二話です!
「すいません。クリムゾンビアー二つお願いします」
「はい。かしこまりました」
赤毛のウエイトレスさんにクリムゾンビアーという酒を二つ頼み俺は頬杖を突いた。
そして目の前に座る俺の仲間の一人ソイホンの顔を見る。うん、こいつはやっぱり美人だ。
「何私の顔をジロジロ見ているんだ気持ち悪い。」
「お前のそういう棘が無くなれば俺はどれだけ嬉しい事か」
顔を見ていただけなのに罵倒された俺は少し心を痛めた。
俺たちは今蛙狩りのクエストを終えて報酬をもらいソイホンと一緒に昼酒を飲もうとしてたところだ。
俺たちの今いる場所はアクセルという駆け出しが集まる街のギルドにいた。
そのギルドの真ん中の席に俺とソイホンは向かい合うように座っている。
ソイホンは背筋を伸ばし姿勢を正しながら俺は頬杖を突き姿勢悪く座っている。
「そういえばマリーはどうした?」
「あいつは今リッチーの店に行っている。多分店主と話しているだけだろうが」
「ああウィズの店ね」
マリー。そいつは俺のもう一人の仲間の事だ。俺たちは俺、ソイホン、マリーと三人で構成されたパーティーなのだ。
まあ基本的にはバラバラで行動しているが、いざって時には全員集まる事がある。それは、
「魔王軍がこの街の近くの古城に住み着いている事は知っているか?」
唐突にソイホンが俺に聞いて来た。
「気づいてないわけないだろ。まあ魔王軍の存在に気付いているのは俺たち以外にはいないだろうな。マリーは気付いてるだろうが」
今の会話に出て来た単語に集まる時の理由がある。それは魔王軍。
この世界を征服しようと企てている集団だ。そいつらの強さは一人一人が俺やソイホンと同格の力を持っている。
現在の世界状況は魔王軍、ベルセルク王国騎士団、王下七武神の三大勢力によって均衡が保たれているような状況だ。
今このギルド内にいる冒険者は皆のほほんとしているが実際世界状況はかなりの緊張が続いた状態だ。
「どうする?私達で討伐しにいくか?遅かれ早かれこの街に魔王軍の存在は気付かれるぞ?」
「ああわかっている。だがまだ早い。しばらく奴らの動向を観察しよう」
「大丈夫なのか?それで」
「ああ。多分な。それにおかしいと思わないか?」
「何がだ?」
「魔王軍がこの街の近くに住み着いているという事自体がだ」
「?」
ソイホンが頭を傾げわからないでいた。
「もし奴らがこの街を襲うのが目的だとしたら何故今すぐに襲ってこない?」
「確かに・・・」
「古城なんかに住み着かなくたって目的をすぐに果たすことくらい奴らには出来る。だが、城に住み着き何かを待っている。いや何かを調査している。」
「何かを調査?それって一体?」
「さあな。俺にもわからない。だが奴らはこの街を攻撃する事自体が目的ではないんだ。いますぐこちらから仕掛ける必要はない。下手に刺激してこの街に被害が出たらそれは俺たちの責任になる。」
「わかった。お前の言う通りにしよう。マリーにも私から伝えておく」
「ああ頼む。あとお前って言うのやめような」
一通りの話が終わった時に頼んだクリムゾンビアーが運ばれてきた。
俺とソイホンはグラスをぶつけ合い乾杯してソイホンは一気にクリムゾンビアーを飲み干す。
「ぷはっ!くううう!!美味い!!この一杯の為に私は生きている!!」
「お前本当酒飲んでるときはオッサンだよな」
俺はそんな事をいいながらチビチビと飲みグラスの中身を減らしていく。
「はあああ!いいんだよ!!これが私の唯一の幸せなんだからさああ!!」
酒が入るとこいつキャラが変わるんだよな。飲む前はクールなんだが酒が入ると一気にテンションがあがりクールの欠片もなくなる。
「お姉さああん!!クリムゾンビアーおかわり!!!」
「はーい。ただいまお持ちしまーす!!」
完全に酔ったソイホンが俺に聞いて来た。
「ねええ、ハクヤああ、あんた好きな人とかいないのお?」
「どんだけ酔ってるんだお前は」
「ねえええ、私が聞いてんのおおお!」
顔を真っ赤にしながら机に突っ伏しているソイホン。全くこいつは、
そして酒のお代わりが運ばれてきてソイホンまたすごい勢いで飲み干していく。
「まあいないことはないな」
「へええ??本当に?ねえだれだれおしえて?」
ベロンベロンに酔っぱらったソイホンが俺に顔を近づけて聞いてくる。こいつ酒くさ!!
「まああ・・それは話すとだな。長ーい話になってしまうんだが?」
「いいがらおりえてえええ・・」
呂律も回らなくなったか。よしあともうひと押し。
「これはな俺がまだこーんなちっこい時の話なんだが」
ガダンッ!!
その瞬間ソイホンは勢いよく頭を机に叩きつけた。
「ぐうううううう・・・・・」
「はい。おやすみ」
酒が回り過ぎたのかソイホンは机に突っ伏して眠ってしまった。
「お姉さん。代金はここに置いとくから。あとしばらくこいつ寝かしといて」
「はい。わかりました」
何時もの事なのでお姉さんは快く受け入れてくれた。
「ありがとな」
そして俺はソイホンを置いたままギルドを出た。
「よし。ソイホンが寝ちまったから代わりに俺がマリーに伝えに行くとするか」
俺は歩きだした。
元魔王軍の幹部の店に。