無限の剣を持つ男の異世界物語   作:ランホーク

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12話です!


快楽

ソイホンサイド

 

「魔王軍十二師団第四師団四席『解体屋』ジョネスに任せろ」

 

デュラハンと一緒にいた金髪の中年男がそう言いながら前に出てくる。

 

「解体屋ジョネス?」

 

「でも強そうだぞ」

 

「そ、そうよ。一斉にかかればあいつ一人くらい。」

 

後ろの冒険者皆各々の反応をしているがこいつ強いな。少なくてもこの街の冒険者が一斉に掛かった所で倒せる相手じゃない。

 

「そうか。ではジョネス。お前に任せていんだな。」

 

「誰に物を言っている。ベルディアお前は団長にこの事を報告しておけばいい。」

 

「この街の冒険者・・・いや住人を一人残らず肉塊にしたとな。」

 

指の関節を鳴らしながらさらに距離を詰めてくるジョネスと名乗った男。この男が放つ異様な雰囲気に威圧されたのか後ろにいた冒険者、めぐみんや青い少女やパンツ泥棒も怯えの表情を見せ始める。

 

「ちょ、ちょっとカズマ。何あの人。なんかめちゃくちゃ怖いんですけど」

 

「俺だって怖いわ!てか第四師団四席ってなんだ?てかもしかして俺たちヤバい奴にケンカ売っちまったのか」

 

パンツ泥棒とめぐみんがと青い少女が徐々に顔面を蒼白としていくなか一人だけ怯えを感じさせない声を上げる冒険者がいた。

 

「解体屋ジョネスと言ったな貴様」

 

「ちょダクネス!!」

 

めぐみんがその名を呼ぶ。そう。勇敢にもあのジョネスに立ち向かったのは王国の懐刀と言われる大貴族の令嬢。ダスティネス・フォード・ララティーナお嬢様だった。

 

「その通り。私の名はジョネス。魔王軍第四師団四席を務めている。ちなみにこのベルディアは三席だ。」

 

後ろにいるデュラハン・・・ベルディアを親指で指差しそう言うジョネス。なるほどこいつの方が強いわけか。

 

「ジョネス。俺は先に城に戻る。団長にはさっきの報告をしとくから終わったら帰ってこい。」

 

「わかった。」

 

そういうとベルディアは黒い霧を発生させてその中に消えようとする。

 

「逃げる気か!!」

 

私はベルディアに向かってそう叫ぶ。ベルディアは振り向き告げる。

 

「逃げる?何をぬかしているのだ貴様。俺がいなくてもこのジョネスだけで貴様らを皆殺しにするには十分だ。では精々ジョネス相手にもがき続けろ。万が一ジョネスを倒す事が出来たのなら今度は俺が相手をしてやる。」

 

そう私達をバカにしながら笑うベルディアに私はプッツンしてしまった。

 

「いいだろう。ならば一瞬にして終わらしてやる」

 

私は前進してダクネスの隣に来る。

 

「ダクネス。下がっていてくれ」

 

「ソイホン。奴は危険だぞ?」

 

「知ってるのか?」

 

私の肩を掴み動きを静止させてるダクネスを見て私は聞く。

 

「ああ。『解体屋』ジョネス。『首切り』や『人斬り』さらには『奇術師』に並ぶほどの快楽殺人者。少し前の新聞に奴の写真が載っていたんだ。ある街で老若男女問わず計200人を己の快楽の為に手に掛けた殺人鬼だ。あまりの残虐性から王都はあの男に懸賞金5000万エリスを掛けたほどだ。」

 

それを聞いたダクネスの仲間は全員顔を蒼白とさせマリーはあり得ないといった顔をして驚く。事実私も怒りや憎しみよりも先に驚愕が表に出たな。

 

「よく私を知っているな貴様。その通り私は自分の快楽の為ならどんな犠牲も厭わない。さあ貴様の肉を掴ませろ」

 

手の平を何度も開閉させながら近づいてくるジョネス。なるほどね。ただのクズってことだな。

 

「ソイホン。奴の武器は指。強靭な握力だ。話に聞いた所によると奴の握力は鉄をも捻じ曲げるそうだ」

 

私も少しづつジョネスに近づく。そして互いに手の届く所までの距離に接近した。思いのほかでかいな。コジロウやクーさんよりもデカい。見上げてやっと顔が拝めるって所だ。

 

「ソイホン!!話を聞いていたか!!奴は道具の類の武器はないんだ!!だからここは遠距離攻撃で・・」

 

私はダクネスの言葉が耳に入らない。何故なら目の前の害虫を駆除するために集中を研いでいるからだ。

 

私の頭を握り潰そうとしているのかジョネスは私の頭に手を伸ばしてくる。

 

「ソイホン!!」

 

ダクネスが私の名を叫ぶ。他の冒険者も騒いでいるが関係ないな。さっさとこいつとベルディアを駆除しよう。

 

「ふっふっふ。何か勘違いしているようだから教えてあげよう。今から始めるのは戦闘ではなく一方的な蹂躙だ。貴様はただ私に怯えながら・・・・・え・・・?」

 

ジョネスは目の前にいたはずの私が突然消えた事により声を上げる。

 

「なに・・・?」

 

その光景を見ていたベルディアも反射的に声を上げてしまう。

 

「私はこっちだぞ」

 

ジョネスの背後に移動していた私は未だに気づいていないジョネスにそう親切教えてあげるが、

 

「あ・・・ああ・・・・」

 

ジョネスは自分の胸に手を当てている。やっと気づいたのか自分の胸に握り拳くらいの穴が開いているのにジョネスは気付いた。

 

そしてジョネスは後ろを振り返り私を見つけた。

 

「き・・・貴様・・・・」

 

胸元に空いている穴から大量の血を流しながらジョネスは私を見る。そして自分の右手の平に置いてある物をジョネスに見せつけた。

 

「お前の心臓。」

 

そう。私はジョネスが反応できないくらいのスピード・・・いや正確に歩行技術を使いジョネスとのすれ違い様に奴の心臓を奴の体から抜き取ったのだ。私はこの技をそのまま『心臓抜き』と呼んでいる。

 

「わ・・・たし・・・の心臓・・・・か・・・え・・・し・・・・・・て・・・」

 

「いいぜ。ほらよ」

 

私はジョネスの心臓を無造作に投げつけた。

 

「ああ・・・・」

 

ジョネスは空中に放られた自分の心臓に手を伸ばすが、

 

ブシャアアアアアアと。赤い液体が辺り一面に飛び散り私の顔や服。ジョネスの体に付着する。

 

空中に浮いていたジョネスの心臓を私が手刀で叩き斬ったのだ。

 

その所為で心臓に溜まっていた血液が飛び散ってしまったのだ。後でシャワー浴びないと。

 

「地獄で今まで殺してきた人達に詫びてこい。クズが」

 

そう言うと同時にジョネスは自身の巨体を受け身無しで地面にたたきつけた。

 

地面にはジョネスから流れ出た血で真っ赤な水溜まりが出来てしまった。

 

「す・・・すごい・・・」

 

「あのジョネスをたった一瞬で・・・」

 

マリー以外の冒険者が皆今の光景を見て絶句していた。まあそりゃそうか。

 

まあそんな事はさておき。

 

「さて。ジョネスは倒したぞ。次はお前が相手をするんだよなあ?ベルディア?」

 

私は凶悪な笑みを浮かべながら呆然と立ち尽くしていたベルディアに告げた。

 

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