10月3日
静岡県、駿河湾
この日、Gフォース西部方面艦隊のすくね、さつま、いばらきとブルーマーメイドの弁天、浪速以下の5隻は、静岡県駿河湾にいた。
すくね、艦橋
すくねの航海長「両舷微速ヨーソロー!!」
駿河湾に入った5隻は、速度を落とす。
五月「駿河湾・・・」
艦橋から駿河湾を唖然と見ながら、すくねの艦長の十六夜五月中佐。
志津真「訓練には持って来いの場所ですね艦長!」
訓練には持って来いの場所だと、すくねの副長の南田志津真少佐は、そう言う。
五月「ええ!」
5隻は、ある訓練を行う為、駿河湾を訪れていた。
すくね、特殊潜航艇格納庫
駿河湾に到着後、すくねとさつまの後部の特殊潜航艇格納庫に薫と次郎以下のGF隊員(服装は、Gフォース専用の特殊装備)と真冬と平賀、福内以下のBPF隊員達(服装は、ダイバースーツ)が集合していた。
集合後、訓練指揮官の美由紀が前に出て
美由紀「これより特殊潜航艇の乗艇訓練を行う!!」
特殊潜航艇の乗艇訓練を行うと宣言する。
此処で行う訓練とは、特殊潜航艇さつまを使用した特殊潜航艇の乗艇訓練である。
特殊潜航艇さつまとは、Gフォースが開発した深海特殊潜航艇の事である。
全長6m程の大きさで、主に原潜などの沈没事故での作業を想定して開発された為、放射能遮蔽機能を有している。
乗員2名、武装は、魚雷が1発のみ搭載可能。
すくねとさつまには、それぞれ3艇が搭載されている。
次郎「潜航艇の乗艇訓練なんて、何年ぶりかな?」
薫「ん・・・もう4年ぐらいかな・・・」
次郎「もう4年か・・・随分と久々だな・・・」
薫達にとっては、乗艇訓練は久々であった。
何故なら、薫達、GF隊員は、必ずこの訓練を受けているからだ。
その為、今回の乗艇訓練は、雅に久々の訓練だった。
しかし
BPF隊員「潜航艇の乗艇訓練!?」
BPF隊員「嫌だ・・・暑苦しい・・・」
薫達とは、反対にBPF隊員達は、潜航艇の乗艇訓練を何だか嫌がっていた。
次郎「なあ薫!・・・隣の奴ら・・・何か嫌がってるぜ!」
薫「うん、何だろう?」
BPF隊員達の嫌がりに薫と次郎は気づく。
薫「福内さん!」
福内「何です薫さん?」
薫「先から福内さんの所から、何か嫌味が聞こえてきますけど・・・」
薫は、何故、BPF隊員達が嫌がるか福内に問う。
福内「ああ、実は私達!・・・・潜航艇に乗った事が無いんです。」
何と真冬や平賀、福内以下のBPF隊員達は、潜水艦に乗った経験が無かった。
薫「えっ!?潜水艦とかに乗った事が無いんですか?」
平賀「潜水艦は、男性しか乗れないんです・・・私達、女性は、乗る機会が全くありません。」
薫「ええ、そうなんですか!?・・・私、ブルーマーメイドだから・・・てっきり潜水艦に乗った経験ぐらいあると思ってました。」
経験がない事や潜水艦は、男性しか乗れない事に薫は驚く。
ブルーマーメイドなら、潜水艦勤務もあると思っていたのだろう。
福内「薫さん、潜水艦に乗った事があるんですか?」
薫「勿論ありますよ!・・・一ヶ月の研修で乗艦した事が・・・」
『え・・・・!?』
薫達が研修でだが、潜水艦に乗った事があると聞いて驚く平賀と福内。
平賀「潜水艦って、艦内は狭いでしょ!・・・それに暑苦しくないんですか?」
薫「別に艦内は狭くなかったし・・・空調が効いてて、快適でしたよ・・・」
平賀「でも、お風呂とかシャワーは無かったでしょ?」
薫「お風呂は無いけど、シャワーは有ったわよ!」
『え・・・!?』
薫「そんなに驚く事何ですか?」
福内「驚くも何も、普通潜水艦に空調やシャワーは付いていないわ!!」
薫「え・・・嘘でしょ!?」
この世界の潜水艦に空調やシャワーは付いていない事に驚愕する。
薫「私達が研修で乗っていたのは、アメリカのロス級原潜だったから艦内の生活は快適だったけど・・・そんなに、この世界の潜水艦は酷いんですか?」
福内「詳しい事は知らないけど・・・大抵酷いわ!!」
向こうの世界でも潜水艦は、男性しか乗れないのは同じで、唯違うのは艦内生活が昔より充実している為、女性も乗れる様になっただけである。
福内「だから女性には、あまり向いていないから、男性しか乗れないんです。」
薫「成程!」
大体の理由に納得する。
薫「でも今回乗るのは潜航艇だから、そんなに長くは潜らないわ・・・それに中は狭いけど快適だから!!」
まあ今回乗るのは潜航艇で、潜航時間は精々9時間ぐらい、普通の潜水艦とは違い、そんなに長くは潜航出来ない。
しかも中は、放射能を防ぐ為に頑丈に作られているが狭いが決して窮屈ではない。
BPF隊員「大丈夫かな・・・」
BPF隊員「やっぱ無理だわ!!」
だが、それでもBPF隊員達の嫌がりは、続く。
真冬「何言ってるんだ!!此処は、根性で乗り切るんだ!!」
BPF隊員達の嫌がりに真冬が根性で歯止めする。
薫「真冬・・・根性では何も解決しないのに・・・」
根性では、何も解決しないのだが
はやて「真冬姐さんの言う通りや!!・・・此処は根性で乗り切るんや!!」
真冬に釣られて、はやてまでが根性で歯止めした。
薫「はやてちゃんまで・・・」
はやてまでもが真冬と同じになった事に薫は呆れてしまう。
美由紀「静かに!・・・・では、これより訓練を開始する!!」
とは言え、訓練は実施される。
実施に基づき未経験のBPF隊員だけでさつまを動かすのは危険だ。
其処で、経験豊富なGF隊員と未経験のBPF隊員の中から2人ずつコンビを組んで、訓練に挑む事になった。
編成は、こうである。
1回目
1号艇
次郎&志度
2号艇
薫&寒川
3号艇
はやて&真冬
2回目
1号艇
なのは&平賀
2号艇
フェイト&福内
後は、取り合えず適当にコンビを組ませた。
美由紀「訓練内容は、海底に沈めてる目標をサルベージして戻ってくる事・・・潜航時間は1時間・・・それ以上は、危険と見なし直ちに浮上する様に・・・」
訓練内容は、護衛艦いばらぎから投下された目標をサルベージして戻ってくるという簡単な作業である。
美由紀「では・・・乗艇!」
美由紀の号令の元、GF隊員とBPF隊員がそれぞれさつま3艇に乗艇する。
さつま1号艇
次郎「よ~し、一兆行くか!!」
志度「あのう?」
次郎「何だい志度さん?」
志度「私は、初めて潜航艇に乗るんですけど・・・本当に大丈夫何ですか?」
次郎「大丈夫だよ!こんなのスキッパーの操縦と同じだよ!」
志度「違うと思いますけど・・・」
次郎「兎に角・・・行くぞ!!」
さつま2号艇
薫「寒川さん、補助お願いします。」
寒川「は、はい!」
薫「さあ、行くわよ!!」
さつま3号艇
はやて「真冬姐さん!!フォロウーお願いや!」
真冬「おう!・・・任せておけ!!」
さつま1号艇は、クレーンでつり上げられ、そのまま海上へと降ろされた。
その次にさつま2号艇も降ろされ、更にさつま3号艇も降ろされ、合計6艇が降ろされた。
『潜航開始!!』
各艇は潜航する。
駿河湾の水深は2500m、
さつまの限界深度は3000mで、酸素は9時間
水中速度は20ノットで海底まで15分で着く。
さつま2号艇
潜航している間、薫は考え事をしていた。
薫(目標は、いばらぎから投下されたブツ・・・所要時間は1時間・・・1時間以内に戻らないと・・・)
いくら簡単な訓練でも薫は緊張していた。
そんな時
次郎『此方1号艇!』
突然、さつま1号艇から通信が入る。
薫「此方2号艇!如何したの?」
次郎『もう直ぐ海底だ!!』
薫「ん、そうだね!」
次郎『良いか・・・目標は、海底に沈んでいるブツを回収する事だ!!・・・忘れるな!』
薫「分かってるわよ!」
次郎『本当に分かってるのか?・・・心配だな?』
薫「それは次郎君じゃないの?」
次郎『如何いう意味だよ!?』
薫「いつも変な所でへましてるし・・・」
次郎『お、俺はへましねよ!!・・・確かに・・・いつも准将には怒られてるけど・・・』
薫「フフフ・・・」
次郎『笑うなよ・・・もう・・・』
はやて『あの・・・お取り込み中すいまへんが・・・訓練に戻った方がええんでは・・・』
2人の会話中に突然、さつま3号艇のはやてから訓練に戻った方が良いのではないかと怒られる。
次郎『ん・・・・取り合えず訓練だ!!・・・お互いに頑張ろうぜ!!』
薫「うん!」
次郎『よ~し、行くぞ!!』
兎も角、さつま3艇は海底に到着。
さつま1号艇は左舷をさつま2号艇は右舷、さつま3号艇は中央を、それぞれ目的のブツを捜索する。
さつま1号艇
次郎「志度さん、反応は?」
志度「・・・駄目です・・・反応ありません。」
さつま2号艇
薫「寒川さん、反応は?」
寒川「ん・・・まだ向こうの方かも・・・」
薫「じゃ、もうちょっと先に行ってみましょう。」
志度と寒川がセンサーや計器を見ながら、薫と次郎に指示する。
さつま3号艇
はやて「真冬姐さん、反応は?」
真冬「ん・・・ねえな!」
15分が経過、残り時間30分
さつま1号艇
次郎「くそ!何所にあるんだ?」
さつま2号艇
薫「駄目だわ!見つからない!?」
さつま3号艇
はやて「ん・・・何処にあるんやろう・・・」
いくら捜索しても見つからず、時間だけが過ぎていく。
そんな時
さつま2号艇
寒川「セ、センサーに反応!?」
突然、さつま2号艇のセンサーに反応が出た。
薫「方向は?」
寒川「右舷20度の方向です!!」
薫「分かりました・・・直ぐに向かいます!!」
さつま2号艇は、反応が合った右舷20度の方向に向かう。
薫「目標を視認!」
やがて、さつま2号艇が目標をモニターに捉えた。
薫「何これ?・・・これが探していたブツ?」
薫が見た物は、古い機械の様な物で、表面は貝やフジツボがびっしり付いていた。
寒川「しかし反応は、これから出ています!」
寒川の言う通り。
センサーを見ても、反応はこの古い機械を示している。
恐らく、機械の一部がまだ生きているのだろう。
でも、一体、これは何なのか?
薫「ん・・・」
考えていると
次郎『此方1号艇』
さつま1号艇から通信が入る。
薫「此方2号艇!」
次郎『こっちもブツを見つけた!!・・・直ちに回収する。』
如何やら、さつま1号艇が本命を見つけた様だ。
薫「2号艇了解!」
寒川「如何しますか、これ?」
薫「ん・・・・取り合えず回収しましょう!!・・・まあ、後で調べれば何か分かるかも知れませんし・・・」
折角見つけたのに、このまま放置する訳にはいかない。
取り合えず、回収しようとアームを伸ばす。
しかし、その時
ザァ・・・・ザァ・・・・ザァ・・・・
寒川「な、何です!?」
突然、大海流がさつま2号艇を襲う。
薫「大海流よ!?」
大海流でさつま2号艇は、バランスを崩し流され始めた。
薫「くっ!?」
薫は、必死に操縦桿を握り、立て直そうとするが
薫「だ、駄目だわ!!」
『キャァ・・・・・・!!』
さつま2号艇は流され、ブツも一緒に流されてしまう。
真霜の執務室
バギィ!
龍之介「あっ!?」
龍之介はその頃、真霜の執務室で真霜と一緒に報告書の整理をしていたが、突然、ボールペンの先が折れ
真霜「如何したの?」
龍之介「嫌な予感がした!」
真霜「えっ!?」
龍之介「もしかしたら、薫達の身に何かあったんじゃ!?」
真霜「雅か!・・・きっと思いすごしよ!」
龍之介「ん・・・そうだと良いんだが・・・」
兄弟の結びか、龍之介には、薫が危ないめに合っている事を感じていたが、単なる思いすごしでいてくれるよう祈るのだった。
さつま1号艇
その頃、さつま1号艇は無事にブツを回収していた。
次郎「よ~し、回収した。」
志度「意外と簡単でしたね・・・」
次郎「いや、結構難しいぜ!・・・何なら操縦代わるか?」
志度「い、いえ遠慮しておきます。」
流石に経験もないのに急に操縦を代わると言われたら普通遠慮するのが当たり前。
次郎「ハハハ冗談だよ!」
いきなり未経験の志度に操縦させるのは、無理だと次郎は分っていたので、つい冗談を言った。
次郎「それより、薫の奴何やってんだ?・・・もうこっちに着いても良い頃何だが・・・」
薫達が来ない事に、次郎は何か嫌な予感がした。
薫達、さつま2号艇が大海流に遭遇して、流されている事に次郎は全く気づかなかった。
志度「取り合えず、通信をして見たら如何ですか?」
次郎「そうだな、通信して見るか?」
取り合えず通信を試みる。
次郎「此方、1号艇から2号艇へ・・・・・・2号艇?・・・・2号艇如何した・・・応答しろ!!」
志度「如何したんですか?」
次郎「応答が・・・ない!」
志度「えっ!?」
次郎「もしかして・・・何か遭ったんだ!くそ!」
志度「ど、如何するんですか?」
次郎「2号艇に向かう。」
さつま1号艇は回収したブツを破棄して、2号艇の元に向かう。
残り時間10分
すくね、特殊潜航艇格納庫
すくねの後部の特殊潜航艇格納庫では、美由紀が訓練に出ている艇の帰りを待ち続けていた。
美由紀「あと10分・・・もう殆んどの艇は帰還している・・・残るは、3艇のみ・・・・」
既に他のさつま3艇は、訓練を終え、すくね、さつまに無事に収容されていて、平賀や福内も無事に帰還し、残るは、次郎と志度、薫、寒川、はやて、真冬の6人だけであった。
美由紀「何をやっているの・・・」
美由紀は心配そうに海上を見る。
そして、此処にも
平賀「大丈夫かな・・・真冬姐さん!」
福内「そうね!・・・でも・・・それよりも私は、志度と寒川が心配だわ!」
美由紀と同じ様に平賀や福内も心配していた。
特に福内は、部下の志度と寒川の身を心配していた。
だが、今2人に出来る事は無事に帰ってくる事を祈るだけだ。
その頃、海流に流されたさつま2号艇は
薫「・・・ん・・・ん・・・・はっ!?」
海流に流された衝撃で気絶していた薫は意識を取り戻し、辺りを見る。
薫(如何やら・・・生きてるようね!)
自分が生きてる事を確認すると
薫「寒川さん!・・・寒川さん!」
直ぐに後ろの寒川を起こす。
寒川「・・・ん・・・ん・・・・はっ!?」
寒川は意識を取り戻す。
薫「気が着きましたか?」
寒川「此処は?・・・私・・・生きてるの!?」
薫「如何やら、そう見たいです。」
お互いに無事である事を確認し、各機器をチェックする。
一応、各機器は正常に作動している。
寒川「通信は如何ですか?」
薫「試してみるわ。」
薫は、通信機で通信を試みる。
薫「此方2号艇!・・・すくね応答願います!・・・すくね応答願います!・・・・応答願います!・・・・駄目だわ!!」
如何やら通信機が故障した様だ。
これでは海上の艦艇に救援を呼べない。
寒川「如何します?」
薫「ん・・・仕方がない!・・・上に戻りましょう。」
通信機が使えない以上、訓練続行は不可能で浮上するしかない。
薫は機関を起動し、海上に上がろうとしたが
ブゥ・・・・ブゥ・・・・
薫「ん・・・・」
寒川「如何したんですか?」
薫「・・・・駄目だわ!!・・・・スクリューが土砂に埋まって動けない!!」
寒川「ええ!?」
先の海流に流されたせいで、2号艇は艇体部分が土砂に埋まっていたのだ。
これでは左右に動く事もできないし、バラストを排出して浮上する事もできない。
薫「困ったわね・・・」
スクリューは土砂に埋まって動けない、通信も駄目、雅に絶体絶命である。
寒川「いやだ!!私こんな所で死にたくない!!」
絶体絶命だと分かって、寒川はパニックを起こす。
薫「落ち着いて寒川さん!!まだ死ぬとは決まって無いんですから!?」
確かに絶体絶命となって、早々に死ぬとわ限らない。
寒川「でも動けないし、通信も使えない・・・このままじゃ私達死ぬしかないんじゃ?」
薫「そうとは限らないわよ。」
寒川「えっ!?」
薫「よっと!」
薫は通信機をバラして、故障個所を確認し、無事な機器を弄り始めった。
寒川「何をするんですか?」
薫「必要ない機器から部品を取って、通信機を修理するの・・・」
寒川「それで上手く行くんですか?」
薫「成る様に成るのを祈るだけね!」
今やれる事をすべきだ。
それを見た寒川は
寒川「私も手伝います!!」
薫「ん!」
2人は、一緒に通信機を修理をする。
酸素の残りは8時間。
一方、さつま1号艇は
次郎「如何だ・・・2号艇の反応は?」
志度「まだ反応はありません。」
次郎「くそ!・・・何所に居るんだ薫!」
さつま1号艇は、必死にさつま2号艇を探していた。
さつま2号艇
薫「よ~し!これで何とか・・・・やった!?」
応急修理だが、通信機が回復した。
寒川「治ったんですか?」
薫「一応ね・・・でも近距離の通信しかできないけど・・・」
通信は近距離の範囲しか使えない。
これでは海上の艦艇に救援が呼べない。
寒川「じゃ、修理した意味がないんじゃ?」
近距離しか使えない事を聞いて、寒川は、また表情を暗くする。
薫「ん・・・・・・あっ!?」
その時、薫は、ある事を思い出し、通信機を動かす。
寒川「何をするんですか?」
薫「もしかしたら、1号艇と連絡できるかもしれない!」
海流に遭遇する前に次郎と連絡を取った事を思い出し、通信機を作動させる。
寒川「でも、1号艇は、多分浮上してるのでは?」
薫「そうとは限らないわ。」
寒川「えっ?」
薫「海流に遭遇する前に、次郎君に直ぐに向かうと言ったから、きっと向こうもこっちの事に気づいて探している筈!」
寒川「成程!」
薫「此方2号艇!・・・1号艇応答願います!・・・応答願います!!」
薫は、必死で1号艇に通信を試みる。
薫(お願い・・・繋がって・・・)
さつま1号艇
その頃、さつま1号艇は、さつま2号艇を必死に捜索していた。
次郎「くそ!・・・何所に居るんだ薫!」
次郎は、必死で探していたが、さつま2号艇の影も見つからず
そんな時
志度「こ、これは!?」
微弱な通信を傍受した。
次郎「如何した?」
志度「微弱な通信が聞こえます。」
次郎「何!?・・・スピーカに出して見ろ!!」
志度「はい!」
志度は微弱な通信をスピーカーに流す。
『ビィ・・・・此方・・・・2号艇・・・・1号艇・・・・応答・・・・願います!・・・・・・応答・・・・願います!!・・・・』
次郎「これは間違いない!・・・薫の声だ!?」
次郎は傍受した通信を聞いて、薫の声だと確認する。
次郎「位置は?」
志度「待ってください・・・・右舷30度の方向です。」
次郎「よ~し、行くぞ!!」
さつま2号艇からの通信を傍受したさつま1号艇は、右舷30度の方向へと向かう。
さつま2号艇
薫「此方2号艇!・・・1号艇応答願います!・・・応答願います!!」
一方、薫は1号艇に通信を続けていた。
寒川「やっぱり、駄目なのかな・・・」
一向に通信が繋がらない事に寒川は諦めかけていたが
薫「諦めないで、寒川さん!1号艇は必ず来るわ!!」
それでも薫は諦めず、続ける。
寒川「如何して、そう言えるのですか?」
薫「だって次郎君は、どんな時でも決して諦めない!!・・・そう言う人だから、うちの元副長は!」
薫は、昔学生時代に危ない所を当時、副長だった次郎に救われている。
その経験がある為、次郎の事を信用している。
その時
『!?』
次郎「居たぞ!?」
薫「1号艇!?」
さつま1号艇は、土砂に半分埋もれた2号艇を発見した。
さつま2号艇
寒川「助かったんだ!!」
薫「ほら、言った通りでしょう!!」
さつま1号艇が救援に駆けつけて来た事に2人は喜ぶ。
さつま1号艇
次郎「薫!!薫無事か?」
薫『ええ、大丈夫!・・・でも艇体が土砂に半分埋まってて動けないの』
次郎は状況を見て、艇体が土砂に埋まっている事を確認し
次郎「待てろ!今何とかする!!」
志度「寒川!寒川!・・・大丈夫?」
寒川『志度さん!助けに来てくれたんですね?』
志度「無事なのね?」
寒川『はい!』
志度「よかった無事で・・・」
寒川が無事な事に志度は安心する。
次郎「よ~し行くぞ!!」
次郎は、さつま1号艇をさつま2号艇の上に移動する。
志度「何をするんですか?」
次郎「アームを使って、2号艇を土砂から引っ張り出す。」
作戦は、こうである。
先ずさつま1号艇がアームでさつま2号艇を掴み、そして両艇共機関を全開にして、土砂から脱出する。
志度「そんな無理です!!」
次郎「確かに無理かもしれない!だが、この方法しかない!!」
志度は反対していたが、次郎の言う通り、状況的には、この方法しかない。
次郎「薫、こっちがアームで引っ張り出すから、そっちは、エンジンを全開にしてくれ!」
薫『うん、分かったわ!!』
次郎「じゃ、行くぞ!!」
さつま1号艇は上から、さつま2号艇を掴み
次郎「エンジン全開!!」
両艇共機関を全開にして、土砂から脱出を試みる。
次郎「くそ・・・・!」
両艇共機関を全開にしているが、さつま2号艇は中々土砂から脱出出来ない。
このままでは、さつま1号艇のアームが持たない。
しかし、現状では、この方法しかない。
さつま2号艇
寒川「もう駄目だわ!!」
薫「諦めないの、必ず助かるんだから・・・」
どんな時でも諦めない。
だが、その願いも空しく、さつま2号艇は土砂から脱出出来ない。
やがて、アームが限界に近づき
さつま1号艇
ブー・・・ブー・・・ブー・・・
アームの限界を知らせる警報が鳴り
次郎「くそ!・・・駄目か・・・」
最早、駄目かと思った。
その時
『諦めては駄目やで、次郎君!!』
次郎「何!?」
突然の誰かの声に次郎は気づき、上を向くと
さつま3号艇
はやて「お待たせ!!」
何とさつま1号艇とさつま2号艇と同じくブツを捜索していたさつま3号艇が現れたのだ。
さつま1号艇
次郎「3号艇!?」
さつま2号艇
薫「はやてちゃん!?」
突然のさつま3号艇の出現に2人は驚愕し
さつま3号艇
はやて「遅くなって、御免!」
さつま2号艇
薫「来てくれて嬉しいわ!!」
さつま3号艇
真冬「待たせたな!!」
『真冬姐さん!?』
そして、嬉しく感謝する。
だが、感動も束の間
さつま1号艇
次郎「感動は後だ!!早く手伝え!!」
さつま3号艇
はやて「了解や!」
真冬「折角、決め台詞してたのに・・・」
さつま3号艇は、急いでさつま1号艇と共にさつま2号艇を掴み
さつま1号艇
次郎「行くぞ!!」
機関全開でさつま2号艇の救出を試みる。
今度は、さつま3号艇の協力も得ているので、成功するかも
そして
ズゴォ・・・ズゴォ・・・
さつま2号艇
薫「う、動いた!?」
2艇の努力のたわものか、さつま2号艇が動き始めた。
さつま1号艇
次郎「よ~し、もう少しだ!!」
あと少しで脱出できると分かり続ける。
さつま3号艇
はやて「あと少しや!!」
やがて
さつま2号艇
薫「や、やった!!」
さつま2号艇は土砂からの脱出に成功した。
さつま1号艇
次郎「や、やったぞ!!」
さつま3号艇
はやて「救出成功や!!」
さつま2号艇が土砂から脱出でき、両者とも喜ぶ。
さつま1号艇
次郎「よ~し、このまま浮上するぞ!!」
さつま3艇共浮上するが
さつま2号艇
薫「待て、あれを回収しないと?」
そもそもの原因となった謎のブツは、さつま2号艇の近くに転がったまま、このまま置いて行く事は、薫には、できなかった。
さつま1号艇
次郎「分かった・・・こっちで回収するから、2号艇は、3号艇と共に、そのまま浮上してくれ!!」
取り合えず、さつま1号艇が回収する事にし
さつま2号艇
薫「うん、後で会おうね!」
さつま1号艇
次郎「後頼むぜ、3号艇!!」
さつま3号艇
はやて「は~い!」
真冬「任せろ!!」
さつま2号艇は、さつま3号艇と共に浮上する。
さつま1号艇の方は付近に転がった謎のブツを回収後、浮上する。
すくね、特殊潜航艇格納庫
美由紀「遅い!!」
すくねの後部の特殊潜航艇格納庫では、美由紀がさつま3艇の帰りを待ち続けていた。
美由紀「もう、15分は、経つ・・・連絡ぐらいは、有る筈なのに・・・・」
制限時間を15分も過ぎても、さつま3艇は浮上しない。
普通、何か遭ったのなら連絡ぐらい有る筈なのに、15分経っても連絡が無い事に美由紀は苛立っていた。
福内「何か遭ったのでは?」
もしかしたら、不測の事態が起きたのかも、福内は不安になった。
美由紀「ん・・・潜航艇の用意!・・・私が調べに行く!!」
平賀「私も行きます。」
美由紀と平賀は、帰還したさつまで調べに行く事にした。
その時
すくねの見張り員「中佐!潜航艇浮上!!」
すくねの見張り員が海上に浮上するさつまを視認した。
すくねの見張り員「間違いありません、2号艇です!!」
浮上した潜航艇をさつま2号艇だと確認する。
すくねの見張り員「3号艇の浮上も確認!!」
更にさつま3号艇も浮上した。
美由紀「1号艇は?」
さつま2号艇とさつま3号艇は浮上したが、1号艇は、まだ浮上してこない。
やはり、不測の事態が有ったのか?
その時
すくねの見張り員「待ってください!!・・・・・・1号艇浮上!!」
さつま2艇の後方にさつま1号艇が浮上した。
美由紀「はぁ・・・・全く、いつもヒアヒアさせるんだから!!」
さつま3艇が無事な事に美由紀は安心した。
やがて、3艇は、すくねに収容された。
無論、例の不明なブツも
薫「2号艇、唯今帰還しました。」
次郎「1号艇も唯今帰還しました。」
はやて「3号艇、唯今帰還しました。」
帰還した事を美由紀に報告する。
美由紀「ご苦労!・・・とは言うものの!・・・制限時間を15分を過ぎて今まで何していたの!?」
美由紀は何故遅れたか、事情を問う。
薫「す、すいません!!・・・訓練中に突然、大海流に遭遇して、艇が土砂に半分埋まってしまって・・・」
薫は、訓練中に大海流に遭遇して、艇が土砂に半分埋まった事を美由紀に説明する。
美由紀「それなら何故通信で救助を呼ばなかったの?」
何故通信しなかったか、それを聞くと
薫「衝撃のショックで通信機が故障したので、救援が呼べませんでした。」
衝撃のショックで通信機が故障した事を言う。
美由紀「それなら仕方ないわね・・・それで1号艇の方は何故遅れたの?」
今度は、次郎に事情を聞く
次郎「そ、それは2号艇の応答が無かったので・・・様子を見に駆けつけたら、2号艇が土砂に埋もれて脱出不能に落ちいていた為・・・止む無く、自分の判断で救出をかんこうしました。」
さつま2号艇がロスとした事と救助をかんこうした事を言う。
はやて「同じく3号艇もです!!」
はやても同じ事を言う。
美由紀「なら何故1号艇は、その時、救助を呼ばなかったの!?・・・3号艇も!!」
2号艇の危機を何故通信で救援を呼ばなかったか問うと
はやて「そ、それは・・・」
次郎「忘れてました。」
美由紀「え?」
如何やら、さつま2号艇の事で頭が一杯だったのか、通信で救援を呼ぶ事を忘れていた様だ。
次郎「兎に角、良いじゃないですか!・・・こうやって無事に帰って来た事だし・・・」
兎も角、6人が無事に戻って来た事は喜ばしい事だ。
しかし
美由紀「何を言ってるの小沢中佐!!・・・勝手な事をして下手したら死ぬ所だったのよ!」
反省の機が無い次郎に美由紀は怒りを露にする。
美由紀の言う通り、勝手な事をして、下手したら死ぬかも知れなかったのだ。
美由紀「全く、貴方達は昔からそう!・・・問題ばかり起こして私がどれだけ心配したか、考えた事がないの?」
『す、すいません!!』
怒る美由紀に3人は何も言えず、唯反省するしかなかった。
美由紀「もう良いわ!・・・取り合えず・・・」
叱るのを止め
美由紀「これが例の不明なブツね!」
さつま1号艇が回収した正体不明の物体を見る。
薫「はい!」
美由紀「何かの探査機見たいね・・・」
状態は錆付いていて、表面は貝やフジツボがびっしり付いていたが、間違いなく探査機である事は確認できた。
しかし、これが一体何の探査機かは不明だった。
次郎「如何しますか?」
美由紀「こんな状態じゃ・・・一体何なのかは不明だわ?・・・取り合えず持って帰って、矢野主任に解析して貰うしかないわね!」
今此処では判断する事できず、取り合えず横須賀に帰投してから、慶介に解析して貰う事になった。
そして、これが何れ悪夢を呼ぶ事になる。