連れてこられた理由は三人で倉庫に隠されているという
お宝を見つけようというものでした。
鈴仙は怪しく思い隼を連れて永遠亭に戻ろうと思ったが
当の隼自身が宝探しに興味を持ってしまい
戻ろうとも言い出せず
しぶしぶ一緒に宝探しを始めた。
しかし、途中でてゐが永遠亭に戻り
しばらく二人で休憩し帰りの遅いてゐを探しに
永遠亭に戻ろうとしたら鍵が閉まっていた。
「師匠!!開けてください!
中に私達がいるんです!!!」
鈴仙が大声で永琳を呼ぶ。
しかし、倉庫から出る音は小さく
永琳は遠のいていった。
「ダメだ。倉庫の壁が厚くて
声が届きずらくなってる
これじゃあ大声を出しても外にはあまり響かない」
「冷静に言ってる場合じゃないですよ!
このまま閉じ込められたままだと仕事に行けません
お昼の仕事がまだまだ残ったままなんですよ
もしサボってるなんてバレたら……」
鈴仙が慌てて青ざめてる中、隼は冷静に状況を分析していた。
「う〜ん周りになにか脱出出来そうな穴とかないのかな」
「そ、それです!すくに見つけましょう!
宝探しに付き合いすぎました
これ以上仕事をしていないとバレたら
お師匠様からのお仕置きが……」
鈴仙がすぐに脱出口を見つけようと動き出すと
下にあった箱に気付かず…
「へ?あっキャアアアアアアアアアア!!」
「鈴仙ちゃん危ない!!」
とっさのことで隼も反応が遅れてしまい
鈴仙を受け止めることはできたが
そのまま一緒に倒れてしまった。
「すみません隼さん…
私の不注意で…ふぇ!?」
「いや…俺も倉庫の中をちゃんと片付けておけばよかっ…た……!?」
2人が目を見合わせて驚いた声をあげた
2人は倒れた拍子に隼が鈴仙に覆いかぶさるように
倒れてしまっていた。
傍から見れば鈴仙を襲っているようにも見える。
「え、えっと…/////あの…/////」
「れ、鈴仙ちゃんごめん!/////
決してそんなつもりはなくて!/////」
「い、いえ/////私をかばってこうなってしまったのですから/////
だ、大丈夫ですよ/////」
お互い謝った後にしばらく沈黙して
その間お互いを見つめあっていた。
時間としては1分経つかくらいの時に
外から声がした。
「おーい!2人とも!てゐ様が帰ってきたぞー!
って鍵が閉まってる?お師匠様が来たのかな?
まぁいいや開けてしまおう」
てゐの声だ。
どうやら帰ってきたらしい。
「良かった!これで出られる!」
「そうですね!」
「いやぁ〜ごめんごめん!
ちょっと遅れちゃっ……た……
ほほう♪邪魔しちゃったかなぁ〜♪」
「「???」」
てゐがニヤニヤしながらそんな言葉をかけてくる。
2人はなんのことかわからず
しばらく考えて自分達の状況を確認する。
「「・・・・・!?!?!?/////」」
そしてようやく内容を理解した。
鈴仙と隼は急いで立ち上がりてゐに状況説明を始めた。
「これは違うのよ!決していやらしいことを
しようとしてたわけではなく!」
「そうだ!これは事故なんだよ!
鈴仙ちゃんがつまづいて俺がそれをかばって
これは不慮な事故なんだよ!」
「ふ〜ん♪でもそんな必死に説明すると
余計に怪しいなぁ〜♪」
「「違うんだ(のよ)〜〜〜!!!」」
──────────────────
2人はその後昼の仕事があるとてゐを誤魔化しつつ
永遠亭に戻って昼の仕事を再開さした。
しかし永琳に仕事をサボっていたと思われ
てゐが原因と説明する暇もなくお仕置きを受けることになった。
「その隼さん…」
「ん?どうかした?
他になにか仕事あったっけ?」
「いえそういうわけではないのですが」
鈴仙が隼に声をかけてきたのだが
どこかよそよそしい鈴仙に
隼はなにかあったのかと思う。
「その…倉庫での件なんですが…
あの時すぐに立ち上がらずに
ずっと目を見ていた時なにを考えてたんですか?」
「え!?」
覆いかぶさるよう倒れた時のことを気になっていたらしく
鈴仙は隼に聞いてきた。
「どうなんですか?」
「いや…その…ほら!仕事しないと!」
「え!?隼さん!?」
隼はその場を誤魔化し仕事に戻った。
「……気になるなぁ…」
鈴仙は腑に落ちないが仕事をしなければいけないのも事実。
仕方なく仕事に戻った。
「2人とも!まだまだ仕事は残っているわよ!
てゐもすぐに仕事をする!!」
「「「はい!!!」」」
永遠亭は現世で言うところの病院だ。
しかし永琳は薬の開発もしている。
その材料や管理はとても繊細で大変な仕事だ。
隼は管理の仕方を勉強しつつ鈴仙やてゐ、永琳のお手伝いをする。
「隼くん?そこに置いてある霊山草閉まっておいてくれる?
場所は優曇華に聞けばわかるから」
「はいわかりました
ちなみにこの草ってどういう薬に使われるんです?」
「ん?これはね霊力を安定化させるのに使うの
この幻想郷には霊力を持った人や妖怪がたくさんいてね
たまにだけど、その霊力が暴走する時があるのよ
それを安定化させる薬を作るために
この草が使われるの」
「なるほど、そうなんですか
ちなみに外来人である俺には霊力ってないんですか?」
「ん〜そうねぇ私じゃあ霊力を見てあげられないから
試しに今度霊夢のところへ行くのもいいかもしれないわね」
「霊夢?」
「そう幻想郷の中でとても強い巫女よ
彼女にならわかるかもしれないから」
「わかりました
今度会ってみたいと思います」
「そうね
じゃあ会う前に仕事を終わらせてちょうだいね」
「はい!」
そう言われ隼は仕事に戻っていった。
しかしこの時口に出してはいなかったが
霊夢という名を聞いた時すこし胸が苦しくなった。
「(霊夢…どこかで聞いたような気が…)」
霊夢という名と隼がどのように関係しているのか
隼はすこし不安を抱きつつ仕事に戻った。
──────────────────
仕事も終わり隼は晩飯の支度をしていた。
「あれ?隼さん何をしてるんですか?」
「ん?あ〜朝と昼はご飯作ってくれたから
夜は俺が作ろうと思ってね」
「へぇー!隼さんお料理できるんですね!」
「まぁ人並みにはってだけだよ」
「楽しみにしていますね♪
私は食器の用意をしておきますので」
鈴仙はほかの雑用をしに行った。
その入れ替わりでてゐと永琳が入ってきた。
「へぇ〜隼は料理が出来るのか〜
こりゃあ楽しみだなぁ〜♪」
「そんな期待しないでよw
味は保証しないからねw
不味いものは作らないけどw」
「えぇ楽しみにしているわ
隼くん悪いけどもう一人分の食事も用意していただけるかしら」
「え?いいですけど
食べるのは永琳さんと鈴仙ちゃんとてゐだけですよね?
誰かお客さんが来るんですか?」
「いえそうではないのだけれど
まぁそのうち紹介するわ
今は彼女も寝ていそうだし」
「???」
この永遠亭にはもう1人誰かが住んでいるのか
隼は会ってみたいという好奇心があったが
バレた時が怖かったので気持ちをグッと飲み込んで
料理の続きを作り始めた。
「さぁて出来たぞ〜
それじゃあ食べましょうか
いただき………」
「「ちょっと待って!」」
鈴仙とてゐが声を揃えて隼の言葉を遮る。
隼はなぜ止められたのかわからず
2人に問いかける。
「どうしたの2人とも?
なにか嫌いな食材とかあった?」
「いやそういうわけじゃないんだ
とっても美味しそうなんだけどさ」
「これって隼さんが作ったんですよね?」
「うんそうだよ?」
「「うますぎじゃない?」」
「え?」
テーブルの上にはとても綺麗に盛り付けられた食材があり
どれもこれも食欲をかき立てられる美味しそうな匂いがしてくる。
「別に人並みだよ?」
「これが人並みって…いったい隼さんが
いた世界ってどんなとこなんだろう…」
鈴仙達は驚愕していたが隼は構わず話を進める。
「まぁまぁ
とりあえず食べようよ
それじゃあいただきます!」
「「「いただきます」」」
そして皆で隼の作った料理を口に運ぶ。
「「「美味しい!!!」」」
「あははwありがとうございますw」
「なにこれ美味しすぎる!
私の作る料理より味の深みや旨みが
引き出されている!
隼さん!今度このレシピ教えてもらえませんか!」
「え?いいよ全然」
「これはやばいな
鈴仙早く唾つけとかないと
こんな優良物件逃したらもったいないぞ〜♪」
「な!?なにを言ってんのよてゐ!!」
「はははwまぁまぁ2人ともw
ご飯が冷めちゃいけないし食べよ食べよw」
こうして今日の夕飯は隼の意外な一面を発見して
賑やかに過ぎていった。
夕飯が終わり夜遅くなってきたので
隼が寝床に行こうとしたところ
「すみません隼さん!」
鈴仙が隼を呼び止めた。
「どうかしたの鈴仙ちゃん?
まだなにか知りたいレシピとかあった?
俺も知ってるやつはそんなにないけど…」
「い、いえそうじゃなくてですね!
今日のお昼に聞いたことはぐらかされちゃったけど
やっぱり気になっちゃって」
「お昼って…あっ!」
隼はお昼の鈴仙からの質問を思い出した。
「いやね!あれは…その/////」
「無理にとは言わないです
教えてもらえないなら別に大丈夫ですので」
「いや…そういうわけじゃないんだけど…」
しばらくの間沈黙したあと
隼は深呼吸して言葉を発した。
「あの時考えてたのは鈴仙ちゃんの瞳って
ほんと綺麗だなって考えたんだ
なんか恥ずかしくて言えなかったんだけどね/////」
「ふぇ!?/////そ、そうなんですか/////
そ、そんなこと初めて言われました/////」
お互い照れながら笑い合い
しばらく2人で他愛もない話で盛り上がった。
その後はもう夜遅いということで
お互い寝床に行った。
「こんな日常が続けばいいなぁ〜♪」
寝床に入りながらそう思う。
この先起こる悲劇も知らずに。