ハイスクール・フリート Gフォース   作:首都防衛戦闘機

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第25章 龍之介と真霜 後編

9月26日

 

横須賀ブルーマーメイド庁舎、宗谷真霜の執務室

 

この日も真霜は、執務室で書類整理の仕事をしていた。

 

真霜「♪~」

 

唯違うのは、昨日のイライラは無く、仕事もスムーズに捗り、笑顔を見せていた。

 

そんな時

 

平賀「し、失礼します。」

 

平賀が恐る恐る部屋に入ってきた。

 

真霜「あら平賀監察官!何か御用?」

 

真霜は、昨日見たいなイライラの態度では無く、明るく笑顔で問う。

 

平賀「い、いえその・・・昨日の書類を取りに参りました。」

 

真霜に突然、明るく笑顔で問れ、平賀は驚くが、落ち着いて、昨日、署名を頼んだ書類の回収に来たと告げる。

 

真霜「ああ、昨日の!・・・・はいこれ!・・・署名は終わっているから後で確認しといてね!」

 

真霜は、書類を平賀に渡す。

 

平賀「はい・・・では、お預かりします。」

 

平賀は、真霜から書類を受け取る。

 

平賀「あの・・・宗谷監督官?」

 

真霜「何、平賀監察官?」

 

平賀「今日は、機嫌が良いし、何だか雰囲気も変わった見たいですけど・・・何かあったんですか?」

 

平賀は、真霜の突然な変りがえに、何かあったのかと問う。

 

真霜「えっ、そう?・・・別に何もなかったけど・・・」

 

流石に昨日の事は、職場の平賀達にも言えない。

 

平賀「そうですか・・・では、失礼しました。」

 

平賀は退出する。

 

しかし、退出後も平賀は、真霜の突然な変りがえに疑問を抱く。

 

平賀「ひょっとして・・・・もしかして!?」

 

平賀は、何故、真霜が変りがえしたのか分かった。

 

そして、この日からブルーマーメイド内で『宗谷真霜に彼氏が出来た』と言う噂が広まった。

 

BPF隊員達は、あの宗谷真霜の彼氏がどんな人なのか気になり

 

BPF隊員『あの人じゃない?』

 

BPF隊員『いや、彼じゃない?』

 

と、真霜の彼氏が誰なのかと言う噂でもちきりになった。

 

雅か、それが龍之介とも知らず。

 

横須賀基地

 

空母大鳳、会議室

 

一方、その龍之介は、空母大鳳の会議室で開かれている幹部会議に参加していた。

 

龍之介「ああ・・・」

 

だが龍之介は、さっき宗谷家の朝食の時と同じ様に完全に機能不全状態だった。

 

功「では、以上で会議を終了します・・・准将!・・・准将!!」

 

功は、会議が終了を龍之介に告げようとしたが、龍之介が機能不全状態だった為、功は、龍之介に声を上げた。

 

龍之介「あっ!?何だ、参謀?」

 

龍之介は、ようやく気が着く。

 

功「何だではありません!!会議を終了しますと申してるのです。」

 

龍之介「ああ、すまない!!では、これで会議を終了する。・・・解散!!」

 

会議は終了し、幹部達は部署に戻る。

 

功「大丈夫ですか、准将?」

 

龍之介「何がだ?」

 

功「さっきから変ですよ!・・・気分が悪いなら軍医の元に診察に行きますか?」

 

余りの龍之介の可笑しさに功が吾郎の診察をお薦めした。

 

龍之介「ありがと参謀・・・だが、その必要はない!」

 

流石に昨日の事は、龍之介も言いたくない為、診察を断った。

 

功「なら良いんですが・・・」

 

大丈夫だと聞きくが、功は安心できずにいた。

 

龍之介「じゃ俺は部屋に戻る・・・何か有ったら呼んでくれ!!」

 

功「分かりました。」

 

龍之介はそう言って、長官室へと戻る。

 

功「准将・・・」

 

長官室へと戻る龍之介を見て、功は、疑問を抱き始める。

 

そして、もう1人

 

美由紀「ん・・・」

 

美由紀も龍之介に疑問を抱き始めていた。

 

空母大鳳、通路

 

会議室を出た龍之介は、そのまま通路を歩き、人気がなくなった瞬間

 

龍之介「くそ!」

 

壁を思いっきり叩く。

 

龍之介「俺は、一体、如何したって言うんだ!!」

 

自分の態度に嘆いていた。

 

空母大鳳、炊飯所兼食堂室

 

その頃、炊飯所兼食堂室では、薫、はやて、次郎の3人が休憩していた。

 

普通なら、なのはとフェイトも居るのだが、2人は、寮でヴィヴィオと一緒に昼飯を食べているので、今日は、3人で食べていた。

 

次郎「なあ!・・・今日の准将は何か変じゃなかったか?」

 

薫「え!?」

 

はやて「せやな!・・・今日は何だか、機能不全やったけど?」

 

食事中、2人は、龍之介が何故、機能不全状態になっているのか疑問を抱く。

 

次郎「なあ薫!・・・何か知らないか?」

 

次郎は、薫に問う。

 

薫は、龍之介と一緒に宗谷家に同居しているのだから、当然知っているのだと思ったが?

 

薫「さあ・・・知らないけど・・・」

 

次郎「そうか、薫なら知ってるかと思ったけど・・・」

 

薫(流石に兄さんが真霜姉さんにした事は、次郎君やはやてちゃんには言えない。)

 

薫は、龍之介が真霜と快楽した事は、流石に次郎達には言えない為、あえて知らないと答えたのだ。

 

しかし、それに気づく者がいた。

 

はやて「もしかして!?」

 

次郎「何か心あたりでもあるのか?」

 

はやて「准将に・・・好きな人が出来たんじゃない?」

 

薫(ギク!?)

 

はやての言葉に薫は動揺する。

 

余りに本当の事を言っているからだ

 

次郎「雅か・・・あの准将を好きになる奴なんて、早々いないと思うんだけどな・・・」

 

はやての考えに次郎は否定的であった。

 

はやて「絶対そうや!だから准将は元気なかったんや!!」

 

次郎「そうなのか薫!・・・准将に女が出来たのか?」

 

薫「し、知らない!知らない!!・・・知らないわよ!!」

 

次郎の問いに薫は、知らないと怒鳴る。

 

次郎「何怒ってんだ?」

 

いきなり怒鳴られ次郎は怯える。

 

薫「えっ!?・・・ああ、何でもない!何でもないわよ!!」

 

堆怒鳴ってしまった為、戸惑う薫。

 

次郎「変な奴だな!」

 

薫「はぁ・・・」

 

薫は、何とか誤魔化した。

 

横須賀ブルーマーメイド庁舎、宗谷真霜の執務室

 

一方、真霜は相変わらずのルンルン気分で書類整理をしていた。

 

そんな時

 

トン、トン

 

真霜「ん?」

 

誰かが真霜の執務室を訪ねてきた。

 

真霜「どうぞ!!」

 

誰かと思いつつ真霜は、入室を許可する。

 

美由紀「失礼するわね!」

 

真霜「権藤監督官!?」

 

何と真霜の執務室に入って来たのは美由紀だった。

 

真霜「何か御用ですか?」

 

突然、訪ねてきた美由紀に真霜は何か御用できたのか尋ねる。

 

美由紀「ええ、おお有よ!!」

 

ドーン!

 

美由紀は、そう言いながら机を叩き真霜を睨む。

 

真霜「はっ!?」

 

美由紀「宗谷監督官!・・・貴方一体、うちの准将に何をしたの?」

 

美由紀は、龍之介に何をしたのか、真霜を問い詰める。

 

真霜「私は、何も・・・」

 

真霜は、流石に昨日の事は、美由紀には言えず、あえて誤魔化すが

 

美由紀「惚けないで!!・・・昨日の准将は何事も無かったのに・・・今日の准将は何か可笑しかった!?・・・これは、貴方が准将に何かしたと言う証拠よ!!」

 

だが、美由紀には誤魔化しは効かなかった。

 

此処に来る前、空母大鳳の会議室で美由紀は、会議に挑んでいた龍之介の態度が可笑しい事に気づき、これは、真霜が龍之介に何かをしたと思い。

 

それを問い詰め様と態々、真霜のもとに乗り込んできたのだ。

 

美由紀「さあ一体准将に何をしたの?・・・答えなさい宗谷監督官!!」

 

美由紀は、更に真霜を問い詰める。

 

真霜「ん・・・・権藤監督官!・・・私は決して、山本監督官には何もしていません!!」

 

しかし、それでも真霜は何もしていないと言い張る。

 

美由紀「はぁ・・・そう・・・分かったわ!!」

 

何もしていないと言い張る真霜に美由紀は嘘だと気づくが、納得する。

 

美由紀「でも、これだけは覚えて置きなさい!!・・・貴方が何を企んでも・・・私がそれを全力で阻止する事を!!」

 

美由紀は、これ以上問い詰めても無駄だと思い、此処はあえて納得し、真霜が何を企んでも、自分がそれを全力で阻止する事を真霜に告げ、執務室を出て行く。

 

真霜「ん・・・」

 

美由紀が出て行った後、真霜は浮かない顔をする。

 

横須賀基地

 

空母大鳳、長官室

 

一方、龍之介は、空母大鳳の長官室で

 

龍之介「ああ、俺は何て事をしたんだ!!・・・事故とは言え、宗谷監督官を犯してしまった!!」

 

自分が真霜を犯した事を深く悔いていた。

 

龍之介「いっそ・・・死んで償うしかないのか・・・」

 

龍之介は深く悔いた末、いっそ死んで償うしかないと思った。

 

そんな時

 

功「やっぱり!」

 

龍之介「参謀!?」

 

功が長官室に入って来た。

 

功「何か可笑しいかと思い、追いかけて来ました。」

 

功は、龍之介の態度に疑問を持ち、態々、長官室まで追いかけてきたのだ。

 

龍之介「そうか・・・すまない!!」

 

功「何が有ったのか、話してください!!」

 

龍之介「じ、実は・・・」

 

龍之介は、功に昨日の事を全て話した。

 

功「成程!!・・・それで悔やんでいたのですか?」

 

全てを聞いた功は、動揺せず納得する。

 

龍之介「ああ・・・俺は居候とは言え、真雪さんの大切な長女を傷物にしてしまった!!・・・この上は、死んで真雪さんに償うしかない!!」

 

龍之介は、自決しようと机の引き出しから拳銃を出す。

 

功「待ってください!!」

 

自決しようとする龍之介を功が止める。

 

龍之介「止めるな参謀!!死んで詫びるしかないんだ!!」

 

だが、それでも龍之介は自決しようとする。

 

功「死ぬ以外にもまだ方法は有ります!!」

 

何と功は、死ぬ以外にもこの問題を解決する方法が有ると言うのだ。

 

龍之介「何!?」

 

それを聞いた龍之介は、自決するのを止める。

 

龍之介「教えてくれ?・・・死ぬ以外の方法とは何だ?」

 

龍之介は、死ぬ以外の方法とは何かと問う。

 

功「それは・・・・宗谷監督官と・・・・付き合う事です。」

 

何と功が言う死ぬ以外に、この問題を解決する方法とは、龍之介が真霜と付き合う事だった。

 

ガーン!!

 

それを聞いた途端、龍之介の顔は、また真っ白になり

 

龍之介「お、お前!・・・自分が何を言ってるのか分かっているのか!?」

 

そして、功を責める。

 

功「勿論分かっています!・・・ですが・・・こうなった以上、そうするしか、この問題を解決する方法はありません。」

 

確かに、もう既に快楽までしてしまった以上、真霜を自分の女として、付き合うしか、この問題を解決する方法はない。

 

龍之介「だが、俺と宗谷監督官とは身分あまりに違う・・・向こうは、代々ブルーマーメイドの一族で、俺は唯の町工場・・・所詮付き合うのは、無理だ!!」

 

龍之介の言う通り、真霜の家は、代々続くブルーマーメイドの一族、龍之介の家は、唯の町工場。

 

そんな2人が付き合うのは、所詮無理な話だ。

 

功「そんな事は関係有りません!!・・・向こうは、本気で貴方の事が好きで、あんな事をしたんです!!・・・それなら貴方は、それに報いなければなりません!!」

 

だが功は、家柄とか関係なく、真霜自身が龍之介を選んだ。

 

だから、真霜は龍之介と快楽した。

 

龍之介「ん・・・その通りだ・・・だけど俺達は、Gフォースだ!!・・・いづれ死ぬ運命が訪れても可笑しくない!!・・・そんな運命にあいつを巻き込みたくない!!」

 

確かに、龍之介達は、いづれ死ぬ運命が訪れても可笑しくない状況だ。

 

そんな運命に真霜を巻き込みたくなかった。

 

功「確かに我々には、死ぬ運命が訪れても可笑しくはありません!!・・・ですが・・・それを乗り越えてこそ、恋は充実するもの・・・准将は、唯それを言い訳に逃げているだけです!!」

 

功もその事は、重々分かっていた。

 

それでも、それを乗り越えるこそ、恋は充実するもの。

 

龍之介は、唯それを言い訳に逃げているのだと功に告げられる。

 

龍之介「逃げている?・・・俺が?」

 

自分が逃げている事に全く理解していない龍之介。

 

功「そうです・・・・此処は、一気に宗谷監督官に好きだと言うべきなのです!!」

 

此処は、一気に真霜に好きだと告白するべきだと言う功。

 

龍之介「ん・・・・少し考えさせてくれないか?」

 

それに対して、龍之介は、少し考える時間をくれと功に告げる。

 

功「分かりました・・・准将の判断に期待しています!!・・・では、私はこれで・・・」

 

功は、龍之介の判断に期待しながら長官室を出る。

 

功が出て行った後、龍之介は

 

龍之介「はぁ~やはり俺は、唯逃げていただけかもしれないな・・・」

 

ようやく、自分が真霜の好きな思いから逃げていただけだと気づくのだった。

 

宗谷家

 

その後、全員が宗谷家に帰宅した。

 

夕食後、真霜は、薫の部屋に呼ばれた。

 

宗谷家、薫の部屋

 

真霜「そう・・・貴方達の所でも、そんな事になっていた何て!?」

 

真霜は、薫から今日の出来事を聞いて、自分の所だけじゃなく、薫達の所でも噂が広がっていた事に驚いていた。

 

だが真霜は、美由紀に責められた事は薫に言わなかった。

 

薫「そうなんですよ!・・・もう大変だったんですから・・・」

 

真霜「御免ね、薫!」

 

真霜は、こんな事になった事を薫に謝罪する。

 

薫「何で謝るんですか?」

 

真霜「だって私のせいで、薫に迷惑を掛けてしまったから・・・」

 

薫「別に迷惑なんて、むしろ私的には嬉しいんですよ!」

 

実は、薫は嬉しかったのだ。

 

真霜「えっ?」

 

薫「だって、兄さんと真霜姉さんは、いつも喧嘩ばかりで対立していたから・・・」

 

真霜「べ、別に対立していた訳じゃないわよ!・・・唯、男と言うだけで嫌だっただけよ!」

 

薫「でも、それ以上に好きになったんですよね?」

 

真霜「う、うん!」

 

いつも職場や家では対立していた龍之介と真霜が仲直りしてくれた。

 

それだけじゃない、それ以上の関係になってくれた。

 

薫「じゃ、それで良いじゃないですか!!」

 

薫は、真霜に感謝していた。

 

真霜「・・・・」

 

真霜は何も言えず、唯、顔を赤くするのだった。

 

薫「でも・・・」

 

真霜「まだ何かあるの?」

 

薫「真雪さんには、いつ言うんですか?」

 

真霜「あっ!?」

 

確かに、母の真雪は、この事実を知らない。

 

真霜「ん・・・お母さんには、いづれ時期を見て話すわ!」

 

真霜は、いづれ時期を見てから真雪に話すと言う。

 

薫「んん・・・許してくれるかな、真雪さんは?」

 

真霜「それは、分からない?」

 

真雪が龍之介と真霜の関係を許してくれるのか分からない。

 

真霜は、真雪にとっては、ブルーマーメイドのエリートで大事な宗谷家の跡取り、そして龍之介は、Gフォースの唯の指揮官で居候の身だ。

 

そんな奴との関係など、真雪は、とても許してはくれないだろう。

 

真霜「でも、許してくれなくても・・・私は、龍之介さんとは、別れない!・・・それが例え親子の縁を切ったとしても・・・」

 

真霜は、例え親子の縁を切られても、龍之介とは別れない覚悟を決めていた。

 

薫「いや、親子の縁を切るまでしないと思いますけど・・・」

 

薫は、流石に、あの真雪が真霜と親子の縁を切ると言う事はしないだろう。

 

薫「まあ、私は、如何なろうと2人を応援していますので、頑張ってください真霜姉さん!!」

 

それでも薫は、2人を応援するのだった。

 

真霜「ありがとう薫!」

 

真霜は、嬉しく感謝する。

 

その後、皆が寝静まった頃

 

真霜は、龍之介の部屋を訪れる。

 

宗谷家、龍之介の部屋

 

この時間、龍之介は、もう寝ているだろうと思っていたが、部屋の電気がついていたので、まだ起きているだろうと思い、ドアの隙間からそっと覗く。

 

真霜「ん・・・」

 

部屋を覗くと、龍之介は机の上で考え事をしていた。

 

真霜は、静かに部屋に入り、龍之介の方へと向かい。

 

真霜「龍之介さん!・・・龍之介さんたら!!」

 

龍之介を起こす。

 

龍之介「はっ!?」

 

龍之介は気が付き、真霜の方を向く。

 

龍之介「む、宗谷監督官!?い、いつから其処に?」

 

真霜「たった今よ!何をそう難しく考えていたの?」

 

真霜は、龍之介が何を考えていたのか問う。

 

龍之介「ん・・・」

 

それを聞いた途端、龍之介は机から立ち、ベッドに座り

 

龍之介「ちょっと此処に座ってくれないか!」

 

真霜に自分の横に座れと言う。

 

真霜「ん!?」

 

真霜は何かと思いながら、龍之介の横に座る。

 

龍之介「・・・宗谷監督官!」

 

真霜「真霜で良いわ!」

 

真霜は、呼び捨てを許可する。

 

龍之介「じゃ、真霜・・・昨日は、すまない事をした・・・俺は、本能とは言え、お前を犯してしまった・・・この上は、どんな事でも罪を償う所存だ。」

 

龍之介は、真霜に対して、どんな事でも罪を償うと言う。

 

真霜「そんな償いはいらない!!」

 

だが真霜は、償いはいらないと言う。

 

龍之介「だ、だが・・・」

 

真霜「私は、そんな事をさせる為に貴方と快楽した訳じゃない!!・・・昨日も言ったけど・・・私は、本当に貴方の事が好きなの!!」

 

真霜は、龍之介に償いをさせる為に快楽をしたのではなく、本気で龍之介の事が好きなのだ。

 

龍之介「だけど俺は、お前を幸せにする自信が無い!・・・俺には、死ぬ運命が取り付いている・・・いつ死んでも可笑しくないんだぞ!!」

 

しかし、龍之介には、真霜を幸せにする自信が無い。

 

前にも言った通り、龍之介には、死ぬ運命が訪れても可笑しくない。

 

真霜「それでも私は諦めない!!・・・そんな運命が来たら私は、全力で貴方を守る・・・だから・・・私を愛して・・・」

 

だけど、真霜は諦めず、そんな運命が来たら、全力で龍之介を守ると宣言し、龍之介の手を握る。

 

龍之介「・・・はぁ・・・本当に・・・お前の強がりには呆れるよ・・・だが、其処が好きだ・・・」

 

真霜の強がりに龍之介は遂に負けを認め、真霜の方を向き

 

龍之介「こうなったら、はっきり言おう!・・・・俺も真霜の事が・・・好きだ!!」

 

そう言って、真霜に告白する。

 

それを聞いた真霜は

 

真霜「私も・・・龍之介の事が・・・好きよ!」

 

そう言って、龍之介に近寄り

 

龍之介「ん!?」

 

龍之介の舌を奪う。

 

『んっ‥‥ちゅっ‥‥んむっ‥‥ちゅっ‥‥んんっ‥‥ちゅっ‥‥んんっ‥‥ちゅっ‥‥んっ‥‥んむっ‥‥』

 

お互いに長い口付けをし、口を離すと、またしてもお互いの口から唾液が糸となって、2人の唇の間に引かれていた。

 

そして服を脱ぎ、お互いに見つめ

 

龍之介「じゃ・・・いくぞ!!」

 

真霜「うん!」

 

肌を合わせ、快楽を始めた。

 

先ず龍之介が背後から真霜の胸と秘所を攻めた。

 

胸と秘所を攻められた真霜は荒い息を出しながら絶える。

 

龍之介が真霜の秘所を攻めていると、真霜の秘所から愛液が漏れ、龍之介の手に着く。

 

真霜は、それを見た途端

 

真霜「やだ・・・漏らしちゃったわ・・・」

 

と言って、恥ずかし顔をするが

 

龍之介「構わないよ・・・お前にとっては、愛の証しだ。」

 

龍之介は、真霜の愛の証しだと思い、気にもしなかった。

 

今度は、真霜が龍之介の肉棒を胸で包んで攻める。

 

肉棒を胸で攻められた龍之介は、苦しみながら絶える。

 

だが、胸で攻められている中、龍之介は、堆真霜の顔に精を漏らしてしまう。

 

真霜「フフフ・・・頂いちゃたわ!・・・龍之介の愛の証!」

 

真霜は、笑いながら自分の顔に着いた精を舌でなめる。

 

龍之介「・・・・」

 

龍之介は、恥ずかしながらそれを見る。

 

最後の仕上げとして、真霜は、龍之介に馬乗りになり

 

真霜「これを・・・入れるのね?」

 

龍之介の肉棒を握る。

 

龍之介「ああ」

 

真霜は、自分の秘所に肉棒を挿入する。

 

挿入後、肉棒は、どんどん真霜の中に押し込まれ、きつく締め付けられていく。

 

その締め付けに龍之介は心地好さを感じた。

 

肉棒を中へと押し込んだ後、真霜は、硬さを確かめながら、ゆっくりと腰を動かし、やがて激しく腰を動かした。

 

きつい締め付けと柔らかな腰使いに龍之介はもだえ苦しむ。

 

やがて、きつい締め付けと柔らかな腰使いに龍之介は

 

龍之介「いいい、いくっ!・・・もう出る・・・・!!」

 

限界になる。

 

それを聞いた真霜は、優しく龍之介に口付けをする。

 

真霜に優しく口付けされた瞬間

 

龍之介「はっ!?」

 

龍之介は、盛大に真霜の中に射精した。

 

射精後、2人は、生まれたままの姿でベッドの上で抱き合っていた。

 

月の光が2人を照らし、実に神秘的な光景だった。

 

真霜「中々の不器用なのね・・・全然やった事ないの?」

 

真霜は、龍之介の不器用差に、他の女と快楽を全然やった事がないのかと問う。

 

龍之介「俺は・・まだ、こんな事をした事は、一度も無い・・・」

 

龍之介は、快楽を一度もした事が無かった。

 

真霜「そうなの!・・・・じゃ、私の大事なものを奪ったんだから・・・責任は、ちゃんと取ってくれる?」

 

それを聞いた真霜は、自分の大事なものを奪ったとして、龍之介を脅す。

 

龍之介「お、お前だって!!俺の大事なものを奪ったじゃないか?」

 

それに対して、龍之介も自分の大事なものを奪ったんじゃないかと逆に真霜を脅す。

 

真霜「フ、フフフ・・・何てね!・・・冗談よ!」

 

如何やら、冗談だった様だ。

 

龍之介「たく・・・冗談が過ぎるんだよ・・・お前は!」

 

真霜の冗談に龍之介は呆れてしまう。

 

真霜「んっ!」

 

龍之介「ん!?」

 

『んっ‥‥ちゅっ‥‥んむっ‥‥ちゅっ‥‥んんっ‥‥ちゅっ‥‥んんっ‥‥ちゅっ‥‥んっ‥‥んむっ‥‥』

 

龍之介と真霜は、再び長い口付けをし、その口付けは数十分にも数時間にも感じた。

 

その後、2人は互いの温もりを感じ合うかの様に眠りに着いた。

 

9月26日

 

宗谷家、龍之介の部屋

 

龍之介「んっ・・・うぅ・・・ん?」

 

龍之介は眠りから目覚める。

 

あれから、何時間立ったのだろう。

 

外を見てみると既に朝で、横の時計を見てみると、時刻は午前6時だった。

 

龍之介「そうか・・・あれから寝てしまったんだ。」

 

龍之介は、昨日の事を思い出しながら、隣で幸せそうに眠る真霜を見る。

 

龍之介「全く・・・こいつは幸せそうに寝てるな・・・おい真霜!・・・起きろ!!」

 

そう言いながら、龍之介は真霜を起こす。

 

真霜「うぅ・・・んぅ!?」

 

真霜は、ゆっくり目を覚ます。

 

真霜「あれ私たら、いつの間に寝てしまったんだろう?」

 

真霜も寝ぼけている様で、龍之介の方を向く。

 

龍之介「おはよう!」

 

真霜「おはよう!」

 

そして、お互いに挨拶をした。

 

この時から龍之介と真霜の交際が始まった。

 

勿論、自分の部署に気づかれない様に

 

まだ、先は長いが、いつか幸せになれる様にと

 

だが、それを望まない男がいた。

 

9月29日

 

国土交通省、廊下

 

真霜「♪~」

 

この日、真霜は、ルンルン気分で、いつもの様に国土交通省の海上安全整備局に報告をして、横須賀のブルーマーメイド庁舎に戻ろうとしていた時だった。

 

邦夫「随分とご機嫌斜めだな・・・宗谷監督官!」

 

真霜「はっ!?」

 

突然、邦夫が真霜の背後に現れ、あざ笑うかの様に真霜を見る。

 

真霜「ん・・・」

 

邦夫「何か良い事でもあったのかな?」

 

真霜「別に・・・貴方には関係ないわ!」

 

真霜は、邦夫が何と言おうと相手にしない様に、その場を去るが

 

邦夫「ふん・・・・やはり・・・噂は、本当だったか!」

 

真霜「噂?」

 

邦夫の言葉を聞いて、真霜は足を止める。

 

邦夫「お前・・・男が出来たんだな・・・」

 

邦夫は、最近、BPF隊員達が『宗谷真霜に彼氏が出来た』と噂をしていたのを聞いていた。

 

邦夫は、どうせ噂だろうと信じなかったが、やはり真実だろうか確かめたかったので、態々真霜を問い詰めに来たのだ。

 

真霜「ん!?」

 

それを聞いた真霜は振り向かずに聞く。

 

邦夫「一体誰だ?・・・雅か!?・・・例の居候の・・・」

 

邦夫は、真霜の表情を見て、直ぐに相手が龍之介だと分かった。

 

真霜「だとしたら如何する?」

 

邦夫「お、お前!!・・・俺が有りながら・・・他の男を好きになるとは如何いう了見だ!!」

 

真霜が龍之介を好きだと分かって、邦夫は、我を怒りに変えて、真霜に如何いう了見だと問い詰める。

 

真霜「如何いう了見ですって?・・・笑わせないでよ!・・・貴方とは、そう言う関係になった覚えも無いし・・・第一、私が誰と付き合おうと貴方には関係ないでしょ!!」

 

それに対して、真霜は邦夫を嘲いながら、自分が誰と付き合おうが、貴方には関係ないと言い張る。

 

邦夫「そ、そんなに、その男が良いのか?」

 

言い張る真霜に邦夫は、自分より龍之介が良いのかと問う。

 

真霜「ええ・・・少なくとも・・・貴方見たいに汚い手を使って、私腹を肥やす人間とは違うわ!!」

 

それに対して、真霜はYesと答え、しかも汚い手を使う邦夫とは違うと決めつける。

 

邦夫「くぅ・・・」

 

それを聞いた邦夫は悔しくなり

 

真霜「分かったなら、もう私の事は諦めて!・・・その方が貴方の身の為よ!」

 

更に真霜から、もう自分の事は諦めてときっぱり言われる。

 

真霜「では、失礼します!・・・くれぐれも親に恥を欠かせない様にね・・・野田監督官殿!」

 

と言って、真霜は嘲笑いながら、その場を去る。

 

真霜が去った後、邦夫は

 

邦夫「くぅ・・・認めない!・・・認めないぞ!!」

 

そう言って、真霜と龍之介の関係を認めず

 

邦夫「今に見ていろ!!・・・必ずお前を俺のものにするからな・・・・!!」

 

更に必ず真霜を自分のものにすると宣言した。

 

何れ、これが現実のものになろうとは、龍之介と真霜は知るよしもなかった。

 


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