4月16日
7:00
アスンシオン島沖、機雷原
一方、晴風は、機雷原に道を阻まれ、その場で夜を明かす事になった。
晴風、甲板
朝になると、辺りは、濃霧に包まれていた。
媛萌「うわぁ・・・・奇麗・・・!!」
美海「まるで雲の上見たい・・・!!」
果代子「凄いね・・・」
理都子「でも、周りに機雷が有るんだよね・・・」
辺りが濃霧に包まれているのに生徒達は、その光景を見て、まるで雲の上に居ると錯覚し、浮かれているが、辺りには、今だ機雷が敷設されたまま、とても浮かれては、いられなかった。
皆が景色に浮かれている頃、主計科の美甘、杵崎姉妹は、竹棒で機雷を晴風から遠ざける作業をしていた。
あかね「突っ突いて、大丈夫なの?」
あかねが竹棒で機雷に突っ突いて、大丈夫なのか問う。
美甘「近くにあるのは、古い触発機雷だから、突起を押さなければ問題ないよ!」
美甘が言うには、機雷の突起部分を押さない限り爆発はしないそうだ。
あかね「うぇ・・・・!?」
それを聞いたあかねは、怖がる。
ほまれ「全部爆破すれば良いんじゃない?」
その時、右側に居たほまれが全部爆破すれば良いんじゃないかと提案するが
美甘「霧が晴れないと周辺にどれだけ在るか分からないし、一つ爆発させて、それが連鎖したら怖いから‥‥」
美甘は、その提案を却下した。
今現在、機雷がどれだけ敷設されているか不明な状態。
その状態で全部爆破すれば、更なる被害が出る可能性が大だった。
だからこそ、敢えて、この様な地味な作業をやらなければならない
『大変だね・・・』
美甘の言葉に2人は、感心する。
晴風、教室
暫くして、生徒達は、交代で朝食を取る。
楓「夜のうちにソナーで周辺探索行いました。」
楓は、ソナーで周辺探索をして、機雷の敷設所在を把握し、それを薫と明乃に報告する。
薫「範囲はどれくらい、万里小路さん?」
薫は、教壇で朝食を取りながら、機雷の敷設範囲を聞く。
楓「おそらく、航路阻止を目的としているので比較的狭い範囲です・・・敷設された機雷の種類は不明ですが水深を考えると係維機雷・短係止機雷・沈底機雷だと思われます。」
薫「結構、色々な機雷が敷設されてるわね・・・」
ネチョッ‥‥
ミーナ「う・・・う・・・」
楓が周辺海域の機雷について話している時、後ろで朝食を取るミーナは、納豆を箸で突っ突いて、何故か、顔を歪めていた。
果代子「係維機雷って何?」
果代子が機雷の種類で係維機雷が何なのか問う。
すると
芽衣「ほらあれでしょ!・・・ワイヤーで繋がって、ぶつかるとドカー!っていく奴・・・」
芽衣が果代子に説明する。
ましろ「掃海する必要があるな‥‥」
薫「そうね・・・このままだっと捜索もできないから・・・艦長!」
明乃「えっと、掃海手順は?」
幸子「説明させて戴きます!」
幸子が自信満々の様子で掃海手順の説明する。
幸子「先ずは各掃海具を掃海柵で繋ぎ、展開器を水中に落とします!!」
ミーナ「うぇ!?」
幸子が掃海手順の説明している中、ミーナは、納豆がベチャとしたのを見て、ビックリする。
幸子「船が進むにつれ展開器は左右へ広がって沈降具が艦尾から引っ張られていき掃海柵に機雷が引っかかると、ずっと動いていって・・・切断機で、ちょきんと切れるのです。」
ミーナ「・・・うぇ・・・!?」
幸子が掃海手順の説明している中、更にミーナと納豆の格闘は、続く。
幸子「後は浮かんできた機雷を機銃でドッカーン!!」
芽衣「おお!!私の出番だ!!早く撃たせて!!」
機銃掃射が出来ると知って芽衣は、早く撃たせてと駄々をこねる。
ましろ「今は、周囲を機雷で囲まれている艦を動かすのは無理だ。」
確かに通常の掃海手順では、晴風を動かさなきゃならないが、周囲を機雷で囲まれている現在、艦を動かす事は出来ない。
志摩「き・・く・・ま・・い」
志摩も危険だと判断する。
明乃「うん、本格的な掃海機具は、積んでないけど・・・出来る事はしないと・・・」
現在、晴風には、本格的な掃海機具は、積んでない。
それでも明乃は、出来る限りをする。
ましろ「人力での水中処分は、危険だ!!」
それに対して、ましろは、人力での水中処分は、危険だと反対する。
明乃「ん・・・・」
ましろに反対され、明乃は、他の方法を考える
すると
明乃「はっ!?・・・・スキッパーを使っを!!」
明乃は、スキッパーを使うのを思い付く。
幸子「確かにあれなら小さいので音響、水圧、磁器の各種の機雷に非掛かる可能性は、低いです」
幸子もスキッパーなら、機雷に非掛かる可能性は、低いと明乃の提案に賛同する。
志摩「あ、ん、ぜ、ん」
志摩も賛同した。
明乃「スキッパー乗員には、通常装置に加えて重安全具の装着を・・」
2人の賛同を得て、明乃は、行き良いに自分が出ようとするが
ましろ「艦長は、出ないでくださいね!」
ましろがそれを止める。
明乃「は・・・はい・・・」
ましろに行くなと言われて、明乃は縮こまる。
薫(・・・やっぱり、あの時の事で岬ちゃんは、ましろちゃんには、何も言えなくなっているわね・・・)
あの時の出来事以来、明乃は、ましろに何も言えなくなっており、そんな2人を薫は、難しそうに見る。
大部分は、食事を終え、美甘が食器を片付けていると
美甘「ん!?」
ミーナが納豆を見て、顔を歪めている事に気づく。
美甘「あれミーナさん、納豆口に合わなかった?」
美甘がミーナに納豆口に合わないのか問う。
ミーナ「い、いや・・そんな事はないんじゃ、が・・・」
それについて、ミーナは、そんな事はないとつい嘘を言って、噛んでしまう。
薫「!?」
空「噛んだ!」
美海「噛んだね!」
ミーナが噛んだ事に空と美海が気づき、また、それに気づいた薫がミーナの側に行く。
そして、ミーナの側に着た途端、ミーナが朝食を全く食べていないのを見て
薫「・・・・もしかして、ミーナさん・・・日本食が口に合っていないんじゃない?」
ミーナが日本食が嫌いなのに気づく。
ミーナ「い、いや、そんな事は‥‥」
それに対して、ミーナは、否定するが
薫「嘘は、駄目よミーナさん!!・・・最近、見ていたけど、昨日の夕食でもパンとサラダーだけ食べて、ご飯とかは、殆んど残していたでしょう?」
薫は、ミーナがいつもご飯や漬物などを残していたのを知っていた。
ミーナの嘘は、薫には、バレバレだったのだ。
ミーナ「‥‥その‥実は、その‥‥教官の言う通りなんじゃ‥‥実は日本料理が口に合わなくて‥‥」
薫に嘘がばれ、ミーナは気まずそうに本音を言う。
美甘「えぇ・・そうなの?・・・気がつかなくて御免ね!・・・じゃあ今日はドイツ料理を作ろうか?」
ミーナの本音を聞いて、美甘がミーナの為にドイツ料理を作るとミーナに言う。
ミーナ「え!?ああいやいや!」
それに対して、ミーナは、居候の身なのに態々そこまで、して貰わなくてもと恐縮してしまう。
薫「良いじゃないのミーナさん!・・・折角、伊良子さんが作ってくれるって言うんだから、此処は、行為に甘えたら・・・」
美甘「そうだよ!それに私ドイツ料理得意だから・・・」
2人に強要され、ミーナは、結局、美甘に甘える。
美甘「じゃあ、今日はドイツ料理祭りに決定!!」
『お、おおう・・・!!』
今日の夕食はドイツ料理となり、それを聞いた、教室にいる全員が喜び拍手した。
今日の夕食はドイツ料理と言う事で、美甘と杵崎姉妹の3人は、早速夕食に向けての下拵えを始めた。
その他の部署では、昨日、損傷した部分の修理と掃海作業が始められた。
掃海作業にはスキッパーが使用される事になった。
やがて、日が昇り、霧が晴れていき、
媛萌「修理完了!!」
損傷部分の修理が完了し、
晴風、見張り台
マチコ「周辺の機雷状況も確認完了!」
更に見張り台のマチコが周辺海域の状況を報告し、掃海の準備が整った。
薫「艦長号令を」
明乃「掃海準備!!」
明乃の号令の元、掃海作業が開始される。
ミーナ「うんうん、掃海は安全に航行するのに重要な事じゃからな・・・」
掃海作業にミーナが感心する。
明乃「先ずは、視界内の機雷を処理して」
明乃は、先ず近くにある機雷の除去を志摩と芽衣に命じる。
芽衣「よっしゃ、やっと出番だ!行くよタマ!!」
志摩「うぃ!」
2人は、イキイキしながら後部甲板に向かう。
薫「何か、楽しそうだね‥あの2人‥‥」
機雷の掃海に妙に楽しそうな志摩と芽衣を見て、彼女らの態度の様子を語る薫。
幸子「機銃を撃ちたがっているんでしょうね・・・あの2人、トリガーハッピーな所がありますからね・・・」
幸子が何故、2人があそこまでイキイキしているのか何となく察しがついた様子。
薫「そう言えば、そうね・・・」
幸子の意見に納得する薫。
芽衣「ヒャッハー!!」
デッキから様子を窺って見ると、芽衣が声を上げながら機銃を撃っていた。
晴風、後部甲板
芽衣「快感!実感!ジンギスカン!!」
志摩「ヒィー、ハァー、ラムー」
それに釣られて、志摩も声を上げながら機銃を撃つ。
薫(確かにイキイキね・・・)
それを見た薫は、ちょっと2人の将来が心配になる様子であった。
百々「完成ッス・・・」
2人が機銃を撃っている頃、隣では、百々が掃海器具にペンキでアザラシっぽい顔を書いていた。
美甘「あ~可愛い!!」
美海「ねぇねぇ、名前付けようよ!」
美甘「ん・・・・アザラシだから…タマちゃん!」
志摩「!?・・うぃ?」
みかんの発した「タマちゃん」と言う言葉に反応して、志摩が振り向き、その銃口を美甘達に向ける。
『うわぁ・・・・・・!?』
百々「危ないッス・・・!」
同級生に撃たれては、かなわないので、急いで物陰へと避難する3人であった。
晴風、艦橋
鈴「だけど、誰が機雷なんて敷設したんだろう?・・・危ないよね?」
艦橋では、鈴が何で、この海域に機雷が設置されているのか疑問に思い、それを口にした。
すると、
幸子「『過去に敷設された機雷が時代を超えて蘇ったんだ!・・・サルガッソに巻き込まれ消失した機雷が、あっこんな所に。某国の陰謀に違いない!』」
幸子が一人芝居を始めた。
鈴「陰謀って・・・」
薫(まぁ、ちょっと違うけど似たような経験をしているからね‥‥私も‥‥でも、言ったところでそう簡単に信じてはもらえないだろうけど‥‥)
確かに薫も龍之介達Gフォースも異世界から転生したがコレを言ったところでそう簡単信じてはもらえないだろう。
幸子や百々あたりは、興味を持ちそうだが
ましろ「この辺りの機雷は恐らく・・・各国が自国の権益を守り、活、航路帯防御用に敷設したんだろう・・・20世紀初頭にな・・・」
ましろが幸子に現実を付き付ける。
幸子「現実は浪漫ないですねぇ・・・」
薫「納沙さんはちょっとぶっ飛びすぎな思考を持っている様な気がするわよ‥‥ブルーマーメイドよりも俳優の方が似合っていたんじゃないかな?」
幸子「えぇー!!ちょっと酷くないですか、教官!!」
2人に言われ、ちょっとむくれる幸子。
鈴「戦争が起こっていたら大変だったよ・・・」
鈴がもし戦争が起きていたらとその惨状を想像する。
薫「そうね‥‥戦争は悲惨なモノよ‥‥罪の無い人は、住む土地を奪われ、略奪や虐殺で命を奪われる‥‥それだけじゃないわ、戦争が終わっても、また別の戦争が起きる‥‥そして、それが最大の過ちを起こす原因になるのだから・・・」
薫は自分の世界で起きた世界大戦や水爆実験などの悲劇。
また、それに乗じて起きたゴジラ戦を思い出して遠い目をする。
鈴「教官?」
幸子「まるで、戦争を経験した見たいな言い方ですね・・・」
薫「ち、違うわよ!・・・もしもそう成るかも知れないと想像したの・・・」
幸子の言葉に薫は、誤魔化す。
幸子「そうですか?」
薫はあくまで自分の想像だと言うが、幸子は想像しただけなのかと疑問に思った。
ましろ「そうならない様、国を超え、海を守る為にブルーマーメイドやホワイトドルフィンが設立されたんだろう?」
ましろがブルーマーメイドやホワイトドルフィンが設立された理由を言う。
明乃「ブルーマーメイドとホワイトドルフィンの主任務は、人命救助や機雷掃海とかの航路を守る事だもんね!」
それについて、明乃もブルーマーメイドとホワイトドルフィンの主任務を言う。
鈴「海に生き・・・」
明乃「海を守り」
幸子「海を」
志摩「往く」
『それがブルーマーメイド!!』
薫以外の全員がブルーマーメイドの標語を高々に言う。
薫(志が高いのは良い事ね!・・・我々Gフォースと同じね・・・だからこそ、貴方達には危険な目にはあって欲しくないのだけれど・・・)
薫はブルーマーメイドの標語を高々に言う明乃達を見守る様に明乃達の将来を案じた。
スキッパーの助走距離を十分に保てたので、いよいよ針路上の機雷の掃海となり、スキッパーを降ろして、更に掃海具を降ろした。
スキッパーの乗員には、明乃代わりに理都子と果代子が乗る事になった。
スキッパー
薫『安全には十分に注意して!』
薫が掃海作業に出る2人に注意を呼び掛ける。
『りょ~かい』
2人は、注意しながら、発進する。
スキッパーが進むに連れ、掃海具が展開されて行く。
晴風、艦首
美甘「展開よし!」
美甘が艦首の方で展開を確認した事の無線を入れる。
晴風、艦橋
明乃「掃海開始!!」
掃海開始の号令が出る。
スキッパー
理都子「了解!全速前進・・・!!」
掃海開始の号令の元、理都子は、掃海を開始し、スピードを上げる。
果代子「あんまり飛ばさないでよ・・・!!」
隣から果代子があんまり飛ばさないでよと理都子に注意する。
やがて、掃海具が展開されて行くと、幸子が教室で説明した通りに系維機雷の系維策が掃海具のワイヤーカッターによって切られて海上へと浮いてくる。
果代子「りっちゃん浮いてきたよ・・・」
機雷が浮いてくるのを果代子が理都子に報告する。
理都子「よ~し、どんどんやる‥‥はっ!?」
それを聞いた理都子は、調子に乗って、スピードを上げようとした、その時
ドカーン!!
晴風、炊飯所兼食堂室
『うぇ!?』
前方の海上で爆発が起き、その衝撃は、晴風艦内にも伝わった。
晴風、艦橋
明乃「はっ!?」
薫「今のは?」
突然の爆発に明乃と薫は、一体何が有ったのか
ましろ「報告!!」
晴風、見張り台
ましろが見張り台に現状を報告させる。
マチコ「前方で水中爆発・・・スキッパーが巻き込まれました!!」
マチコの報告では、如何やらスキッパーが掃海中に機雷と接触、爆発に巻き込まれた様だ。
晴風、艦橋
明乃「えっ!?」
薫「な、何ですって!?」
マチコの報告を聞いて、2人は、驚愕する。
鶫『救難信号が出ています!!』
慧「反応二つ!安全装置です!!』
更に鶫と慧から救難信号が出ていると報告が続く。
明乃「助けにいかないと・・・」
明乃は、思わず直ぐに理都子と果代子の助けに行こうとするが
ましろ「また!?」
明乃「はっ!?」
ましろ「また、艦長が持ち場を離れる気か!?」
それを見かねたましろが、また、艦長が持ち場を離れる気かと言い、助けに向かう明乃を止める。
明乃「えっ・・・で、でも…」
ましろに言われ、明乃は、戸惑う。
薫「・・・・ふく」
そんなましろに薫が言おうとした時だった。
鈴「私が行きます!!」
何と鈴が二人を助けに行くと言い出した。
『えっ!』
鈴の言い出しに3人は、驚く。
普通なら、怖がって、引っ込む鈴なのに
とは言え、鈴は、2人の救助に向かう。
鈴「艦長!手伝ってください!!」
更に鈴は、明乃にも協力を申し出る。
明乃「は、はい!」
明乃は、直ぐに承諾する。
鈴「副長!後はお願いしても良いですか?」
鈴は、ましろに留守をお願いするが
ましろ「えぇ!?…ああ、い、いや・・・」
鈴の予期せぬ事にましろは、困惑していた。
薫「副長は、困惑しているから、後の事は、私が何とかするわ!!・・・2人とも気を付けてね!!」
困惑するましろに代わって、薫が指揮を執る。
明乃「教官、後をお願いします!!・・・総員、艦の安全が最優先・・・万理小路さん、他に機雷がないか徹底的に調査を・・・」
『了解!』
薫に留守を任せ、鈴と明乃は、2人の救助に向かう。
薫(ありがとう知床さん!!)
薫は、鈴が戸惑う明乃を連れ出してくれて、感謝していたが
ましろ「・・・・違う!」
明乃と鈴の行動にましろが
幸子「え?」
ましろ「常に艦で指揮をするのが艦長でしょ!!・・・オールウェイズオンザデッキってそういう事じゃないのか・・・!!」
とまたしても切れ、心の底から叫ぶ。
薫「ん・・」
それを見かねた薫は
バチ!!
ましろを引っ叩く。
『あっ!?』
ましろが薫に叩かれたのを見て、艦橋に居る皆は、唖然する。
薫「いい加減にしなさい!!・・・艦長と航海長が2人を救助しようと助けに行ったのに、貴方は、何しているの!!・・・唯見ているだけなの・・・違うでしょ!・・・副長なら、自分がする事ぐらい分かっているでしょ!!」
薫は、ましろに呆れていた。
何か起こったら、いつも助けに飛び出す明乃に比べて、ましろは、何時も何もせず、唯当たり前の事をしているだけ
何故、自分から行くと言わないのか、そんなましろに薫は、腹が立って仕様なかったのだ。
ましろ「・・・・・・」
薫に怒られ、ましろは、何も言い返せず、薫に叩かれたほっぺを手で押さえる。
薫「ほら・・・早く指揮を取りなさい・・・」
そんなましろに薫は、無理やり指揮を取らせる。
ましろ「・・・は、はい・・・」
薫に強制され、ましろは、空しく明乃に代わって指揮を取り、甲板に媛萌と百々と美波を待機させるよう命じる。
スキッパー
鈴「私は、嬉しかったよ!」
明乃「え!?」
鈴は、明乃の背中に手と顔を当てながら言う。
鈴「岬さんは、逃げ回ってばかりだった私を認めてくれた!!」
明乃「・・・・」
鈴「私は、理想の艦長がどんなのかは全然分かんない・・・でも、うちの艦長が岬さんで良かった。」
鈴は、自分を認めてくれた明乃が艦長で良かったと感謝する。
明乃「・・・・ありがとうリンちゃん!!」
鈴の言葉を聞いて、明乃は、嬉しく思い、遭難した理都子と果代子の元に向かう。
安全装置の中
果代子「・・・・ん!?」
その頃、機雷の爆発に巻き込まれた果代子は、爆発と同時に作動した安全装置の筏の中で目を覚ます。
果代子「あれ‥‥?私如何したんだっけ‥‥?あっ、掃海に出ってて‥‥そうか‥‥安全装置の中‥‥」
果代子が何で自分が安全装置の中に居るのかを思い出した。
果代子「りっちゃん!りっちゃん何所・・・!?」
そして、果代子は、一緒に乗っていた理都子の事を呼ぶが、彼女の姿は見当たらない。
果代子「はっ・・・!?」
そして、波によって安全装置が大きく揺れ、果代子の不安が恐怖へと変わる。
果代子「誰か助けに来てくれるかな‥‥?くれるよね?絶対‥‥」
果代子は、恐怖のあまり、肩が震えてきて、このまま誰か助けに来ないんだろうと思った時だった。
そんな時、出入り口のチャックが開けられる音がして、誰かが中を覗き込んで来る。
果代子「きゃぁ・・・・!!」
果代子は、等々耐え切れなくなり、悲鳴を上げる。
明乃「かよちゃん・・・大丈夫!?」
出入り口から現れたのは、2人の救助に向かった艦長の明乃だった。
果代子「!?」
明乃「さあ・・・掴まって!!」
明乃が果代子に手を伸ばす。
果代子「あっ・・・艦長‥‥」
果代子が明乃の手を掴み、安全装置から外へ出ると
理都子「かよちゃん!!」
果代子「あっ!?」
果代子の目の前に一緒に乗っていた理都子の姿が有った。
理都子の方も既に鈴に救助されており、見た所大した怪我はない様子。
果代子「りっちゃん‥‥良かった‥‥」
理都子の無事な事に思わず涙を流す果代子であった。
晴風、艦橋
まゆみ「はっ!?・・・救出に成功!!」
『やった・・・・!!』
艦橋から双眼鏡でその様子を見ていたまゆみが報告をすると、艦橋に歓喜の声が沸き上がる。
ましろ「・・・・」
そんな中、ましろは4人が無事に帰ってきた事に喜びを感じつつも、どうも浮かない顔をしていた。
それを見た薫が
薫「そんな顔しないで副長!・・・折角、2人が無事だったんだから、此処は、喜ぶべきよ!」
と言って、ましろを慰めようとするが
ましろ「・・・・」
薫「ましろちゃん・・・」
ましろは、薫の言葉に耳を貸さなかった。
やはり、ましろは、明乃のやり方を許さなかったのだろう。
その後、救助された理都子と果代子は、晴風に収容され、2人に代わって、後の掃海は、媛萌と百々が替わりに行い。
数時間後、進路上の機雷は、全て処理された。
残りの機雷は、海図に位置を記録して、横須賀女子海洋学校に報告、その後、学校から残りの機雷については、ブルーマーメイドとホワイトドルフィンが掃海する事になった。
機雷原を抜けた晴風は、再び武蔵の捜索へと進路を南へと取る。
晴風、炊飯所兼食堂室
やがて、時刻は、夕方となり、美甘は、ミーナの為に用意したドイツ料理を出す。
美甘「えーと‥‥先ず、ドイツ料理と言えばコレ!・・アイスバイン!」
まず、最も代表的なアイスバインを出すが
ミーナ「うーん‥北方の料理でうちの方ではシュバイネハクセ‥‥つまりローストする事が多かったな・・・」
美甘「えっ?」
同じドイツ料理でも地方によって、作り方が違う様で、ミーナの故郷とは違う作り方をしてしまい、ミーナからいきなり駄目出しを受ける美甘。
美甘「じ、じゃあ次は定番!ザワークラウト!」
だが、1度目では諦めず、次は、定番のザワークラウトを出すが
ミーナ「チッ、チッ、チッ、ザワークラウト・・それとこれは酢漬けのキャベツじゃな・・・本当は、乳酸発酵させるのが本物じゃあが‥‥」
またしても駄目出しを食らう美甘。
美甘「うっ、つ、次はカツレツ!」
だが、それでも諦めず、今度は、カツレツを出す。
理都子「とんかつだね・・・」
果代子「カツってドイツ料理なの・・・?」
理都子と果代子がカツレツを見て、意外そうに呟いた。
ミーナ「おお、シュニッツェルじゃな!・・・我が国では、こんなに厚く切らないぞ!」
ミーナは美甘の作ったカツレツの厚さを見て、ドイツとは、違い、厚く切り過ぎだと駄目出しを食らう。
美甘「うっ、つ、じゃあこれぞ真打!ドイツ料理と言えばやっぱりハンバーグ!!」
追い詰められた美甘は、遂に最後の料理、ハンバーグを出す。
ミーナ「これは・・フリカデレか?ドイツではあまり見かけない料理だぞ‥‥」
美甘「ええぇ・・・・・・!!」
ハンバーグは、ドイツ料理だと思っていた美甘であったが、ミーナの駄目出しで彼女の作った料理は全て全滅した。
ミーナ「それよりこの蒸かしたジャガイモとアイントプフは美味しそうじゃな・・・」
ミーナは、美甘の作った料理より、隣に置いてある誰かが作ったドイツ料理を気にいる。
ミーナ「ワシは、他にヴルストがあれば海では文句は言わんぞ!」
美甘「これ誰が作ったの・・・!?」
美甘は、涙を流しながら誰が作ったのかと問う。
『私達です‥‥』
何とこの料理を作ったのは、杵﨑姉妹で、2人は、気まずそうに手を上げる。
美甘「ガ、ガーン・・・!!ま、負けた・・・」
バターン
その事実を知った美甘は、ショックを受け、その場に倒れた。
ミーナは美味しそうに杵﨑姉妹が作ったジャガイモを使ったドイツ料理を食べ始める。
薫「まぁ、外れはしたけど、十分美味しいわよ伊良子さん!!」
薫が美甘をフォローしようと、彼女の作ったドイツ料理モドキを口にする。
薫「ミーナさんも伊良子さんが折角作ったんだから、食べて見て、美味しいわよ!!」
ミーナ「おお、そうじゃな!」
皆がワイワイとドイツ料理を食べている様子を見ていた明乃は、微笑むのであった。
晴風、医務室
その頃、晴風の医務室では
美波「一応、抗体らしき物は出来た・・・本当にこれが効けば良いが・・・」
美波が何かの液体が入った試験管を置き、1本の注射を手に持ち、背後に居る媛萌と百々の方へと顔を向ける。
百々は、媛萌を羽交い絞めする。
美波「これを知るは、これを行うに如かず・・・学はこれを行うに至りて、止む‥‥」
美波は、注射を持ち媛萌に近づく。
媛萌「止めて美波さん!!」
媛萌は、美波が手に持っている注射を自分がやると思い声を上げる。
媛萌「止めて・・・!!」
美波「何かあったら止めるんだぞ・・・」
媛萌「うっ・・・かぁ・・・・!!」
媛萌は思わず顔を背けて目を閉じる。
しかし、いくら待っても注射針を刺される様な痛みが来ない。
恐る恐る目を開けてみると、美波は自分の腕に注射をしていた。
媛萌「美波さん‥‥注射を打つんなら消毒ぐらいしなよ、バイ菌が入ったら大変だよ・・・」
と、百々に羽交い絞めにされながら媛萌は、美波に一言そう呟いた。
そんな時、医務室のドアが開き
薫「・・・何をしているの貴方達!?」
炊飯所兼食堂室に居た筈の薫が医務室にやってきた。
媛萌『きょ、教官!?』
美波「・・・・」
薫「鏑木さん何をしているの!?」
医務室にやってきた薫は、目の前の光景を見て、何をしているのかと美波に問う。
美波「・・・人体実験」
薫「何て事を!?・・・貴方達、何で止めなかったの?」
人体実験と聞いて、薫は、何故止めなかったのか、媛萌と百々を責める。
媛萌「私達は、その・・・・」
百々「やばいッス!」
薫に責められ2人は、困惑する。
美波「2人を責めないでほしい教官・・・これは、私が勝手にした事・・・」
美波は、これは、全て自分が勝手にした事と2人を庇う。
薫「それなら、何で人体実験をする時、私を呼ばなかったの?」
薫は、人体実験をする時、何故自分を呼ばなかったのか問う。
美波「その必要は、無かった・・・人体実験なら、私だけで事足りる。」
しれに対して、美波は、人体実験は、自分だけで十分だと言うが
薫「そんな事を言ってるんじゃないの・・・私は、鏑木さんが心配なの!・・・もし鏑木さんに何かあったら、私・・・」
薫は、そんな事は、関係なく、美波を叱る。
もし人体実験が失敗し、それで美波が死んだら、薫は、それに耐えられなかったかもしれない。
ましてや美波は、大事な生徒なのだから
薫は、美波の事が心配だったのだ。
美波「・・・教官」
薫「もう絶対に1人で勝手にしないで・・・良いわね鏑木さん!!」
薫は、もう勝手に人体実験しないよう美波に約束させる。
美波「・・・・分かった。」
美波は、大人しく承諾する。
『・・・・』
その光景を見ていた媛萌と百々は、流石は、教官だと、感心していた。
こうして、ウイルスに対する抗体の研究は、着々と進んでいる。
横須賀基地
一方、日本本土の横須賀基地から龍之介率いるGフォース西部方面艦隊が武蔵、その他の艦艇の捜索に向けて出撃しようとしていた。
空母大鳳、艦橋
龍之介「出港用意!・・・艦長代理!」
美奈「はっ!・・・出港用意!錨上げ!!」
出港用意の号令の元、空母大鳳以下の艦艇は、錨を上げ、出港用意をする。
既に基地に置かれていた艦載機は、全て積み込みが完了し、更にあの新型試作戦闘機烈風も大鳳に積み込まれていた。
烈風は、まだ飛行テストを終えていなかったが、真霜の進言で今回の任務にテスト兼実戦に使用する事になった。
それと今回の出撃に先立ち、先に武蔵と戦闘した東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊の残存艦艇3隻が龍之介のGフォース西部方面艦隊と合流した。
しもつき、艦橋
東舞校の主任「教頭先生!!・・・今回の出撃で何故、我々まで…」
主任は、今回の出撃に先の戦闘で被害に遭った東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊が何故、駆り出されたか問う。
東舞校の教頭「恐らく任務に失敗した我々に対する懲罰だろう。」
教頭は、先の戦闘に敗北した懲罰だと考えているが、実は、今回の教員艦隊の再出撃は、懲罰ではなく、Gフォース西部方面艦隊への補充だった。
前も言った通り、龍之介が率いるGフォース西部方面艦隊の戦力は、空母1隻に巡洋艦1隻、護衛艦1隻、補給艦1隻しかない。
これでは、空母大鳳の護衛が2隻しかいない。
もし大鳳を失えば、武蔵に対抗する唯一の戦力を失ってしまう。
それを考えた深町は、東舞鶴男子海洋学校の嶋田校長に余力をお願いし、武蔵との戦闘の時、遅れて戦場に駆け付けたあきづき型教員艦3隻を合流させたのだ。
空母大鳳、艦橋
実「しかし、深町国交相には、驚きました!?・・・雅か、補充があるとは・・・」
龍之介「それだけ我々に期待しているんだ・・・最早国内には、武蔵とまともに戦闘出来る艦艇は、残っていないからな・・・」
龍之介は、現状を言いながら、ある事を思い出していた。
それは、出撃の数時間前の事、龍之介が出撃前に功と古庄が入院している横須賀病院にお見舞いに行った時の事
横須賀病院、病室
功「そうですか・・・やはり行かれるのですか?」
龍之介「ああ、もうこれ以上、薫達だけに任せる訳にはいかない、早急に武蔵を捕獲しなければ・・・・」
龍之介から現状や任務の事を聞き
功「ん・・・正直悔しいです・・・私も行かなければならないのに・・・」
手を拳に変えながら、悔しがる功。
龍之介「参謀は、まだ、体が治っていない、無理は、禁物だ!!」
功「・・・・」
龍之介「ふっ・・・・功の事をお願いします・・・古庄教官!!」
龍之介は、功を古庄に託す。
古庄「ええ・・・貴方も如何かご無事で・・・」
託された古庄は、龍之介にも如何かご無事でと言うが
龍之介「心配は、いりません・・・俺には、あいつが居るから、大丈夫です!!」
龍之介には、真霜が付いているので、心配いらなかった。
時系列は、艦橋へと戻る。
空母大鳳、艦橋
龍之介「さて、そろそろ行くか!」
そんな事が有りながら、龍之介は、武蔵の捜索へと向かう。
美奈「両舷前進微速!!」
機関が始動し、各艦艇は、出港する。
艦が埠頭を離れようとした時
信吾「准将!埠頭から手を振っていますよ!」
埠頭から誰かが手を振っていた。
龍之介「ん?」
龍之介は、デッキに出て見ると
龍之介「真霜!?・・・見送りに来てくれたのか?」
何と手を振っていたのは、真霜だった。
龍之介「あいつ・・・こんな忙しい時に態々、俺の為に・・・」
武蔵捜索で忙しい中、態々見送りに来てくれた様で、そんな真霜に龍之介は、嬉しくなり手を振る。
龍之介「目指すは、武蔵!!・・・待っていろ薫!!」
こうして、Gフォース西部方面混成艦隊は、武蔵とその他の艦艇捜索の為、横須賀を出撃して行った。
画して、武蔵捜索に龍之介達も加わる事になった。
その頃、とある太平洋沖
ゴォォォォ・・・・・!!!
海底の地の底から、まるで何かが目覚めた様に、その巨大な生き物は、今動き出そうとしていた。