8話です!
ソイホンサイド
「オロロロロロロロロ!!!!」
私の朝はビチャビチャという不愉快極まりない音が部屋中に響き渡る所から始まる。
「うえ・・き、気持ち悪い・・」
昨日の夜。ハクヤとマリーに久しぶりに会ったからか、テンションが上がりいつにも増して酒を飲んでしまったのだ。その所為で私は二日酔いをして起きた瞬間トイレに駆け込みしこたま飲んだ酒を一気に自分の借りてる宿の便器にリバースした。
便器の中に出されたグロテスクな物が美少女から出て来たものとは誰も信じないだろう。だがこれが現実だ。
女の子だって吐く時は吐くし出る時は出るんだ。
「あ、頭痛い・・・」
ズキンズキンと典型的な頭痛の症状を伴いながら私はトイレの水を流し部屋に戻る。
ソファーに寝そべりながら体を休め天井を見る。
「腹減ったな・・・」
頭痛はしても腹は減る。しかし料理するのはめんどくさいしギルドに行くのもめんどくさい。
「寝よう」
考えた末二度寝することにしました。
マリーサイド
「頂きまーす!!」
そう口にしながら目の前にある蛙の唐揚げ定食に手を付け始めた。
私は今朝食を取るためにギルドにやってきていた。
今日は天気がいいからか多くの冒険者がクエストを受ける為にこのギルドにやってきている。
カウンターの席でご飯を食べていると隣に座っている爆裂狂の紅魔族の女の子が見たことない服を着ている男の子に顔を近づけていた。
近くにいるから会話の内容は筒抜けなんだけど、一緒に爆裂道だとかロリッコだとか何だか意味が解らない事だったので私は食事に集中する事にした。
「探したぞ」
む?この声は。
私は顔を少しだけ横に向けてその声の主を見る。
そして爆裂狂の隣に座っていた男の子がその声の主を見てなんだか嫌そうな顔をしている。
私はその人が誰なのかを知っている。
「ぜ!是非私をぱぱぱぱぱパーティーに!!」
「お断りします!!」
「んふううん!!」
その人の名前は確かダスティネス・フォード・ララティーナ。王国の懐刀と言われるほどの大貴族の令嬢だ。この事はハクヤから聞いたんだが彼女が本当にあのダスティネスの令嬢なのかは疑わしい。
確かに貴族の特徴である金髪と碧眼は一致している。まあ私も金髪と碧眼なんだけど。
だが何故そんな大貴族が冒険者などやっているのだろうか?
まあ私にはどうでもいい事なのだが。あ、ちなみに私は貴族じゃないですよ。
まあ詳しくハクヤに聞いた所ハクヤがまだ七武神だった時の話で、王都で開かれた晩餐会に参加した時に一度会ったらしいのだ。その時はまだ彼女は幼かったらしく多分自分の事は覚えていないだろうと言っていた。幼い時の面影があったから気づけたと言っていたが人違いだと私は思う。
「あははー!ダメだよダクネス。そんな強引に迫っちゃ!」
そのダスティネスの令嬢に声をかける銀髪の少女。
確か名前はクリスって言ったっけ?肩と腹と足を露出させた服を着ている盗賊の女の子。銀髪の短髪で頬には縦に長い傷跡があるのが特徴。いつも元気活発でギルドの人気者だ。まあ私の方が可愛いから気にしてないんだけどね?
おっと。私の唐揚げ冷めてしまう早く食べなくては。
「今ならシュワシュワ一つでいいよ!」
「本当ですか!!すいませーん!シュワシュワ一つ!」
ソイホンサイド
「アー気持ち悪い。」
宿で二度寝を決め込もうとしたのだが中々寝付けなかったので散歩をする事にした。今はギルドの近くに来ている。
外の空気を吸った所為か先ほどよりも気分は大分優れている。
「きゃあああああ!!パンツ返してえええええ!!」
「ひゃッはああああああ!!!」
そんな叫び声が二つ同時に聞こえて来た。
「なんだ?」
私は声のする方・・・ギルドの裏方の方に向かった。
するとそこにはなんだかよくわからない光景が広がっていた。
「いやあああああ!!」
「いええええええええええ!!!」
一人は女性物の下着を天高く上げてブンブンと振り回している変態。もう一人は・・・クリス?
クリス。この街に住む盗賊の少女だ。銀髪短髪で誰にでも優しく多分この街一番の人気者だ。
「何をしているんだクリス」
一応クリスは私の友達なので何をしているのか直接聞く事にした。
「え!あ、ソイホン。ちょっとね・・・」
私が話しかけるとクリスはなんだか気まずそうな顔をして目を逸らした。どうしたんだ?
「おい、お前女の下着を振り回して何をしてるんだ。」
私は目の前の変態を殺す勢いの目力で睨み聞く。
「え?あ、これは・・・・」
蛇に睨まれた蛙の様に振り回していた手を止めて固まる男。あれ?こいつどこかで会った気がするな?どこであったんだっけ?
「何故二人共私の質問に答えないんだ。」
私が再びそう尋ねても二人は何も答えない。クリスは顔を真っ赤にし男は汗を流している。
すると突然隣から、
「私が答えよう」
そう言ったのは金髪碧眼の聖騎士。ドM変態クルセイダーのダクネス事ダスティネス・フォード・ララティーナだ。
「ダクネスか。ああ教えてくれ何があったのか」
「ちょ!待って!!」
さっきまで固まっていた男が急に動き出しダクネスが話そうのを阻止しようとする。
「黙ってろ」
「は、はい」
ドスの効いた声を出して男を黙らせる。
「いいぞ。話してくれ」
「ああ実はな・・」
話を聞いた後。
「ほうほう。貴様。私の友人によくもそんな卑劣極まりない事をしてくれたな」
ポキポキと指の関節を鳴らしながら私は男にゆっくりと近づく。
「ひ、ひいいい!!ちょっと待って!勝負を仕掛けたのはクリスの方だぜ!」
「だがスティールでパンツを取ったのはお前だろ?だいだいスティールでパンツ盗るってなんだ。しかもそれをお前はパンツを返さず自分のパンツの値段は自分で決めろと?そしてクリスの有り金全てを毟ったと?クズの極みだな貴様。」
「ちょちょっとまって!!俺が悪かった!だからな!暴力はやめよう!!」
バキッ!
ハクヤサイド
「ここでいいだろう。」
「ああ。構わないさ」
俺は今。ある男と暗黒の森の中にいる。
「まさかテメーと殺りあう時が来るとは思わなかったぜ。」
「私もだ。まさか貴様ともう一度剣を交える時が来るとは思わなかったぞ。」
半径百メートルほどの平地に俺と男は向かい合うようにそして十メートル程の間を取って立つ。
「さあ殺し合おうぜ。コジロウ。」
「そうだな。黒夜叉。」
俺は右手に白、左手に黒の夫婦剣を作り出す。長さは刃渡り60cmほどで重量も重すぎず軽すぎず手にしっくりきて使い勝手がいい双剣だ。戦闘時に何時も愛用している。
そしてコジロウは俺が双剣を作り出すと同時に自分の長刀を鞘から抜く。刃と鞘がこすれ合う音が鳴り響き少なからず俺の心臓は鼓動を速めた。
「投影と言ったか?自身の魔力を物質化し自身の描く物を具現化する能力。七武神の時よりも質を上げたな」
俺は双剣をサーカスのピエロがナイフを扱う時みたく器用に回転させコジロウに構える。
「構えろ。お前は決してやってはいけない事をした。お前のその罪。」
俺はコジロウの背後に一瞬にして移動し脳天をカチ割る勢いで剣を振り下ろした。
「死で償ってもらう。」
森の中に大音量の金属音が鳴り響く。近くにいた森の中に住む生き物たちは今の音に驚き逃げてしまった。
「速いな」
コジロウは剣を頭上に移動させただけで俺の攻撃を防いだ。
「ちっ!」
俺はもう片方の剣をコジロウの背中に刺しに行くだが体を半回転させて躱された。
「甘い!」
そのままコジロウは体を俺の方に向けてその回転させた勢いを剣に乗せて俺に横薙ぎを仕掛ける。
「お前がな!」
俺は右手に持っていた剣を逆手に持ちコジロウの剣を防ぐ。コジロウの脇腹に蹴りを一発決めてその場から離れる。
蹴られた勢いで後退するコジロウ。アバラを折る勢いで蹴ったのにコジロウの奴は眉一つ動かさない。
「少し痛かったぞ」
「だったらもう少し痛そうな顔をしろよ」
こいつはあまり感情を表に出さないからな。まあ昔からなんだけど。
コジロウは構えを解き空を見上げ一つ大きなため息をつく。
「どうした?やっぱり痛いのか??やせ我慢もほどほどに・・・・!!!」
コジロウの剣の切っ先は俺の眼前にあった。
「くっ!!!」
反射的に俺は回避を行い上体が後方に仰け反った形になる。コジロウの剣が俺の真上を通過していく。
「ほう。今のを避けるか。中々の反射神経だな」
「舐めんな!!!!」
そのまま手を地面に置きバク転の動作を行いながらコジロウの顎に蹴りを食らわす。
「遅い」
スウェーで俺の蹴りを躱したコジロウは1m後退する。そして俺はそのままバク転をして元の立った状態に戻り、戻った瞬間に一気にコジロウに詰め寄り斬りかかる。
「はああああああ!!!」
上下右左そして突きありとあらゆる方向から攻撃を繰り出して俺はコジロウを追い詰める。しかしその全てを一本の剣で防ぐコジロウ。
剣技で奴の方が上か。
ガキィィン。と音が鳴る。
右手に持っていた剣が弾き飛ばされ俺の手は一時的にシビレを伴っている。
「握りが甘いぞ。」
「ちっ!」
俺は右後ろ回し蹴りをコジロウの顔面に繰り出す。が、
「何を血迷った。こんな攻撃が私に届くはずが無いだろう。」
左手でがっしりと掴まれ防がれる。
「七武神最強と謳われた貴様だが最期はこうもあっけないか。残念だ。」
眼を細め悲観の感情を表に出したコジロウはそのまま自身の剣を俺の首に振りかざし、
「なっ!!」
ガキィィンとまたもや大きめの金属音が鳴り響く。
「え?なんかわからないけどチャンス!!」
右足は掴まれたままだが関係ない。俺はそのまま両手を地面に着け逆立ち状態になりながら左足を一気にコジロウの顎目がけて振り上げる。
「がうっ!!」
見事俺の蹴りはコジロウの顎にクリーンヒットした。勢いがありすぎたためにコジロウの体が少し宙に浮く。その瞬間を見逃すまいと俺は持っていたもう一つの剣を構えてコジロウの胸目がけて一気に突いた。
「終わりだ!!!」
俺のその言葉と同時に左手に持っていた剣がコジロウの胸を貫通することはなかった。
俺の剣はコジロウの胸の寸での所で強制的に動きを止めたまま動かない。そしてコジロウは宙に浮いていた体が重力に従いそのまま地面に落ちた。
「コジロウ。ハクヤ。お前らは一体何をしているんだ?」
きっと幼い子は泣きわめくだろう。それくらいに低く重くそしてドスの効いた声を俺は聞いた。
「そ、ソイホン?」
俺の仲間のソイホンだった。
ソイホンは無表情で俺の左腕の手首の部分を力一杯握っている。うん。常人の腕だったら粉々になってるよこれ。
ソイホンは今俺の左側に立っていて横から俺の突き出す腕を止めたって感じだな。てかそんなことよりも。
「な、なんでこんな所にいるの?」
俺はソイホンの顔色を窺いながらそんな事を聞く。なんで顔色を窺うかって?ソイホンは今めちゃくちゃ怒ってるからさ。
「そ、ソイホンか。助かった。」
倒れていたコジロウがフラフラと立ち上がる。きっと平衡感覚がはっきりしないのだろう。
「ふふ、いいんだよコジロウ」
ソイホンが笑った!!!!!やばい!!
「そ、ソイホン!!話せばわかる!!」
ソイホンは掴んでいた俺の左手首に更に力を込めて
「とんでけええええええええ!!!」
「はうあああああああ!!」
俺はそのまま吹き飛ばされて森の中に数ある大木の一本に頭から激突した。
その衝撃により俺のぶつかった大木はバキバキと音を出しながら倒れてしまった。俺を下敷きにして。
ソイホンサイド
「内の馬鹿がすまなかったな」
「いや気にしてないさ。それより私を助けてくれてありがとう.」
コジロウが素直に礼を言うなんて珍しいな。まあハクヤに殺されかけてた所を助けたんだから当然ちゃ当然か。
「それよりコジロウ」
「なんだ?」
「ふん!!」
「グホッ!!」
私はコジロウの鳩尾に拳を捻じ込んだ。それを無防備に喰らったコジロウは鳩尾を抑えながら膝を地面につく。
「な、何をするんだソイホン!」
苦しみながら私を睨んでくるコジロウに私はゴミを見る目で見返す。
「何じゃねーよ。お前らどんだけ下らない事でケンカしてんだ」
時は少し遡る。
私はクリスのパンツを振り回していた変態を殴った後お茶が飲みたくなったので美味しいケーキが食べれる喫茶店にへと向かった。そこはこの街では結構穴場のスポットでこの街に住む住人も知らない人がいるくらいだ。人気のない路地を越えて私はその喫茶店へとたどり着いた。
カランカラン。
扉に付けられた鈴の音が店内に鳴り響く。この鈴が鳴る事で客が来た事を中の店員に知らせるのだろう。
しかしなぜだろうか?鈴の音は店内に鳴り響いたというのに店員が誰一人出てこない。
私は不思議に思い声を出して店員を呼ぶことにした。
「すいませーん」
「はーい。ただいま!」
私が呼ぶとすぐにこの店の店員の返事が返ってきた。
「すいません。今日はもうお店を閉めようかと思ってまして」
中から出て来たのはこのお店で働いているマリーと同じくらいの女の子。私がたまにここに来るたびにこの子が接客してくれるので一応知り合いではある。
「どうしたの?何時もならこの時間帯で終わるなんて事ないのに?」
聞くと店員の女の子・・名前はセラというらしい。セラはなんだか気まずそうな顔をした。
「実は・・・・」
ソイホンが来る30分前。
三人称
喫茶店
カランカランと鈴の音が響き渡る。その音と同時に二人の男が店の扉から入ってくる。
一人は『ワフク』という服を身に纏う男。背はこの街に住んでいる一般的な男性の平均より少し高く。凛々しく整った容姿はありとあらゆる女性を魅了するだろう。右手には戦闘には向かなさそうなほどに長い刃の刀を持つ。
もう一人は一人目の男より少し背丈は低く伸縮性に長けた黒の戦闘服を着ている青年。その戦闘服は肌に密着しているために鍛え抜かれた筋肉が浮き彫りになっている。さらにその戦闘服の上に赤い外套を身に着けている。そんな恰好はこの街ではこの男一人しかいない後ろ姿でもすぐに誰か特定する事が出来るみたいだ。容姿は一人目の男と同じく誰もが羨むほどに整った顔立ちをしている。性別上は男性ではあるが化粧などをすれば女性に見えなくもないような造形をしているため仲間からは女装をしてくれと頼まれた事もあるらしい。
「いらっしゃいませ。お二人で?」
「ああ。奥の席を頼む。あとこの店オススメのケーキと紅茶を」
「はい。かしこまりました。では奥の右手にある席にどうぞ」
二人は言われるがままに奥の方へ行き椅子に腰を掛ける。
「んで?話ってなんだコジロウ。」
「ああ。実は王都からの招集があったんだ」
「ふーん。それはどうして?」
コジロウは眼を瞑りそして開ける。
「『首切り』が出たらしい」
ハクヤサイド
「首切り?」
首切り・・・・ああ思い出した。
「確か五年前に王都に現れた殺人鬼か。その異名通り夜に出歩く王都の住人や見回りの騎士団の首を斬り落として持ち帰るっていうマジサイコなやつ」
「そうだ。結局捕まえる事が出来ないまま今の時まで経った。だが再び現れたのならリベンジマッチと言う事だ。」
「なるへそ。今度は逃がさないようにってベルセルク騎士団のやつらは七武神にも声を掛けたってわけね」
「お待たせしました。こちら、苺のショートケーキとカモミールティーです」
やっとお待ちかねのケーキが来た。俺とコジロウの前に置かれ店員は立ち去る。
「まあそう言う訳だ。」
言いたい事を全て言ったのかコジロウは自分の前に置かれたケーキに目を向けてフォークを持ち食べ始めた。俺も紅茶を一口に飲みケーキに手を付け始める。
「それで何でお前はそれを俺に言おうと思ったんだ。」
俺はケーキを食べながらコジロウに聞く。ケーキすごく美味しい。
「美味いな。貴様の事だ。七武神を抜けた後の王都の情勢など仕入れてないと思ってな。私が親切に教えてあげたのだ。」
「そりゃあどうも。確かに最近の王都の事はあんまり知らねーからな。それよりもコジロウ。お前苺嫌いなの?」
ケーキの上に乗っている苺をコジロウは皿の上に置いてクリームとスポンジの所だけを食べている。
「楽しみは最後に取っておくタイプで、」
「いらないなら俺が貰うぜ。」
俺はコジロウの苺をフォークでぶっ刺し自分の口に入れた。
「なっ!!貴様!!私の苺を!!」
「やっぱうめーなこの苺。ん?何か言った?」
「貴様ああああああああ!!私は楽しみを最後に取っておくタイプなのだ!!それなのに食いよって!!」
「マジ?悪いな。てっきりいらないのかと思って。」
「返せ!!」
「食った物は返せん。」
「ふん!」
「ああああ!!テメー!!俺の残りケーキ全部食ってんじゃねええええ!!」
「お返しだ。」
「上等だゴラ!!今ここで叩き斬ってやる!!」
俺は夫婦剣を作りコジロウは自分の刀を鞘から抜き出す。
「ちょ!!お客様!!お店の中での乱闘はやめてください!!」
なんか店員が言っているが耳に入らない。俺は眼前にいる野郎を斬る事しか頭にないのだから。
「くたばれ黒夜叉ああああ!!!」
「黒夜叉って言うなああああああああ!!!」
ソイホンサイド
「なるほど。つまり店の中であのバカ達が暴れた所為で装飾品や壁や椅子などが壊れてしまったと」
「はい。」
「本当にすいません!!!」
私は腰を90度に曲げてセラに謝った。あんの馬鹿が!!どんだけ小さい事でケンカしてんだ!!
「それに興奮した所為か代金を払わずにお店を出て行ってしまって・・・」
「すいません!!本当にすいません!!」
私は財布の中からあるだけのお金を出してセラに渡す。
「あいつらの代金と修理費です!!足りなかったらあのバカ共に殴ってでも支払わせますんで」
「は、はい。それと先ほどの二人は暗黒の森に行くとか言ってましたけど・・・」
「わかりました。今すぐ連れて来て土下座させますんで」
私はダッシュで暗黒の森に向かった。
暗黒の森。
「はああああああああ!!!」
コジロウの剣とハクヤの夫婦剣がぶつかる度にバカでかい金属音が森の中に鳴り響く。ちなみに私は今、森に生えている木の上から戦いを見下ろしている。戦いに集中している所為か二人とも私には気づかない。
「すごい・・・・」
ハクヤは元だけどやっぱり七武神同士の戦いはすごい。今の私じゃ介入する事が出来ないな。
ガキィィィンッ!!
「え?」
突然私の方にハクヤの白い方の剣が飛んできた。
「あぶなっ!!」
飛んできた剣を私は顔に当たるギリギリで剣の柄を掴み受け止めた。
「あんにゃろおおお!あぶねーだろが!!」
私は二人にさらなる怒りを覚えながら戦闘を観戦していると、
「え?まさか?」
コジロウがマジでハクヤの事を殺そうとしてる・・・本気??
「七武神最強と謳われた貴様だが最期はこうもあっけないか。残念だ。」
コジロウは容赦なくハクヤに剣を振り下ろす。マズイ!!
私は先ほど飛んできたハクヤの剣をコジロウに投げつけた。
ガキィィン!!
上手くコジロウの振り下ろし途中の剣に当たりました。
「なんかわからないけどチャンス!!」
そんな事を言いながらハクヤはコジロウの顎を蹴り上げ吹き飛ばす。そして宙に浮いたコジロウを今度はハクヤが殺そうとしている。
「あんの馬鹿!!」
私は自慢のスピードを最高速にまで上げてハクヤの元に向かい
ハクヤの腕を掴んで動きを静止させた。