
「お、おい!!でたらめを言うな!!」
あの子の爆裂魔法にかける思いは一体なんなんだろう?
「どうあっても爆裂魔法を撃つのをやめる気はないと」
コクっと頷くめぐみん。いや、やめろよ
「俺は魔に落とした身ではあるが。元は騎士だ。」
へえ。どんな経緯があってアンデットになったんだろう
「弱者を狩り取る趣味はない」
あいつさっきから雑魚とか弱者とか言ってるけど、もしここにハクヤがいたら殺されてるだろうな。てかハクヤ達はこないのかな?
「ふッ!!余裕ぶっこけるのも今の内です!!こっちには対アンデットのエキスパートがいるのですから!!先生お願いします!!」
対アンデットのエキスパート?
「そんな人いたっけ?」
「さあ?クーさんの事かな?」
私とマリーがそんな事を話していると、
「しょうがないわね~」
「はあ!!??」
「魔王軍の幹部かなんか知らないけど!!この私がいる時にくるとは運が悪かったわね!!さあ覚悟なさい!!」
「ほう。これはこれはアークプリーストか」
自信満々に私達以上に前に躍り出た全身を青いもので着飾った女の子。年齢は私と同じくらいか少し下か・・・。あれ?確かあの子って・・・以前あった気が?
「あ、あの子」
「知ってるのかマリー?」
「うん。確かあの子いきなり最上級職のアークプリーストになった子だよ。前にギルドで話題になってた」
「へえ・・」
私も思い出した。確か蛙に食べられた子だ。そして街の露店でバイトをしてた姿も見た事ある。
「俺はこれでも魔王軍十二師団の席官を任せらるほどの力を持つ物だ。こんな街の低レベルなアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいない。そうだな・・・ここは1つ紅魔の娘を苦しめてやるか」
そう言うと同時にデュラハンは左腕を上げて紫色で禍々しいオーラを纏わせる。それを見ると同時に私とマリーは同時にめぐみんの前にでる。
「二人とも下がってて!!」
「貴方たちは!!」
「え?だれ?」
めぐみんは私を見て驚き。もう一人は私の事を忘れているのかわかっていない。
「汝に死の宣告を。お前一週間後に死ぬだろう。」
っ!!死の宣告か!!
私が躱したら後ろの二人に・・・仕方ない。一旦私が受けてその後マーリンに解いてもらおう。
しかし、
「うわあああ!!」
「「「「え!?」」」」
私達全員が同時に声を上げる。
なんとあのダスティネスのお嬢様がさらに私達の前に出て死の宣告を受けてしまった。
「大丈夫かダクネス!!」
クリスのパンツを盗った変態もやってきた。だが今はそれどころではない。
「これは少々予定が狂ったが仲間思いの貴様ら冒険者にはむしろこちらの方が答えそうだ。」
私達は同時にデュラハンを睨む。
「いいか。紅魔の娘よ。そのクルセイダーは一週間後に死ぬ。ふっふっふ。お前の大切な仲間はそれまで死の恐怖に怯え苦しむ事になる。貴様の所為でな!!」
「はっ・・・」
やっと自分のした事がわかったのかめぐみんは反射的に声を上げる。
「なるほど・・・つまり呪いを解いてほしくば俺の言う事を聞けと・・つまりそういう事だな!!」
「は・・・・?」
私とマリーはこの人がどういう人だか知っている。私とマリーは反射的に顔を背けた。
「カズマ見て見ろ!!あのデュラハンの目を!!あの目は私を城へと連れ帰り。呪いを解いてほしくば俺の言う事を聞けと!!すさまじいアブノーマルな変態ハードコアプレイを要求する変質者の目だ!!」
私とマリーは耳を塞ぐ。なんだかクリスのパンツを盗った変態もこれ以上聞きたくないという顔をしている。
「はあはあ・・・この私の体を自由にできても心までは貴様らには屈しない!!行きたくないけど仕方ない!!じゃあ行ってきゅる!!!」
「き、きちィ・・・・」
すげえ。デュラハンが本気で引いてる・・・・。
「と、とにかくこれ以上城に爆裂魔法を放つのをやめろ!!そして紅魔の娘よ。そのクルセイダーの呪いを解いてほしくば城に来て俺を倒してみろ。といっても城には俺に加え大量のアンデット兵士に俺の務める師団の副団長と団長がいるからな。精々もがいてみせろ。ふはははは!!!」
高笑いをするデュラハンに待ったをかける声が一つ。
「その必要はない」
「は・・・?」
その言葉はポツリと呟かれた。
その声はハクヤはもちろん後ろにいるめぐみんの仲間でもなく私でもマリーでもなかった。
「ここでこいつらを全てを肉塊にすれば済む話だ。ベルディアお前のやり方は回りくどすぎる。先に城に戻ってろ。ここはこの俺、」
声の主はずっとデュラハンと一緒にいた金髪の中年男のものだった。とても物騒な事を自然に発する異常な光景。私はすぐさま戦闘態勢を取った。
「魔王軍十二師団第四師団四席『解体屋』ジョネスに任せろ」