4月8日
17:00
日本近海、和歌山県沖
真雪や真霜達が行動をしている頃、晴風は、ドイツの留学艦アドミラル・グラフ・シュペーと奮戦後、南西へと退避、もっか行先不明のまま、和歌山県沖を航行していた。
晴風、艦橋
明乃(・・・武蔵からの救援要請・・如何しよう・・・)
明乃は、先程、傍受した武蔵からのSOSを聞いて、心中は揺れに揺れ動いていた。
ましろ「・・・・」
心中が揺れ動く明乃をましろは、舵を握りながら見ていた。
だが、心中が揺れ動いていたのは、明乃だけじゃない。
薫(・・・はやてちゃん・・何が遭ったの・・・)
薫も武蔵からのSOSを聞いて、もえかと一緒に乗艦しているはやての安否が気掛かりで心中は揺れ動きながら、海図を眺めていた。
晴風、甲板
晴風の艦首先では、楓が午後17時を知らせるラッパを吹いていたが、お世辞にも上手いとは言えない程だった。
そんな中、幸子は、被害状況を確認する為、各部を見回っていた。
晴風、第一主砲塔付近
幸子「武田さん!!」
美千留「!?」
幸子「主砲の状況は、如何ですか?」
幸子は、美千留に各主砲の状況を聞く。
美千留「見ての通り点検中!・・・大部分は、自動化されてるけど、点検が大変だよ!・・・どう―光?」
幸子に状況を言いながら、美千留は、砲塔上で修理作業中の光に声を掛ける。
光「まだぐずてるんだよね・・この子・・・」
主砲の修理作業は難航していた。
幸子「あと、どれくらい掛かりますか?」
光「日没までは、何とかするよ!」
日没までには、主砲の修理作業が完了の予定の様だ。
幸子「よろしくお願いします!!」
『は~い』
幸子は、主砲の修理作業を美千留と光に任せ、次に向かう。
晴風、第三主砲塔付近
美甘「おにぎりできたよ・・・」
晴風の第三主砲塔付近では、美甘が修理が忙しくて、食堂室まで食べに行けない生徒に対して、おにぎりなどを配っていた。
『ありがとう』
美甘「顔になってるのが梅干が入ってるの・・・」
理都子と果代子は、美甘が振る舞ってるおにぎりに手を付ける。
幸子「松永さん、姫路さん!」
『ん!?』
2人がおにぎりを食べていると幸子が訪ねてきた。
幸子「こちらは何か以上ありませんか?」
幸子は、理都子と果代子に魚雷発射管の状況を聞く。
理都子「発射管は、異常な~し!」
果代子「ま~あ、魚雷が1本も無いけど・・・」
魚雷が無い以外、発射管は異常はない様だ。
それを聞いた後、美甘が振る舞っているおにぎりに目を付ける。
幸子「皆さんのお食事は、おにぎりなんですね!」
美甘「皆修理で食堂まで来れないし、忙しいから・・・」
美甘が幸子に話していると
美甘「あっ!?」
美甘は、ある事を思い出す。
美甘「武蔵から非常通信が着たて、本当?」
何所で聞いたか、美甘は、武蔵からのSOSが着た事を幸子に問う。
理都子「私もそれ聞いたよ・・・」
果代子「他の艦って、如何なってるのかな?」
2人も美甘同様、武蔵からのSOSが着た事は知っていて、他の艦が如何なったか気になる。
『あっ!?』
そんな時
幸子「『世界の全てが敵に回っただと!』『武蔵を沈める訳には、いかない!・・・南の果てまで逃げよう!』」
行き成り、幸子が一人芝居が始まった。
『・・・・』
幸子の一人芝居に固まってしまい。
更に
美甘「そのネタ、あんまり面白くない。」
幸子「え・・・・!?」
美甘から、あまり面白くないと言われ、幸子は、悲鳴を上げる。
暫くして、各部の被害状況を確認し終えた幸子は、艦橋へと戻る。
晴風、艦橋
幸子「損傷の確認、出来ました。」
艦橋に戻って来た幸子は、各部の被害状況を報告する。
ましろ「状況は?」
動揺している明乃と薫に代わり、ましろが状況を聞く。
幸子「現在、機関修理中・・・3番主砲使用不能、魚雷残弾なし、爆雷残弾1発・・・戦術航法装置並びに水上レーダー損傷、通信は、受信のみ出来ますが・・・」
幸子の報告では、各部の被害状況は、深刻で、特にさっきのアドミラル・グラフ・シュペーとの戦闘で第三主砲は、損壊し修理は、不可能。
更に機関も逃げる時に無理をした為、現在修理中。
弾薬も残り少ない状況。
ましろ「航行に必要な所の修理最優先でどれくらい掛かる?」
各部の状況を聞いて、ましろは、航行に必要な修理最優先場所を問う。
幸子「機関だけなら後8時間くらいですね。」
ましろ「先ずは、其処からだな・・・」
取り合えず、機関から修理を優先にした。
ましろ「・・・機関長!・・・動きながらで、大丈夫か?」
ましろは、伝達管で麻侖に確認を取る。
麻侖『何とかする~!でも、巡航以上は、出せねいぜ~!』
麻侖は、機関を修理しながら、答える。
ましろ「分かった!」
麻侖からの報告を聞き、ましろは、了承する。
ましろ「巡航で学校に戻る最短コースで良いですね・・艦長?」
ましろは明乃に言うが、動揺していて気が抜けている為、全く反応がなく、すると五十六が明乃の頭の上に乗っかるが、反応なし。
そして、
ましろ「艦長!!」
今度は、ましろが大声で呼んだ。
明乃「えっ!?・・シロちゃん、何?」
ましろの呼び出しに明乃は、ようやく気付く。
ましろ「はぁ、しっかりして下さい・・・」
明乃「御免、つい・・・」
ましろ「全く、艦長は、気が抜けています・・・そうですよね教官?」
ましろは、気が抜けている明乃に呆れてしまい、薫に言うが
薫「・・・ん!?・・何、副長?」
薫も気が抜けていた。
ましろ「・・・はぁ・・・教官まで、もう・・・」
明乃だけじゃなく、薫も気が抜けていた事にましろは、はぁ~と呆れてしまう。
数時間後、時刻は夜。
晴風、無線室
鶫「♪~」
無線室では、鶫が歌いながら、スマホでオセロをしていた。
そんな時
鶫「!?」
突然、通信を傍受する。
鶫「海上安全委員会・・・・」
傍受した内容を鶫は、スマホに記録する。
更にそれを艦橋にいる幸子に報告する。
晴風、艦橋
幸子「八木さんが、緊急電傍受したそうです。」
幸子は、緊急電傍受した事を報告する。
『何所から?』
幸子「海上安全委員会からの広域通信ですね。」
ましろ「広域通信?」
幸子が通信内容が書かれたタブレットを3人に見せ、それをましろが読み上げる
ましろ「えっと・・・現在、横須賀女子海洋学校の艦艇が逸脱行為をしており、同校全ての艦艇の寄港を一切認めないよう通達する・・・また、以下の艦は抵抗するようなら撃沈しても構わない・・・航洋艦晴風!?」
内容の中に晴風の名前が記載されていた事にましろは、驚愕する。
薫「えっ!?」
そして薫も驚愕する。
志摩「げ・・げき・・・」
撃沈と言う言葉を聞いて志摩は固まり
芽衣「撃つのは、好きだけど・・撃たれるのは、やだぁ・・!?」
撃たれると知って、芽衣は、頭を抱えながら叫ぶ。
明乃「何所の港にも寄れないって事?」
ましろ「そう言う事だな・・・」
鈴「私達完璧にお尋ね者になってるよ・・・!?」
鈴は舵を握りながら大号泣。
そんな中、薫も
薫(晴風撃沈命令!?・・・嘘でしょ!?・・・真霜姉さん冗談でしょ!?)
薫は、こんな命令が嘘であってほしいと思ったが
これは嘘ではない。
明乃「もしかして、武蔵も同じ状況なのかも・・・だから、非常通信を・・・」
明乃は、先の武蔵からのSOSを思い出し、晴風と同じ状況だと察するが
ましろ「こっちと違って、簡単に沈む様な艦じゃない!」
ましろは、武蔵は、晴風と違って、巨艦だから大丈夫だと言うが
明乃「でも、助けを求めてた!・・だから・・・」
それでも、明乃は、助けを求めてたと察するが
ましろ「我々の方が助けが必要だろ!!」
しかし、ましろは、武蔵より撃沈命令が下されている晴風が一番助けが必要だと明乃に訴える。
確かに今、我々は、反乱の罪を着せられ追われている。
更に撃沈命令が下され、何所の港にも寄港出来ない。
こんな状況で武蔵に構っている余裕は無い。
ましろ「それに、実技演習もしてない私達が如何やって助ける気だ!?」
更にましろの言う通り、晴風の生徒は、入学したばかりのひよっこ達、演習もしていないのに救助に行くなど無謀である。
ましろ「学校へ戻る方針を変えるべきじゃない・・・武蔵の事は、学校に報告して任せよう!」
武蔵の事は、学校に任せ、我々は、学校に帰投すべきである事を明乃に分からせさせる。
ましろ「教官もそれで良いですね?」
そして、ましろは、薫の意見も聞く。
薫「・・・・そうだね・・・副長の言う通り・・・今、私達は、してもいない罪を着せられ追われている状態・・・こんな状況では、武蔵救援などもってのほか!・・・私達は、急いで学校に戻り、これまでに至った経緯を宗谷校長に説明しなければならない・・・それは、分かるわよね艦長!」
薫も本当は、明乃と同じ武蔵を助けたかった。
しかし、今自分がすべき事は、一刻も早く横須賀女子海洋学校に帰投し、真雪に弁明しなければならない、その事を明乃に分からせさせる。
明乃「ん・・分かりました教官!・・・シロちゃんと教官の優等り、学校へ戻ろう。」
2人の説得により、明乃は、横須賀女子海洋学校に帰投する事を決める。
志摩「うぃ!」
明乃の判断に志摩も同意する。
明乃「じゃあ私が艦橋に入るから、皆は、休んで・・・」
明乃は、皆に休むように言うが
幸子「今夜の当直は私とリンちゃんです。」
そう言って幸子は、夜間当直表を明乃に見せた。
今日の当直は、幸子と鈴だった。
ましろ「正しい指揮をする為には、休むのも必要だ。」
明乃「私は大丈夫だから‥‥」
薫「何を言ってるの艦長!・・・そんな状態で当直するなら、私が責任を問われるわ!!」
ましろ「良いから休んでください!!」
明乃「うん・・分かったよ・・・シロちゃん・・教官・・・」
ましろと薫の勢いに負けてすごすごと部屋に戻る明乃だった。
薫「じゃ、後は頼むわね2人とも・・・」
『はい!』
明乃が部屋に戻った後、幸子と鈴を残し残りの4人も部屋に戻った。
晴風、艦長室
自分の部屋に戻った明乃は、浮かない表情をしていた。
明乃(もかちゃん・・・助けに行きたい・・・でも、今は・・・)
そう内心呟くと机の方を見る。
机の上には、写真縦が置かれていた。
その写真には、子供の頃の明乃ともえかが写っていた。
明乃「はぁ~」
暫くして明乃は、ベットで仰向けになる。
明乃「・・・もっと艦長として、しっかりしないと・・・」
明乃は、そう言いながら眠りつく。
その時
コン!!、コン!!
突然、ドアの叩く音がし、誰か来た様だ。
明乃「!?」
突然の訪問に明乃は、目が覚め、起き上がる。
すると
薫「岬ちゃん!・・・起きてる?」
何と訪ねて来たのは、薫だった。
明乃「はい!」
薫の訪問に何事かと思い、明乃は、返事をする。
薫「入るわよ!」
そう言って、薫は、艦長室に入る。
明乃「教官・・あの・・何か用ですか?」
突然何ようか聞くと薫は、明乃の横に座り。
薫「先の事は、御免ね!・・気にしてない?」
薫は、さっき明乃に武蔵救援などもってのほかと言った事で、明乃を傷つけてしまったかと思い訪ねて来たのだ。
明乃「いえ、大丈夫です。」
明乃は、大丈夫だと言う。
薫「本当はね・・・私も貴方と同じ様に武蔵を助けに行きたい。」
薫は、自分が本当に思っている気持ちを明乃に言う。
明乃「えっ!?」
薫が自分と同じ気持ちだった事に驚く。
薫「でも今は、教員として、この晴風にいる生徒の事を優先にしないといけない・・・それは、艦長である貴方も分かるでしょう?」
明乃「はい・・・」
薫の言葉に明乃は、また、浮かない顔をする。
明乃「!?」
すると、薫が明乃の肩に手を乗せる。
薫「大丈夫だよ!・・・向こうには、八神教員だって居るんだから、知名さんもきっと無事よ!」
武蔵には、はやてが居る。
はやてが付いていれば、明乃の友人である、もえかは、きっと無事だと明乃を元気付ける。
しかし、はやては、安否が不明の状況、その事は、薫は知らない。
明乃「そうですね!・・・八神教官も居るんだし・・・もかちゃんもきっと・・・」
薫に励まされ、明乃は、元気を取り戻す。
薫「その活きよ岬ちゃん!・・・じゃ、今日は、特別に私が一緒に寝てあげる!」
突然、薫が一緒に寝ると言いだした。
明乃「えっ!?」
それに驚く明乃。
薫「如何したの?・・・私と一緒に寝るのが嫌なの?」
明乃「いえ、そんな訳では・・・・」
堆、照れる明乃。
薫「じゃ、問題ないでしょ・・・」
薫の勢いに結局、一緒に寝る事になった。
ベットの上で2人は、手を繋ぎながら寝る。
その光景は、雅に親子見たいな光景だった。
一緒に寝る中
薫(よっぽど疲れていたのね・・・良く眠っているわ!・・・これで当直をするなんて・・・全く、無理するんだから・・・・)
疲れて眠っている明乃を見て、こんな状態で当直をするとは、呆れた物だと思い眠りに付く。
それから、数時間、経っての事だった。
ビー・・・ビー!!
突然、ベッド横の内線電話が鳴る。
『!?』
内線電話の着信音で2人は、目を覚ます。
幸子『艦長!・・・水測の万里小路さんが、何か海中で変な音がするって‥‥艦長!!・・艦長!!』
明乃「配置つけ!」
艦橋にいる幸子からの報告に明乃は、直ぐ配置の命令を下し、乾いた製服に着替え艦橋に向かう。
薫も急いで教員用居住室に戻り、制服に着替え、明乃の後を追い掛けながら、艦橋に向かう。
晴風、艦橋
2人が艦橋に上がると、艦橋には、幸子と鈴が当直をしていた。
明乃「ココちゃん、報告して!!」
幸子「えっと‥‥方位30に二軸の推進機音、感2‥現在音紋照合中です。」
艦橋に飛び込んできた明乃と薫に幸子は現状を報告する。
明乃「水上目標がいないって事は…」
薫「潜水艦!?」
幸子の報告を聞き、2人は、直ぐに潜水艦だと察した。
芽衣「ふぁ~如何したの?・・こんな時間に‥‥」
欠伸しながら、まだ寝ぼけ眼な芽衣とアザラシの様なアイマスクを付けた志摩が艦橋に上がって来た。
更にもう1人
『ん!?』
明乃と幸子は、ある人物に注目する。
明乃「シロちゃんそれ!?」
幸子「何やってるんですか?」
2人の目の前に立っていたのは、寝ぼけた状態で鮫のぬいぐるみを抱っこしたままのましろだった。
ましろ「ん・・・・わぁ・・これは・・・・その、見るな!?」
ましろは、慌てて、鮫のぬいぐるみを後ろに隠す。
薫「隠さなくても良いわよ副長!可愛いわねその鮫のめいぐるみ・・・フフフ・・・」
ましろの恥ずかしい状態を見て、薫は笑う。
光「主砲、配置よし!」
麻侖「機関は、まだ修理中!・・・巡航以上は、だせねぇぜ!」
マチコ「見張り異常なし!・・・何も見えませんが・・・」
光、麻侖、マチコが艦橋に報告する。
ましろ「か、各部・・・・配置に着きました・・・」
ましろは、恥ずかしがりながら明乃と薫に総員配置に付いた事を報告する。
楓「音紋照合いたしました・・・東舞校所属艦、伊201ですわ。」
音紋照合の結果、接近する艦艇は、東舞鶴男子海洋学校所属の潜水直接教育艦伊号第201潜水艦だと判明した。
明乃「ありがとう万里小路さん!」
楓『どう致しまして・・・』
芽衣「東舞校?」
聞き慣れない学校名に首を傾げる芽衣。
幸子「・・・男子校ですね!」
幸子が、タブレットで東舞鶴男子海洋学校がどんな学校なのかを説明する。
東舞鶴男子海洋学校とは、ブルーマーメイドと並んで、ホワイトドルフィンの養成学校である。
しかし、水上艦艇の多いブルーマーメイドの養成学校と違いホワイトドルフィンの養成学校は、潜水艦が殆んどで東舞鶴男子海洋学校もその一つである。
秀子「へぇー男子校なんだ!?」
すると、左舷側の見張りをしていた秀子が横から意外そうに言う。
まゆみ「潜水艦は全部男子校ですもんね・・でも狭くて暑くて臭くて‥‥」
秀子に釣られて、右舷側の見張りをしていたまゆみが潜水艦は、全部男子校の所属だと言う事を説明し、更に潜水艦のイメージ(悪い部分)を言う。
鈴「わ、私には無理・・・!?」
鈴が潜水艦のイメージ(悪い部分)を聞いて、涙目で言う。
薫(やっぱり、平賀さんから聞いた通りだ・・・この世界の潜水艦は、向こうの世界の潜水艦と違って、居住性が悪いんだ・・・まあ、私が研修で乗艦した潜水艦は、ロス級だったから、艦内は、快適だったけど・・・)
薫は、前に潜航艇の訓練の時、平賀から潜水艦は、男性しか乗れない事は、聞いていたので、3人の話は、理解できていた。
芽衣「絶対追手だよ!・・撃っちゃおう!」
追ってだと思い込み、先制攻撃を仕掛け様と芽衣は言う。
しかし
『・・・・』
薫(確かに先制攻撃も良いけど・・・もし、あの潜水艦がたまたまこの海域を航行していただけならば如何だろうか・・・航行していただけで此方が先制攻撃を仕掛ければ、正真正銘の反逆者になってしまう・・・それに、今は、あまり戦闘はしたくない・・・)
明乃もましろ、そして、薫も芽衣の意見に対しては、やはり消極的だった。
明乃「ココちゃん、伊201と通信できないかな?」
明乃は、伊号第201潜水艦と交信できないか試みる。
幸子「普通の電波は海水で減衰するので届きませんね。」
幸子は、普通の電波では届かないと明乃に説明する。
明乃「じゃあ普段、通信は如何してるの?」
明乃は、伊号第201潜水艦が普段通信しているのか、分からなかった。
ましろ「潜水艦だからって、いつも潜ってる訳じゃない!!」
ましろは、潜水艦は、時々、浮上して、交信すると思った。
大体は、合っているが、ちょっと間違っている部分もある。
例えば、薫の思っている事は、
薫(いや、シュノーケルさえあれば、一日中潜っている事もあるし・・・それに交信する時は、必ず通信用ブイを上げている筈・・・)
薫の言う通り、潜水艦は、シュノーケルさえあれば、一日中潜る事も可能だ。
更に交信する時は、必ず通信用ブイを上げて、交信する。
潜水艦での研修が此処で活かされている。
鈴「そうだよね、時々は海上の様子見ないと怖いよ!」
明乃「シロちゃん、潜ってる時は、向こうも外の様子をソナーで探ってるんだよね?」
明乃は、相手もソナーで外の様子を探っているのかと聞く。
ましろ「当然だ!」
ましろは、当然だと返す。
明乃「じゃあ、此方からアクティブソナーをモールスの変わりに使ったら?」
明乃はアクティブソナーをモールスの変わりに使う事をましろに提案する。
晴風、水測室
楓「恐らく可能だと存じますが・・・」
水測室で伊号第201潜水艦を捕捉していた楓も明乃の提案が可能だと言う。
晴風、艦橋
ましろ「そんな事したら間違いなく砲撃したと思われるぞ!!」
ましろは、アクティブソナーを撃てば、間違いなく砲撃したと思われ、反撃される可能性が大だと思い、明乃の提案に反対する。
芽衣「ソナーでも何でも良いから撃っちゃえ!」
芽衣は撃てるモノなら砲弾だろうと魚雷だろうとアクティブソナーでも何でも良い様だ。
ましろ「馬鹿なこと言うな!!」
ましろは、高ぶる芽衣をおさえつける。
薫「艦長!・・取り合えずやって見たら!」
薫は、明乃の提案を支持する。
ましろ「教官まで何を馬鹿な・・・」
ましろは、断固反対する。
薫「向こうのソナー員だって、此方が出すアクティブソナーがモールスだって事は、分かる筈よ!・・なら、試す価値は、ある筈・・・」
薫は、最後まで希望を諦めなかった。
明乃「万里小路さん!・・・所属と艦名、戦闘の意思は無い事を伝えって・・・」
晴風、水測室
楓「委細、承りました。」
楓は、アクティブソナーで伊号第201潜水艦と交信を試みる。
それから数十分後、モールスに気づいたか、伊号第201潜水艦に動きが有った。
晴風、水測室
楓「目標進路変換・・・急速に深度を増していますわ。」
楓からの報告で伊号第201潜水艦は潜望鏡深度から更に潜航している。
晴風、艦橋
ましろ「だから言っただろう!!」
楓の報告を聞いて、怒鳴るましろ。
薫「・・・・」
薫は、言い返せず。
明乃「でも、もしこれで、こっちの状況が伝われば・・・」
明乃は、伊号第201潜水艦とのモールスでの交信は、無駄じゃなかったと言うが
ましろ「それは、そうだが、私達は、もうお尋ね者なんだぞ!」
ましろは、先程の海上安全委員会の広域通信で晴風撃沈命令の事を思い出す。
芽衣「やっぱり追手なんだって!」
芽衣は、やはり伊号第201潜水艦は、追手だと予測する。
鈴「は、早く逃げようよ‥‥」
鈴は、ブルーマーメイドとホワイトドルフィンの艦艇が来る前に伊号第201潜水艦から逃げ様と言う。
明乃「リンちゃん、両舷前進微速!・・ソナーの邪魔にならない速度で・・・」
それに対して、明乃は、ソナーの邪魔にならない速度で伊号第201潜水艦から逃げる事を選択する。
鈴「りょ、両舷前進微速!!」
鈴は、明乃の指示通り、ソナーの邪魔にならない速度で伊号第201潜水艦から逃げる。
しかし、潜航を続けていた伊号第201潜水艦は、直ぐに潜望鏡深度まで浮上、潜望鏡を出して、此方を見ていた。
晴風、艦橋
明乃「伊201って、どんな艦なんだろう・・・」
明乃は幸子に伊号第201潜水艦の情報が無いかを尋ねる。
幸子「えっとですね‥‥あっ!?有りました!」
幸子は、タブレットのページをめくり、伊号第201潜水艦の情報を探し当てる。
幸子「基準排水量1070t、水中速力20ノットは出る高速艦ですね。」
幸子は、伊号第201潜水艦の性能を説明する。
明乃「20ノットって、晴風に比べたら、全然遅いよ!」
性能を聞いて、明乃は、水上速力と水中速力を勘違いする。
ましろ「こっちは、水上、向こうは、水中でそれだけ出るが凄いの・・・通常の潜水艦は、6ノット程度だ!」
勘違いする明乃にましろが説明する。
薫「艦長!・・・潜水艦は、水中では、バッテリーで動くから水上艦とは、違って遅いって事を覚えておきなさい!!」
更に薫も説明する。
志摩「20と6」
横から志摩が通常の潜水艦との速力の割合を言う。
明乃「へぇ~約3倍は、早いんですか・・・」
3人の説明で明乃は、ようやく理解する。
薫(まあ、本当は、50ノットぐらいは、出せる潜水艦も有るけどね・・・)
明乃「武装は?」
更に、搭載武装を聞く。
幸子「53cm魚雷発射管4門、25mm単装機銃2挺、魚雷10本!」
幸子は、伊号第201潜水艦の搭載武装を説明する。
その時
晴風、水測室
楓「魚雷2本いらっしゃいました!!」
突然、晴風に向けて、伊号第201潜水艦は、魚雷2本を発射した。
晴風、艦橋
薫「!?」
明乃「マロンちゃん、出せる限りで最大戦速!!」
楓からの報告を聞いて、明乃は急ぎ回避行動を取ろうと機関室の麻侖に指示を出す。
晴風、機関室
その頃、麻侖は、まだ、機関の修理に躍起になっていた。
麻侖「今は、手が話せでぇい、クロちゃん頼んだ!」
洋美「了解!」
麻侖は、修理中の為、操作が出来ないので洋美に頼んだ。
晴風、水測室
明乃『万里小路さん!発射音はどっちから!?』
明乃は楓に魚雷の接近方向を尋ねる。
楓「魚雷音方位270、近づきます!感2‥‥感3‥‥」
楓は、向かってくる魚雷を捕捉しながら報告する。
晴風、見張り台
続いて見張り台で見張りをしているマチコが魚雷の確認をする。
マチコ「了解!」
マチコは目を細めて、楓から指示が来た方向を見張る。
すると、彼女の目には此方に接近して来る2本の雷跡がはっきりと確認できた。
マチコ「雷跡左30度、距離20、此方に向かっている。」
晴風、艦橋
マチコの報告を聞いて、薫は、直ぐ左舷側デッキに出て、双眼鏡で接近してくる魚雷2本を確認する。
明乃「リンちゃん!取舵いっぱーい!」
明乃もマチコの報告を聞いて、左に回避するよう鈴に命じる。
鈴「と、取舵いっぱーい!」
明乃の回避命令に従い、鈴は、左に舵を切り、回避運動を取る。
晴風、見張り台
マチコ「魚雷、衝突コースから外れます!!」
全速で左に回避したお陰で魚雷回避に成功。
晴風、艦橋
秀子「艦尾方向で2発爆発!!」
それた魚雷2本が晴風の後方で爆発した。
薫「爆発した!・・・磁気信管の魚雷!?」
外れた魚雷は、合ったってもいないのに晴風の近くで爆発した事に薫は、直ぐに磁気信管の魚雷だと分かった。
もし、明乃が全速で左に回避していなかったら、命中しなくても、至近で爆発して、被害を被っていたかもしれない。
明乃「あと8発‥‥タマちゃん左砲戦準備!」
魚雷回避後、明乃は即座に主砲の発射準備を志摩に命じる。
志摩「うん!」
志摩もそれに従い砲身を魚雷が来た方向へと向ける。
マチコ『目標、見えません!!』
ましろ「撃ったら、今度こそ完全に敵対する事に・・・」
明乃の砲戦準備にましろは反対する。
明乃「分かってる!・・・でも逃げ切るには・・・・」
しかし、明乃もそれは、分かっているが、今の現状で伊号第201潜水艦から逃げるには、一戦交えるしかなかった。
薫「そうね、艦長!」
薫も明乃の判断に賛成する。
ましろ「教官まで何を言ってるんですか!?・・・撃てば、敵対になります!」
薫「魚雷の迎撃だけすれば、敵対には、ならない筈でしょう副長!」
薫は、あくまで魚雷の迎撃だけすれば、敵対にならないと判断する。
ましろ「・・・・」
薫「立石さん!・・・砲戦の時は、砲弾を魚雷の近くでも良いから合てて・・・相手の魚雷は、磁気信管の魚雷だから、近くで爆発させれば、魚雷は、自爆する筈!」
薫は、先程の魚雷が磁気信管の魚雷だと分かり、対応策を志摩に教える。
志摩「うぃ!」
薫の対応策を理解したと言う志摩。
鈴「ぜ、全速が出せれば、多分振り切れると思うけど・・・」
麻侖『だから全速は出せねぇって!!』
鈴「わ、分かっています・・・」
鈴が全速を出せれば、逃げ切れるのだが、今は機関の点検中なので全速を出すことが出来ない事を忘れていたのか、そう呟くと、機関室の麻侖から怒声が飛び、縮こまる鈴だった。
明乃「万里小路さん!相手の位置分かる?」
明乃は、伊号第201潜水艦の位置を知ろうとしたが
晴風、水測室
楓「恐れ入りますが、もっとゆっくり進んで頂かないと‥‥」
出せる限りの全速で逃げてる為、水音が乱れて、伊号第201潜水艦の正確な位置が掴めなかった。
晴風、艦橋
鈴「速度落としたら、やられちゃうよ!」
鈴の意見も最もだ。
速度を落として、相手の位置を掴む前にやられてしまう。
明乃「兎に角、今は逃げ回ろう!」
薫「そうね!・・・水中では、向こうが有利だから、三十六計逃げるにしかず・・・」
相手が水中にいては、手も足も出ない、今できるのは逃げ回る事だけだった。
一時間後
マチコ『周囲、何も見えません・・・』
マチコから周辺に異常はなく、平穏な夜の海が広がっている報告を受ける。
ましろ「1時間経過か・・速度差からも、十分距離は、開いたかと・・・」
明乃「そうなの?」
ましろ「向こうも、最高速度でずっと水中を動けるわけじゃない!」
最初の攻撃から一時間が経過し、ましろは、伊号第201潜水艦を振り切ったと推測する。
明乃「じゃ、何とか逃げられたかな?」
明乃は、伊号第201潜水艦を振り切った事に安心する。
鈴「逃げるなら任せて!」
鈴が自信満々で答える。
幸子「それって自慢する所ですか・・・」
幸子が茶化す様に鈴に尋ねる。
鈴「こ、ココちゃん!?」
鈴と幸子のやり取りに艦橋は笑い声が満ちた。
しかし、薫だけは、安心ができなかった。
薫(本当に逃げ切れたの?・・・もしかして、私達が逃げ切ったと思わせて安心している隙を狙ってるんじゃ・・・学校では対潜水艦戦を勉強したけど・・・何か大事な事を忘れてるような・・・)
薫は、厳しい表情で外を見ていた。
薫も国防軍で対潜水艦戦を学んでいたけど、薫が所属しているGフォースは、ゴジラ戦が殆んどだった為、研修は、受けても潜水艦戦の実戦経験がない為、経験不足だった。
何れ、それが仇になる。
晴風、水測室
明乃『万里小路さん!・・・何か聞こえる?』
明乃が水中にも何か変化がないか楓に尋ねる。
楓「あら、お許しあそばせ!?・・起きておりますわ‥‥」
楓は少しウトウトしながら答える。
晴風、艦橋
明乃「御免ね、こんな遅くまで‥でも、もう少しお願い・・」
本来ならば、寝ている時間であったが、完全に潜水艦の脅威が去っていない中、水測員の楓を任務から外すわけにはいかなかった。
其れに対してすまなそうに言う明乃。
晴風、水測室
楓「畏まりました!」
楓ももう一息と気合を入れて、ヘッドホンを耳に当てた。
晴風、艦橋
志摩「ふわぁ‥‥ねむぃ‥‥」
芽衣「ふわぁ・・・・駄目だ‥‥眠い‥‥」
志摩は大きなあくびをし、芽衣も大あくびをし、2人とも寝不足になり、集中力はダダ下がりの中、
ほまれ「そんな、皆さんに杵埼屋特製のどら焼きです。」
ほまれが夜食の差し入れにどら焼きを艦橋に持ってきた。
芽衣「どら焼き!?」
特に芽衣の食いつきがものすごく、もし、彼女に尻尾があれば、勢いよく振っていただろう。
志摩「‥‥メイ‥犬みたい‥‥」
そんな芽衣の様子を見て、志摩がポツリと呟く。
芽衣「い、犬!?・・・そう言うタマは猫じゃん!!//////」
志摩「うぃ!」
芽衣と志摩のやりとりに艦橋メンバーは苦笑しつつどら焼きを食べ始める。
薫「他の部署には、もう配ったの?」
薫が他の部署にはもうどら焼きがいきわたったのかを確認する。
ほまれ「はい教官!・・・艦橋が一番最後です。」
薫「そう、遅くまでありがとう。
どら焼きの登場で艦橋の気が緩るむ。
晴風見張り台
見張り台で見張りをしていたマチコは、振り切ったと知り、休憩を取って、どら焼きを食べようとした時
マチコ「はっ!?」
突然、魚雷2本が晴風目掛けて、向かって来たのを目視で確認する。
マチコ「雷跡フタ!・・左120度30!・・此方に向かう!」
マチコからの報告で艦橋はさっきまでの空気から一転し、再び緊張した重苦しいものへと変わる。
回避運動で揺れは艦全体に響く。
晴風、医務室
ミーナ「・・・・な、何じゃ!?」
その揺れと轟音は医務室で眠っていたミーナを起こすには十分の威力だった様だ。
美波「目が覚めたか?」
起きたミーナに美波が声をかける。
美波「意識はしっかりしているか?・・・此処は横須賀女子海洋学校所属、航洋直接教育艦晴風の医務室だ・・・私は衛生長の鏑木美波・・・アドミラルシュペーの乗組員とみるが、間違いないか?」
ミーナ「う、うむ、ワシはアドミラルシュペーの副長、ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクだ・・・しかし、一体如何して・・・・」
ミーナは、自分が何故此処にいるのか聞く。
美波「シュペーからお前が飛び出してきて、しかもそのシュペーに攻撃されていたのだと聞いている・・・うちの艦長と教官がスキッパーで出て、気を失っていたお前を回収してきたんだそうだ・・・何か覚えて・・・・」
その時、また逃走に入ったのか、晴風が大きく揺れ、美波はバランスを崩した。
ミーナは、咄嗟に美波の肩を掴んで支える。
ミーナ「大丈夫か?今、一体如何なっておる?」
美波「この晴風は現在潜水艦に追われている様だ。」
ミーナ「潜水艦?・・・潜水艦からの攻撃を受けているのか?・・・だが、これは・・・ええい、此処では拉致があかん!・・・ワシの制服は何処じゃ!?」
美波「此処に有る・・・濡れていたが洗濯し、乾燥機にかけてある。」
美波が机の上に置いてあったミーナの制服を彼女に手渡す。
すると、ミーナは美波がいるにも関わらず、今着ている検診衣を脱ぎ捨て、制服を着用する。
ミーナ「艦橋はどっちじゃ!?」
美波はほんの一瞬だけ悩んだが、直ぐに頷き医務室の扉を開く。
美波「案内しよう、急げ!!」
ミーナ「分かった!」
美波は、ミーナを艦橋まで連れて行く。
晴風、通路
ミーナ「自分から聞いておいてなんじゃがそう簡単に艦橋まで案内して良いのか?」
美波「今、この艦に沈まれてはお前も困るだろう?・・・孫子に『同舟相救う』という言葉がある・・・例え敵同士や見ず知らず同士であっても、乗り合わせた舟の危機に際してはお互いに助けあうといった意味のものだ・・・私はそれに賭ける!!」
ミーナ「ふむ、成程のぉ・・・そう言う事なら力になっちゃるけん」
美波「広島弁か?・・まあ、いい・・艦橋はその先だ!」
ミーナ「ド感謝する!」
ミーナは美波と別れ、艦橋を目指していった。
晴風、艦橋
明乃「あと6本・・・」
ましろ「こんなに直ぐ見つかるとは・・・」
明乃とましろは、向こうの魚雷の残存数を確認しながら双眼鏡で魚雷が爆発した方向を確認する。
薫「如何して!?・・・何でこんなに向こうは正確に撃てるの?・・・まるで私達の位置が分かるみたいに・・・」
何故、此方の位置が分かるのか、薫は、不思議にも大事な事に気づいていなかった。
その時
ミーナ「このド下手くそな操艦は、何何だ!・・艦長は誰じゃい!・・この船はド素人の集まりか!?」
突然、誰かの怒鳴り声が艦橋に響き、3人は、デッキから艦橋に戻ると、其処には、前のアドミラル・グラフ・シュペーとの戦闘で救助したミーナがいた。
薫「貴方は!?あの時のシュペーの・・・」
幸子「今、潜水艦と戦闘中でして・・・」
ミーナ「そんな事、分かっとる!・・・ならば夜戦中なのに照明が付けっているとは、何事だ!!」
ミーナは、何故、潜水艦と戦闘中なのに照明を付けているのか問う。
薫「はぁ!?・・・しまった!・・艦長、急いで照明を消して・・・早く!!」
すると、ミーナの言葉に薫は、慌てて、照明を消すよう指示する。
明乃「は、はい、全部照明消して!!」
薫の指示で、晴風の全部の照明が消える。
芽衣「何にも見えない!?」
いきなり照明を消されうろたえる芽衣。
ミーナ「陽明を鳴らしておかないからだ!」
ミーナの指示で直ぐに赤色灯が付いた。
ミーナ「航海灯も消せ!どま抜けどもが!」
更に付いていた航海灯も消され、これで晴風は、完全に伊号第201潜水艦の視界から消えた。
薫「御免なさい皆!・・・私の経験不足だわ!・・・よりにもよって、照明を消すのを忘れるなんて・・・」
自分の経験の未熟さに落ち込む薫。
鈴「こんな事したら、他の船とぶつかっちゃう・・・」
ミーナ「戦闘時に自分の姿を晒すドアホがいるか!・・・・取り舵いっぱーい!!」
鈴がそう言うと横からミーナが鈴を怒鳴り、鈴は、驚愕し、更にミーナは、左に舵を切るよう指示する。
鈴「と、取り舵いっぱーい!・・取り舵20度・・・」
鈴は、驚愕しながら左に舵を切る。
ミーナ「聴音聞き逃すなよ・・・」
楓『畏まりました。』
ミーナ「これで、少しは、時間が稼げる筈だ!!」
ましろ「・・・・お前は、誰だ?」
ましろは、ミーナに自分は、誰かと聞くと、艦橋にいる全員が注目する。
ミーナ「ん・・・・ワシは‥‥ヴィル・・・」
ミーナが名を名乗ろうとした時
明乃「あっ!?・・・ドイツ艦の子だよ!・・・目が覚めたんだ!?」
ミーナが名乗る前に明乃が彼女の正体を言ってしまう。
ミーナ「いや、それより今は、戦闘だ・・直ぐに反撃の準備に移る・・・潜水艦戦ならワシに任せろ!!」
明乃「へ・・・」
ミーナの心強さに明乃は、感心する。
ミーナ「潜水艦の本場は、ドイツだからな!」
『お・・・』
更に艦橋にいる者もミーナに感心する。
幸子「流石ドイツ!」
鈴「ドイツ?」
幸子と鈴は、そんなミーナを褒め、ミーナは、照れる。
薫「ならば、貴方も戦闘に参加してください!!」
ミーナ「お主は?」
薫「私は、この晴風の教員の山本薫です。」
ミーナ「分かりました教官殿!」
薫の指示でミーナは、戦闘に参加する。
ミーナ「では、先ずは、どぎほんの爆雷で・・・」
ミーナは、早速、反撃に爆雷の指示を出すが
ましろ「1発しか無い!」
横からましろに爆雷が一発しか無い事を言われ止める。
ミーナ「じゃ、土手版の対潜迫撃砲を・・・」
ましろ「そんなの積んでないって・・・」
ミーナ「Mk32対潜魚雷は?」
ましろ「いつの時代だよ、てか、知らん!」
ミーナ「じゃ、何があるんじゃい・・・!?」
ミーナは、ひたすら装備していない武装を言い、ましろがひたすら、それを切り捨てる。
それを聞いた鈴と幸子が面白そうに笑っていた。
明乃「そう、私達には、何もない・・・だから、知恵を貸して欲しいの・・・」
明乃は、ミーナに知恵を貸して欲しいと頼む。
ミーナ「水中で動くものは、何か無いのか?」
明乃がそう言うとミーナは、明乃に水中で使用できる物が無いか問う。
明野「う・・・ん・・・」
明乃は、水中で使用できる物が何かないか考える。
ミーナ「何っか?」
考えている明乃にミーナは、急かす。
薫「有るじゃないの!」
明乃「え!?」
突然、薫が水中で使用できるのが有ると言われ、明乃は、何かと頭を?にする。
薫「有るじゃないの・・・あれ!」
分からない明乃に薫は、ヒントにある物を指す。
薫の指さす所には、志摩が付けていたアザラシのアイマスクを付けた五十六が歩いているだけだったが、その上を見ると椅子の上にましろが持っていた鮫のぬいぐるみが置いてあった。
明乃「・・・ああ!?」
鮫のぬいぐるみを見て、明乃は、薫が言う事をようやく理解した。
薫が言う水中で使用できる物、それは、殆んどの艦が備え、機雷除去によく使われる物、掃海具だ。
晴風、後部甲板
明乃『掃海具用~意!』
明乃は、掃海具用意の指示を出す。
美海「掃海具用意!」
美甘「掃海具って、これ?」
明乃の指示のもと、美海と美甘が掃海具の用意をする。
美海「ほっちゃん、あっちゃん手伝って・・・」
『分かった!』
更にほまれとあかねが作業に入る。
ほまれ「重い~!」
あかね「腕痛い~!」
美甘「頑張って・・・」
苦しい言葉を言いながら、掃海具の準備作業を続行する。
晴風、見張り台
マチコ「雷跡1つ、左150度、20、此方に向かう!」
掃海具の準備作業が続く中、またしても、魚雷1本が晴風に向かってきた。
晴風、艦橋
明乃「リンちゃん、面舵一杯!」
明乃は、直ぐ回避行動に移る。
鈴「面舵いっぱーい!面舵20度・・・」
明乃の指示で鈴は、右に舵を切る。
晴風、後部甲板
晴風が右に舵を切る中、後部甲板では、美海が防雷具落下機に登り、防雷具を外そうとした時
美海「うぁ・・・うぁ・・・!?」
急な舵切りで思わず手を話してしまい落下する。
晴風、艦橋
明乃「あと5発・・・このまま右に180度回等、発射方向に正対して!」
魚雷の回避に成功する中、今度は、伊号第201潜水艦に向けて転進指示を出す。
鈴「りょ、了解!」
鈴は、転進する為、更に舵を右に切る。
ましろ「艦長!一体、掃海具で何を?」
転進する中、ましろは、掃海具で一体何をする気なのか明乃に問う。
薫「まだ分からないの副長!・・・掃海具でやる事とと言ったら、あれでしょ!」
すると、薫がましろにあれと言って、ヒントを出す。
ましろ「あれって、何ですか教官?」
だが、薫がヒントを出してもましろは、全く分からなかった。
薫「鈍いわね・・・掃海具を使って潜水艦のスクリューに絡ませるの!」
仕方なく、薫は、答えを言う。
ましろ「な、成程、魚みたいに釣るんですね教官!」
答えを知って、納得するましろ。
薫「そう・・・・全く、何で分からないんだろう。」
基本的な事しか知らないましろに呆れる薫。
明乃「掃海具どお?」
薫がましろに説明する中、明乃は、艦内無線で掃海具の準備ができたか、確認する。
すると
美海『うゎ・・・・!?』
明乃「ん!?」
突然、受話器から悲鳴が聞こえ
明乃「ミミちゃん、大丈夫?」
明乃は、何かと思った。
晴風、後部甲板
その頃、美海は、急な舵きりで思わず手を放してしまい落下しそうになったが何とか、防雷具落下機に捕まり、落下を回避したが、今度は、転進した為、艦がぐるりと回等し、その影響で防雷具落下機自体がグルグル回り始めた。
美海「うぁ・・・うぁ・・・!?」
グルグル回る防雷具落下機にしがみ付きながら悲鳴を上げる美海。
ほまれ「何だか止めないと?」
あかね「でも、船が揺れてって・・・」
2人は、美海を助けようと防雷具落下機を止め様とするが、艦が揺れている為、できそうになかった。
その時
美甘「掃海具、外して!!」
横にいた美甘が防雷具を外すよう2人に指示する。
『ん、ん』
2人は、急いでレバーを操作して防雷具を外す。
ほまれ「ふぅ・・・」
あかね「・・・ふぅ・・・」
美甘「あ、危なかった・・・」
美海「掃海具良し!!」
4人の努力で防雷具は海中に落下し、準備は完了した。
晴風、艦橋
ましろ「あれで何とかなるのか?」
明乃「多分・・・」
ましろは、防雷具で敵のスクリューを狙うのに不安を言い、明乃は、多分と告げる。
明乃「機関、一瞬だけ全速出せる?」
更に明乃は、機関室の麻侖に一瞬だけでも良いから、最大速力が出せるか問う。
晴風、機関室
媛萌「って、言ってるんですけど・・・」
機関の修理に応援に来ていた媛萌が明乃の問いにできるかどうか麻侖に問う。
麻侖「・・・・しかったねぇ、10秒だけ・・・それ以上は、責任もってねな!」
それに対して、10秒だけなら、最大速力が出せると判断する。
晴風、艦橋
媛萌『だそうです。』
明乃「お願い!」
明乃は、ちゃんとお願いをする。
薫「私からもお願い、今は、なるべく逃げ切りたいから・・・」
薫もちゃんとお願いをする。
媛萌『は~い』
2人にお願いされ、媛萌は了承する。
暫くして、転進した晴風は、潜航する伊号第201潜水艦の頭上を通過。
通過中、ワイヤーで係留されている防雷具が伊号第201潜水艦の艦橋に衝突する。
明乃「あっ!?・・・・今、当たった?」
衝突音に気づいた明乃。
ましろ「さあ?」
明乃「う~ん、もう少し、速度を落としてみる?」
だが、ましろは、衝突音に気づかなかった。
その為、当たったか如何か、感触が分からなかったので、もう少し速度を落としてみようとしたが
ミーナ「いや、此処は誘い込め!・・・さっきの手応えは、間違いない!」
ミーナは、先の衝突音を聞き逃さなかったので、このままの速度を維持し、誘い込むよう指示する。
芽衣「ほんとに?」
しかし、本当にと艦橋の皆は、迷うが
薫「彼女の言う通りよ皆!・・・さっきの手応えは、間違いないわ!!」
しかし、薫もミーナと同じ先の衝突音を聞き逃さなかったのでミーナの指示を尊重する。
明乃「分かりました教官!・・・リンちゃん、あか15」
明乃は、それを了承し、鈴に強速へと速度を落とすよう指示。
鈴「あか15・・・」
鈴は、第一戦速から強速に落とす。
明乃「そのまま徐々に強速まで落として・・・」
明乃は、更にゆっくり落とすよう指示
鈴「ヨーソロー!」
鈴は、ゆっくり強速まで落とす。
明乃「タマちゃん、砲戦準備!」
そして、今度は、志摩に主砲の射撃準備命令を出す。
志摩「うぃ!」
薫「主砲は、悪まで魚雷のみを迎撃、立石さん頑張って!」
志摩「う~ぃ!」
薫に励まされ、志摩は、やる気を出す。
晴風が速度を落とす中、後方に回った伊号第201潜水艦は、直ぐに180度回等、其処から4本の魚雷を発射した。
晴風、艦橋
楓『魚雷音、ちょうち!』
『はっ!?』
晴風、水測室
楓「雷数4・・・・真後ろからいらしゃいました!」
晴風、艦橋
明乃「おも~か~じ!」
伊号第201潜水艦が誘いに乗り、魚雷を発射した事により、明乃は、直ぐ回避行動に出る。
ミーナ「探照灯・・・照射始め!」
続いて、ミーナの指示のもと、探照灯が照射され、海面を好走する魚雷が映し出された。
まゆみ「見つけました!!」
明乃「面舵いっぱーい!戦闘右砲戦!!」
魚雷発見の報告を聞いて、明乃は、そのまま舵を右に切ったまま艦体をぐるりと回等しながら砲戦に入る。
薫「撃ち方、始め!」
薫が志摩に射撃命令を出す。
志摩「撃て・・・!」
航走する魚雷に向けて、主砲を一斉掃射。
砲弾は、魚雷の至近で爆発し、衝撃で魚雷の磁気信管が誤作動を起こし、魚雷全部が自爆した。
晴風、見張り台
マチコ「潜望鏡視認、右10度25!」
魚雷迎撃に潜航する中、マチコは、海中に没する潜望鏡を発見、伊号第201潜水艦の位置を捕捉した。
晴風、艦橋
薫「爆雷攻撃、始め!」
この機を逃さず、直ぐに薫は、爆雷攻撃の指示を出す。
芽衣「やっと撃て~る・・・爆雷投下!!」
やっと撃てると待ち望んでいた芽衣が爆雷投下を命じる
晴風、後部甲板
美海「投下!」
艦橋からの指示のもと、爆雷投下の命令が下り、ほまれとあかねがきつそうにしながら重いレバーを操作し、爆雷を投下する。
明乃「おも~か~じ!」
鈴「ヨーソロー!」
爆雷投下後、直ぐに退避行動に出る。
伊号第201潜水艦も爆雷の安全深度100mまで急速潜航しようとしたが、運悪く、晴風が係留している防雷具の係留ワイヤーがスクリューに絡みついてしまい、伊号第201潜水艦は潜航出来なくなり、それに追い打ちをかける様に投下された爆雷が頭上で爆発した。
付近で爆発の水柱が立つ。
晴風、艦橋
マチコ『右舷、気泡確認!』
楓『浮上します!』
航行不能となり、更に至近で爆雷を諸に命中した伊号第201潜水艦は戦闘不能となり、沈没を避ける為、急速浮上を開始した。
やがて晴風の右舷に伊号第201潜水艦が急速浮上した。
ましろ「今です!・・艦長、教官、逃げましょう!!」
幸子「最短コースは既に選定澄みです!!」
明乃「ワイヤー切り離して・・・・両舷前進強速!!」
伊号第201潜水艦の浮上を確認した途端、明乃は、直ちに現海域からの離脱を指示する。
晴風、無線室
鶫「伊201、からの国際救難信号の発信と応答を確認・・・現在東舞校教員艦が30ノットで接近中・・・」
戦闘続行が不可能になった為、伊号第201潜水艦がSOSを発信。
それを傍受した東舞鶴男子海洋学校所属の教員艦が、此方に向けて急行中の報告が入る。
晴風、艦橋
明乃「取り舵一杯!20度、ヨーソロー!」
鶫からの報告を受け、明乃は、急いで当海域からの離脱を指示。
鈴「さっさと逃げようよ・・・!!」
鈴は号泣しながら、舵を切りる。
晴風は浮上した伊号第201潜水艦を放置して、東舞鶴男子海洋学校所属の教員艦が来る前に現海域を離脱した。
4月9日
5:40
数時間後、ようやく海域からの離脱に成功、黙過進路を北に取るが行き先は不明。
そんな中、明乃と薫がミーナの事情聴衆をするべく医務室に向かう。
晴風、医務室
明乃「美波さん、起きてる?」
美波「臣民暁を覚えず、魚雷に砲火の音、一服の茶をきすいする。」
2人が訪ねると美波は、寝不足ながら、難しいことわざで答える。
薫「何だか意味が分からないような・・・」
美波は、持っていたマグカップを明乃に渡す。
明乃「ありがとう」
美波からマグカップを受け取る。
中身は、ココアの様だ。
明乃は、躊躇わず飲む。
すると
明乃「うぇ~!しょっぱ~い!?」
強烈な苦みに明乃は、吐いてしまう。
薫「ちょっと、大丈夫!?」
薫は、直ぐに明乃の背中をそそぐ。
美波「青人魚名物、塩ココア」
如何やら、マグカップの中身は、塩ココアだった様だ。
明乃「ひょとして、塩だけで砂糖を入れなかったの?」
美波「フフ・・・」
明乃の問いに美波は、フフと笑う。
明乃「美波さん、わざっと!?」
薫「その口ぶりだと、わざっとね!」
美波の笑いに2人は、わざっとだと察する。
美波「教官も、如何です?」
今度は、薫に飲ませ様としたが
薫「結構です!!」
きちんと断られた。
明乃「あっ!?・・・ところでシュペーの子は?」
明乃は、美波にミーナが何処にいるか聞くと
ミーナ「何だ?・・ワシに何かようか?」
突然ミーナが医務室に入ってきた。
薫「先は貴方もご苦労様!お陰で助かったわ!!」
薫は、さっきの戦闘での礼を言う。
ミーナ「いえ、こっちは、寝ていたところを、叩き起こされたからな・・・」
ミーナは、ベットの上に座る。
薫「それで、今から貴方の事情聴衆をしたいんだけど・・・良いかな?」
薫は、来て早々にミーナに事情聴衆をしたいとお願いする。
薫は、ミーナの艦が何故、白旗を出した晴風を攻撃したのか?
何故、ミーナ、1人だけが、艦を離れて、此方に着たのか?
その理由を聞いて、今、何が起こっているか、解明したかったのだ。
ミーナ「ワシにですか?・・・分かりました教官殿!」
薫の事情聴衆にミーナは、素直に受ける。
明乃は、ミーナの隣に座り、薫は、証拠として、会話の内容を記録すべく、持っていたタブレットのボイスレコーダーで、録音しながら事情聴衆を始めた。
薫「先ず、貴方の名前と所属は?」
先ずは、ミーナの名前と所属を聞いた。
ミーナ「ワシの名は、ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクです・・・所属は、ドイツのヴィルヘルムスハーフェン校所属のアドミラル・シュペー副長・・・」
ミーナは、自分の名前と所属を言う。
明乃「アドミラル・シュペーの副長!?」
明乃は、ミーナがアドミラル・グラフ・シュペーの副長だと知って、驚く。
薫「・・・何故、その副長が自分の持ち場である艦を離れたの?・・・何故、白旗を揚げた我が艦を攻撃したの?」
薫は、何故、ミーナが何故、自分の持ち場である艦を離れ、此処に来たのか、それと、何故、白旗を揚げた晴風を攻撃したのか、其処ろ辺を聞く。
ミーナ「我等がアドミラル・シュペーですか?」
薫「そう!」
ミーナ「それは、ワシにも全く分からないんです。」
何とミーナは、何故、晴風を攻撃したのかは、自分でも全く分からなかった。
薫「えっ!?」
ミーナの答えに薫は、驚きながら事情を聴く
ミーナ「我らの艦も貴校との合同演習に参加する予定だったのは知っておりますな教官?」
薫「うん、予め、古庄教官から打ち合わせで聞いているわ!」
明乃「そうなんですか!?・・・全くの初耳です。」
薫「御免ね!・・・サプライズとしての学校の企画だったから・・・」
ミーナ「まあ、それは、良い・・・ワシらは合流地点に向かっていたんだが、突然、電子機器が動かなくなって調べようとしたら・・・誰も命令を聞かなくなった!!」
明乃「叛乱?」
ミーナ「分からん・・・ワシは、艦長から他の艦に知らせるよう命じられて、脱出してきた・・・」
薫「そう・・大変だったわね!」
明乃「艦長?」
ミーナ「帽子を拾ってくれたのは、感謝している・・・これは、我が艦長より預かった大事な物・・・シュペーに戻って艦長に返さなければ・・・必ず・・・」
そう話すミーナの瞳には明確な決意が宿っていた。
明乃「分かった、私も手伝うよ!」
明乃もミーナが戻れるように手伝うと言った。
ミーナ「おっ!?」
そう言うとミーナは、明乃の方を見る。
美波「同舟相救う」
突然、美波が2人にことわざで答える
『!?』
美波「その船を同じくして渡りって、風にあう渡ればその相救うや左右の手の如し!!」
平素は敵どうしでも、いざと言う時には助け合う。
つまり、敵同士でもいざと言う時は、お互いに助け合うべきだと美波に主張する。
薫「・・・・」
薫は、ミーナからある程度の事情を聞き、ボイスレコーダーの録音を切り、自分の意見を言う。
薫「事情は何となく、分かりました・・・だけど、今は、貴方の願いには応じられません・・・我々は、これから速やかに横須賀女子海洋学校に戻り、宗谷校長に事の次第を報告、保護して貰い・・・それから、宗谷校長にシュペーの救助をブルーマーメイドに要請させましょう。」
薫は、ミーナの積極な願いを拒否、当初の予定通り、横須賀女子海洋学校に帰投すべきだと言い、更にシュペーの救援は、ブルーマーメイドに任せるべきだと言う。
ミーナ「でも、ワシは・・・」
しかし、ミーナは、あくまでもアドミラル・グラフ・シュペーに戻りたいと主張するが
薫「駄目です!!・・・これ以上、生徒を危険な目に合わせる事はできません!!」
晴風は、既に3度も戦闘している。
これ以上の戦闘は、生徒の犠牲を被るかも知れない。
薫は、それを恐れ、あえてミーナや晴風の生徒を危険な目に合わせない様にミーナの戻りたい主張を思い留める。
ミーナ「ん・・・分かりました。」
薫に積極的に止められ、ミーナは、仕方なく思い留まる。
薫「分かれば良いわ!・・・学校に戻るまで、貴方の身は、此方で預からせて貰います。」
薫は、横須賀女子海洋学校に戻るまで、ミーナの身を晴風で預かる事にした。
その時
幸子『艦長、教官!・・・校長からの全艦帰港命令が出ました!』
『えっ?』
艦橋から横須賀女子海洋学校の全艦帰港命令が出されたと言う報告を受ける。
晴風、艦橋
幸子「えっと・・・『私は全生徒を決して見捨てない・・・皆を守る為にも全艦可及的速やかに学校に帰港せよ』との事です。」
横須賀女子海洋学校からの全艦帰港命令の内容に艦橋の皆は、ホッとした表情になる。
晴風、医務室
薫(良かった!・・・まだ、真雪さんは、私達を見捨てていなかったんだ・・・じゃ、あの命令は、誰が出したものなの・・・少なくとも真霜姉さんじゃないのは、確かな様だけど・・・)
報告を聞いて、薫は、まだ、真雪に見捨てられて居なかった事に喜ぶ。
だが、前の晴風撃沈命令は、一体誰が出したのか、薫は、其処が謎だった。
晴風、教室
朝食の席にて、明乃は横須賀女子海洋学校からの帰港命令の内容を皆に伝えた。
しかし、伊号第201潜水艦との戦闘が影響しているのか、集まった生徒達の何名かは舟を漕いでいたり、テーブルに突っ伏して寝ている者もいる。
明乃「学校から全艦帰港命令が出ました・・・晴風も学校側が責任をもって保護するので戻ってくる様にって・・・帰還中は一切の戦闘行為は禁止だそうです。」
『良かった!!』
明乃の説明に皆は、もう戦闘が無い事に安堵する。
ましろ「だがまだ広域には、晴風に対する警戒は続いている・・・どの港にも寄港できない・・・我々は、密かに学校に戻らねばならない。」
学校に戻っても警戒が必要だと言うましろ。
ましろの言葉に安心していたのが、少し不安になる。
すると
薫「大丈夫だよ皆!・・・宗谷校長がそうおっしゃているんだから、そんな直ぐ撃沈されたりしないわよ!」
薫は、皆を安心させる。
明乃「それから、新しい友達を紹介します!!」
ある程度の説明を終え、明乃がミーナを皆に紹介する。
明乃「ドイツの・・・ヴィナブラウシュガインゲンマメ・・・あれ、何だっけ?」
名前が長かったせいか、明乃は途中で忘れる。
ミーナ「サイシュン!!」
『あっ!?』
自分の名前を途中で忘れた明乃に腹が立ち、ミーナは、自分で自己紹介をする。
ミーナ「ヴィルヘルムスハーフェン校から来た・・・ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクだ・・・アドミラル・シュペーでは副長をやっていた。」
明乃「長いから、ミーちゃんで良いかな?」
名前が長いので明乃は、ミーナをニックネームで答える。
ミーナ「誰が、ミーちゃんじゃ!?」
明乃の言葉にミーナは、つっこむ
明乃「じゃあ部屋は・・・ココちゃん、何処が空いてたっけ?」
明乃は、ミーナが寝泊まりできる様に空いている部屋が無いか、幸子に問う。
幸子「う~ん・・・ベットの空きがあるのは・・・副長の部屋だけです。」
ましろ「えっ!?・・・私の・・部屋・・・」
空いている部屋が自分の部屋だけだと知り、ましろは、固まる。
薫と幸子達は、ミーナをましろの部屋まで案内する
晴風、副長室
薫「うわぁ!?」
ミーナ「うぉ!?」
ましろの部屋に行くと部屋は、縫いぐるみが一杯置かれ、アンティークの部屋になっていた事に薫とミーナは驚く
芽衣「うわぁ!?すご!?」
まゆみ「古いたサメさんも居ますね・・・」
幸子「宗谷さんからは、創造できない部屋です!?」
それを、芽衣、まゆみ、幸子が覗く。
幸子は、ましろの部屋をタブレットのカメラで撮りまくる。
ミーナ「良い部屋だな・・・今日からよろしく頼むぞ!!」
如何やら、ミーナは、気に入ったようで、ましろに礼を言う。
ましろ「はぁ~」
ましろは、恥ずかしがりながらため息をつく。
薫「じゃ、副長!・・・ミーナさんの事は、任せましたよ!・・・それから、ミーナさんの着替えとかは、皆から借りて・・・ミーナさんのサイズは?」
薫は、ミーナの世話をましろに任せ、あとは、ミーナの着替えを他の生徒達から借りる事にし、下着やブラのサイズを確認する。
薫「取り合えず・・・・私のブラと下着を貸してあげるわ・・・後で私の部屋まで取りに来て・・・」
取り合えず、薫のブラと下着を貸す事にした。
まあ、薫の胸の大きさなら、ミーナの胸に合う筈。
少し大きいが
ミーナ「何から何まで、感謝する教官!」
薫「困った時は、お互いさまよ!」
こうして、晴風は、伊号第201潜水艦との戦闘を何とか搔い潜り、予想外のお客、ミーナを乗せ、晴風は一路、横須賀女子海洋学校へと進路を出す。