今から100年ほど前、日露戦争後の日本はプレートの歪みやメタンハイドレートの採掘などが原因で、その国土の多くを海中に没した。
結果、海上都市が増え、それらを結ぶ海上交通などの増大で、日本は海運大国になった。
その過程で、これまで軍事用に建造してきた艦の多くが民間に転用され、戦争に使わないという象徴として、艦長は女性が務める様になった。
それがブルーマーメイド始まりである。
因みにブルーマーメイドと同様に男性の方は、ホワイトドルフィンと呼ばれ
共に海の安全を守っている。
そんな世界にある邂逅が齎された。
3月15日
小笠原諸島、硫黄島沖
この日、インディペンデンス級沿海域戦闘艦みくら以下4隻を引き入る平賀部隊は、小笠原諸島の硫黄島沖を哨戒中だった。
みくら、艦橋
みくらの艦橋には、2人の女性が神妙な面持ちで水平線を見ている。
1人は、艦隊指揮官で安全監督室情報調査隊の平賀倫子二等監察官。
もう1人は、ネコミミのヘッドセットが特徴のみくら艦長で同じく安全監督室情報調査隊の福内典子である。
平賀「この辺りは、海賊が出没していると聞いていたけど・・・」
平賀は、この海域で海賊がよく出没すると情報を得ていた。
福内「でも異常は無い見たいね・・・」
今のところ異常も無く、穏やかで、引き続き哨戒を続行する。
一方、ペガサス隊の報告で平賀部隊の接近を察知したGフォース西部方面艦隊では
空母大鳳、艦橋
功「如何しますか准将?」
龍之介「総員、警戒態勢!」
薫「了解!・・・総員、警戒態勢発令!・・・スターズ隊及びライトニング隊発艦用意!」
警戒態勢が発令され、空母大鳳では、スターズ隊及びライトニング隊の戦闘攻撃機春乱 計5機が対艦装備に換装されて発艦準備をする。
白鳳、艦橋
三郎「如何しますか?」
次郎「ゴジラ戦じゃないなら我々の出番じゃないだろうが・・・警戒態勢が発令された以上、戦闘準備をしないとな!・・・総員配置!・・・コンピューターを戦闘モードに移行しろ!!」
空母大鳳の側の白鳳でもコンピューターを戦闘モードに移行、ハイパーレーザ砲にエネルギーが充填され、発射準備に入った。
次郎「主任は自室に退避して下さい!!戦闘になれば此処は危険です!」
次郎は、民間人である慶介に自室への退避を命じるが
慶介「いえ、出来れば私も此処に残りたいのですが?」
慶介は退避せず、艦橋に残ると言う。
次郎「安全の保証はできませんよ。」
慶介「覚悟は出来ています。」
次郎「覚悟は立派ですが、足手まといにならない様に」
高千穂、艦橋
美由紀「総員、警戒態勢発令!副長!」
文夫「はっ!総員、対艦戦闘用意!」
高千穂も18インチ4連装主砲に砲弾が装填され、いつでも砲撃できる様にし、更にハープーンやトマホークミサイルの発射準備をする。
はやて「攻撃隊発艦準備完了や!」
功「各部隊攻撃準備完了!」
各艦、戦闘準備が完了し、艦隊は、空母大鳳と補給艦2隻を中心に輪形陣を組む。
その頃、哨戒を続けている平賀部隊でも
みくら、艦橋
寒川「艦長!レーダーに反応!?」
レーダーがGフォース西部方面艦隊を捉えたと寒川高乃二等保安監督正が福内に報告する。
平賀「雅か海賊!?」
福内「ん・・・総員配置!」
福内は、直ぐに戦闘配置の号令を出す。
やがて
『目標を肉眼で視認!?』
双方が肉眼で相手を捉えた。
Gフォースの部隊とブルーマーメイドの部隊がこの世界で初めて、相見える事になった。
福内「海賊ではないようね・・・」
平賀「何所の国かしら・・・見た事ない艦ばかりだわ・・・」
平賀達は、Gフォースの艦を見て、今まで見た事のない艦に驚愕する。
志度「攻撃しますか?」
志度琴海二等保安監督正が攻撃するのか問う。
平賀「待って!・・・相手が分からない以上、此方から手を出す訳にはいかないわ!」
福内「そうね!・・・全艦に通達!・・・此方からの指示があるまで、発砲は控える様に!」
志度「了解!」
流石にブルーマーメイドでも相手が何処の国のかも分からない以上、此方から発砲する事は控えた。
そして、Gフォース西部方面艦隊でも
空母大鳳、艦橋
功「攻撃しますか?」
龍之介「いや待て!」
実「准将!白鳳と高千穂から攻撃命令を待っています!」
次郎と美由紀が攻撃命令を待っていた。
龍之介「攻撃は控えろ!」
龍之介は、攻撃を控えるよう命じる。
功「しかし、向こうは戦闘態勢を整えていますが?」
龍之介「我々は、いかなる理由があっても、自衛以外の戦争行為は禁じられている。」
Gフォースもゴジラの迎撃以外は、自衛の戦闘しか認められていない。
龍之介は、再度攻撃は控えるよう命じる。
しかし、このままでは向こうが攻撃しない限り、此方からも討てない。
双方とも如何なるのか?
みくら、艦橋
福内「不明艦隊に通信!」
志度「了解!」
福内がGフォース西部方面艦隊に向け、通信を試みる。
空母大鳳、艦橋
実「何だ!?・・・准将!」
龍之介「如何した?」
実「向こうの艦から警告の様な通信が入って来ています。」
空母大鳳がみくらからの通信を傍受する。
龍之介「スピーカーに流してみろ。」
龍之介は、スピーカーに流すよう命じる。
実「了解!」
実は、スピーカーに流す。
福内『ブブ・・・・此方は、ブルーマーメイド!・・・貴艦隊の国籍及び目的を明らかにせよ!・・・繰り返す!!・・・』
『?』
ブルーマーメイドと聞きいて、頭を?する。
龍之介「ブルーマーメイド?」
功「ブルーマーメイドとは、一体?」
薫「そんな組織、聞いた事が無いわ!」
はやて「ひょっとして、国連が新しく設立した部隊かも!」
龍之介達は、ブルーマーメイドが何なのか分からなかった。
功「如何します?」
相手に対して、功は、如何するのか問う。
龍之介「通信主!・・・向こうの通信回線を開けろ!」
実「了解!」
それに対して、龍之介も平賀部隊に向けて返信する。
みくら、艦橋
志度「不明艦隊から通信!」
みくらが空母大鳳からの通信を傍受。
福内「スピーカーに流して!」
福内は、スピーカーに流す様、命じる。
龍之介『ブブ・・・・此方はGフォース西部方面艦隊!・・・・貴艦が何者かを明らかにせよ!!・・・・』
『?』
Gフォースと聞いて、平賀達も頭を?する。
平賀「Gフォースって何?」
福内「聞いた事がないわね・・・如何する?」
平賀「如何するって・・・・一応、宗谷監督官に報告して、指示を仰いだ方が・・・」
福内「そうね!」
福内は、Gフォース西部方面艦隊発見と如何対処するのか、指示を仰ごうと横須賀のブルーマーメイド庁舎に報告する。
横須賀ブルーマーメイド庁舎、作戦室
真霜「報告は、受け取ったわ!」
平賀部隊からGフォース西部方面艦隊発見の報告を受け取ったこの女性は、ブルーマーメイド安全監督室情報調査室長の宗谷真霜一等保安監督官で言うなればブルーマーメイドの最高責任者である。
福内『如何対処いたしましょうか?』
真霜「ん・・・不明艦隊に関しては、これから上と協議した後に連絡を入れるわ!・・・貴方達は現状維持のまま現海域で待機し、向こうが発砲するまで絶対に敵対行為をしない様に・・・良いわね!」
福内『了解しました。』
真霜は、取り合えず福内に上と協議した後に連絡すると言って、Gフォース西部方面艦隊への攻撃を控えるよう命じ、通信を切る。
真霜は早速、Gフォース西部方面艦隊の対応を如何するかを協議しようと国土保全委員会に電話会談を開く。
国土交通省、国土保全委員会
真霜からの報告を聞き、国土保全委員会の幹部達は、会議室のスクリーンに映るGフォース西部方面艦隊を見て、如何対処するか協議していた。
委員会幹部A「それで彼らの要求は、宗谷監督官?」
委員会の幹部の1人が龍之介達が何を要求しているのか問う。
真霜『今のところ、その状況には至ってはおりません。』
委員会幹部B「では、ブルーマーメイド本隊を出撃させて、さっさと殲滅すれば良いではないか?」
もう1人からは、ブルーマーメイド本隊をもって殲滅しろと言う言葉もあったが
真霜『しかし不明艦隊は何所の国籍かも分からないんです!!・・・直ぐに殲滅しては国際問題に成ります・・・それに送られた映像や写真から見て、向こうは我々よりも強力な武器を持っているかもしれません・・・此処は交戦を避け、交渉で解決するのが打倒と思いますが・・・』
それに対して、真霜は交渉で解決しよう説得するが
委員会幹部B「ふん、相変わらず甘な宗谷監督官!」
真霜『如何いう意味でしょうか?』
委員会幹部B「テロリストは殲滅あるのみ、交渉での解決など、あり得ないのだよ!!」
委員会の幹部の1人がGフォース西部方面艦隊を勝手にテロリストと断定し、交渉での解決はないと真霜に告げる。
真霜『それでは、双方に無駄な犠牲が出ます!!・・・それにまだテロリストとは断定していません!!』
それを聞いた真霜は、Gフォース西部方面艦隊を勝手にテロリストと断定した事に激怒する。
委員会幹部B「我が国の領海を脅かしたのだから、テロリスト断定すべきだ!!・・・それにある程度の犠牲は、君も承知の上だろう宗谷監督官!」
委員会幹部C「その通りだ!」
他の委員会の幹部達も殲滅に同意する。
真霜(くぅ・・・下衆共め‥‥)
委員会の幹部達の対応に真霜は呆れてしまう。
委員会の幹部達は、Gフォース西部方面艦隊を勝手にテロリストと断定させて、それを真霜達ブルーマーメイドに殲滅させるつもりなのだろう。
そして、全てを無かった事にし、もし事が公になった時は、全ての責任を真霜に押し付け様と考えていたのだ。
真霜には、委員会の幹部達の腹の内が大体想像できていた。
だが、このままでは双方に無駄な犠牲が出るのは明らか、何とか打開しようとした。
そんな時
「失礼する!」
会議中にとある男が遅れて入ってきた。
深町「遅れて申し訳ない!・・・会合が予定より長引いてしまって・・・」
男の名は、深町吾郎と言って、国土交通大臣で有能な政治家でもある。
委員会幹部B「ちょっど良かった深町国交相!・・・今不明艦隊に向けて攻撃命令を出すところで・・・」
深町「ん、それで・・・・ん!?・・・こ、これは!?」
深町は、会議室のスクリーンに映し出されている、Gフォース西部方面艦隊の艦影を見て
委員会幹部B「深町国交相?」
深町「あれは・・・雅か!?」
驚愕する。
深町「宗谷監督官!」
真霜『はい!』
深町「相手は、何所の所属だと言っている?」
真霜『向こうは、Gフォースと言っていますが・・・』
真霜は、深町に龍之介達の所属を告げる。
深町「何、Gフォースだと!?」
Gフォースと聞いて、深町は動揺した。
委員会幹部A「如何したんですか深町国交相?」
深町「た、直ちに先程の攻撃命令は撤回!・・・彼らと交渉するんだ!!」
深町は、突然、攻撃命令を撤回し、真霜が言う交渉を主張した。
委員会幹部B「何を言うんですか深町国交相!?相手は、テロリストですよ!」
深町の言葉に委員会の幹部達は、驚愕しながら直も殲滅を主張するが
深町「黙れ!相手は敵ではない!!」
それに対して、深町は敵ではないと委員会の幹部達を黙らせる。
委員会幹部B「国交相、何の根拠があって言ってるんですか?」
深町「それは、私の方が君らより彼らの事を知っているからだ!!」
委員会幹部C「ん・・・・」
それを聞いた途端、委員会の幹部達は深町に反論できなくなった。
深町「宗谷監督官!」
真霜『はい!』
深町「不明艦隊との交渉を君に一任する・・・そして、可能成らば、ある程度の要求に応じる様に!」
深町は、真霜にGフォース西部方面艦隊との交渉を任せる。
真霜『ありがとうございます深町国交相!・・・では!』
真霜は、深町に感謝し通信を切る。
こうして、Gフォースとブルーマーメイドとの戦闘は回避された。
横須賀ブルーマーメイド庁舎、作戦室
真霜「ふぅ~」
国土保全委員会との協議を終えた真霜は、一息着く。
自分の案が通った事に安心したんだろう。
だが本番は此処から、深町から交渉を一任された以上成功させなければならない。
重いぷれしやが真霜に伸し掛かる。
果たして成功するのか?
それは誰にも分らなかった。