ハイスクール・フリート Gフォース   作:首都防衛戦闘機

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本編
第1章 入学式


これは、ある少女の記憶。

 

9年前

 

広島県、呉市

 

この日、2人の少女が息を切らし、林を抜け、海が見える岬に向かって走っていた。

 

1人は、岬 明乃ともう1人は、知名もえか。

 

この時、まだ2人は共に両親を事故で亡くして、呉にある児童養護施設に保護されていた。

 

明乃「はぁ・・はぁ・・もう直ぐ通るよ、もかちゃん!」

 

もえか「うん!」

 

明乃ともえかが岬に来ると

 

『あっ!!』

 

ボォォォ~と船の汽笛が聞こえ、目を向けると1隻の軍艦が2人の横を通り港に入ろうとしていた。

 

明乃「来た・・・!!」

 

2人の目の前を通過するのはブルーマーメイドの旗艦大和だった。

 

明乃「おーい!!」

 

明乃は、目の前を通過する大和に向かって手を振る。

 

もえか「凄いね、みけちゃん!」

 

明乃「お・・・・・・い!!」

 

すると、大和の艦首に立っている女性が明乃ともえかの姿を見付けたのか、帽子を片手にゆっくりと手を振り返した。

 

明乃「あっ!・・手、振ってくれた!」

 

手を振り返した事に明乃は、大いに喜んだ。

 

そして

 

明乃「もかちゃん・・私達・・絶対・・ぜーったい・・ブルーマーメイドになろうね!」

 

もえかにブルーマーメイドになる事を約束した。

 

もえか「うん!」

 

萌香もそれに同意し

 

明乃「海に生き!」

 

もえか「海を守り」

 

『海に行く・・・それがブルーマーメイド!!』

 

2人は、誓いの言葉を発し、ブルーマーメイドになる事を誓うのだった。

 

それから9年後

 

4月5日

 

神奈川県、横須賀市

 

明乃は、スキッパーで横須賀女子海洋学校を目指していた。

 

明乃「・・・・」

 

明乃の片手には朝食代わりとしてのバナナがあり、彼女はバナナを食べながらスキッパーを運転していた。

 

余所に明乃は、スピードを上げる。

 

横須賀女子海洋学校、桟橋

 

その頃、横須賀女子海洋学校の民間港エリアの桟橋では明乃同様、スキッパーで来た者、水上バスで来たもので、桟橋は賑わっていた。

 

宗谷家を出た薫とましろは、水上バスで横須賀女子海洋学校に辿り着いていた。

 

2人は、水上バスから降り、桟橋を歩いていると

 

ましろ「?」

 

ましろは、突然足を止める。

 

薫「如何したのましろちゃん?・・・あっ!?」

 

薫も何故ましろが足を止めたか、同じ方向を向くと、目の前に1匹のドラ猫が居り、此方をジッと見ていた。

 

五十六であった。

 

薫「ああ、貴方は、この前の猫!?」

 

薫は、目の前の猫が五十六だと分かり、思わず抱きかかえる。

 

薫「こんな所で何しているの・・・もしかして今日、入学する生徒を観に来たの?・・・雅かね?」

 

何故此処に居たのか、それとも入学する生徒を観に来たのかと思った。

 

薫「ほら猫だよ、ましろちゃん!!・・・・ん?」

 

そのまま薫は、五十六をましろに見せようとしたが

 

ましろ「うわぁ・・・・!?」

 

五十六を見た途端、何故か、ましろは固まり、五十六を近づけると突如悲鳴を上げて後退する。

 

薫「如何したの?何で逃げるの?」

 

何故、後退するのか、薫は分からなく。

 

其処へ

 

明乃「あ、猫だ!」

 

五十六の存在に気付いた明乃が駆け寄るが

 

明乃「あっ!?」

 

ましろ「?いっっ!」

 

その際、明乃は転んでしまい、そのまま前に居たましろにタックルする形でぶつかってしまう。

 

その際、手に持っていたバナナが桟橋へと落ちる。

 

薫「ん・・・あっ!?」

 

いきなりの出来事で薫は、瞬間的に目をつぶってしまい、目を開けると明乃とましろがお互いにぶつかったせいか、側にしゃがんでいた。

 

抱いていた五十六も薫が目を開けた時には、既に薫の手から逃げ去っていた後だった。

 

薫「ちょ、ちょっと大丈夫2人とも!?」

 

薫は、慌てながら2人に掛け合うが

 

明乃「いったぁ・・・う・・ん・・あっ!・・御免なさい!・・あっ!?」

 

薫「あっ!?」

 

2人は、お互いに目が合い。

 

薫「岬ちゃん!?」

 

明乃「薫さん!?」

 

薫と明乃は、久しぶりに再会する。

 

薫「久しぶりだね・・・入試以来だったわね?」

 

明乃「はい!入試以来です。」

 

2人が会うのは、雅に入試の時以来である。

 

ましろ「薫さん、知り合いですか?」

 

ましろは、立ち上がり薫に問う。

 

薫「ん、ちょっとね・・・」

 

ましろ「そうですか・・・」

 

知り合いだと聞き、ましろは制服についたホコリを手で掃う。

 

明乃「あっ、大丈夫?」

 

ましろの事を忘れていた事に気づいた明乃は、ましろに掛け合うと

 

ましろ「大丈夫だ!・・・全く・・・気をつけろ・・ふん!」

 

それに対して、冷たい言葉を言い校舎へと向かおうとしたが

 

ましろ「わわっ!・・・」

 

その際、先程、明乃の手から落ちたバナナの皮を思いっきり踏んづけた。

 

ましろ「とっとっとっ・・ん・・・」

 

ましろは何とか、バランスを保とうとするが

 

ましろ「うわっ!」

 

バシャ・・・・!!

 

『!?』

 

結局、無駄な努力となり、カバンを明乃に放る様な形で、自身は桟橋から海に落ちた。

 

明乃「あっ!」

 

ましろ「ぶはっ!・・・ついていない・・・」

 

海に落ちたましろは、お決まりの台詞を呟いた。

 

薫「1度ある事は2度ある・・・流石ましろちゃん・・・」

 

1度ある事は2度ある。

 

薫は、海に落ちたましろの災難を評価した。

 

明乃「捕まって!」

 

明乃はましろに手を伸ばすが

 

ましろ「いいっ!・・着衣泳は得意だ!」

 

ましろは、折角の明乃の行為を断り、自力で桟橋の上に上がった。

 

明乃「うわぁ~濡れちゃったね・・・・」

 

ましろ「ずぶ濡れだ・・・・はぁ・・・これから入学式だというのに・・・」

 

海に落ちたせいでましろの着てた制服は、ずぶ濡れ状態になってしまう。

 

明乃「ついてないね・・・」

 

ましろ「お前が言うな!」

 

明乃「ひっ!」

 

明乃は、自分の落したバナナの皮でましろが落ちたのに、その責任意識が無い言葉を言った為、ましろに怒られビビる。

 

薫「止めなさいましろちゃん!!喧嘩なんて見っとも無いわよ!」

 

いくらまきぞいになったとは言え、余りにも明乃を責め過ぎだと思い止める。

 

ましろ「でも、これは、こいつが・・・」

 

しかし、ましろは、怯まず明乃を責めるが

 

薫「そんな事は如何でも良いから、さっさと制服を乾かしに行って来なさい!!・・・入学式には、まだ時間があるから・・・」

 

まだ時間があるから、薫は責任の擦り付けより、ましろ自らの制服を先に乾かすべきだと主張する。

 

このままだと乾かす時間が無くなり、見っとも無い状態で入学式に出る事になる。

 

ましろ「・・・はい」

 

ましろも濡れた状態で入学式に出る訳には行かない。

 

此処は、薫の言う通りに仕方なく明乃を責めるのを止める。

 

薫「岬ちゃんも付いて行ってあげて、シャワー室の場所は分かるわよね?」

 

薫は、はやてと待ち合わせをしているので、ましろに付いて上げられない。

 

その為、明乃にエスコートを頼んだのだ。

 

明乃「はい!大体は分かりますので・・・」

 

明乃も承諾する。

 

まあ、明乃にとっては、ましろに対しての罪滅ぼしと考えている。

 

薫「じゃ、後は任せたから、私は、先に職員室に行かないと・・・後で入学式で会いましょうね!」

 

薫は、ましろの事を明乃に任せ、先に職員室へと行ってしまった。

 

行った後、明乃は、ましろと共にシャワー室へと向かった。

 

横須賀女子海洋学校、シャワー室

 

ましろがシャワーを浴びている間に濡れたましろの制服と下着を洗濯及び乾燥機にかけてきた。

 

明乃「下着も制服も乾いたよ・・・・」

 

洗濯と乾燥が終わった頃、シャワー室の脱衣所へと行くと、ましろもシャワーを浴び終えたのか、ドライヤーで髪を乾かしていた。

 

明乃「此処に置いておくね・・・プレスもしておいたから・・・」

 

明乃が制服と下着を渡すと、ましろは恨めしそうな目で明乃を睨む。

 

明乃「良かった・・・間に合いそうだね・・・それにしてもバナナの皮って本当に滑るんだね。」

 

明乃なりのフォローを入れるが

 

ましろ「・・・・着替えるから出てってくれないか?」

 

明乃「あっ、あああ、御免!御免!」

 

明乃は、慌てて脱衣所から出るが

 

明乃「あっ!?」

 

一度、顔を出して

 

明乃「折角同じ学校になったんだから、これからよろしくね!」

 

一言声を掛けた後、入学式会場である武蔵に向かった。

 

横須賀女子海洋学校、職員室

 

一方、薫は、はやてと合流する為、職員室を訪れていた。

 

職員室では、入学式に備え教員達が既に集まっていた。

 

薫「はやてちゃん!!」

 

はやて「あっ、薫先輩!?」

 

薫「遅くなって、御免ね!」

 

はやて「いえ、調度まや、時間があるさかいに・・・」

 

薫「そう・・・それにしても結構似合ってるわね、その制服!」

 

はやて「薫先輩も!」

 

薫「フッ・・」

 

はやて「フッ・・」

 

『フハハハ・・・・!!』

 

2人は、お互いの制服姿を見て、意気投合する。

 

古庄「お楽しみのところで、ちょっと良いかしら・・・」

 

2人が意気投合している時、向こうから古庄がやって来た。

 

薫「古庄さん!?」

 

古庄「2人来たところで、スケジュールの打ち合わせをするわね!」

 

『はい!!』

 

薫とはやてが居るところで、2人に学校所有のタブレット端末(青の端末は、薫が赤の端末は、はやてが)を渡し、海洋実習のスケジュールの打ち合わせをする。

 

スケジュールによると

 

4月5日

 

9:00

 

武蔵の甲板で入学式

 

10:30

 

各所属艦内教室にてクラス結成式

 

13:00

 

各教育艦、西之島新島に向けて出港

 

4月7日

 

10:00

 

各教育艦、西之島新島に集合

 

13:00

 

各艦乗員での交流会とオリエンテーション

 

4月8日~4月10日

 

西之島新島近海で航海演習

 

4月11日

 

スキッパーやカッターなどのクラス競技

 

4月12日~4月17日

 

艦隊合同演習

 

4月18日

 

15:00

 

横須賀女子海洋学校に帰投

 

16:00

 

各艦、教室にてオリエンテーション後、解散

 

と組まれていた。

 

はやて「随分ハードなスケジュールやな・・・」

 

薫「ん!」

 

スケジュールがハードに組まれている事に驚く。

 

古庄「確かにハードだけど・・・これぐらいは組まないと生徒は成長しないし、何よりも生徒の間に友情が芽生えないわよ!」

 

古庄は、唯ハードに組んだ訳では無く、ちゃんと生徒の事を考えて、スケジュールを組んでいた。

 

薫「成程!・・・生徒に厳しく教育して、生徒を育てる・・・それだけじゃなく、生徒の間に友情を芽生えさせる・・・流石は古庄教官!」

 

薫は、古庄を褒める。

 

古庄「ありがとう薫さん・・・ん?」

 

腕時計を見て、入学式が始まる時間が迫っていた。

 

古庄「そろそろ入学式が始まる時間ね・・・では、2人とも!」

 

『はい!』

 

3人は、入学式会場である武蔵に向かった。

 

超大型直接教育艦武蔵、前甲板

 

武蔵の前甲板上とその周囲では、既に新入生の他にその家族も何人かおり、娘の晴れ姿をカメラに収めていた。

 

明乃は、その前甲板を歩いていると

 

明乃「あっ!」

 

明乃は、ある人物と再会する。

 

明乃「もかちゃ~ん!」

 

その人物とは、明乃の幼馴染である知名もえかである。

 

もえか「ミケちゃん!」

 

もえかも明乃に気づく。

 

もえか「もう式始まるよ。」

 

明乃「ちょっと色々あって・・・」

 

もえか「間に合わないかと思ったじゃない!」

 

明乃「御免、御免」

 

もえか「相変わらずだね・・ミケちゃん!」

 

明乃「へへ・・」

 

もえか「フッ・・!!」

 

『アッハハハ・・・・!!』

 

久しぶりに再会したのに、余り変わっていない事に2人は意気投合する。

 

明乃「久しぶりだね・・・」

 

もえか「小学校以来だもんね・・・」

 

明乃「うん・・・・」

 

2人は、抱き合いながら改めて再会を祝う。

 

もえか「クラス発表は、最後みたいだよ!」

 

明乃「もかちゃんと、一緒の艦だと良いな・・・」

 

もえか「そうだね!」

 

2人が仲良く会話していると

 

古庄『間もなく、入学式を開始します・・・新入生は、整列して待機・・・』

 

入学式の開始を知らせる放送が流れ、新入生達は、武蔵の前甲板に整列する。

 

やがて、古庄以下の教員達も整列する。

 

その中に薫とはやてもいた。

 

そして、武蔵のマストに横須賀女子海洋学校の校旗が掲げられ、入学式が始まった。

 

古庄『では、宗谷校長よりご挨拶です。』

 

校長の真雪が艦首に設置された壇上に上がる。

 

真雪『皆さん・・・入学おめでとうございます・・・学校長の宗谷真雪です・・・皆さんは、座学、実技で優秀な成績を収め、この横須賀女子海洋学校に晴れて入学しました・・・直ぐに海洋実習が始まりますが、あらゆる困難を乗り越え、立派なブルーマーメイドになって下さい。』

 

薫(流石真雪さん!・・・凄い事を言う。)

 

真雪の言葉に薫は、つい惚れてしまう。

 

やがて真雪の話が終わり、古庄教官から今度の予定が伝えられ、入学式は終わる。

 

生徒達は、それぞれの艦の配置が書かれている掲示板を見る。

 

薫とはやても提示板を見ようと行くが

 

真雪「薫さん、はやてさん!!」

 

真雪が声を掛けてきた。

 

薫「あっ真雪さん!?」

 

真雪「2人とも制服似合っているわよ!」

 

薫「ありがとうございます。」

 

真雪「今日が教員としては初めてだけど、落ち着いて対処して・・・」

 

薫「任せて下さい真雪さん!・・・まあ、大変ですけど、何とかやってみます!!」

 

真雪「頼もしいわね!」

 

薫「では!」

 

薫は、行ってしまう。

 

はやて「薫先輩なら多分かまへん・・・昔から期待だけは裏切らん人やから・・・ほな・・・」

 

はやても薫の後を追って、行ってしまう。

 

2人の後ろ姿を見て、真雪は

 

真雪「本当に逞しい人達だわ!」

 

と薫とはやてが今回の海洋実習に参加して、良かったと心から思う。

 

一方、隣の方では

 

明乃「んん・・・・っ・・・入学式終わった・・・・っ」

 

もえか「宗谷校長、格好良かったね!」

 

入学式が終わり、明乃ともえかは一段落する。

 

明乃「うん!・・・あとは、クラス発表か・・・」

 

残りは、クラス発表の掲示板を見るだけとなった。

 

明乃「このクラス分けでどの艦の所属になるのかも決まるんだよね。」

 

もえか「うん、そうみたい・・・艦種に関わらず、一クラスの約30名・・・それぞれに所属する艦に乗って海洋実習・・・」

 

明乃「楽しみだね!・・・ねぇ、もかちゃん!・・・どの艦が良いな・・・とかって希望ある?」

 

もえか「えっ?」

 

明乃は、もえかに教育艦の中で希望がある艦があるか問うと

 

もえか「う~ん・・・如何だろう・・・あんまり気にした事ないかも・・・」

 

本人は、そんなに気にしていない様だ。

 

明乃「そうなんだ!?」

 

もえか「ミケちゃんは、あるの?・・・乗りたい艦?」

 

今度は、もえかが明乃に問うと

 

明乃「ん・・・ん・・・私もそんな有る訳じゃないけど・・・」

 

如何やら、明乃自身も考えていない様だ。

 

もえか「なんだ、何かあるのかと思った。

 

明乃も同じ考えてないと知り

 

もえか「ふっ・・・」

 

水平線を見るもえか。

 

もえか「・・・懐かしいね!・・・こういうの・・・」

 

明乃「ん?」

 

もえか「ミケちゃんと他愛ないと話をして笑い合ったりとか・・・」

 

明乃「うん、そうだね!」

 

もえか「乗りたい艦は、分からないけど、強いて言うなら、ミケちゃんと同じ艦に乗りたいな・・・」

 

明乃「それ、入学式の前に私からも言った。」

 

もえか「うん、お返し!」

 

どうせ乗るなら、2人とも同じ艦に成れば良いと明乃が入学式前に言った事を口にする。

 

もえか「フッ・・・」

 

明乃「アハハハッ・・・!」

 

2人は意気投合する。

 

そんな何気ない会話をしながらクラス分け発表が貼られた掲示板の前に立つ。

 

明乃「それじゃあ、せーので見よっか!」

 

もえか「うん!」

 

互いに目を閉じて

 

明乃「いくよ・・・っ」

 

『せ・・・のっ!』

 

2人は、目を開いて掲示板を見る。

 

果たして、2人が配属される艦は?

 

 




本篇からの主人公が龍之介から妹の薫に変わります。

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