ソイホンサイド
「え?一緒にクエストを?」
ハクヤを入院レベルにまでボッコボコにした次の日。私はギルドに赴きリハビリの為にクエストを受けようとした所をダクネスに声を掛けられて一緒にクエストに行こうと誘われたのだ。
「ああ。折角だからな。一度くらいは一緒に受けてみたいと思っていたし」
でもなー。今の私には金が必要なんだ。うちの
「私の仲間も紹介したいんだ!是非一緒に来てくれ」
んんん・・・どうしたものか。ダクネスとはまあまあの仲だし断るのも気が引けるしな。仕方がない。
「ああわかった。今日はお前達と一緒に受けるとしよう」
「よし決まりだ!向こうに仲間が待ってるからついてきてくれ。」
早歩きで進むダクネスについていくのに私は少し苦労した。
ハクヤサイド
「おめーはバカか。」
「包帯を全身グルグルに巻いた奴に言う言葉じゃねーぞフーリン。」
俺は訳あってソイホンが入院していた病院と同じ病院に入院する事になった。なんでそんなことになってるのかって?聞いてくれるなこの野郎。
「一日で5000万使うなんてどこのボンボンだ。しかもそれは女の金って・・・・恥を知りやがれ。」
ベッドの隣に置いてある椅子に腰を掛け足を組むフーリン。今日はバイトが休みだからお見舞いに来てくれたのだ。
「何かおみあげ無いの?」
「バナナならあるぞ。剝いてやろうか?」
「頼む」
両手両足を複雑骨折している今の俺にはバナナの皮を剝くこともできない社会的弱者なのだ。
「このバナナ中々美味いな」
「お前が食うのかよ!!」
まるでソイホンの時の再現だ。悪い事したら返ってくるって本当なんだね。(涙目)
バナナを食べ終わったフーリンはここが病院、しかも重症患者がいる病室という事にもかかわらずタバコを取り出し火をつけて吸い始めた。
「聞いた話だとソイホンは第四師団の副団長に負けたみたいじゃねーか。次攻められたらどうすんだよ」
「そこは大丈夫だ。敗因はしっかりしているからな。そこを反省して次に活かせば決して負けはしないさ」
「今のテメーには説得力ゼロだがな」
煙を吐いて厭味ったらしく行ってくるフーリン。事実だから何も言い返せない。
「あ、そうだ。お前聞いたか。『首切り』の話」
「ん?ああ五年前王都に現れた殺人鬼か。知ってるぜ。一応俺も王都からの招集にかけられたからな」
やはり王下七武神には情報が伝わるのが速いな。俺はコジロウから聞かされるまで気づかなかったし。
「でも俺はいかねーぜ。シフトが詰まってんだ。それに俺がいかなくても他の奴らでなんとかするだろ」
「まあ確かに七武神が3人いれば『首切り』も倒せんだろ。」
確かコジロウが言っていた。自分以外にも2人七武神が『首切り』を討伐する為に召集されると。誰だがは知らんが。
「まあそういうこった。俺はもう行くぜ。折角の休みなんだ。野郎と同じ部屋でずっといられるかって」
吸いきったタバコを携帯用の灰皿に入れ病室のスライド式の扉に手を掛け開きフーリンはこの病室を出て行った。
「タバコ臭い・・・」
俺はナースコールのボタンを押し看護婦を呼んで消臭剤を買ってくるように頼むのだった。
ソイホンサイド
「全員知っているだろうが改めて自己紹介しておこう。私はソイホン。今日はダクネスの誘いでこのパーティーに来た。よろしく」
「よろしくお願いしますソイホン。ジョネスの時はありがとうございます。今度お礼をさせてくださいね」
赤色を基調とした服を着ている中二病魔法使いめぐみんが言ってくる。このめぐみんは紅魔族。
紅魔族とは知力と魔力が生まれつき高い種族で紅い瞳と黒髪、変な名前と変な感性を持っているのが特徴だ。紅魔族は例に漏れず全員が上級職であるアークウィザードの素質を持っておりそして例に漏れず全員がアークウィザードなのだ。
ベルセルク騎士団。王下七武神。魔王軍。世界三大勢力の全てから強さに関しては一目置かれている一応すごい種族なのだが・・・・
「折角なのでね。私も自己紹介しておきましょう!我が名はめぐみん!!紅魔族随一の魔法使いにして最強の魔法。爆裂魔法を操りしもの。そしていつかは王下七武神に名を連ねる物!!」
「おいめぐみん。お前毎回そうやらないと気が済まないのか!」
クリスのパンツを盗んだ変態がめぐみんに突っ込む。ちなみにこいつあの後ギルドに戻ったら覚えたばっかのスティールをめぐみんに使ったのだ。そしたらまたもやパンツを盗んだではないか。これはランダムに物を盗むといってもありえねーだろ。
話を戻そう。一応すごい種族なのだがこういう変な所があるから世間からは残念な種族と言われている。
「俺はカズマ。クラスは冒険者だ。一応パーティーリーダーでもあるからよろしくなソイホン。」
カズマと名乗ったこの変態は手を出し握手を求めてくる。・・・・仕方がない。
「よろしくカズマ。最初に言っておくが私にスティールを使ってパンツでも盗ろうものなら細切れにして蛙の餌にするからな。」
カズマの手をガッシリと掴み握手しながらそう釘を打って置く。
「す、するわけないじゃないか。あ、あはははは」
変な汗を流しながら私と視線を合わそうとしないカズマ。ダクネスからカズマの評価を聞いた所それこそクズの称号が相応しい男だった。でも根はやさしい奴だとかなんとか。
「最後は私ね!!私の名前はアクア!!アクシズ教の御神体である女神アクアよ!!崇めなさいソイホン!」
「神を自称するなんて罰辺りな・・・」
「なんで信じてくれないのおお!!!私本当に女神なの!!信じてソイホン!!マリー!!」
「よりによってなんでアクシズ教なの?あんなゴミと同価値な人達」
マリーがすんごい毒吐いた。ハクヤにも聞かしてやりたいな。
「誰がゴミと同価値ですって!!あの子たちは皆いい子たちなのよ!!謝って!!ゴミと同価値って言った事を謝って!!」
「いや事実だし」
「うわあああああああん!!カズマああああ!!!」
マリーに論破されてカズマに泣きつく自称女神のアクア。こいつのどこが女神なんだ。
「なあマリー。一応今日は一緒にクエストやるんだからアクアとも仲良くしてくれないか?」
ダクネスが優しくマリーに言う。
「うんそうだった。ごめんねアクア。」
「ぐす・・・お酒奢ってくれたら許す」
「お前実はそんな気にしてないだろ」
カズマに的確なツッコミを入れられるアクア。今日はこいつらとクエストを受けるのだが退屈はしなさそうだ。
「よし。じゃあクエストを受注しに行きますか」
カズマの一声で皆クエストの依頼が張られている掲示板の前にまで移動するのだった。