『せ・・・のっ!』
2人は、目を開いて掲示板を見る。
掲示板には
『超大型直接教育艦 武蔵 艦長 知名もえか』
『航洋直接教育艦 晴風 艦長 岬明乃』
と記載されていた。
明乃「凄い、凄い!・・・もかちゃん、武蔵だよ!・・・しかも艦長!・・・凄ーい!!」
明乃は、もえかが、武蔵の艦長になった事を知ると嬉しそうにはしゃぐ。
確かに武蔵の艦長に指名されると言う事は、もえかが新入生の中で最上級生である事を意味する。
将来、真霜の後を継ぐ事になるかも
もえか「ミケちゃんだって、艦長さんになったじゃない・・晴風の・・・」
一方、明乃は、もえかとは、反対に一番下である晴風の艦長になった。
明乃「う・・・だけど、晴風は、航洋艦クラスだから、正式には、艦長って言わないらしいよ。」
自分が晴風の艦長に指名された事を明乃は、残念そうな表情で言う。
もえか「でも、艦長は艦長だよ・・・小さい艦の方が、隅々まで目が行き届いて、良いんじゃないかな。」
例え航洋艦でも艦長に変りは無い筈、もえかの言葉を聞いて、明乃は、笑顔を取り戻す。
明乃「そっか、一クラスの人数は、武蔵も晴風も一緒だもんね・・・ある程度自動化されてるとは言え、大きい艦は大変だね。」
確かに明乃の言う通り、いくら自動化されているとは言え、小型艦の晴風とは違い、武蔵見たいな大型艦は扱いが大変である。
例えば、Gフォース艦隊の総旗艦空母大鳳もある程度、自動化されているが、航空機を取り扱っている為、搭乗員や整備員を入れて、5000人以上は乗っている。
指揮と統率が大変である。
だから、武蔵も大鳳と違い人数が少ないが保々同じであろう。
艦長と副長の能力が試される。
もえか「やりがいは、有るけれど・・・」
明乃「でも私で大丈夫かな・・・・艦長の仕事って、受験勉強でやっただけだし・・・・」
艦長と言う重みに明乃は、急に怖気付く。
もえか「ミケちゃんは、きっと良い艦長さんになると思うよ・・・ほら・・あれが晴風だよ・・・」
もえかは、そんな明乃に希望を抱かせながら、教育艦が並べてある方向を指す。
インディペンデンス級沿海域戦闘艦が沖に出るにつれ見えてきたのは、Y467と書かれ、停泊している航洋艦晴風の姿である。
明乃「何か、可愛い・・・」
明乃は、晴風を見て可愛いと言う。
明乃「へぇ・・・あそこが、家になるんだな・・・」
明乃は、目をキラキラさせながら言う。
もえか「・・・・やっと会えたのにまた、離れ離れだね。」
もえかは、残念そうな表情で言う。
そう言うもえかに明乃は、もえかの手に手をおく。
明乃「大丈夫だよ!・・・艦は別々だけど・・でも同じ海の上だもん!」
もえか「ミケちゃん・・・・」
明乃の言葉にもえかは少し微笑む。
明乃「私には晴風の、もかちゃんには、武蔵の新しい仲間ができるし・・」
もえか「・・・・そうだね、海の仲間は、家族だもんね!」
明乃「頑張って卒業して、ブルーマーメイドになろうね!」
もえか「うん!」
2人は、例えクラスが分かれても、新しい友人もできるし、明乃とは、実習の時に会える。
それを理解して、2人は、いつもの
明乃「海に生き!」
もえか「海を守り!」
明乃「海を行く!」
『それがブルーマーメイド!』
ブルーマーメイドの標語を言う。
横女の新入生A「ブルーマーメイドの標語だ!」
横女の新入生B「懐かしいね・・・」
横女の新入生A「私達も子供の頃やったよね・・・」
2人は、ブルーマーメイドの標語を言うと、それを聞いていた他の新入生が懐かしがる。
『//////』
2人とも赤面した。
薫「岬ちゃん!!」
明乃「あっ、薫さん!?」
もえか「ん?」
2人が赤目しているところに薫がやってきた。
薫「掲示板は、もう見た?」
明乃「はい!」
薫「そう、じゃこれから一緒の艦ね!」
明乃「え?」
薫「実はね・・・本日付けで、私は臨時の教員として、岬ちゃんが艦長を務める艦に乗る事になったの・・・だから、これからよろしくね岬ちゃん!」
薫が教員として、晴風に乗艦する事を明乃に告げる。
明乃「ああ・・・はい!・・・此方こそよろしくお願いします!!」
もえか「ミケちゃん、お知り合い?」
明乃「ああ、えっとね・・・この人は、山本薫さん・・・こう見えて列記としたブルーマーメイドなんだよ!」
明乃は、もえかに薫の事を紹介する。
薫「貴方がもえかさんね・・・初めまして、山本薫です!」
もえか「私は、知名もえかです。」
お互いに自己紹介をして、薫は、もえかをチラチラ見る。
もえか「何か?」
薫「やっぱり岬ちゃんが言った通りの人だね!」
もえか「ん?」
もえかは、明乃が薫に如何いう自分の印象を教えたのか分からなかった。
薫「まあ、それは置いといて、知名さんの配属先の艦は?」
もえか「私は、武蔵です。」
薫「えっ!?じゃ貴方がはやてちゃんのところの艦長さん!?」
薫は、はやてが乗る武蔵の艦長がもえかだっと知り驚く。
もえか「はやてさん?」
薫「私と同じ貴方の艦に乗る教員よ!」
その時
はやて「薫先輩!!」
今度は、向こうからはやてがやってきた。
薫「あっ、噂をすれば・・・」
はやて「もう先に行くなんて酷いねん。」
薫「御免!御免!」
はやて「全く・・・あっ・・・貴方が知名もえかさん?」
もえか「はい」
はやて「初めまして、今日から、ウチは貴方の艦に教員として配属される八神はやてです。」
もえか「知名もえかです。」
はやて「岬ちゃんは、久しぶり!ブルーマーメイドフェスタ―以来やね!」
明乃「はい、お久しぶりです八神さん!」
はやてと明乃が会うのは、ブルーマーメイドフェスタ―以来、半年振り。
薫「岬ちゃんはねぇ、私が乗る晴風の艦長なの・・・」
はやて「そうなの!?」
明乃「はい!」
はやて「薫さんのところに配属されるなんて、本当ラッキーだよ!岬ちゃんは・・・」
確かに明乃が薫のところに配属されるのは運が良いんだろう。
4人がちょっと色々話していると
薫「あっ!?・・・そろそろ行かないと荷物とか古庄教官との打ち合わせがあるんだった。」
まだ時間があるが、一応、自分が乗艦の下見や荷物の整理をしないといけない。
薫「はやてちゃんもまだ、時間があるけど、早く行った方が良いよ!」
はやて「そやね!」
薫「じゃまたね!岬ちゃん、知名ちゃん!」
薫とはやては、去って行った。
もえか「何だか、面白くて、優しい人だね!・・・ミケちゃんが友達になるのも分かる。」
もえかは、明乃が薫とはやてと友達になったのは、何か縁があるのだっと思った。
その後、講堂へと向かった。
その頃、ましろはクラス分けの掲示板を見て、唖然とする。
ましろ(ふ、副長‥‥わわわわ私が晴風の副長だと!?)
自分が乗る艦が武蔵ではなく、晴風だという事と、しかも副長と言う事実にましろは愕然とした。
ましろ(な、何故だ!?‥‥試験は完璧だった筈なのに‥‥何故‥‥)
ましろは、自分が特別入学に成ったのを知る由も無く、暫くの間ベンチに座り、そのままショックを受けていた。
講堂では、艦長と副長に艦長服と艦長帽及び飾緒が支給されていた。
艦長の生徒全員に艦長帽は配られるが、制服については中型教育艦以上の艦長に支給され、飾緒は、副長のみ支給される。
もえかは、艦長帽と同じく白い詰襟タイプの艦長服を受け取り、明乃は、艦長帽のみ受け取り。
明乃ももえかも終始笑みを浮かべていた。
横須賀女子海洋学校、敷地
講堂を後にした2人は、学校の敷地を歩いていた。
もえか「入学式が終わったら、直ぐ海洋実習なんだね・・・」
明乃「荷物を揃えって各クラス艦の教室に集合だって・・・ああ・・・!!」
明乃は、道端で何かを見つけった。
明乃「さっきの猫だ!」
それは桟橋で薫が抱いていた五十六だった。
五十六「ぬっ・・・」
明乃「何か偉そうだな・・・」
もえか「先誰かが五十六って呼んでったよ。」
明乃「五十六!?」
もえか「この辺りをうろうろしている猫みたい。」
明乃「五十六なんて、私より艦長ぽいね!」
明乃は、そんな五十六の頭を撫でる。
横女の新入生A「比叡どっちだけ?」
横女の新入生B「第3埠頭だって・・・」
その他の新入生達がそれぞれ自分が乗る艦に集まり始めていた。
もえか「私達も荷物もって集合しないと・・・」
それを見たもえかもそろそろ自分の艦に行く事にした。
明乃「うん!・・・じゃあまた2週間後・・海洋実習終わったらだね。」
もえか「うん・・・2週間なんて、あっという間だよ!」
明乃「それじゃまたね!」
2人は別れ、もえかは武蔵へ、明乃は晴風へと向かうのだった。
その光景を見て、五十六は、どちらかの方を追うのだった。
航洋直接教育艦 晴風
陽炎型航洋直接教育艦で見た目は、他の陽炎型教育艦と変わらないが、機関に試験的に高温高圧缶を採用している為、速力が他の陽炎型教育艦より速い。
また、他の教育艦と同様に対水上レーダーと航海レーダーを装備している。
晴風、教員用居住室
一方、薫は、晴風の教員用居住室にいた。
教員用居住室は、10畳ほどで、引き出し型のイスとテーブル、本棚、ベッド、クローゼットがある以外は何もない簡素な部屋である。
薫「よいしょと・・・」
荷物をベットの上に置き部屋を見渡す。
薫「此処で・・・2週間過ごすのか・・・何だか昔を思い出すな・・・」
薫は、学生時代のそよかぜの生活を思い出す。
しかし、思い出も束の間、時計を見ると既に教室集合時間の5分前になっていた。
薫「ああもうこんな時間!?急がないと・・・」
薫は、急いで教員用居住室を後にし、教室へと向かう。
晴風、教室
教室には、既に生徒達が集まっていた。
生徒の中には、友達同士で話し合っている者や携帯をいじくる者。
しかし、この中に浮かない顔をしている生徒がいた。
ましろ(はぁ~)
ましろである。
ましろ(何で晴風なんだろう・・・これじゃ私、落ちこぼれだ・・・・)
ましろは、今だに自分が晴風に配属された事を嘆いていた。
洋美「宗谷さん!」
ましろが嘆いていると声を掛けて来る生徒がましろの目の前にいた。
ましろ「はっ!?」
ましろは、慌てて前を向く。
其処に居たのは、麻侖の親友で機関科の黒木洋美であった。
洋美「久しぶりだね!・・・元気出して!・・・宗谷さんが艦長じゃないなんて、何かの間違いだよ!・・・成績トップクラスなのに・・・・」
そう言いながら洋美は、ましろの両手をとり励ます。
しかし、ましろは、黒木の最後の言葉を聞いて、口をへの字にする。
如何やら、ましろにとっては、あまり励ましには、なっていない様だ。
その時
明乃「ああ!?」
教室の扉から明乃が入ってきた。
『!?』
明乃「一緒の艦なんだ!?」
明乃は、自分が乗艦にましろが乗っていた事に驚く。
ましろ「ついてない・・・・」
ましろは、明乃と一緒になった事を悔やむ。
明乃「縁があるのかな・・・」
桟橋での出会いや配属先の艦も一緒、翌々縁があるのかと思った。
ましろ「絶対、ない!」
しかし、ましろは、全力で否定する。
明乃「あはは・・・・」
否定するましろを見て、明乃は苦笑いをする。
明乃「あっ!・・私、岬明乃・・・2人は?」
明乃は、2人に自己紹介をする。
洋美「宗谷さん、知り合い?」
洋美は、明乃がましろの親友かと思ったが
ましろ「知らない・・・知らないったら、知らない!!」
ましろは、断じて違うと言い張る。
明乃「宗谷さん?・・・宗谷ましろさん?・・・副長さんだよね・・・貴方は?」
ましろの名前を聞いて、手に持ってるクラス名簿を見て、副長だと確認し、今度は、洋美の方を向く。
洋美「私は、機関助手の・・・「黒木洋美さん?」あっ・・・・うん」
機関助手と聞いて、黒木洋美だと分かった。
明乃「よろしくね!」
洋美「此方こそよろしく」
明乃「一緒にがんばろうね。」
お互いに自己紹介する。
ましろ(岬・・・・明乃・・・・)
そんな中、ましろは、明乃のを見て心の中で呟いた。
しばらくして、集合時間に成り、生徒達は、全員着席する。
やがて、教室に古庄が入ってきて、その後から薫が入ってきた。
ましろ(薫さん!?)
ましろは、薫を見て驚く。
古庄「晴風クラス・・・全員揃ったか?」
そう言って古庄は教壇に立ち。
薫は、古庄の横に付く。
そして、古庄は、晴風クラスの生徒を見渡してから
古庄「艦長!」
明乃の名前を呼ぶ。
明乃「はい!」
明乃は即答える。
ましろ(かぁんちょ~う!?)
明乃が艦長だと聞いて驚く。
雅か、明乃が艦長だとは思わなかったのだろう。
それは置いといて
明乃「起立!」
明乃の号令でクラスの生徒達は皆立つ。
ましろは、立つと明乃の方を見た。
古庄「指導教官の古庄です・・・今日から貴方達は、高校生となって、海洋実習に出る事になります・・・辛い事もあるでしょうが、穏やかな海は、良い艦乗りを育てないと言う言葉があります・・・仲間と助け合い、厳しい天候にも耐え、荒い波を越えた時に、貴方達は一段と成長してる筈です・・・また陸に戻った時、立派な艦乗りになった貴方達と会える事を・・・楽しみにしています。」
古庄は、自分の自己紹介と今回の海洋実習の意義を晴風クラスの生徒達に伝える。
古庄「それと貴方達の臨時教員を紹介します。」
古庄がそう言うと、生徒達は、薫に注目する。
薫は、注目されながら落ち着いて、生徒達を見ながら
薫「始めまして!・・・このたび臨時教員として、晴風に乗艦する事になりました・・山本薫です。」
自己紹介をする。
古庄「彼女は、2週間だけ貴方達の特別教官として、一緒に乗り込みます・・・分からない事がありましたら彼女に聞く様に・・・」
薫の紹介が終わると、古庄は、晴風クラスの生徒に次の指示を伝える。
古庄「では各自、出航準備!」
そう言って古庄と薫は、教室を出る。
晴風、艦内廊下
古庄「では、後は頼むわよ・・薫さん!」
薫「はい!」
古庄は、晴風の事を薫に任せて、次の教育艦へと行こうとした。
その時
明乃「あの!・・古庄教官!」
後ろから、明乃が追いかけてきた。
古庄「何?・・岬さん?」
薫「ん?」
明乃「あの、如何して私が艦長なのでしょう?」
薫「え!?」
古庄「・・・・」
明乃「その・・・・私は、艦長なれる程の成績では・・・・」
明乃は、何故自分が艦長に選ばれたのか、成績は偶々良かっただけなのに、何故だろうか、そう言い神妙な面持ちで俯く。
それを聞いた薫も驚いていた。
雅か、いきなり明乃がそんな事を言うなんて、艦長になった事がそんなに不安なんだろうか、堆考えてしまう。
それに対して、古庄は
古庄「では、聞くけど・・貴方の理想の艦長とは?」
明乃に自分にとって理想の艦長とは何かと問う。
明乃「えっ・・・・それは・・・・艦の中の・・・・お父さん?・・見たいな・・・・あの、船の仲間は、家族なので!!」
明乃は、理想の艦長を告げ、それを聞いた古庄は
古庄「ンフッ・・・では、そうなれば良いわ・・・この晴風に相応しい艦長に・・・」
明乃にそう言ってその場を後にする。
明乃「・・・・」
そして、それに対して薫も
薫「私も岬ちゃんは、成績とか関係なく、きっと優れた能力があるからだっと思うよ!」
明乃の優れた能力を評価する。
明乃「ありがとうございます山本教官!」
薫「どう致しまして!」
2人が話していると後ろからもう1人。
ましろ「薫さん!」
ましろがやって来た。
薫「ましろちゃん・・如何したの?」
ましろ「あの・・・薫さんは知ってたんですか?・・私が晴風に配属された事を・・・」
ましろは、薫に自分が晴風の配属になった事を知っていたのか問う。
薫「うん、知ってた・・・貴方が特別入学で、この晴風に配属された事を・・・」
ましろ「特別入学・・私が?」
薫「そう・・実はねぇ・・・」
薫は、ましろにある事を話す。
それは、ましろ自身が本当は、入試の学科の問題を回答欄一つずらして、回答した為、本来は、不合格のところ、その反対に実技が合格していた事と優れた才能を不合格にしては、余りの損失だと言う事で今回だけ晴風クラスに編入すると言う条件で合格になった事実をましろに告げる。
ましろ「わ、私が・・フ、不合格・・・」
ましろは、自分が回答欄を一つずらして回答した事で不合格になっていた事実を告げられ、愕然とする。
薫「運が悪いんだから仕方ないわよ!・・・でも、その代わりに実技と優れた能力で折角、此処に入学できたじゃないの!」
学科では、残念だったが実技と優れた能力で合格できた事は、何よりもめでたい事だが
ましろ「良くありません!!」
薫「ん・・・」
ましろ「実力で合格したのならまだしも、そんな理由で合格できた何て、私は嬉しくなんて・・・」
ましろは、自分が実力で合格したのではなく、真雪の計らいで合格できたのが気に入らなかった。
薫「じゃ、辞める?・・・今此処で古庄教官に自主退学を申し出る事もできるんだけど・・・」
薫は、そんなに気に入らなければ自主退学を申し出る様、ましろに告げた。
確かに今なら、まだ入学式を終えただけで艦も出港していない。
古庄教官に自主退学を申し出れば、学校を辞める事もできる。
だが、それは、ましろ自身、ブルーマーメイドになる夢を諦める事を意味する。
ましろにそんな判断を出来るのだろうか
ましろ「わ、私は・・・」
続けるか、それとも自主退学して辞めるか。
ましろは、判断に戸惑う。
薫「何してるの・・・時間がないから早く言いなさい!!」
ましろ「わ、私は・・・」
言おうとした。
その時
明乃「駄目だよ!!」
『!?』
それに待ったを掛けたのは、隣で聞いていた明乃だった。
明乃「折角合格できたのに今辞めたら、ブルーマーメイドになれなくなるんだよ・・・宗谷さんは、それで良いの?」
明乃は、ましろを必死で説得する。
明乃「お願いします山本教官!・・・宗谷さんを退学にしないで下さい!!」
薫「・・・はぁ・・・分かったわ!・・・岬ちゃんに免じて・・・これは保留にしときます・・それで良いわねましろちゃん?」
ましろ「・・・はい」
薫「じゃ私は、ちょっと部屋に戻るから、後で艦橋で会おうね!」
この問題は、明乃の説得で一先ず保留になり、薫は、部屋と戻っていた。
明乃「良かったね宗谷さん退学にならなくて・・・」
明乃は、ましろが退学にならなくて、良かったと喜んでいたが
ましろ「余計な事をするな!」
明乃「えっ!?」
ましろ「私は、お前なんか・・・艦長とは、認めてないからな!!」
ましろは、助けてくれた明乃に礼を言わず、逆に余計な事をするなと言われ、怒って行ってしまった。
明乃とましろ、この2人の仲は、対立的な状態だ。
横須賀基地、指揮官室
その頃、龍之介は、指揮官室で、いつもの書類仕事をしていた。
龍之介「ん!」
龍之介は、ふっと部屋の時計を見て
龍之介「もう入学式も終わって、海洋実習に出る時間か・・・」
時計を見て、既に海洋実習に出たと思っっていた。
龍之介「・・・順調に進んでいるなら2週間で帰ってくる・・・何事も無ければ良いが・・・」
龍之介は、薫とはやてが無事海洋実習を終えて、帰ってくるを祈っていた。
晴風 艦橋
明乃は、艦長帽を持って、艦橋に上がる。
他にカーディガンを着て、両手にタブレット端末を持った書記の納沙幸子と砲術長の立石志摩が後ろに付いていた。
3人が艦橋に着くと
明乃「あれ!?・・・五十六?」
五十六「ぬっ」
艦橋の磁気羅針盤の上に何故か五十六が殿様座りをしていた。
志摩「ね・・・・こ・・・・?」
幸子「可愛い・・・!」
志摩と幸子は、五十六を見て、直ぐ気にいった様だ。
しかし、気に入らない奴もいた。
ましろ「うえっ!・・また・・・・」
ましろである。
そして、その後ろから志摩と同じ身長で猫のパーカーを着た水雷長の西崎芽衣がやって来た。
ましろ「お前が、いえ、艦長が連れて来たんですか!?」
ましろは、明乃が五十六を晴風に連れて来たのだと思ったが
明乃「勝手に乗り込んだみたい。」
如何やら、いつの間にか、この晴風に乗り込んだ様だ。
そんな中
カーン!、カーン!
出港を知らせる鐘が鳴り響き。
明乃「あっ!!出港用意しないと・・・」
出港の鐘が鳴り響き、明乃は、急いで出港準備に入ろうとしたが
ましろ「この猫、如何するんだ!?」
ましろは、指さして、五十六の処遇を如何するか問う。
幸子「もう降ろせないですし、鼠を退治してくれるから、良いんじゃないんですか?」
確かにタラップを降ろされた今、五十六を降ろす事は出来ない。
なら、このまま一緒に連れて行く事にましろ以外の5人は、賛成しているが
ましろ「そんな!猫と一緒に航海するのか?」
如何してもましろは、五十六を一緒に連れて行く事に反対していた。
薫「如何したの?・・・出港の鐘は、もう鳴ってるわよ!」
五十六の処遇を話していると薫が入って来た。
明乃「あっ、教官!」
薫は、艦橋に入って来て、何故出港準備をしないのか、辺りを見回すと
薫「あっ!?」
磁気羅針盤の上の五十六に目が合う。
薫「何で貴方、此処に居るの?」
明乃「勝手に乗り込んだみたいなんです教官!」
薫「あらまあ、この子ったら・・・」
薫は、五十六を抱く。
ましろ「如何しましょうか山本教官・・この猫降ろした方が良いですよね?」
ましろは、薫に五十六の処遇を問う。
薫なら、自分と同じ反対すると思っていたが
薫「そうね・・・貴方、お名前は?」
明乃「五十六です。」
薫「では、五十六・・・晴風への乗船を特別に許可します。」
薫は、五十六の乗船を自分の判断で正式に許可した。
ましろ「えっ!?」
明乃「ありがとうございます教官!!」
ましろ「そんな!?・・教官まで・・」
薫が下した五十六の処遇に不満を言うが
明乃「じゃ、五十六は、大艦長という事で!」
あっという間に五十六は、明乃達の上官になる。
ましろ「しかも私より階級が上?」
ましろは、自分より五十六の方が階級が上に成った事で少し落ち込む
明乃「あっ!・・そうだ・・・改めまして、艦長の岬明乃です!・・・よろしくね!」
明乃は、ましろに改めて自己紹介をする。
ましろも気を取り直して
ましろ「副長の宗谷ましろだ。」
自己紹介をする。
そして、幸子もタブレットを操作しながら
幸子「私は書記の納沙幸子です。」
自己紹介をする。
芽衣も
芽衣「水雷委員の西崎芽衣よ!」
そこまで言ったところで
鈴「すみませ~ん・・・遅れました・・・御免なさい!!」
右舷デッキの方から知床 鈴が走りながら艦橋に入ってきて
鈴「はぁ、はぁ・・・わ、私・・・・こ、航海長の知床鈴です。」
息吐きしながら自己紹介をする。
鈴「あ、貴方は?」
自己紹介後、鈴は、前に居た志摩に名前を聞こうとするが
志摩「ほ・・・・ほ・・・・」
自分の役職と名前を言おうとしているが上手く言葉にできない。
明乃「砲術委員の立石志麻さんだよね?」
志摩が答えられないので明乃は、ガバーした。
志摩「うん!」
志摩は、如何やら極度の人見知りらしい。
薫「私は、臨時教員の山本 薫です・・・何か困った時は、いつでも相談に乗ります。」
ある程度の紹介が終わったところで
薫「では、艦長!・・出航の指示を・・・」
明乃「はい、よ~し・・じゃ、皆・・定位置に着いて!・・・出航準備!」
明乃は、出港準備の命令を出す。
明乃「前部員描鎖詰め方!・・・出港用意!・・・錨を上げ・・・」
艦首で錨が上げられてゆくのを確認した水測員の万里小路 楓がラッパを吹くが余り上手と言えるようなレベルのものではなかった。
薫(これは、練習が必要ね!)
薫は、心中でそんな事を考えていた。
前甲板でラッパに気を取られていた主計長の等松美海が青旗を上げて用意よしも知らせる。
明乃「両舷前進微速150度ヨーソロー・・・・晴風出港!」
出港の命令が下り、鈴がテレグラフを操作し、針を前進微速に合わせる。
晴風 機関室
麻侖「前進微速!」
艦橋のテレグラフからの指示を得て、機関長の柳原麻侖は、前進微速の命令を出し
麗緒「蒸気タービン艦って、確かバルブを・・・・」
機関員の若狭麗緒と伊勢桜良がバルブを操作する。
やがて機関が始動し、晴風は出港する。
出港した事を確認したところで
明乃「航海長操艦!」
明乃は、鈴に艦の操艦を任せる。
『航海長操艦!!』
その場にいる全員の複勝を確認し、更に指示を出す。
明乃「両舷前進原速、赤黒なし!・・進路150度」
鈴「頂きました、航海長・・・両舷前進原速赤黒なし、進路150度」
明乃の指示を復唱しその通りに操艦を始める鈴。
明乃「あっ!」
そんな中、明乃は、晴風の横を航行する武蔵の艦橋に手を振っている女性2人の存在に気づく。
明乃「もかちゃん!」
1人は、武蔵艦長の知名もえか。
そして、もう1人は
薫「はやてちゃん!」
武蔵の臨時教員の八神はやてだった。
明乃「もかちゃーん!!」
薫「はやてちゃーん!!」
それに気づいた明乃と薫はもえかとはやてに向かって手を振り返した。
こうして、晴風以下11隻の教育艦は、海洋実習へと出港した。
目指すは、西之島新島沖
だが、これが1ヶ月にも及んだ事件の幕開けになるとは、誰も想像していなかった。