ハイスクール・フリート Gフォース   作:首都防衛戦闘機

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第10章 八神はやての最期、決死の無線機奪取

此処で事態を明白にする為、時系列は、遡る。

 

4月8日

 

武蔵、艦橋

 

晴風が第二合流地点の鳥島沖を目指している頃、八神はやてと知名もえか以下3名は、武蔵艦橋に居た。

 

艦に異常事態が発生してから、もう2日は経っていた。

 

あれから、はやての指示のもと、長期戦に備え生徒の目を搔い潜って、必要な量の水と食料の確保には成功した。

 

だが、肝心要の非常用無線機の調達ができなかった。

 

このままでは、状況の報告及び救援が呼ぶ事が出来ない。

 

とは言え、これ以上、5人で無口無表情でゾンビ見たいにあっちこち放浪うしている生徒達の目を搔い潜って、無線機の奪取に向かう事は難しい。

 

如何するか、疲れて休んでいるもえか達の前ではやては考えた。

 

そして、1日経った4月8日の午前5時頃、はやては、亜依子と夏美の2人を艦橋に残し、もえかと親子の2人を引き連れ、無線室に向かう。

 

武蔵、通路

 

はやて「ん・・・・他の生徒は、おらん見たいやね!・・・この隙に無線室まで行くんや・・・」

 

はやては、生徒がうろついていないのを確認し、急いで無線室に向かう。

 

親子「この通路を右に曲がった先が無線室です。」

 

はやて「2人共、離れんと付いてきて・・・」

 

3人は、放浪うしている生徒達の目を搔い潜りながら無線室に向かう。

 

通路を右に曲がろうとした時

 

はやて「!?」

 

右の奥から放浪うしている生徒2人と出くわしてしまった。

 

もえか「教官!?」

 

出くわした途端、3人は、その場で足を止める。

 

すると

 

異常な生徒『うがぁ・・・!!』

 

此方に気づいたか、野人見たいに襲い掛かって来た。

 

はやて「はっ!」

 

襲ってきた生徒の1人をはやては、片腕を掴んで投げ飛ばし、更にもう1人の生徒の制服のえりを掴んで、投げ飛ばした。

 

投げ飛ばされた生徒2人は、その場で床に叩きつけられて、気絶してしまった。

 

もえか「・・・・」

 

親子「凄い!?」

 

その光景を見たもえかと親子は驚く。

 

野人見たいに襲ってくる生徒2人を難なく倒してしまったのだから、驚いても不思議ではない。

 

はやて「さあ無線室まで急ぐんや!」

 

もえか「はい!」

 

生徒2人を倒し、3人は、無線室へと急ぐ。

 

武蔵、無線室

 

もえか「此処が無線室!」

 

無線室にようやく辿り着いた3人は、無線室に入る。

 

無線室に入ると中には誰も居らず、無線も無傷のままの状態でほったらかされていた。

 

親子は、直ぐに無線機を取り、外部に連絡を取ろうとした。

 

はやて「どお吉田さん・・・学校との連絡は取れそう?」

 

親子「・・・・・・駄目です!!・・・雑音が酷くて、通じません!!」

 

もえか「救難信号は?」

 

親子「それも駄目です。」

 

雑音が酷くて、通じず、救難信号も駄目だった。

 

しばらく待てば、ノイズも消えるかも知れない。

 

だが、このまま此処に居ても危険過ぎる。

 

はやて「しゃ~ない、取り合えず非常用無線機だけでも持って、艦橋に戻るんや!」

 

仕方なく、はやては、机の下にあった非常用無線機だけでも持って、艦橋に戻る事にした。

 

はやて「・・・・よし、誰も居ない様や・・・・」

 

ドアの隙間から通路を除き、誰もいない事を確認し、通路に出て、来た道を通って、急いで艦橋へと戻る。

 

武蔵、通路

 

はやて「此処を通れば甲板や!」

 

通路を進み来た道を通って、艦橋へと向かう。

 

通路を通る中、放浪うしている生徒達と出くわさなかった。

 

さっきのだけだったのだろうか、雅に幸運だっと思った。

 

その時

 

はやて「はっ!?」

 

前から放浪うしている生徒が5人も現れた。

 

はやて「こっちや!」

 

はやて達は、急いで左の通路へと逃げる。

 

来た道から艦橋に戻れなくなった為、やむおえず他の道を通る。

 

しかし

 

はやて「はっ!?」

 

また、前から、3人ほど放浪うしている生徒が現れ、今度は、右の通路に逃げる。

 

もえか「教官!・・何所に向かうんですか?」

 

最早、何所に向かっているか、もえかには分からなかった。

 

すると

 

はやて「確か、この先に艦橋に通じるエレベーターが有った筈や?」

 

はやては、一応、武蔵の艦内見取り図を暗記していたので、この先に艦橋に通じるエレベーターが有ると知っていた。

 

しかも、そのエレベーターは、まだ使用可能だ。

 

はやて達は、それで艦橋に戻るしかなかった。

 

左に曲がり、更に右に曲がり、通路を真直ぐ進む。

 

そして、やっとエレベーターに辿り着く。

 

もえか「良かった!・・・何とか辿り着きましたね教官!」

 

ようやく、エレベーターに辿り着き、もえかは安心する。

 

そして、親子がボタンを押し、エレベーターが下へと降りてくる。

 

はやて「はよ!・・・はよ来て!!」

 

しかし、降りてくるのに時間が掛かり、はやては焦る。

 

もえか「教官!?」

 

焦っているともえかが何事かとはやてを呼び、はやては、後ろを向く。

 

すると、後ろから、さっき放浪うしていた生徒が現れ、しかもその数は、先の4~5人から10人程に増え、ゆっくりとこっちに向かってくる。

 

もえか「不味いです教官!・・・このままだと皆捕まってしまいます。」

 

エレベーターもまだ降りてこない、後ろから放浪している生徒がゆっくりとこっちに向かってくる。

 

最大の危機!!

 

その時

 

親子「あっ、間にあった!」

 

ようやく、エレベーターが降りて来て、3人は、急いで乗り込む。

 

しかし

 

親子「あれ?・・・あれ?・・・」

 

はやて「どなんしたの吉田さん?」

 

親子「スイッチが・・エレベーターのスイッチが作動しません!!」

 

何とエレベーターに付いている操作用のボタンが故障していたのだ。

 

もえか「如何して?・・・先まで動いていたのに・・・・」

 

もえかが代わって操作しても全然反応がない、後ろから、放浪している生徒がどんどん近付いてくる。

 

このままだと捕まってしまう。

 

はやて、「そうや!?・・・こっちのスイッチは入るんやろ?」

 

はやては、ふっと入り口前の操作盤に気づく。

 

親子「多分、先操作したから動くと思います・・・しかし、それには誰かが此処に残らないと!」

 

親子の言う通り、入り口前の操作盤はまだ使えるが、それには誰かが残らなければならなかった。

 

しかし、それは残った者が彼らに捕まると言う選択だった。

 

はやて「なら、私が残って操作する。」

 

何と、はやてが残って、入り口前の操作盤でエレベーターを操作すると言う

 

もえか「駄目です教官!残るなら私が!」

 

はやてが残る事にもえかは、反対し、自分が残ると言い出す。

 

はやて「何を言っとるの知名さん!・・・貴方は、艦長やろ!・・・艦長は、皆を守る責任が有るでやろ!・・・ちゃうか?」

 

もえか「そ、それは・・・」

 

もえかは、親子の方を向く。

 

はやて「これは、臨時教員である私の役目!」

 

もえか「・・・・」

 

はやての言葉にもえかは、決めかねる。

 

すると、そんなもえかにはやてが肩に手を伸ばす。

 

はやて「優しい気持ち、ありがとう・・・そやけど、それは、あかん!」

 

もえか「えっ?」

 

はやて「初めて会った時から思ってたけど・・・もしかしたら、私ら、皆よう似とる・・・過去にずっと寂しくて、悲しい思いをして・・・一人やったら、できへん事ばっかりで・・・」

 

もえか「教官・・・」

 

はやての言葉にもえかは、堆、涙を流す。

 

はやて「でも、忘れたらあかん!・・・今、貴方は、艦長や!・・・せやから艦長は、皆を守って挙げて・・・」

 

はやての別れの言葉を聞いた途端

 

もえか「きゃ!?」

 

はやてに思い切り押され、もえかは、エレベーターに無理やり乗せられる。

 

もえかが乗った後、はやては、急いでエレベーターのボタンを押す。

 

すると、エレベーターのドアが閉まり、上へと上がる。

 

もえか「教官!!・・・・八神教官・・・・!!」

 

上へ上がるエレベーターから、もえかは、はやてを連呼びする。

 

それが、もえかが見たはやての最期だった。

 

エレベーターが上へと上がった後、放浪している生徒がマジかにまで接近してきて、はやては、ポケットからある物を出す。

 

それは、お守り。

 

実は、龍之介から手渡されたお守りを薫がはやての身を案じ、出港前にはやてに渡したものだった。

 

はやて「神様・・・如何ぞ4人をお守りください!!・・・ほんで、薫先輩・・御免なさい!」

 

そう言って、はやては、放浪している生徒に囲まれる。

 

 

それ以降、はやての安否は分からなくなった。

 

 

武蔵、エレベーター内

 

もえか「・・・教官・・・・」

 

上がるエレベーターの中でもえかは、悲しみのあまり、ドアの前で落ち込む。

 

親子「艦長・・・」

 

もえかの悲しむ姿に親子は、声をかける事が出来なかった。

 

しかし、悲しんでる訳にもいかない。

 

はやてから託された以上、もえかは、艦長として、3人を守る役目が有る。

 

そう思い、もえかは、悲しむのを止め、立ち上がる。

 

武蔵、艦橋

 

夏美「あれ?・・・エレベーターが動いている?」

 

艦橋に残っている夏美が作動しているエレベーターに気づく。

 

亜依子「如何したの、なっち?」

 

隣に居た亜依子が夏美の行動に気づく。

 

夏美「エレベーターが動いているの?」

 

2人は、エレベーターの入り口前に立ち、一体誰が上がってくるのか、

 

すると、上がって来たエレベーターから

 

夏美「はぁ!?・・・艦長!」

 

ドアが開き、中からもえかと親子が現れた。

 

夏美「艦長、無事だったんですね!!・・・良かった!・・・私、艦長達が無線室に行ってから心配してたんですよ!」

 

もえかが無事な事に夏美は、安心する。

 

もえか「ん、大変だったけど、何とか無線室まで行けたよ!」

 

亜依子「それで、無線は、救援は、呼べたんですか?」

 

親子「駄目だった・・・雑音が酷くて、学校との連絡はできなかった。」

 

隣にいた親子が無線が通じなかった事を2人に説明する。

 

夏美「そんな・・・じゃ私達、助けを呼べず、一生このままの・・・・」

 

無線が通じない事を聞いて、夏美は、不安になる。

 

もえか「大丈夫よ角田さん・・・非常用の無線機だけでも何とか持ってきたから、ねぇ吉田さん?」

 

親子「はい・・・」

 

親子は、無線室から持ってきた非常用の無線機を二人に見せ、安心させる。

 

亜依子「良かった・・・これで助けを呼べますね艦長!」

 

ようやく救援が呼べる事に亜依子は喜ぶ。

 

だが

 

夏美「あっ・・・そう言えば・・・教官の姿が見えないんですけど、艦長、何所に?」

 

夏美がはやての姿がない事にふっと気づき、もえかに問う。

 

もえか「・・・・」

 

しかし、もえかは、何も答えず

 

親子「・・・・」

 

そして、親子も何も答えなかった。

 

夏美「・・・・雅か!?」

 

夏美は、はやての身に何か遭った事に気づく。

 

夏美「艦長!教官の身に何か?」

 

はやての身に何が有ったかもえかに問う。

 

もえか「・・・・」

 

しかし、もえかは、何も答えず、唯、首を横に振るう。

 

夏美「そ、そんな・・・」

 

もえかが首を横に振るうのを見て、夏美は、最早、はやてに何がったか、ようやく理解した。

 

亜依子「直ぐに助けに行きましょう艦長!!」

 

亜依子が直ぐはやての救出に行くべきだと言うが

 

もえか「それは、駄目よ小林さん!!」

 

はやての救出に行く事をもえかは反対する。

 

亜依子「でも、艦長!」

 

もえか「教官が言ってたでしょう!!・・・私と教官のどちらかが戻らなかった場合、探しに来ないでって・・・だから、行っちゃ駄目!!」

 

はやての言葉に従い、もえかは、必死に亜依子を止める。

 

亜依子「教官・・・分かりました。」

 

もえかの説得で亜依子は、思い留まる。

 

夏美「これから如何するんですか艦長?」

 

これからの事をもえかに問う。

 

はやてを失い、この中で、もえかがリーダーになっていた。

 

もえか「取り合えず・・・・もうエレベーターは使えない、無線室にも戻れない・・・此処で、救援が来るのを待とう・・・吉田さん、急いで非常用無線機を・・・」

 

親子「はい!」

 

親子は、早速、非常用無線機の修理をする。

 

最早、エレベーターも使えず、無線室にも戻れない、この非常用無線機だけが最後の望みだった。

 

数時間後

 

午後5時、作業も終わり、ようやく非常用無線機が使えるようになった。

 

夏美「これで届くの?」

 

本当に救援が呼べるか夏美は、不安になる。

 

親子「問題ない筈・・・唯電源がバッテリーしかないので使えるのは、数分かと・・・どうぞ・・・」

 

問題はないが、維持できる電力がバッテリーの為、使えるのが数分程度。

 

しかし、他に手がない。

 

親子は、もえかに無線機のマイクを渡す。

 

もえか「此方武蔵、此方武蔵・・・現在アスンシオン島沖北西10マイル・・・非常事態が発生しています・・・現在アスンシオン島沖北西、至急救援を・・・至急救援を・・・」

 

もえかは、電源が切れるまで、救援を呼び続けた。

 

それをたまたま、退避中の晴風が傍受した。

 

しかし、ノイズが酷く、横須賀女子海洋学校や海上安全整備局には届かなかった。

 

こうして、もえか達は、守護神の八神はやてを失ったが、もえかは、挫けずはやてとの約束を守り、残った3人と一緒に艦橋に立てこもった。

 

 

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