4月7日
小笠原諸島、西之島新島沖
西之島新島の沖では、教官艦のさるしま以下、多数の教育艦が集結していた。
さるしま、艦橋
古庄「全艦集合した?」
さるしまの艦橋で古庄は副官に学生艦が全て揃ったかを尋ねた。
副官「いえ武蔵と晴風がまだです・・・晴風は通信によると・・・遅刻です。」
副官は気まずそうに報告した。
古庄「まあ、初航海だから仕方ないわね!」
副官「しかし、このままでは、当初のスケジュールに支障が生じます!」
副官の言う通り、武蔵と晴風の遅れで既に当初のスケジュールに支障が出ていた。
古庄「大丈夫よ!・・あの2人なら・・・」
しかし、それでも古庄は、薫とはやての2人を信じていた。
だが、古庄は気づいていなかった。
調度さるしまに乗艦していた例の研究員が密かに島影に隠れていた潜水艦から黒いブラックボックスを回収していた事、そして、そのブラックボックスの中から2~3匹のネズミに似た生き物が飛び出し、艦内に拡散した事により、更なる事態が起きた。
そんな事も知らずに晴風は、急いで合流地点に向かっていた。
途中、機関が不具合で停止と幸子と鈴が怪談話で夢中になって変針点を過ぎても変針する事なく、そのままの針路を進んでしまった為、航路を大きくズレてしまい、幸子と鈴がそれに気づいたのは当直が間もなく終わろうと言う時だった。
急いで晴風を予定のコースに戻したが、大幅なロスは免れなかった。
その結果、晴風は、海洋実習の集合時間に遅刻確定となった。
晴風、艦橋
ましろ「現在位置は!?」
鈴「28°10′50″N(ふたじゅうはちど じゅってんごふんノース)、139°33′30″E(ひゃくさんじゅうきゅうど さんじゅうさんてんさんふんイースト)あと72,4マイル!」
ましろが晴風の現在位置を鈴に尋ねると、やや震えた声で晴風の現在位置を報告する鈴。
ましろ「あと何分で集合場所に着く!?」
鈴「じゅ、巡航速度18ノットで4時間・・・」
薫「あと3時間から4時間は掛かるね・・・大遅刻決定・・・お疲れさん。」
鈴「そんなぁ・・・」
泣きそうな鈴の声(実際半泣きなのだが)を聞きながら欠伸をかみ殺す薫。
ましろ「はぁ~始めての海洋実習に遅刻するなんて、ついてない・・・・」
ましろの溜息が響く。
鈴「ご、御免なさい!・・私が方向間違えたから!」
幸子「エンジンも一度停止しましたしね・・・」
芽衣「晴風は、高圧艦だからね・・・速度は、速いけど、故障が多いんだもん」
ましろ「ついてない」
薫「まあ、そう言わないの副長!・・・始めての海洋実習にしては、仕方が無いわ!」
そんなましろを薫は、何とか慰め様とする。
ましろ「・・・」
薫「遅れる旨の連絡はしてあるわよね、納沙さん?」
幸子「はい!・・・通信員の八木さんが打電済です。」
薫「取り合えず・・報告は、入れてるから、着いたところで私が古庄教官に事情を説明するけど・・・お説教は覚悟しといた方が良いかもしれないわね!」
『うぅ・・・』
鈴「古庄教官ってそんなに怖いんですか?」
古庄から怒られるかもしれないと言う事で鈴は萎縮する。
薫「う~ん・・・私もそんなに詳しくないから分からないけど、教育熱心な人って言う印象は受けたかな・・・」
薫が鈴に古庄の印象を話す。
ましろ「はぁ・・・ついてない・・・・そう言えば艦長は?」
薫が古庄の印象を話している最中、ましろは、明乃がいない事に気づく。
幸子「先まで居たんですけど・・・」
ましろ「遅刻しそうな時に何所、ほっつき歩いてるんだ!!」
薫「副長!・・艦長も遅刻の事は知ってるから、大丈夫よ!」
薫は、ましろに今の状況は、明乃にも説明している事を言うが
その言い方に何処か不満げな表情をするましろ、それを見て薫は何処か面白そうな顔をした。
ましろ「お言葉ですが山本教官!・・・現在我々は、海洋実習に遅刻寸前何ですよ!・・・そんな時に艦長が艦橋に居ないのは、可笑しいと思いませんですか!?」
生徒を教育する立場の薫が逆に生徒に教育されてしまう。
まあ、確かにましろの言葉にも一理ある。
今は、戦闘じゃないが危機的な状態なのは確かだ。
そんな時に艦長は、艦橋にいなきゃいけないのは当然だ。
薫「分かったわ!・・もう、ましろちゃんには適わないな・・・・西崎さん!・・・悪いんだけど・・・艦長を呼んで来てくれる?」
ましろに逆に教育されて、薫は仕方なく、芽衣に艦長を呼んでくるよう頼む。
芽衣「わっかりました!呼んできま~す!!」
薫に頼まれ芽衣は、明乃を呼びに行こうと元気に艦橋を後にした。
晴風、右舷甲板
その頃、当の明乃は、右舷甲板で五十六に餌を上げていた。
明乃「今日は、良い天気だね・・・五十六・・・・」
五十六「う・・」
明乃「やっぱり海っていいなぁ・・・」
明乃が背伸びしてると突然
芽衣「艦長・・・・!!」
誰かに呼び出された。
芽衣「副長と教官が呼んでるよ・・・・!!」
それは、薫に頼まれて、明乃を呼びに艦橋を出た芽衣だった。
明乃「あっ芽衣ちゃん!?」
芽衣「このままだと集合時間に間に合わないって・・・」
芽衣は、勢いで梯子を降りる。
明乃「さるしまには、通信員のつぐちゃんが遅刻の連絡をしてもらたよ?」
芽衣「でも呼んで来いってさ・・・」
明乃「あ、うん」
五十六「う・・う・・」
明乃は、帽子を取り艦橋に戻る。
晴風、艦橋
明乃「如何したの・・・?」
明乃が艦橋に着くと
ましろ「何処へ行ってたんですか!?」
ましろがカンカンに明乃を問い詰める。
明乃「ちょっと甲板に・・・・」
ましろ「遅刻しそうな時に何を・・・・」
明乃「遅れるって連絡は、もうつぐちゃんに送って貰ったし、だから五十六に餌を・・・・」
明乃は、そう言い、五十六の手を振るう。
ましろ「全く、艦長は、たるんでいます!!」
明乃のたるみにましろは、呆れる。
薫「まあまあ、副長!・・・此処は穏便に・・」
薫は、ましろを眺め様とした。
その時
ドーン!!
一発の砲声が鳴り響いた。
晴風、見張り台
マチコ「!?」
見張り台で見張りをしていたマチコは、突然の砲声を聞き、眼鏡をはずし、目を細める。
マチコ「はぁ!?」
彼女の耳にはヒュ~と空気を切り裂く音が水平線の彼方から聴こえて来たと思ったら、突然、砲弾が晴風の右舷側付近に着弾する。
晴風、艦橋
『きゃあ・・・・!?』
ましろ「くっ!・・・何だ!」
薫「如何したの・・い、一体・・・何が!?」
突然の着弾の衝撃で艦橋の全員は驚愕する。
マチコ『着弾!・・右30度、3000!』
『えっ!?着弾?』
マチコからの着弾の報告を聞いて、薫と明乃は驚愕する。
マチコ「また、着弾・・・!!」
そんな中、再び砲弾が晴風の左舷側付近に着弾する。
晴風、艦内通路
媛萌「如何したの・・・!」
美海「120%、分かんない・・・!」
突然の着弾に晴風の乗員は何が起きたのか分からずパニック状態になる。
媛萌『至近弾、後部甲板に浸水!』
美甘『烹炊室で茶碗が割れちゃったよ・・・!』
各部署から被害報告がなされ
明乃「シロちゃん!」
ましろ「?」
明乃は、突然、ましろをニックネームで呼んだ。
明乃「シロちゃん!?」
ましろ「?」
突然、明乃からニックネームで呼ばれ、ましろは、誰を呼んでいるかと思ったが、自分だと気づく。
明乃「宗谷さんの事だよ・・・ましろだからシロちゃんでしょ?」
ましろ「シロちゃん!?・・・艦長・・宗谷さんもしくは、副長と呼んで頂きたい!」
明乃にニックネームを付けられ、嫌がるましろ。
それに対して、普通の呼び方で言うよう明乃に要求するが
明乃「え・・他人見たいだよ・・・」
普通の呼び方の要求に明乃は、他人見たいだと嫌がる。
ましろ「他人でしょう!」
しかし、ましろは、他人だと言い張るが
明乃「海の仲間は、皆家族でしょ?」
ましろ「家族何かじゃ!」
明乃「それよりシロちゃん、ちょっと肩車して貰って良い?」
ましろ「・・・・人の話、聞いてますか?」
ましろが言う事に全く耳を貸さず、明乃は、状況を確認する為、ましろに肩車をするよう要求する。
薫「今は、言い争ってる暇じゃないよ!・・・副長、良いから此処は、素直に負けを認めて、肩車をしなさい!!」
ましろ「教官まで・・・・はい」
薫にまで素直に負けを認めて、要求を飲みなさいと言われ、ましろは、仕方なく肩車をする。
確かに今、砲撃されている時に言い争ってる暇じゃない。
明乃「ありがとう!私だけじゃ届かないから・・・」
ましろに肩車され、明乃は、艦橋の天盤から上半身を乗り出して、双眼鏡で前方を見る。
薫「野間さん!何処からの砲撃?」
薫も窓から双眼鏡で前方を見る。
マチコ「艦長、教官!さるしまからの砲撃です!!」
薫「な、何です手て!?」
さるしまからの砲撃と言う報告を聞いて、薫は驚愕する。
明乃「えっ!?古庄教官!?・・如何して・・・・」
そして、明乃も双眼鏡でさるしまを指揮している古庄の姿を見て驚愕する。
ましろ「遅刻したからだ!!・・・怒られて当然だ!」
ましろは、晴風が予定の時刻に遅刻したから、それで怒って砲撃したんだという。
明乃「そんな・・・・それで砲撃なんて・・・・」
しかし、そんな理由で古庄が砲撃するとは、明乃は思えなかった。
薫「そんな筈はないわ・・遅刻程度でこんな砲撃は、あり得ないわ!!」
薫も明乃と同意見だった。
しかし、現に砲撃されている。
マチコ『右前方に着弾・・・・!』
その時、3発目の砲弾が晴風の前方の海面すれすれで炸裂した。
それは、雅に訓練用の模擬弾では無く、攻撃用の実弾の爆発だった。
明乃「爆発した!?これ・・・実弾!?」
ましろ「このままだっと怪我人が出るぞ・・・」
実弾だと分かり、明乃とましろは、動揺する。
薫「そんな!?・・・古庄教官は何を考えてるの?・・生徒相手に実弾なんて・・・」
そして、薫も古庄が何故、実弾で砲撃してくるのか、全く分からなかった。
しかし動揺も束の間
明乃「リンちゃん!回避運動を!」
明乃は、素早く鈴に回避運動を促す。
鈴「り、了解・・回避運動、と~り~か~じ~」
鈴は、左に舵を切って、回避運動を取る。
明乃「あっ!・・そうだ!・・・シロちゃん降ろして貰えるかな?・・・ココちゃん、遅刻に関しての謝罪を打電で!」
回避運動の中、明乃は、肩車を止め、直ぐに通信員の鶫にさるしまへの遅刻に関しての謝罪を打電せよと幸子に指示する。
幸子「了解です・・・八木さん!・・さるしまに打電を・・」
幸子は通信室に居る鶫に謝罪文をさるしまへ送信する様に指示を出す。
その間、明乃は、艦橋の艦内電話、受話器を取り
明乃『あ・・・あ・・・遅刻してすいませーん!!』
艦内電話でさるしまに謝罪を促す。
しかし、謝罪を促してもさるしまの砲撃は止まず
鈴「ま、まだ撃って来るよぉ・・・!」
鈴が涙目と涙声で言う。
芽衣「唯の脅しでしょ・・・決める気ならとっくに決めているわよ、さるしまなら・・・」
芽衣は、やや余裕がある様子で鈴に言う。
確かに芽衣の言う通り、さるしまは、現在ブルーマーメイドで使用されているインディペンデンス級沿海域戦闘艦と同じ艦だ。
ならば、精密なレーダー射撃が可能であり、さるしまが本気で晴風へ攻撃しているのであれば、とっくに命中弾があっても可笑しくはない。
それに
幸子「艦長!・・・打電、返答無しだそうです!」
さっき送信した謝罪文も無視された。
明乃「そんなに怒ってる!?」
送信した謝罪文も無視された事に明乃は動揺する。
そんな時
ましろ「代われ!」
明乃「?」
急にましろに代われと言われ
ましろ「私が遅刻した理由を説明する。」
ましろは、明乃から受話器を受け取り
ましろ「航洋艦晴風、集合時間に3時間と2分遅れましってまことに申し明けありません・・・しかしながら、機関にトラブルが発生じ、いたしかったなかったんであります・・・これは高圧艦特有のトラブルで有り・・・つまりは、予想できない事態で有った為・・・」
改めて、さるしまに謝罪を促す。
幸子「始末書のお手本みたいですね。」
『うん』
雅に始末書のお手本を呼んでいる見たいな光景だった。
だが、ましろの謝罪も空しく。
マチコ『右舷に着弾!!』
またもや晴風の右舷付近に着弾する。
芽衣「くっ!・・・さっきより位置が正確になっている!・・もうこうなったら反撃しようよ!」
さるしまも徐々に精密な射撃へとなり、着弾距離も徐々に迫りつつある。
そんな中、芽衣は、一か八か反撃に打って出ようと言う。
薫「駄目よ!・・・そんな事したら、大変な事になるわ!!」
しかし、それに対して、薫は、断固反対した。
芽衣「で、でも・・・」
薫「副長、代わって!」
ましろ「はっ、はい。」
薫は、ましろから受話器を受け取り
薫「此方は、晴風教官の山本薫二等監督官です!・・・古庄教官お願いですから砲撃を止めてください!・・・このままでは、死者が出ます!・・・お願いです砲撃を止めてください!!」
さるしまに対して、最後まで交渉による解決を模索する。
そして、明乃も同様に
明乃「野間さん!・・手旗信号を!」
今度は、手旗信号で謝罪文を送ろうとマチコに指示する。
マチコ『了解!』
マチコは、手旗信号にて、さるしまに謝罪文を送るが、それさえも無視してさるしまは、更に砲撃を続ける。
晴風、見張り台
マチコ「着弾・・・!!」
そして、その1発が晴風中央左舷側付近に着弾する。
晴風、機関室
麻侖「機関室浸水でぇい!!」
晴風、第2魚雷発射管
果代子「次発装填装置が壊れたよ!」
晴風、炊飯所兼食堂室
美甘「炊飯器が故障しちゃたよ!!」
着弾による衝撃で各部署から被害報告が上がる。
晴風、艦橋
薫「はっ!?・・・そんな・・・」
砲撃が止まない事と各部署からの被害報告を聞いて、薫は動揺する。
明乃「怪我人は?」
薫が動揺している中、明乃は、冷静に各部署に怪我人が出ていないか確認する。
晴風、機関室
麻侖「機関室、柳田麻侖、他全員無事でぇい!」
晴風、第2魚雷発射管
果代子「第2魚雷発射管、姫路、大丈夫です!」
晴風、炊飯所兼食堂室
美甘「炊飯器以外は、伊良子美甘他2名無事です・・・・・・」
今のところは、怪我人は、出ていない様だ。
しかし、さるしまからの砲撃は続く。
晴風、艦橋
マチコ『着弾・・・!』
芽衣「狙いが正確になってきたんだけど!?」
鈴「方向転換しても、撃ってくる!!」
芽衣の言う通り、最初は、目標を外してきたさるしまも段々と狙いが正確に迫っていた。
鈴は、方向転換しながら回避運動を続ける。
ましろ「本気で攻撃しているのか?・・・あの砲なら毎分22発撃てる筈・・・・レーダー照準にしては、狙いが甘いし・・砲の旋回速度が遅い・・・・」
最早、さるしまが何を考えて晴風へ攻撃して来るのか、薫以下の艦橋組は、全く理解できなかった。
そして、これはもう演習と呼べるものでは無く、一方的な戦闘であった。
マチコ『着弾!!』
とは、言うものの、さるしまの砲撃は、なおも続き。
薫「・・・・如何すればいいの・・・・?」
この状況で薫は、何もできず、唯見ている事しかできなかった。
そんな時
明乃「・・・・魚雷を撃とう!」
薫「えっ!?」
皆が動揺してる中、明乃は、突然、魚雷を撃とうと言い出す。
ましろ「魚雷!?」
ましろは、明乃の言葉を聞いて、目を見開いて固まった。
鈴「!?」
明乃が言った事は、雅に砲撃してくるさるしまに対する反撃行為だ。
芽衣「えっ!・・マジ!?・・撃つ!?・・撃つの!?」
魚雷を撃つ事に芽衣は、はしゃぎながら喜ぶ。
まあ、芽衣にとっては、自分が水雷長で魚雷を撃つ担当だから、撃てると分かってウキウキしているんだろうが
ましろ「しかし!・・我々は、あえてこの砲撃に耐えるしかない立場では!?」
明乃の攻撃命令にましろは反対するが、砲撃は、刻一刻と晴風に命中寸前。
明乃「私も、出来る事なら攻撃したくない・・でも、晴風の皆を護らないと!・・・私は、晴風の艦長なんだから!」
明乃も本当は、さるしまへの攻撃を躊躇っていたが、このままでは、命中弾を受けて、乗員に死傷者が出る。
それを恐れた明乃は、艦長として乗員を護る為、さるしまへの攻撃を決断したのだ。
明乃「訓練弾だったら、絶対沈まないから大丈夫・・・うまく動きを止めてその間に逃げよう。」
攻撃には、訓練用の魚雷を使う事に、訓練弾なら爆発も無く沈む事はない。
魚雷でさるしまの動きを封じた後、その間に全速力で海域を離脱する作戦だ。
『うん』
明乃の作戦にましろと薫以外の艦橋メンバー全員が頷く。
そして
明乃「教官、攻撃許可を?」
明乃は、薫にさるしまへの攻撃許可を求める。
薫「岬艦長・・・分かりました・・岬艦長!・・・さるしまへの魚雷攻撃を許可します・・・但し、攻撃は1度のみ・・使用弾頭は、模擬弾のみ限定!」
明乃の真意に遂に薫も攻撃を許可した。
明乃「ありがとうございます・・・戦闘用意!」
明乃は、戦闘用意の号令を出す。
ましろ「教官も本気で攻撃を!?・・・相手は、古庄教官なんですよ!」
ましろは、断固反対したが
薫「今は、この状況を打開しないといけないし・・・それに私は教員として、生徒を守る立場だから!」
ましろ「ん・・・分かりました。」
薫の言葉に遂にましろも賛同した。
明乃「弾頭模擬弾!」
芽衣「戦闘右魚雷戦!」
理都子『魚雷発射まであと30秒』
芽衣「目標よし・・・方位核左90度、敵速18ノット、距離6000」
明乃「3000まで寄せて!」
理都子『あと20秒!・・・あと10秒・・・発射用意よし!』
芽衣「発射用意よし!」
魚雷発射準備が全て整った。
明乃「攻撃始め!」
明乃の命令の下、晴風から訓練魚雷が発射され、その魚雷は、高速でさるしまの左舷後部へと命中した。
芽衣「よっし!!・・命中!!」
魚雷の命中に芽衣がガッツポーズを決める。
幸子「さるしまの速度が落ちました!」
幸子の報告通り、晴風の魚雷攻撃を受けたさるしまは、左舷に半分ほど傾斜し、速力が低下した。
薫「艦長、今のうちに離脱を!」
さるしまが攻撃できない今、薫は、直ぐに離脱するよう明乃に指示する。
明乃「ん、取り舵一杯!・・最大戦速!!」
明乃も急いで、この海域からの離脱を指示した。
鈴「取り~舵一杯!」
麻侖『出力全開!』
明乃「戻~せ~零度ヨウーソロー・・・鳥島南方10マイルまで退避!」
明乃の指示に鈴は舵を切って、一刻も早くこの海域からの離脱を決行する。
晴風、機関室
その頃、晴風の機関室では
麻論「ああ、もうあっついな・・・・何脱いでんでぇい!」
桜良「暑くって・・・・」
麗緒「汗だく・・・」
離脱のせいで機関の出力を全開にしている。
その為、機関室がサウナ状態になり、麻論と洋美以外の4人は、制服を脱ぎ水着に着替える有様になっていた。
戦闘から、数十分後
晴風は、海域からの離脱に成功する。
離脱する晴風の艦橋から薫は、遠くで煙を出して、被弾したさるしまを見る。
既に遠くで煙しか見えなかったが薫は、
薫(何故ですか・・・古庄教官・・・何故こんな事を・・・)
その疑問が膨らむが、今は『なぜ』を追及する余裕はない。
晴風が西之島新島沖の海域から離脱した後、さるしまでは、古庄が無表情のまま、瞬きもせずにひたすら電文を打電。
そして、打電後、古庄はそのままその場に倒れた。
さるしまは、艦尾からの浸水で航行不能のまま漂流し、数時間後に沈没した。
唯、その際にさるしまの被弾部分から例の研究員が回収したブラックボックスが海へと流出していった。
この事が何れ新たな騒動の火種となる事をこの時、誰も予見はしていなかった。
古庄以外のさるしまの乗員は、沈没前に脱出したが肝心の古庄は行方不明となり、後から海を漂流しているところを意識不明で救助された。
東京湾、羽田港港湾管理局
一方、さるしまから打電した電文は、本土の羽田港港湾管理局へと受信された。
港湾職員A『横須賀女子海洋学校・・・教官艦さるしまより受信・・・学生艦晴風より攻撃を受け大破!』
港湾職員B『学生艦が攻撃!?』
港湾職員C『至急、海上安全整備局へ連絡を!』
港湾職員B『此方、羽田港港湾管理局・・・只今、さるしまより受信!・・以下早急の応対を求む・・・繰り返す、此方羽田港港湾管理局・・・只今、さるしまより受信・・・・』
羽田港港湾管理局からの緊急伝は、瞬く間に国土交通省と海上安全整備局へと知らされた。
日本近海
晴風、艦橋
その頃、海域を離脱した晴風は、第二集合地点である鳥島沖に向かっていた。
幸子「それにしても・・・あの砲撃は、何だったんでしょう・・・・」
幸子が、何故さるしまが砲撃をして来たのかを尋ねる。
しかし、真実を知り、答えられる者など居る筈も無く。
芽衣「ちゃんと逃げられるかどうかの抜き打ち特訓だったんじゃない?」
芽衣は、あくまでもアレは、演習内容の一つなのではないかと言う。
ましろ「その可能性もなくはない。」
鈴「それにしては、本気過ぎだよぉ・・・・」
鈴が幾ら演習でもアレはあまりにもやり過ぎだと言う。
ましろ「教官は、何かご存知ですか?」
ましろは、教員である薫が何か古庄から知らされているか聞くが
薫「私にも分からないわ・・・こんなのスケージュールにはない行動よ・・・」
薫もさるしまの行動が予め、打ち合わせから外れてる行動だっと言う。
志摩「あぅ・・・・」
志摩は疲れたのか、少しぐったりしている。
そんな中、幸子が突拍子もない事を言いだす。
幸子「もしかしたら、さるしまがクーデターを起こしたとか?・・・『我々は、ブルーマーメイドの教官艦と言うちっぽけな存在ではない!・・・宣言する!・・・我々は、独立国家、さるしま!』」
幸子が声を変え一人妄想芝居を始めた。内容がまるで。某アニメの原子力潜水艦の艦長が言ったような台詞。
ましろ「真面目に考えてるのか!?」
その1人妄想芝居をやる幸子に、ましろがツッコミをいれる。
明乃「でも、大きな怪我の子が、出なくて良かった・・・皆掠り傷程度で済んだみたいだし・・・被害状況まとめたら学校に報告した方が良いよね?」
ましろ「どれだけ、叱られる事か・・・」
ましろは、学校にどれだけ叱られる事かと悲しそうに言う。
そんな中、艦橋の無線電話が鳴る。
幸子「あ、無線ですね、とりま~す。」
そう言って幸子が無線電話の受話器をとり無線内容を聞く。
ましろ「説明して分かってもらうしかない。」
薫「そうね、でもそれは、私が校長に直に説明するわ!」
しかし、だんだん無線内容を聞いている幸子の顔色が悪くなっていく。
一体何事か
幸子「大変です・・・・」
明乃「え?」
そして、幸子は皆に無線内容を伝えた。
幸子「晴風が・・・・我々の艦が反乱したって!」
ましろ「反乱!?」
明乃「・・・・!」
薫「な・・何ですって!?」
晴風反乱と言う内容を聞いて、薫以下明乃達は、深刻そうな顔をする。
さるしまから攻撃を受けた晴風が一変して、反乱艦になってしまった。
一体如何いう事なのか、全く分からなかった。
続く
テレビ版第一話部分終了