ハクヤサイド アクセルの病院
「か・・・仮死状態・・・・?」
「そうだ。そのモネってハーピーに抱き着かれたのが原因でな。全身を凍らされて心臓が止まる。だが止まったのは心臓だけではない。血も筋肉も細胞も全部凍らされたから正確に言えばソイホンの時が止まったて言うのが正しい表現かな?」
マリーから戦闘の全体像を聞いた憶測に過ぎないがおそらくこれであってるだろう。
魔王軍十二師団第四師団副団長ハーピーのモネ。懸賞金2億エリス。
まさか絶滅危惧種のハーピーが魔王軍にしかも賞金首だとは驚いたぜ。
同じくベルディアも第四師団の三席。懸賞金1億3000万エリス
こちらも億越えの賞金首。どうしようかな。今から城に乗り込んでこいつらの首取ってこようかな。
「そ、そうだったのか・・・」
ソイホンは一瞬青ざめたがそれもすぐに醒める。
「後はさっき言った通りだ。ベルディアとハーピーには逃げられた。ダクネスの呪いは仲間のアクアっていうアークプリーストに解いてもらったみたいだ。まさか死の宣告を解除できる奴がマーリン以外にいたとは驚いた。これで城に行く理由も無くなったしお前も無事だし。今のところ心配する事はないかな。まあまだ奴らは城にいるらしいけど。あ、あとお前が死んでから今日覚めるまで五日は経っているぞ」
「そ、そんなに?というか他の皆は今なにをしているんだ?」
ベッドから起き上がりストレッチをしながら聞いてくるソイホン。
「ダクネスは今日も元気に仲間とクエストをこなしているらしい。あれから仲良くなったのかマリーも一緒に行動してるらしいぞ。」
一応俺もダクネスの仲間とこの五日間で知り合い程度の仲にはなった。死の宣告を解いたのがまさか蛙狩りの時に助けた奴だったとは思わなかったぜ。それにあの男の子。カズマって言ったっけ?あの子とは結構話が合うから仲良くもなったし。
「あと最後に言っておくぞ。お前はそのすぐキレる性格を直せ。戦闘では常に冷静にだ。勢いに任せたら命がいくつあっても足りねーぞ。」
「うう・・わかった。ごめんなさい」
「ちゃんと反省するならよろしい。少し待ってろ今から受付に言って先生呼んでくるから退院したら美味い物でも食いに行こう。」
俺がそう言うと満面の笑みでソイホンが、
「金あるの?」
体が氷のように固まってしまった。
「え、えっと・・・・・お金は・・・」
「ないよな。セラの店荒らした所為でスカンピンだよな。」
そんな冷たい目で俺を見ないでソイホン!!
「いいさ。今日は私が奢る。目覚めたばかりだから軽いものがいいな。食材を買って鍋にでもしないか?」
「え?鍋・・・・いいな!!マリーも帰ってきてるだろうし三人でパアッとやるか!」
「そうだな。酒も沢山買おう。今日は飲むぞ!!」
「マジで!それも全部ソイホンさんの奢りですか!?」
「当たり前だろ!聞いてると思うが私は懸賞金5000万の『解体屋』ジョネスを討伐したんだ!その報酬金で今日はなんでも奢ってやるさ!!」
「・・・・・・今なんて?」
聞き間違いかな?懸賞金5000万のやつを倒した?
「マリーから聞いてるだろ?第四師団の四席『解体屋』ジョネスを倒したんだ。しかも一撃でな!!その報酬金が貰えるんだ!」
え?なにそれ?僕聞いてないんですけど?
え、でも5000万・・・もしかしてそれ・・・
俺の口座に振り込まれてたやつじゃないよな・・・・?
「5000万だぞ!5000万!!これだけあればしばらくは遊んで暮らせるし!!」
希望を胸に抱いて興奮するソイホンがいるが、ちょっとここで説明しておこう。
俺たちのパーティーはクエストを達成して報酬金が発生するとその全てが俺の口座に振り込まれるように設定してあるのだ。理由は1つ。マリーとソイホンの金遣いが荒いからだ。報酬が入ると決まって二人は豪遊して金を全て使いつくしてしまうのだ。
だから二人の達成報酬も俺の口座に入れるようにしているんだけど・・・。
「なあハクヤ。5000万も入ったんだ。少しくらい豪遊してもいいだろ?」
それは四日前の事だ。俺は口座にいくら入ってるかなーと確認したところ何故か5000万もの振り込みがされていたのだ。
俺こんな高報酬のクエスト受けたっけ?って疑問に思いながらも俺はそれをこの四日間で
全て使いきってしまったのだ。
何に使ったって?ツケを払ったりキャバクラ行ったり高級酒飲んだり友人に奢ったりと・・・
豪遊してたのは僕の方ですね。はい。
「おいハクヤ聞いてるのか?」
「は、はい!!!」
「ど、どうした?」
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!!!!!
これがバレたら俺は間違いなくソイホンに消される!!!
「どうしたんだ?顔色が悪いぞ?」
「な、なんでもないですよ・・・」
冷汗が止まらない。俺の横顔をジッと見てくるソイホンが怪しんだのか、
「おいハクヤ。何か隠してるな?」
「ギクッ!!!」
「わかりやすいな・・・何を隠してるんだ!!言ってみろ!!」
ソイホンが右手を『龍の爪』に変えて俺の喉元に当ててくる。ひゃああああああ!!!
「怒らない?」
「場合による」
「ですよねー」
俺は腹を括り全て正直に話す事にした。
10分後
「へーそうなんだ!いつもは私達に豪遊するなと言っているクセに自分は私が稼いだ大金を全て豪遊するために使ったと!」
ニコニコと笑いながら手を合わせ骨をバキバキと鳴らすソイホン。
「そうそう!!心が広くて優しいソイホンはこんなことで僕を殺したりしないよね!!」
正座をしている俺は生まれたての小鹿のように震えながら目の前の鬼を見上げる。
「安心して殺したりはしないよ。ただ・・・・」
「ただ・・・?」
俺はビクビクしながらソイホンの返答待つ。そして、
「死んだほうが幸せだって思えるくらいの恐怖を刻んであ・げ・る」
あ、死んだ。
「くたばれゴラあああああああああああ!!!!!!」
「いやああああああああああああああ!!!!!」
その後俺はソイホンにこれ以上にないまでにボコボコにされてソイホンと入れ替わりで病院に入院する事になった。
感想待ってます。