ハイスクール・フリート Gフォース   作:首都防衛戦闘機

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第23章 嵐でピンチ!

4月19日

 

小笠原沖

 

横須賀を出撃した龍之介達だったが、出港して、3日目の事、武蔵捜索の為、哨戒に出そうと早期警戒機E2Gを発進させようとした時だった。

 

射出用カタパルトの全てが故障してしまい発進不能に陥った。

 

更に同じくして、今度は、艦載機用エレベーターも故障した。

 

龍之介「急いで出したとは言え、雅か直ぐ故障するとは・・・・ついていないな・・・・」

 

龍之介達は、早くもこれらのトラブルに悩まされた。

 

とは言え、修理に2日が掛かり、修理完了後、ようやくE2G 2機を飛ばし、捜索を開始した。

 

E2Gが飛ぶ光景を艦橋で見ていた東舞鶴男子海洋学校の教員達は、

 

東舞校の主任「あれが噂に聞いていた航空機ですか!?」

 

東舞校の教頭「ああ、まだ試作中らしいが、実際見るのは、初めてだ!!」

 

東舞鶴男子海洋学校の教員達も航空機の事は、知っていた。

 

まあ、航空機などの技術は、ブルーマーメイドやホワイトドルフィンのみに提供する事が決まっているのだから、知っているのは、当たり前だが、実際に航空機を見るのは、初めてだろう。

 

とは言え、トラブルに悩みながら、武蔵を捜索をしている頃、薫が居る晴風でも甚大なドラブルが起きていた。

 

4月22日

 

20:30

 

マリアナ沖

 

晴風、大浴場

 

それは、砲雷科の光、美千留、順子、楓、理都子、果代子の6人が、入浴している時だった。

 

光「くうう・・・・!!」

 

美千留「んふふ・・・」

 

順子「気持いー!!」

 

果代子「全方位、泡わだね・・・」

 

理都子「ああもう髪の毛ギシギシ!!」

 

光、美千留、順子が気持ち良さそうにシャワーを浴び、果代子が辺りが泡わだと言いながら、隣では、理都子が自分の髪がギシギシになったのを気にしていた。

 

そんな時

 

楓「はあ・・・・ん!?・・・これは・・・」

 

光、美千留、順子と同じくシャワーを浴びていた楓は、ある事に気づく。

 

光「まりこう、如何したの?」

 

何かに気づいた楓に如何したかと問う光。

 

すると、楓は、シャワーを浴びるのを止め、タオルを体に巻いて

 

楓「お亡くなりになります…」

 

そう呟くと、シャワーからお湯が出なくなった。

 

光「ま…雅か…」

 

光は、震えながら、お湯が無くなったのに気づく。

 

この日から晴風は、深刻な水不足になったのだ。

 

その頃、艦橋では、薫と明乃達が海図と睨めっこをしていた。

 

幸子「マークされたのが、武蔵が目撃された位置です」

 

海図の上には武蔵の目撃地点に印がされているが、法則性がなく、どの位置に居るかは、不明であった。

 

明乃「何所へ向かうつもりなのかな・・・?」

 

幸子「んん・・私の推測ですが、本土に近づきたいのかも…」

 

薫「情報が少なすぎるから、そう断定するのは、速いわ・・・」

 

芽衣「学校からは、武蔵を追いかけろって言われたんだよね!」

 

ましろ「救援部隊が出てるとは言え、現在、確実に連絡が取れて、直ぐに動ける艦が我々しかないらしい‥‥」

 

現在、龍之介達の部隊が増援に出ているが、その他の艦艇は、武蔵以外の行方不明の艦艇を捜索中で、今現在、直ぐに動ける艦は、晴風のみだった。

 

芽衣「あぁ~あ、美波さんが言っていた通り、皆あのネズミっぽいのに如何に課されちゃったのかな?」

 

薫「その可能性はあるわね・・・・恐らく武蔵も・・・」

 

幸子「取り合えずは、この海域で捜索して見るしか無いですね?」

 

と言う事で取り合えずは、この海域で武蔵を捜索する事になった。

 

そんな中、お風呂に入っていた光達からシャワーが止まったと言う連絡が入り、知らせを受けた薫と明乃、ましろ、幸子、応急委員の媛萌、百々が艦底の貯水タンク室に向かう。

 

晴風、貯水タンク室

 

貯水タンク室に付き、媛萌と百々は、タンクの残水量を確認する。

 

すると、タンクの残り残水量がかなり減っていた。

 

媛萌「艦長・・・!!以上見当たりません・・・タンクの修理はした筈なんだけど・・・」

 

百々「まだ何処からか漏れてた見たいッス!」

 

武蔵との戦闘後、貯水タンクの修理はしたものの、何処かで水が漏れてた様だ。

 

更に運が悪く蒸留装置も今は不調で海水からの蒸留が出来ない状態となっている。

 

ましろ「補給を要請するしかないですね、かんちょ・・・」

 

明乃「うん…そうだね・・・」

 

薫「・・・・」

 

2人の関係は、まだ修復できていない様で、その様子を横で見ていた薫は、2人を見つめる。

 

幸子「はぁ・・・補給艦と合流できるのは5日後です!」

 

ましろ「それまで節水だな・・・」

 

残念ながら、補給艦と合流できるのは5日後でそれまで水は、持たないだろう。

 

となるとやる事は、水の使用量を減らす事、つまり節水である。

 

薫「そうね!・・・しばらくは、皆には、海水で我慢して貰うしかないわね・・・最も皆が我慢できればの事だけど・・・」

 

だが、晴風の生徒が節水に我慢できるか、薫は、不安だった。

 

何故なら、この前のトイレットペーパーの件で晴風の生徒がトイレットペーパーを無断で使用する生徒が多かったので、2週間分のトイレットペーパーがあっという間に無くなってしまった。

 

今回も貯水タンクの水漏れが原因だが、一番の原因は、水の使い過ぎである。

 

晴風の生徒は、飲み水以外、洗濯や特に入浴に水をかなり使っている。

 

普通なら、洗濯や入浴には、海水を使うのだが、晴風の生徒の大半が海水を使うのが嫌だった。

 

今から、海水を使うとして、晴風の生徒が我慢できるのか、答えは、直ぐに出る。

 

明乃「ココちゃん、天気図見てくれる?」

 

幸子「はい!」

 

こうして、晴風の辛い五日間の節水生活が始まった。

 

4月25日

 

10:40

 

晴風が節水を始めてから3日後、節水している晴風の生徒の反応は

 

晴風、医務室

 

聡子「あぁ~喉乾いた・・・」

 

医務室では、ベッドで 聡子が横になりながら喉乾いたと愚痴る。

 

美波「ラムネを飲めば良かろう」

 

美波はパソコンを打ちながら、ラムネを飲めば良かろうとあっさりと 聡子の愚痴を返す。

 

聡子「もう飽きたぞな・・・」

 

如何やら、毎日ラムネばかりだから本人としては、飽きてしまった様だ。

 

美波「そうか」

 

慧「太るしね・・・」

 

慧もラムネを大量に飲めば、太ると理由を話す。

 

確かに、近頃の乙女は、体重は気にするのだ。

 

晴風、教室

 

あかね「お水を使わないメニューってあったかな?」

 

教室では、媛萌、百々、美甘、杵﨑姉妹が節水を呼び掛けるポスターや貼り紙を作っていた。

 

百々「トイレは如何するッス?」

 

あかね「えぇ嘘!?トイレ禁止?」

 

杵﨑姉妹がトイレの問題を心配をする。

 

媛萌「トイレ流すのは海水だから・・・」

 

百々「ああ、そっか!?」

 

媛萌がトイレは問題なく使用できる事を伝える。

 

ほまれ「あんなにトイレットペーパー買い込んだのに‥‥」

 

オーシャンモールでトイレットペーパーを買い込んだのが何だか無駄になった気分だった。

 

晴風、便所

 

洋美「・・・・・・ヒッ!?・・・ヒイィ・・・!? 」

 

便所で洋美が突然、悲鳴を上げる。

 

媛萌「ん?」

 

教室で作った節水ポスターを便所の入口の横の壁に貼ろうとした媛萌が洋美の悲鳴に気づく。

 

明乃「あっ!」

 

更に便所に入ろうとした明乃も気づく。

 

洋美「・・・誰だ!!塩水使ったのは!!」

 

『あっ!?』

 

洋美「出て来い!!どいつだ!!」

 

如何やら、まだ海水を使うと言う知らせがまだ行き届いておらず。

 

それを知らないで洋美が、ウォシュレットを使い、結果、洋美のお尻に海水が合わなかったみたいで洋美は、便所の中から怒声を上げる。

 

媛萌「忘れてった・・・・」

 

洋美の怒声を聞いた媛萌は、ヤバイ表情をする。

 

海水使用の被害は、便所以外でも

 

晴風、大浴場

 

芽衣「クロちゃんの話、聞いた?」

 

志摩「うぃ!」

 

大浴場では、芽衣と志摩が入浴する為、服を脱いでいた。

 

そして、2人は、入浴する準備ができ、入浴しようとした時、扉には、本日より浴槽とシャワーは海水を使用と書かれた貼り紙があった。

 

芽衣「あっちゃ・・・」

 

しま「うぅ・・・」

 

芽衣「3日ぶりなのに…洗うべきか?」

 

それを見た2人は、海水が使われている為、入浴するのを諦めるのか迷う。

 

しかし、3日も待ったので、身体や頭を洗いたい。

 

そんな時

 

薫「2人とも何してるの?」

 

後ろから薫が入浴しようとやってきた。

 

芽衣「でも教官・・・」

 

志摩「うぅ・・・」

 

薫「海水が何、こんなんじゃ、海の女にはなれないわよ!」

 

薫が強引に2人を入浴させる。

 

晴風、炊飯所兼食堂室

 

芽衣「‥‥」

 

志摩「‥‥」

 

薫に強引に入浴させられた結果、2人の頭は、ボサボサ状態になった。

 

ミーナ「何じゃ、その頭は?」

 

隣でミーナと幸子が2人のボサボサ状態について尋ねる。

 

芽衣「見事に爆発しちゃったね!」

 

志摩「うん・・・」

 

海水が2人の髪に合わなかった見たいで、そのせいで2人の頭は、ボサボサ状態となった。

 

そんな2人の横を

 

薫「うっふ~ん・・・まだまだ遠いね!」

 

楓「髪は女の命ですのに‥‥」

 

『あ・・・・』

 

同じ海水を使用した筈なのに薫や楓の髪はちっとも痛んでいなかった。

 

志摩「キラキラ‥‥」

 

芽衣「あれ・・・何で?」

 

ミーナ「知るか!」

 

全く痛んでいない薫と楓の髪を芽衣と志摩は、信じられないモノを見た様に見ていた。

 

数時間後

 

更に水不足は、生徒達の食事に影響している。

 

食事に関しては、なるべく水を使わない料理という事で缶詰食品が提供されたが

 

麗緒「鯖の水煮にトマトの水煮・・・」

 

留奈「ミックスベジタブルにカンパン‥‥」

 

麻侖「見事な缶詰料理だな・・・おい!」

 

桜良「贅沢言わない!」

 

留奈「まっ、しょうがないよ・・食べよう!」

 

麻侖「一雨降らねぇかな?」

 

麗緒「もう限界だよ・・・」

 

缶詰食品とは言え、生徒達は、嫌がったが、今の状況じゃ贅沢も言ってられないので、仕方なく食べるしかなかった。

 

晴風、洗濯室

 

まゆみ「如何しよう…」

 

鶫「パンツが潮の香りって嫌だよね…」

 

まゆみ「うん・・・」

 

秀子「何かね‥‥」

 

洗濯室でも洗濯に海水を使用しているので、特に下着を洗濯に出す事を嫌悪したり躊躇ったりする生徒も居た。

 

そんな中、晴風の生徒達が海水で苦労しているのに、薫は、難なく海水を利用している。

 

例えば、自分の制服や下着の洗濯は、洗濯機を使わず、甲板で、たらいに海水を入れて、洗濯をするし、また、先の様に入浴など海水なのに平気で入浴する。

 

そんな薫を皆は、『なぜ、教官は、平気なんだろう』『やっぱりブルーマーメイドだからかな』なだと思うが、薫が食堂室で缶詰め料理を平気で食べてると機関科の4人が・・・

 

麗緒「あのう教官!」

 

薫「ん!?・・・如何したの?」

 

桜良「皆が苦労しているのに教官だけ、何でそんなに平気なんですか?」

 

留奈「やっぱりブルーマーメイドだからですか?」

 

空「違うでしょう・・・」

 

4人は、何故、薫がそんなに平気なのか、聞いて見た。

 

すると

 

薫「んん・・・そうじゃないんだけど・・・・私が学生の時、乗艦していた艦が晴風見たいな艦で、しかも教官から水は、贅沢品だから、必要な時にしか使わない決まりにしたの・・・」

 

『ええ・・・!!!』

 

麗緒「何で?」

 

薫の話を聞いた4人は、驚く。

 

麗緒「何で?」

 

桜良「如何してですか?」

 

4人は、理由を聞く。

 

薫「それは、任務や活動が長い時だと、いざ必要な時に、無かったら大変でしょう。」

 

空「成程・・・」

 

留奈「でも、水が無くなったら、補給を要請すれば良いじゃない?」

 

薫「それは、無理よ!・・・水などの補給は、実習後でしか受ける事が許されていなかったし・・・もし無駄に水を使った事で無断で補給を受けたら、減点や罰が待ってたし・・・」

 

薫が入籍していた国防軍の江田島海士学校では、美由紀(教官時代の階級は、大尉)が教官をしていて、美由紀は、薫達生徒の忍耐力を試す為、長期間の水と物資の補給を禁止し、更に無断で補給艦と補給したら、減点や重い罰(頭丸坊主と腹筋200回で3ヶ月の外出禁止と反省文の提出)が待っていた。

 

それに耐えられなかった生徒は、無断で補給艦と補給して、減点や重い罰を受け、更には、自首退学(退学するなら、今までの学費を全額返済する事になる。)する者も居た。

 

薫と次郎が乗艦していた駆逐艦そよかぜ(学校内で最低クラス)は、この試練に耐え抜く事が出来たのは、雅に2人の指揮と乗員の活躍が有っての事だ。

 

留奈「うわぁ・・・罰は、嫌だな・・・」

 

話を聞いた留奈は、嫌そうな顔をする。

 

桜良「そうね・・・」

 

空「て言うか・・・一番罰を受けるのは、留奈かもね!」

 

留奈「何で私よ!!」

 

空「入学試験で留奈・・・補欠合格だったじゃん!」

 

ギク!?

 

麗緒「そう言えば、合格発表の時、留奈・・確か自分が合格の枠に入っていなかったんで、ショックで人間なんて辞めてやるぅとか言って、海に飛び込んだ事が有ったね!」

 

2人は、入学試験の合格発表の時の出来事を思い出す。

 

ギクギク!?

 

桜良「そうそう・・・それで留奈、溺れたもんね・・・」

 

留奈「や、止めて・・・!!それ言わないで・・・!!」

 

思い出したくもない事を思い出され、留奈は、困惑する。

 

『ハハハ・・・!!』

 

困惑する留奈に3人は、笑う。

 

薫(な、何か、この4人の将来不安になってきた・・・・)

 

それを見ていた薫は、4人の将来が不安になった。

 

晴風、艦橋

 

ガフ!!!!

 

艦橋では、ましろがラムネを飲んで、堆げっぷをしてしまう。

 

ましろ「はっ!?」

 

堆げっぷをして、顔を赤くするましろ。

 

明乃「あっ!?・・・炭酸駄目なのシロ・・・副長・・・」

 

ましろが炭酸ダメなのに気づいた明乃だが、まだましろに言いきれなかった。

 

隣では、幸子が百々が作った節水に関する同人誌を読んでいた。

 

すると

 

鈴「あ、あのう・・もう直ぐ霧の中に入ります。」

 

鈴がもう直ぐ濃霧の中に入ると言った。

 

明乃「あっ、うん!」

 

晴風は濃霧の中へと入って行く。

 

明乃「サトちゃん探照灯をお願い。」

 

濃霧の中で衝突を避ける為、探照灯を照らす。

 

明乃「ココちゃん霧笛鳴らして!!」

 

ボォォォォー

 

更に霧笛を鳴らす。

 

その様にして、濃霧の中を航行していると

 

晴風、甲板

 

ポタ

 

理都子「ん?」

 

ポタ

 

果代子「あっ!?」

 

ザァァァァー・・・・

 

『ああ・・・・雨だ!!』

 

雨が降り始めた。

 

生徒達は、大喜びし、直ぐに水着に着替えて甲板に出る。

 

何人かは、雨水を貯めるバケツを置いて、雨水を貯め、それ以外は、塩けだらけの身体を洗う。

 

薫も黒のビキニ水着に着替えて、身体を洗った。

 

しばらくして、生徒達が雨に浮かれている時だった。

 

明乃「私も手伝うよ・・・・!!・・・あっ・・・」

 

雨が段々強くなり、更に強風が吹き、波で艦が大きく揺れ始めた。

 

晴風、艦橋

 

志摩「うぃぃ・・・」

 

ましろ「雨水貯めると頃じゃないぞ!」

 

晴風は、低気圧の中に突っ込んでしまった様だ。

 

晴風、甲板

 

あかね「いたい・・・・」

 

ほまれ「揺れる・・・・」

 

艦が大きく揺れ、甲板に立てないほどに強くなり

 

薫「不味い!?・・・皆、急いで艦内に・・・」

 

それを見た薫は、皆に急いで艦内に戻るよう告げる。

 

媛萌「ああ・・・折角貯めた水が・・・」

 

百々「撤収ッス!撤収!大低気圧ッス・・・!!」

 

不足していた水は、何とか半分は、確保できたが、後の半分は、甲板に置きっぱなしになり、諦めざるおえなくなった。

 

バーン!!

 

低気圧は、酷くなり、マストに雷が落ちた。

 

明乃「・・・うわぁ・・・・!?」

 

雷が落ちた事に明乃は、怖がって蹲る。

 

其処へ、薫が逃げ込んできて

 

薫「危機一髪ね!・・・ん?・・・艦長?・・・何してるの?」

 

扉のとこで蹲ってる明乃を見つけた薫は近寄る。

 

薫「如何したの艦長?・・・具合でも悪いの?」

 

明乃「だ、大丈夫です。」

 

明乃はゆっくりと立ち上がるが

 

バーン!!

 

明乃「うわぁ・・・・!?」

 

待たしても、雷が落ち、怖がる明乃は、堆、薫に抱き付く。

 

薫「ちょっと本当に大丈夫なの?」

 

美波「艦長、教官にお話が・・・」

 

その時カッパを来た美波が来た。

 

『へっ?』

 

晴風、艦内

 

鶫『荒天につき上甲板の通行は禁止します・・・繰り返します・・・』

 

鶫が艦内放送で上甲板の通行を禁止する旨を伝える。

 

そんな中、慧とマチコは、洗濯物を運んでいた。

 

慧「上通れないと不便だよね!」

 

マチコ「・・・・」

 

慧「今日のご飯何だろう?」

 

そう言いながら、洗濯物を運んでいると

 

麗緒「でその時さ、相手の友達がね・・・」

 

反対側から麗緒と桜良がやって来て

 

『あっ!?』

 

4人は、出くわしたが

 

慧「どうぞ!」

 

慧とマチコは、直ぐに右側に寄り、2人に道を譲る。

 

麗緒「へへサンキュー!!」

 

麗緒と桜良は、そのまま通るが

 

慧「ぷぅ!?」

 

桜良「御免ね・・・」

 

狭い艦内の為、慧の顔が桜良の大きな胸に埋もれる。

 

『うう・・・』

 

慧「ぷはぁ・・・!!」

 

桜良「よいしょ・・・」

 

勢いで何とか桜良の胸から脱出する。

 

慧「はぁ・・・!?」

 

桜良の胸から脱出した慧は、今ので不思議な体験をした。

 

晴風、艦橋

 

その頃、艦橋では、当直の明乃と鈴の姿があった。

 

鈴「凄い‥‥あっ!?」

 

凄い時化に鈴が驚いていると

 

明乃「うう・・・」

 

隣で明乃がカタカタと震えていた。

 

鈴「岬さん、如何かしたの?」

 

心配になった鈴が明乃に声を掛ける。

 

明乃「う、うん‥‥ちょっと‥‥」

 

明乃がそう答えた瞬間

 

バーン!!

 

目の前に雷が落ち。

 

明乃「うわぁ・・・!?」

 

明乃は悲鳴を上げて、蹲る。

 

明乃「御免…私もう・・・・当直代わって貰ってくる!!」

 

最早限界になり、明乃は、艦橋を急いで降りて行った。

 

バーン!!

 

明乃「うわぁ・・・・・・!?」

 

降りて行く途中、またしても雷が落ち、明乃は、悲鳴を上げながら駆け降りる。

 

晴風、売店

 

美海「やだぁ・・・!!かっこいい!!」

 

売店では、マチコが寝間着姿のまま歯を磨いていて、側で美海がマチコに見とれていると

 

バーン!!

 

再び雷が鳴り

 

明乃「うわぁ・・・・!?」

 

更に明乃が悲鳴を上げて、マチコの胸に飛び込んできた。

 

美海「ああ・・!?わ、私のマッチが・・・!!」

 

それを見た美海は、驚愕する。

 

隣で美甘が美海を落ち着かせようとするが

 

美海「これが落ち着いていられるか!!成敗する!其処になおれ!!」

 

美海は、落ち着いていられず、マチコから離れる様、明乃に命令する。

 

マチコ「か、艦長!?」

 

明乃「うう・・・」

 

だが、明乃は、雷で完全に怯えていた。

 

晴風、副長室

 

その頃、ましろの部屋では

 

ミーナ「マユゲ抜くんも」

 

幸子「同じ事なんでい!」

 

ミーナと幸子が任侠映画を見ていた。

 

ミーナ「此処、えぇよな?」

 

幸子「激しく同意であります!!」

 

2人が熱心に見ていると

 

ましろ「如何して、私の部屋で見るんだ?」

 

隣で勉強をしていたましろが何故、自分の部屋で見るのか尋ねると

 

幸子「あっ、私の部屋にテレビ無いんで‥‥」

 

幸子の部屋には、テレビが無かった。

 

ミーナ「副長も見るか?」

 

ミーナが一緒に見ないかと誘うが

 

ましろ「いい」

 

ましろは、あっさりと断る。

 

しばらくして、

 

トントン

 

ましろ「あっ!?」

 

ましろの部屋をノックする音が聞こえた。

 

明乃「副長‥その‥夜分にすみません‥‥」

 

訪ねて来たのは、明乃だった。

 

ましろ「・・・何です?」

 

ましろは、不気味な顔で明乃に何の用か尋ねる。

 

明乃「あ、悪いんだけど…当直代わってもらえる・・・?」

 

明乃は、ましろに当直を代わってくれる様、頼みに来たのだ。

 

すると、映画を見ていたミーナと幸子が

 

ミーナ「如何したんなら?」

 

幸子「ゆうてみぃ!」

 

ヤクザ見たいな言い方で明乃に理由を聞く。

 

明乃「・・・ちょっと凄くて‥‥」

 

ましろ「・・・・」

 

ミーナ「何がじゃ?」

 

幸子「ゆうてみぃ!」

 

明乃「‥‥雷」

 

ましろ「ん!?」

 

幸子「ほうか・・・分かった。」

 

明乃から理由を聞いた途端、幸子が立ち上がり

 

幸子「ほいじゃあ・・・行ってくるけぇの・・・・風下には立たんけぇ・・・」

 

明乃の代わりに当直に立つと言って部屋を出る。

 

明乃は、しばらく落ち着くまで、ましろの部屋に居る事にした。

 

ましろ「そろそろ寝たいんですが?」

 

ましろは、そろそろ寝ようとしたが

 

ミーナ「そんなに雷が怖いのか?雷はヘソを盗ったりせんぞ?」

 

ミーナは、何故明乃が其処まで雷を怖がるのかを尋ねる。

 

明乃「雷が怖いっていうか…」

 

ミーナ「じゃあ何だ?」

 

明乃「唯…思い出すの・・・」

 

明乃は、ポケットから懐中時計を出し、雷が怖い理由を2人に話す。

 

此処で時系列は、少し戻る。

 

晴風、艦橋

 

一方、薫は、懐中電灯を持って艦に異常発生してないか確認し、艦橋に戻ってきた。

 

薫「異常はない・・・・あれ?・・・・艦長は?」

 

薫は、当直に立っている筈の明乃の姿が無い事に気づく。

 

鈴「岬さんなら、さっき当直を代わると言って、出て行きましたけど・・・」

 

薫「え!?岬さんが・・・・・・」

 

鈴「何か雷を見て、怖がっていましたけど・・・」

 

薫「雷・・・・分かったわ・・・ちょっと探してくるわ!!」

 

鈴「あっ・・・教官!」

 

薫(さっきから艦長の様子が可笑しいわね?)

 

薫は、雨水の時やさっきの事と言い、明乃の様子が可笑しいと思い、明乃を探す。

 

晴風、通路

 

幸子「あっ、教官!?」

 

明乃を探していると偶然、当直に向かう幸子と出会う。

 

薫「あら納沙さん、こんな時間に如何したの?」

 

幸子「艦長の代わりに当直にこれから艦橋に行くところです。」

 

薫「えっ!?艦長が・・・・艦長は、今何所に?」

 

幸子「多分・・・まだ副長室だと思いますよ!」

 

薫「副長室ね・・・ありがとう。」

 

幸子から明乃の居場所を聞き、薫は、ましろの部屋へと向かう

 

副長室

 

薫「此処ね!」

 

ましろの部屋の前に着きドアをノックしようとしたその時

 

明乃「唯…思い出すの・・・」

 

薫「ん?」

 

薫はノックを止め、静かにましろの部屋に入る。

 

明乃「あっ!?」

 

ミーナ「ん・・・教官!?」

 

薫「その話・・・もう少し詳しく聞かせてくれない・・・岬さん!」

 

薫も明乃の話を聞こうと隣に座る。

 

明乃は、3人にある過去の事を話す。

 

それは、明乃がまだ小学生の頃、両親と乗っていたフェリーが嵐で岩礁に座礁する事故が起きてしまった。

 

アナウンサー『・・・救難信号を受信中・・・間もなくブルーマーメイド隊がやって来るまで、落ち着いて、誘導員の指示に従ってください』

 

小学生の頃の明乃「お母さん痛い・・・」

 

直ぐに乗員には、避難命令が発令され、明乃は、両親に連れられ急いで甲板へと向かう。

 

甲板には、大勢の乗員が海に飛び込もうと集まっていて、下には、既に救難ボートが海に飛び込んだ乗員を救助していた。

 

明乃の父「明乃、早く海に飛び込みなさい!」

 

明乃の母「急いで!」

 

2人は、急いで飛び込むよう明乃に言うが

 

小学生の頃の明乃「お父さんとお母さんは?」

 

幼い明乃は、余りの高さに戸惑う。

 

明乃の父「早く!!」

 

それでも2人は、急いで飛び込むよう迫る。

 

その時

 

小学生の頃の明乃「うぁぁ・・・」

 

船が大きく傾斜し、甲板に居た明乃達乗員は、海へと投げ出された。

 

次に気が付いたら、既に救助に来たブルーマーメイドの救命ボートの上だった。

 

目の前には、座礁して左に大きく傾斜したフェリーがあった。

 

だが、それよりも明乃は、ある事に気づく。

 

小学生の明乃「お父さん・・・お母さんは?・・・何でいないの!?」

 

それは、避難の時に一緒に居た筈の両親の姿が無い事だった。

 

明乃は、必死に隣に居たBPF隊員に何でいないか問う。

 

だが、BPF隊員は、何も言わなかった。

 

小学生の明乃「・・・何で・・・・・・」

 

明乃は、愕然とし

 

小学生の明乃「お父さん・・・!!お母さん・・・!!」

 

フェリーに向かって、両親の名前を叫ぶ。

 

明乃「・・・私がもっと早く飛び込んでいたら・・・お父さんも・・・お母さんも・・・・もしかしたら・・・」

 

『・・・・』

 

話を聞いたミーナとましろは、何も言えなくなる。

 

だが、薫の方は

 

薫「それは、違うと思う。」

 

明乃「え!?」

 

薫は、明乃の言葉を否定した。

 

薫「貴方が早く飛び込んでいても、両親が死ななかったとは、限らないわ!!」

 

明乃「でも私が・・・」

 

薫「そんなに自分を責めては、駄目だよ!・・・死んだ両親もそんな事は、望んでいない・・・死んだ両親が望んでいるのは・・・」

 

その時

 

幸子『艦長!・・・救難信号です!!』

 

突然、伝声管からSOSを受信したと連絡が入る。

 

『えっ!?』

 

知らせを聞いた4人は、着替えて、急いで艦橋へと向かう。

 

晴風、艦橋

 

明乃「救難信号って何所から?」

 

幸子「新橋商店街船です・・・全長135m、総トン数14000、現在、左に傾斜中し船内に浸水している模様!」

 

SOSを送信していたのは、排水量14000トンの汎用貨物艦で嵐で暗礁に乗り上げ座礁した様だ。

 

現在、左舷に傾斜し、船内は、浸水中。

 

ましろ「乗員は?」

 

幸子「全乗員552名、現在避難中だとの事です。」

 

乗員は、全部で552名が乗船していて、現在避難中。

 

薫「近くに他の船は?」

 

幸子「我々が一番近いみたいです。」

 

如何やら近くで一番早く現場に向かえるのは、薫達の晴風のみだった。

 

明乃「ブルマー本隊に連絡して学校にも!」

 

『はい!!』

 

明乃は、直ぐにブルーマーメイドと横須賀女子海洋学校に連絡した。

 

薫は、受話器を持つ。

 

薫「此方航洋艦晴風、教官の山本薫です。」

 

新橋船長『此方は、新橋・・・ファラロップ南東13マイル地点・・・航行中に暗礁に乗り上げました・・・座礁時刻は15分前・・・現在も船体中央部がしょくていしています・・・』

 

薫「負傷者は?」

 

新橋船長『軽傷者が10名』

 

薫「浸水はありますか?」

 

新橋船長『左舷側は、あると思われます。』

 

薫「火災は、発生していますか?」

 

新橋船長『まだ確認しておりません。』

 

薫「了解しました・・・其方までの到達時間は約50分掛かります・・・それまで船長は、避難誘導を続けてください!!」

 

薫が新橋艦長と通信を終える。

 

薫「艦長!急いで現場に!!」

 

明乃「はい・・鈴ちゃん急いで!!」

 

鈴「りょ、了解!!」

 

晴風は、急いで現場へと向かう。

 

明乃『達っすーる!!・・・ウルシー環礁で座礁船発生!!・・・本艦は、これより当該船舶の救助に向かいます・・・海難救助よーい!・・・砲雷科と航海科で手の空いてる人は、準備を急いで!!』

 

明乃は、艦内放送で新橋の救助に向かう事を伝える。

 

晴風、艦内

 

媛萌「大変!!大変!!」

 

百々「ビビるッス!!」

 

放送を聞いた生徒は、慌てながら救助準備をする。

 

晴風、ロッカ室

 

新橋救助の為、救助に向かう生徒は、ダイバースーツに着替えるが

 

美千留「キツイ・・・」

 

光「太った?」

 

順子「太ちゃったかな?」

 

『うう・・・』

 

体重が増えた事でダイバースーツがキツクなってしまい、生徒達は、思い悩む。

 

救助準備をしながら50分後

 

幸子「天気晴朗なれども波高し」

 

晴風は、新橋座礁地点に到着し、新橋が肉眼で視認できる距離まで接近する。

 

ましろ「晴れたな!」

 

幸子「低気圧は、西に移動した模様です。」

 

幸いな事に先まで猛威を奮っていた低気圧は、西へと過ぎ去った模様。

 

ましろ「傾きは40度くらいか・・・」

 

薫とましろは、双眼鏡で新橋の現状を確認する。

 

ミーナ「50度を超えると転覆する危険が高まるぞ!」

 

薫「確かに・・・いつ転覆しても可笑しくないわね!」

 

新橋は、左舷に大きく傾斜したまま、いつ転覆しても可笑しくない状況だった。

 

幸子「新橋の船内図です・・・3階吹き抜けて商店・・・4階が居住区・・・中央がブリッジになっています。」

 

幸子がタブレットで新橋の船内図を開き、船内の説明をする。

 

船内の説明を聞いた明乃は

 

晴風、甲板

 

明乃『救助準備は完了した?』

 

救助準備は、完了したか確認をする。

 

甲板では、既に救助に向かう生徒が酸素ボンベやカッターの準備をしていた。

 

媛萌「準備OKでーす!」

 

媛萌は、準備完了の合図を艦橋に示す。

 

晴風、艦橋

 

明乃「それと私もスキッパー・・・」

 

明乃は、またスキッパーで出ようと思ったが

 

その時、この前、ましろに言われた事が頭に浮かび、一瞬、静止し、ましろを見る。

 

ましろ「・・・何ですか?」

 

明乃が見ているのに気づき、何かと問う。

 

明乃「・・・・こういう時、艦長って如何したら良いのかな?」

 

薫「え!?」

 

明乃がましろに如何したら良いのかと聞く。

 

いつも明乃が珍しく戸惑っている事に薫は、驚いていた。

 

ましろ「私に聞かないでください。」

 

明乃「分かんなくなっちゃって・・・」

 

ましろ「艦長は艦に居て下さい!!」

 

明乃「救助隊の指揮は?」

 

明乃は、艦に残るとして、救助隊の指揮は、誰がするのかと問うと

 

ましろ「んん・・・!私がやります!!」

 

ましろが自分が行くと宣言する。

 

ミーナ「ワシも行こう!」

 

するとミーナがポージングしながら自分も救助に行こうと言う。

 

薫「私も行くわ!・・・艦長は、後の事をお願いね!」

 

そして、薫も一緒に向かい、艦の事を明乃に任せる。

 

明乃「分かりました・・・私が此処から指示を出します。」

 

薫「お願いね!」

 

ましろ「・・・・」

 

こうして、明乃は、晴風に残って、救助隊に指示を出し、薫とましろ、ミーナは、救助隊と共に新橋へと向かう事となった。

 

だが、ましろは、浮かない顔をしていた。

 

内火艇

 

薫とましろ、ミーナ達を乗せた内火艇は、新橋に向かう。

 

ましろ「私と教官とミーナさん、砲雷科3名で艦内に入る・・・ダイバー隊は海に潜って船体の損傷の確認・・・航海科と応急員は救命ボートに乗ってる乗員を晴風に誘導・・・」

 

『はい!』

 

聡子「救命訓練は中学で散々とやったけど、実戦は、初めてぞな・・・」

 

鶫「ちゃんと出来るかな?」

 

ミーナ「大丈夫だ!」

 

薫「訓練をやったのならばちゃんとできるよ!」

 

果代子「ヘキヘキ」

 

ましろ「私は運が悪いのだが大丈夫だろうか?」

 

『うう・・・・』

 

ましろの一言により全員の顔が暗くなった。

 

ましろ「ん!?」

 

ミーナ「空気読め!」

 

薫「アハハハ・・・」

 

それに対して、ミーナは、空気読めと言い、薫は、苦笑いした。

 

そして、内火艇は、新橋に到着する。

 

ましろ「探照灯、照射始め!」

 

果代子と理都子が手持ちの探照灯を新橋を照らす。

 

照らした先には、甲板に避難をし、救助を待つ人や海に飛び込んで浮遊物に捕まる人で溢れていた。

 

それを見たましろは、驚愕してしまうが

 

ミーナ「副長!」

 

薫「副長!」

 

ましろ「はっ!?・・・現場に到着しました!!」

 

薫とミーナに言われ、ましろは、気づいて、直ぐに無線で晴風に状況を伝える。

 

晴風艦橋

 

ましろ『甲板は、人で溢れています!』

 

明乃「甲板は、応急員に任せって、船内の生存者を確認して・・・救助・・開始!!」

 

画して、晴風の生徒による新橋の救助作業が開始された。

 

薫、ましろ、ミーナ、光、美千留、順子の6人が船内に入り、楓、理都子、果代子の3人は、潜水具を付けて、船体の破損状況を調査、聡子は救助ボートで待機し、媛萌、百々、鶫の3人は、甲板で救助者の対応する事になった。

 

新橋、甲板

 

新橋乗員「救助如何なっているんだよ!!」

 

甲板では、救助を待っている乗員が救助は、まだかと慌てふためいていた。

 

媛萌「ま、先ずは、人数の確認よね!」

 

百々「リストバンド!リストバンド!」

 

慌てふためく乗員に気を取られながら、媛萌と百々は、人数の確認をしようとすが

 

鶫「先に怪我人の確認じゃない?」

 

負傷者の確認が先じゃないかと鶫に言われる。

 

媛萌「うあ・・!?マニュアル持ってくれば良かった!!」

 

初めての救助で慌てて、救助マニュアルを持って来なかった事に媛萌は、悔む。

 

新橋、ブリッジ

 

一方、薫とましろ、ミーナは、ブリッジで船長に状況を聞いていた。

 

薫「晴風、教員の山本薫です!」

 

ましろ「晴風副長、宗谷ましろです・・・只今から船内確認に入ります!」

 

新橋船長「居住区はまだ乗員が残っている模様です。」

 

薫「分かりました・・・私は、此処で状況をモニターしているから貴方達は、船内確認を・・・」

 

ましろ「お願いします教官!」

 

薫は、船長と共にブリッジに残り、ましろ、ミーナ、光、美千留、順子の5人は、船内を捜索する。

 

船内は、座礁した時の衝撃のせいか、窓ガラスが割れていたり、物が散乱している有様でましろ達は、懐中電灯を照らしながら、辺りを捜索する。

 

ましろ「スプリンクラーが作動していない‥‥」

 

辺りを捜索していると非常時にも関わらずスプリンクラーが作動していない事に気づく。

 

光「非常用システムがやられちゃったって事!?」

 

順子「て、事は・・・」

 

美千留「この船って・・・」

 

非常用システムがやられている事に5人は、疑問を感じる。

 

内火艇

 

楓「船体は、第4区画前120mに渡って亀裂が入っていおり、前方の3区画は浸水している模様ですわ!」

 

船体の破損状況を調査していた楓の報告から船体の破損状況は、深刻でしかも浸水がかなり進んでいる模様。

 

晴風、艦橋

 

ましろ『此方宗谷!・・・新橋の非常用システムが動作不良を起こしている。』

 

ましろから新橋の非常用システムが動作不良を起こしている報告が入る。

 

明乃「えっ!?」

 

幸子「何か遭ったんですか?」

 

ましろ『分からない、でも・・・』

 

薫『此方ブリッジ!・・・さっきの非常用システムを調べたところ、機械の電源が落ちている事を確認・・・恐らく衝撃で壊れたんだと思うわ・・・このままだと、恐らく・・・』

 

薫からもこのままだと災厄な状況になる恐れが有ると報告が入り

 

明乃「新橋に接舷する!急いで!!」

 

明乃は、直ぐ新橋に接舷するよう命じる。

 

鈴「りょ、了解!!」

 

明乃「岩礁に気を付けて、急いで中の人達を甲板へ・・・」

 

晴風は、急いで新橋に接近する。

 

新橋、船内

 

ミーナ「早く上へ・・・急げ!!」

 

新橋船内では、ましろ達が乗員を甲板へと避難誘導をしていた。

 

ましろ「乗員まもなく避難が終えます。」

 

乗員の避難が有る程度済んだ時だった。

 

八百屋の奥さん「あのう・・・」

 

ましろ「あっ!?」

 

八百屋の奥さん「多聞丸がいないんです!」

 

ましろ「えっ!?」

 

八百屋の旦那「気が付いたら傍に居なくて…」

 

新橋のある八百屋の夫婦が自分達の子供がいないと言って来た。

 

ましろ「まだ小さい子ですか!?」

 

『はい』

 

ミーナ「捜索していないのは第五区画、飲食店街部分だ。」

 

ましろ「よし!行こう!」

 

八百屋の奥さん「はっ!?」

 

ましろは、八百屋の夫婦の子供を探しに第5区画へと向かう。

 

ましろ「多聞丸ちゃんは任せて!お二人は避難を・・・」

 

『ああ・・』

 

順子「此方です。」

 

ましろは、順子に任せて、ミーナと共に多聞丸を探しに行った。

 

その頃、甲板では、既に接舷している晴風に乗員を移していた。

 

新橋、ブリッジ

 

媛萌『乗員の避難は、終了しました。』

 

薫「ご苦労様!貴方達も晴風に撤収して!!」

 

薫は、無線で乗員の避難の完了を聞き、甲板に居た媛萌達に晴風への撤収を命じる。

 

媛萌『分かりました。』

 

薫「船長!乗員の避難は、終了したので、船長も急いで避難して下さい!!」

 

新橋船長「分かりました。」

 

薫「私は、救助隊の様子を見てきますので・・・」

 

乗員の避難は、終了したので船長は、急いで晴風へと避難し、薫は、残っているましろ達の元に向かう。

 

新橋、甲板

 

薫が甲板に出ると甲板には、避難で溢れていた乗員も既に居らず、救助隊のみが残っている状況だった。

 

薫「ご苦労様!・・・皆居る?」

 

薫は、救助隊の元に向かい、全員居るか確認をするが

 

順子「まだ、副長とミーナさんが・・・」

 

薫「えっ!?・・・2人は、何所に?」

 

順子「まだ中に小さい子が残っているって聞いて、捜索に・・・」

 

八百屋の夫婦を連れてきた順子がましろとミーナが小さい子を探しに船内に残った事を告げる。

 

薫「そう・・・・分かったわ!!・・・貴方達は、先に内火艇に戻ってて・・・」

 

順子「教官は?」

 

薫「私は、2人の元に向かうわ!」

 

と言って、薫は、ましろとミーナの元に向かう。

 

晴風、艦橋

 

一方、晴風の方でも救助隊から続々と報告が上がっていた。

 

媛萌『乗員の避難は終了しました!・・・中に入った救助隊も船から出てきたそうです。』

 

何事も問題なく避難が完了した事に喜ぶが

 

媛萌『でも、副長とミーナさんが船尾方向の捜索に向かったと報告が・・・』

 

明乃「えっ?」

 

媛萌「小さいお子さんが1人、行方不明だそうです・・・それと教官もさっき2人の元に向かったと・・・」

 

明乃「教官も・・・」

 

3人がまだ捜索に残っている事を聞いて、明乃は、不安になる。

 

新橋、船内

 

ましろ「私はこっちを探して見る!!」

 

ミーナ「じゃあ、ワシはあっちを!!」

 

新橋の飲食店街地区へと入ったましろとミーナは二手に分かれて捜索する事にした。

 

船が沈んでいく中、2人で探すよりも分かれて探した方が、時間短縮になる。

 

ましろ「多聞丸!!」

 

こんな暗闇の、まして沈んでいく船の中、一刻も早く両親の下へと連れ戻さなければ

 

ましろは、そんな思いを抱いて新橋の中を走る。

 

そんな時

 

「ニャ~!!」

 

突然、何かの鳴き声が何処からか聴こえて来た。

 

ましろは、辺りを見回すと

 

右側にあるコンビニの中の出入り口の前に子猫がちょこんと座っていた。

 

ましろ「‥‥小さい子って…子猫の事か…」

 

ましろは電源が落ち開かなくなった自動ドアをこじ開けて目の前の子猫を見る。

 

多聞丸「ニャ~!!」

 

子猫が付けている首輪には確かに「TAMONMARU」と文字が彫られていた。

 

人間の子供ではなかったが、子猫だって生きている。

 

兎に角、子猫を保護しようとしたその時

 

ましろ「!?」

 

大きな揺れが起き、破孔から海水が流れ出てきた。

 

ましろ「はっ!?」

 

それを見たましろは、驚愕する。

 

そして

 

薫「ま、不味い!?」

 

2人を探していた薫も大きな揺れと破孔から海水が流れ出ている事に気づき、急いで2人を探そうと走る。

 

新橋は、船体が2つに割れ、左舷から沈み始めた。

 

内火艇

 

理都子「ヤバ過ぎる!?」

 

果代子「大変どころじゃ・・・」

 

内火艇でその光景を見ていた救助隊は、驚愕する。

 

晴風、艦橋

 

幸子「艦長!新橋が!!」

 

明乃「もやいを解いて!!・・・全速離脱!!」

 

芽衣「真っ二つじゃん!?」

 

志摩「うう・・・・」

 

鈴「うわぁ・・・・!?」

 

内火艇の救助隊と同じ様に艦橋もその光景を見て驚愕していが、明乃は、巻き添いを防ぐ為、急いで新橋から離脱するよう命じる。

 

幸子「艦長!まだ中に副長とミーナさんが居るそうです!!」

 

明乃「えっ!?教官は?」

 

幸子「教官もまだ中に!!」

 

何とまだ新橋には、ましろとミーナ、それに2人を探しに行った薫の3人が残っていた。

 

新橋、甲板

 

ミーナ「えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!」

 

その時、先に上甲板に避難したミーナが船の縁を走って逃げていた。

 

光「居た!?あそこ!!」

 

順子「ミーナちゃん!!こっちよ!!」

 

内火艇に避難していた救助隊が船の縁を走って逃げているミーナに気づき探照灯で照らす。

 

美千留「ミーナ、早く逃げて!!」

 

ミーナ「逃げとるんじゃい!!」

 

楓「宜しいですから飛び込んでください!!」

 

ミーナ「グッ!」

 

ミーナは、海に飛び込み、内火艇まで泳ぎ、無事に救助された。

 

ミーナは、無事救助されたがまだましろと薫の2人が艦内に残っていた。

 

新橋、船内

 

明乃『副長!!・・・教官!!聞こえる?』

 

ましろ「は、はい」

 

明乃『船体の中央部分で避けたの!このままだと沈没する!早く脱出を!!』

 

ましろ「りょ、了解!!」

 

薫『此方薫、もう直ぐそっちに到着するから待てて!!』

 

ましろ「えっ・・・あっ!?」

 

通信中、突然の浸水がましろと多聞丸を襲う。

 

薫「副長!!・・・ましろちゃん!!」

 

薫は、無線機でましろの名前を呼び続けながら船内の奥へと向かっていたが

 

薫「わぁ!?」

 

2度目の大きな揺れの衝撃で床に転げ落ちて、気を失う。

 

晴風、艦橋

 

楓『ミーナさんは脱出されました。』

 

明乃「副長と教官は?」

 

楓『まだ確認できていません・・・・その‥‥連絡が‥‥切れましたわ‥‥』

 

明乃「えっ!?」

 

2人との連絡が途切れたと聞いて、明乃は、恐怖に陥る。

 

新橋、船内

 

一方、突然の浸水に襲われたましろと多聞丸は、何とかコンビニの商品棚の上に避難していた。

 

だが、先程の浸水の時、無線機を落としてしまった。

 

多聞丸「ミャーン」

 

多聞丸が不安そうに鳴く。

 

ましろ「怖いよな…」

 

ましろは、服が濡れて、体が震えていた。

 

ましろ「私も怖い・・・何しろ私は・・・運が悪いし・・・」

 

ましろは、恐怖のあまり泣きそうになるが、

 

ましろ「・・・このままじゃ駄目だ!!・・・行こう・・・」

 

このままでは、死ぬのを待つだけであり、ましろは天井にあった通風口から脱出しようと考え通風口の蓋を開け中に入った。

 

その頃、薫の方は

 

薫「う・・う・・・此処は?」

 

2度目の大きな揺れの衝撃で床に転げ落ちて、気を失っていた薫が意識を取り戻す。

 

薫「そっか!・・・私、さっきの衝撃で気絶してたんだ。」

 

意識を取り戻した薫は、自分が何故気絶していた事に気づき

 

薫「あっ、そうだわ!?・・・ましろちゃん!!」

 

ましろを探していた事を思い出し、探そうと立ち上がろうとした時だった。

 

薫「イタ!?」

 

突然、足から急激な痛みを感じた。

 

薫「しまった!?さっきの衝撃で足を・・・」

 

さっきの衝撃で床に転げ落ちた時に足を挫いた様だ。

 

薫「でも、ましろちゃんのところに行かないと・・・」

 

しかし、薫は、ましろの事が気がかりになり、怪我した足を引きずりながら、ましろの元に向かう

 

晴風、艦橋

 

明乃「副長、教官!副長、教官!シロちゃん!!薫お姉ちゃん!!」

 

明乃が無線機で何度もましろと薫に向けて呼び続けるが、全く応答がなく、明乃は受話器を置いて艦橋の窓から新橋を見た。

 

明乃「待ってるってこんなに辛いんだね…でもシロちゃんと約束したから・・・」

 

明乃は、小さく拳を握り。

 

明乃「救助した人に毛布をそれに食べ物と暖かい飲み物を用意して!」

 

『はい!』

 

明乃は、薫とましろの無事を祈りながら、救助した乗員の面倒を見る。

 

新橋、船内

 

薫「ましろちゃん!!・・・・ましろちゃん、何所に居るの!!・・・返事して!!」

 

薫は、怪我した足を引きずりながら、ましろの名前を呼び続けながら、探していた。

 

だが、肝心のましろは、見つからず、薫は、更に奥に進む。

 

すると、浸水のせいで通路の先が水没していた。

 

薫「雅か!?」

 

薫は、水没した通路を見て、ましろが浸水に巻き込まれたんじゃないかと思ってしまい絶望するが

 

薫「・・・・・」

 

数分間、水没した通路を見ていた薫は

 

薫「あっ!?」

 

上の通風口に気づき

 

薫「そうだわ!?・・・もしかしたら、ましろちゃん・・・まだ生きているかも!!」

 

薫は、もしかしたら、ましろが通風口に逃げたのかもしれないと思い、急いで足元に物を置いて段差を作って登り、通風口に入る。

 

薫「待ってて、ましろちゃん!・・・今行くから・・・」

 

薫は、通風口を通りながら、ましろを探す。

 

内火艇

 

その頃、救助隊を乗せた内火艇は、新橋から晴風に戻ろうとしていた。

 

光「皆、居るよね?」

 

不安そうに新橋を見ながら、全員居るのを確認する光。

 

美千留「航海科の子達は?」

 

順子「救助した人と一緒に艦に戻ったよ!」

 

ましろと薫以外は、殆んど晴風に収容された。

 

ミーナは、防寒ポンチョを着て、非常食をかじっている。

 

果代子「後は副長と教官だけ?」

 

ミーナ「副長、教官‥‥」

 

ましろと薫の安否を気にしているその時だった。

 

ミーナ「ん!?」

 

突如、空から内火艇を照らす無人飛行船が現れた。

 

『ブルーマーメイドだ!!』

 

それは、紛れもなくブルーマーメイドの無人飛行船だった。

 

それを見た救助隊は、直ぐに新橋に戻ろうと内火艇を戻す。

 

それから直ぐにBPF隊員が乗ったスキッパーが次々と新橋へと向かって行く。

 

そんな中、一艇のスキッパーが内火艇へと接近する。

 

岸間「ブルーマーメイド保安観測部隊の岸間です。」

 

光「晴風!砲雷科、小笠原光以下救助隊です!」

 

岸間「ご苦労様!・・・後は任せて・・」

 

光「まだ船内に2人、学生と教員が・・・」

 

岸間「了解!」

 

岸間は光に応える様にハンドサインを返した。

 

岸間「要救助者2名!」

 

岸間達はスキッパーを全速で新橋に向かう。

 

岸間「!?」

 

すると、後ろから聞いた事もないエンジン音が聞こえてきた。

 

岸間「この音は!?」

 

岸間は、上を向くと物凄いスピードで轟音を立てて新橋に向かうSH60Gの姿だった。

 

岸間「間違いないわ・・・・彼らが来たんだわ。」

 

SH60Gを見て、岸間は、Gフォースが来たんだと思い、新橋に向かう。

 

彼女の言う通り、Gフォース西部方面混成艦隊所属の護衛艦せんだいが新橋が沈む現場に到着した。

 

せんだい、艦橋

 

与力「岩礁に気を付けて、進め!!」

 

せんだいの航海長「了解!」

 

せんだい艦長の原田与力大佐は、岩礁を避けて、新橋に近づこうとする。

 

何故、せんだいが此処に居るのかと言うと

 

実は、空母大鳳が故障した時、すくねとせんだいだけ単独で哨戒せよと言う命令を受けたので、せんだいは、単独で哨戒をしていたが、結局、武蔵を発見できず、艦隊と合流しようと戻ろうとした時に晴風からの救助要請を受信したので直ぐに現場に急行したのだ。

 

直気「艦長!」

 

与力「何だ副長?」

 

直気「浪速から入電!!・・・現在船内に晴風の学生と教員の2人が船内に閉じ込められているとの事です。」

 

せんだい副長の橘 直気少佐から薫とましろが新橋の船内に閉じ込められている報告が上がる。

 

与力「教員!?・・・そう言ったのか?」

 

直気「はい!」

 

与力「確か晴風には・・・うちの隊員の一人が乗っていたな。」

 

直気「はい、大鳳艦長山本中佐です。」

 

与力「・・・山本中佐の事だから大丈夫だとは、思うが・・・心配だ!!・・・直ぐに救助隊に連絡!!・・・2人の救助に全力を尽くせ!!」

 

直気「はっ!」

 

与力は、2人の安否が気がかりになり、救助隊に2人の救助に全力を尽くせと命じる。

 

新橋、船内の通風口

 

ブルーマーメイドとGフォースの救助隊が新橋に向かっている頃

 

ましろ「はぁ、はぁ・・・ん・・」

 

ましろは、通風口の中を出口に向かって進んでいた。

 

その時

 

ましろ「あっ!?」

 

ましろのスカートが通風口の金具に引っかかってしまった。

 

ましろは、何とか放そうと引っ張るが、外れそうもなく。

 

ましろ「仕方ない・・・」

 

ましろは、止む無くスカートを脱ぎ捨て(下が水着姿になった)、先に進む。

 

晴風、艦橋

 

晴風では、明乃が生徒に指示を出し続けていた。

 

明乃「救助した人達に食事は、いき渡っている?」

 

食堂では、杵﨑姉妹と美甘が救助者におかゆ、お汁粉、生姜湯を配っていた。

 

そして、医務室では美波が救助者のメディカルチェックを行っていた。

 

新橋、船内の通風口

 

ましろ「ん・・・ん・・・」

 

ましろは、通風口の中を出口は、まだかまだかと進んでいた。

 

そんな時

 

ましろ「はっ!?」

 

持っていた懐中電灯の電源が切れてしまった。

 

ましろ「ははっ・・・やっぱり・・・付いてない・・・うっ・・・クソッ!!」

 

ましろは、絶望し、堆懐中電灯で通風口の天井を叩く。

 

その頃、薫の方は、

 

薫「これは、ましろちゃんの!?」

 

通風口の中を進んでいたらましろが脱ぎ捨てたスカートを見つける。

 

薫「今の音は!?」

 

更に奥から天井を叩く音が聞こえた。

 

薫「やっぱり、ましろちゃんは、この先に居るんだわ!!」

 

ましろがこの先に居る事が分かり、急いでましろの元に向かう。

 

晴風、艦橋

 

幸子「艦長、救援艦より連絡・・・現在、ブルーマーメイド隊が副長と教官の捜索をしているそうです。」

 

明乃(シロちゃん‥‥薫お姉ちゃん‥‥)

 

明乃は、2人の無事を祈っていた。

 

新橋、船内の通風口

 

ましろ「お腹空いた…」

 

通風口の中に居たましろは、既に疲れ果てていた。

 

多聞丸「ミャーン」

 

ましろ「私このまま死ぬのかな…」

 

最早、もう駄目かと思い、このまま死ぬのかなと思った時だった。

 

薫「そう簡単に諦めちゃ駄目だよ!・・・ましろちゃん!」

 

ましろ「えっ?」

 

ふっと声が聴こえてきて、ましろは、後ろを向くと

 

薫「ましろちゃん!・・やっと見つけた!!」

 

いつの間にか、後ろに薫が居た。

 

薫は、そのままましろに近寄る。

 

ましろ「何故、教官が此処に?」

 

薫「何故って・・・貴方が小さい子を捜索に戻ったから、心配になって、来たのよ!」

 

ましろ「何で来たんですか!?・・・下手したら死ぬんですよ!!」

 

薫「生徒の癖に何生意気な事を言ってるの!・・・そんなの言えるのは、10年早いのよ!!」

 

ましろ「うう・・」

 

薫「それに・・・」

 

ましろ「えっ?」

 

薫「真雪さんから預かっている生徒を見捨てられる訳ないから・・・」

 

薫の言葉にましろは、目からは無意識なのか涙が流れ始め

 

薫「大丈夫、私達は、生きて帰るんだから・・・」

 

ましろ「う・・・う・・・うあぁ・・・・!!」

 

その言葉を聞いた途端、ましろは、泣いてしまう。

 

薫「意地を果てたけど・・・本当は、怖かったのね!」

 

泣くましろを薫は、頭を撫でながら慰める。

 

そして

 

薫(さて・・・・この状況を如何した事か?)

 

改めて周りを見る。

 

転覆した船内の通風口の中で、自分達が何所に居るかも分からない。

 

外に出る方法もない、いづれ此処にも水が入ってくるだろう。

 

薫(何とかしないと・・・・)

 

そう思った時だった。

 

多聞丸「ニャ―ン」

 

薫「!?」

 

多聞丸が薫の目の前で鳴く。

 

薫「そうだね!」

 

ましろ「え?」

 

薫「何でもないわ!!」

 

(そうだね・・・何事も諦めては、行けないんだもんね・・・)

 

多聞丸に励まされ、薫は、諦めないで何とか、脱出する方法を考える。

 

新橋、転覆した船底上

 

その頃、転覆した新橋の船底の上では、ブルーマーメイドとGフォースの救助隊が薫とましろの捜索をしていた

BPF隊員「こっちは、どう……」

 

BPF隊員「駄目、見当たらないわ・・・」

 

岸間達は、薫達を捜索しているが中々センサに反応がなく、困り果てていた。

 

そんな時

 

GF隊員「反応あり!!」

 

岸間「えっ!?」

 

そんな中、共に捜索していたGF隊員のセンサーが船内に閉じ込められた2人の反応を探知した。

 

BPF隊員「確か何ですか?・・・こっちのセンサーには、反応が無かったのに・・・」

 

健二「多分、深いところか何かに閉じ込められているからだろう・・・それに、こっちのセンサーが特殊だから、探知で来たんだ。」

 

Gフォースの救助隊の隊長である大石健二軍曹が言う様に薫とましろが居るのは、船底から深い場所に居た。

 

2人を発見できたのは、彼らGフォースが使用しているセンサーが、あらゆる環境や深さでも探知できる事とブルーマーメイドが使用しているセンサーより高機能であった事。

 

とは言え、2人を見つけたのは、良かったが

 

BPF隊員「でも、如何やって救助を、探知したところは、結構深いところですよ!・・・そんなところまで掘る機具は、私達には、ありませんよ・・・」

 

GF隊員「彼女の言う通りです!・・・そんな機具は、我々も装備していません!!」

 

Gフォースの救助隊が言うに、2人が閉じ込められてる場所は、船底から深いところでかなり頑丈にできているところの通風口の中。

 

其処まで掘る機具は、両救助隊は、装備していなかった。

 

BPF隊員「このまま2人を見殺しにするんですか?」

 

岸間「待って、何か方法は、ある筈よ・・・」

 

2人の生命が絶望だという中、健二は、考える。

 

健二「…仕方がない・・・・アレを使うか!」

 

岸間「アレ?」

 

健二「せんだいに連絡を・・・」

 

健二は、直ぐにせんだいに連絡する。

 

晴風、艦橋

 

幸子「艦長、救援艦より通達!・・・現在、ブルーマーメイド隊が副長と教官の捜索を行っているそうです。」  

 

明乃(シロちゃん‥‥薫お姉ちゃん‥‥)

 

明乃は、薫とましろの無事を祈りつつ知らせを待つ。

 

せんだい、艦橋

 

その頃、せんだいの艦橋では、救助隊からとんでもない要請入る。

 

与力「本気なのか!?」

 

健二『ですから、船底奥深くに居る2人の救助にD-03の使用を要請しているんです。』

 

何と救助隊からのとんでもない要請は、対G兵器用の削岩弾D‐03の使用要請だった。

 

与力「しかし、D‐03は、削岩弾だ!!・・・トンネルとかの岩盤排除に使うならまだしも船底に穴を開ける為に使用すれば、更に被害が大きくなる可能性が有る・・・そう簡単に使用は出来ない!!」

 

原田の言う通り、D-03は、削岩弾でありながら、爆発力は、強力で船底に穴を開ける為ならまだしも、反って、被害を大きくする可能性が有る為、与力は、使用を躊躇う。

 

健二『しかし、我々の装備では・・・・このままだと見殺しになりますよ!!』

 

だが、現在の救助隊の装備では、2人の救助は、出来ない。

 

このままだと2人は、溺れ死んでしまう。

 

健二『艦長!お願いします!!』

 

与力「ん・・・・」

 

救助隊の再度の要請に与力は、悩む。

 

その時、副長の直気が

 

直気「艦長!・・それなら爆発力を小規模にセットすれば、爆発しても他に被害を及ぶ事はありません!!」

 

と、D-03の爆発力を小規模にして、打ち込めば、爆発しても他に被害を及ぶ事はないと説得する。

 

与力「ん・・・よし!・・・それで行こう!!・・・救助隊は、直ちに安全圏まで退避しろ!!」

 

遂に与力は、決断を下す。

 

健二『了解!!』

 

そして、ブルーマーメイドとGフォースの救助隊は、一旦捜索を中止し、安全圏まで退避する。

 

更にレーザー照準器で目標をロックする。

 

せんだいの甲板では、D-03削岩弾が厳重に封鎖された箱から取り出され対艦ミサイルに装着された。

 

せんだい、艦橋

 

せんだいの砲雷長「D-03発射準備よし!!」

 

与力「発射!!」

 

せんだいから新橋に向けD-03が発射された。

 

内火艇

 

光「何あれ!?」

 

聡子「新橋に向かっているぞな!!」

 

新橋に引き返そうとしていた晴風の救助隊が発射されたD-03を見て、沈めるのかと思い動揺する。

 

新橋、船内の通風口

 

その頃、新橋の通風口に閉じ込められている薫とましろは

 

薫「私ね!・・・・ましろちゃんが別に武蔵じゃなくて晴風に来て、本当に良かったと思ってるの・・・」

 

薫は、絶望しているましろの気をまじらわせようとある話をする。

 

ましろ「えっ!?」

 

薫「だって・・・ましろちゃんは、もしかしたら・・・」

 

その時

 

ズドーン

 

薫「はっ!?」

 

ましろ「な、何だ!?」

 

突然、衝撃が走り、薫とましろは、何かと驚愕する。

 

先程の衝撃は、せんだいから発射されたD-03が新橋の船底に着弾した衝撃だった。

 

着弾したD-03は、先端のドリルが作動し、後方のブースターに押されながら、船底の奥へと掘り進む。

 

新橋、船内の通風口

 

ましろ「何ですか、今の衝撃は?」

 

さっきの衝撃で動揺する2人、だが、その後からドリルの音が次第に聞こえてきた。

 

薫(この音?・・・・・・もしかして!?)

 

ドリルの音で薫は、直ぐにD-03だと気づく。

 

そして

 

薫「ましろちゃん!頭を伏せって!!」

 

直ぐにましろに頭を伏せる様に言う。

 

ましろ「な、何故ですか?」

 

薫「良いから言われた通りにして・・・早く!!」

 

ましろは、何かと思いき言われた通り、頭を伏せる。

 

薫「貴方も!」

 

多聞丸「ミャーン」

 

多聞丸もましろの懐に入り、薫も伏せる。

 

やがて、3分後

 

ドカーン!!!

 

D-03は、船内の中央で爆発した。

 

D-03の爆発で新橋の船底の一部に大きな穴が開き、それ以外に被害は、無かった。

 

新橋、転覆した船底上

 

健二「よし!成功だ!!」

 

成功に喜びながら、ブルーマーメイドとGフォースの救助隊は、直ぐに捜索を再開する。

 

新橋、船内の通風口

 

ましろ「今の爆発は?」

 

薫「行くよ、ましろちゃん!!」

 

ましろ「えっ!?」

 

薫「今の爆発で、多分何処かに穴が開いた筈、其処から脱出するわよ!」

 

ましろ「は、はい!」

 

爆発後、海水が流れ込んでくる気配はなく、ましろを先頭に奥へと進んで行く。

 

ましろ「あっ!?」

 

奥へと進むにつれ、奥から光の様なのが見えた。

 

ましろ「教官、光が!!」

 

薫「良いわよ!そのまま進んで!!」

 

ましろ「はい!」

 

光だと聞いて。薫は、出口が近いと分かり、そのまま先に進む様、ましろに命じる。

 

やがて

 

岸間「あっ!?」

 

ましろ「えっ?」

 

上で捜索をしていた岸間が通風口を進むましろを発見する。

 

岸間「要救助者確認!」

 

健二「良いぞ、今そっちに行く!」

 

岸間がましろを発見したと聞き、直ぐに駆けつける。

 

岸間「聞こえる!!・・・今助けるから・・・じっとして!!」

 

直ぐに健二達が来て、救助作業を始めた。

 

ましろ(助かったんだ!!)

 

助かったんだと思い、ましろは、涙を流す。

 

薫「・・・・」

 

その様子を見て、薫は微笑んだ。

 

その後、薫とましろと多聞丸は、無事に救助された。

 

新橋、転覆した船底上

 

『副長、教官!!』

 

やがて、引き返してきた晴風の救助隊が救助された薫とましろに駆け寄る。

 

光「怪我は、無い?」

 

光は、怪我が無いか問う。

 

ましろ「大丈夫・・・」

 

ましろは、岸間におぶられた状態で大丈夫だと答え。

 

美千留「教官は?」

 

薫「私は、足を挫いただけで大丈夫よ!」

 

薫も健二に肩を借りて、立ちながら、大丈夫だと答える。

 

ミーナ「よう生きとったの、我・・・」

 

多聞丸「ニャ~」

 

ましろ「助かったにゃ~、良かったにゃ~」

 

『ええ・・!?』

 

ミーナ「な、何で、ネコ言葉になっとる‥‥?」

 

堆出してしまった猫言葉に生徒達は、困惑していた。

 

健二「さあ、此処でも何だから、急いで艦に戻ろう。」

 

健二の言う通りに救助隊は、それぞれの艦に戻る。

 

救助隊がそれぞれの艦に戻った後、晴風は、収容していた新橋の乗員をせんだいと浪速に移すべく、2艦と接岸する。

 

晴風、甲板

 

ましろ「多聞丸無事救助しました。」

 

2艦に移している間にましろは、八百屋の夫婦に多聞丸を無事に救助出来た事を報告する。

 

八百屋の奥さん「ありがとうございます。」

 

ましろ「どうぞ!」

 

ましろは、懐に居た多聞丸を取り出し、八百屋の夫婦に渡す。

 

八百屋の奥さん「多聞丸・・・あっ!?」

 

八百屋の奥さんがましろから多聞丸受け取ろうしたら多聞丸は、逃げ出し

 

多聞丸「ニャ―ン・・・ニャ~ン」

 

ましろの足元にすり寄る。

 

ましろ「多聞丸、行かないと‥‥」

 

ましろは、引き離そうとするが、何故か離れない。

 

八百屋の旦那「随分懐いてるな・・・!?」

 

八百屋の奥さん「あっ・・・!?」

 

ましろに懐く多聞丸を見て、八百屋の夫婦は、驚いていた。

 

ましろ「ほら、多聞丸・・・」

 

ましろは、何とか多聞丸を離し、今度こそ八百屋の夫婦に渡そうとした時

 

八百屋の奥さん「あの‥‥」

 

ましろと多聞丸の様子を見ていた八百屋の奥さんが・・・

 

八百屋の奥さん「良かったら・・・」

 

八百屋の旦那「面倒・・・見てもらいますか?」

 

何と八百屋の夫婦がましろに多聞丸を譲ると言い出したのだ。

 

八百屋の奥さん「ご迷惑でなければ・・・」

 

突然の多聞丸を譲ると言われましろは、驚きながら

 

ましろ「で、でも‥自分、猫嫌いで‥‥」

 

ましろは、断ろうとするが

 

ミーナ「何を言うとる!!・・・沈みゆく船で生死を共にした仲じゃろうが・・・」

 

ミーナは、八百屋の夫婦の折角の行為なのだから、受け取ってやれと言われる。

 

ましろ「で、でも、教官が許可するか如何か?」

 

だが、薫の許可なしでは、と言うが

 

ミーナ「何を言とるんじゃ!・・・おぬしは、この際、教官の許可など後回しで、受け取るべきじゃろうが!!」

 

八百屋の夫婦の折角の行為を、このまま不意にする訳には、行かない、この際、薫の許可は、後回しにして、多聞丸を受け取るべきだとミーナに言われ

 

ましろ「ん・・・・分かった・・・・多聞丸・・・謹んで引き取らせて頂きます!!」

 

ミーナ「うむ、そう来なきゃな・・・」

 

こうして、猫嫌いにも関わらず、ましろは、多聞丸を引き取る事になった。

 

一方、薫の方は、せんだい艦長の与力と会っていた。

 

与力「よう無事で良かった中佐!!」

 

薫「すみません、心配を掛けて・・・」

 

与力「何を言っておるんだ!!・・・中佐が無事で我々は、喜んでいるんだ。」

 

薫「ありがとうございます。」

 

薫は、今回の救助で単独行動をしたので与力に怒られると思ったが、逆に無事だった事に喜んでいた事にホッとする。

 

薫「そう言えば、何故此処に?」

 

横須賀に居る筈のせんだいが何故此処に居るのか薫は、問う。

 

すると

 

直気「我々は、調度武蔵を捜索していたんだ!!」

 

直気が武蔵を捜索していた事を薫に言う。

 

薫「武蔵を!?」

 

武蔵と聞いて、薫は、注目する。

 

直気「だが、その途中で救難要請が有って、急遽武蔵の捜索を中止して、此処に来たんだ。」

 

薫「そうだったんですか・・・・それで武蔵は?」

 

事情を聞いて、薫は、武蔵は、発見できたのか問うが

 

直気「残念ながら、まだ行方不明だ!!」

 

薫「そうですか・・・・」

 

まだ、不明だと聞いて、薫は、気を落とす。

 

与力「そう気を落とすな中佐!・・・まだ見つかっては、いないとは言え、捜索は、これからだ!!・・・山本准将達も動いているから、見つかるのも時間の問題だ!!」

 

薫「えっ、兄さんが!?准将も動いているんですか?」

 

与力「そうだ!!・・・国土保全委員会の要請でな、向こうも武蔵相手にお手上げで我々に泣き付いたんだ。」

 

薫「そうだたんですか・・・・」

 

与力「・・・まあ、そう言う事だ!!・・・我々は、一旦、浪速と共に横須賀に戻る・・・中佐は、このまま晴風に残留し、引き続き武蔵の捜索せよとの命令だ。」

 

薫「分かりました!!武蔵捜索に戻ります!!」

 

与力「良いか、くれぐれも無茶は、禁物だぞ!!」

 

薫「はい!」

 

こうして、薫は、武蔵捜索に戻る為、晴風に残留する事になり、与力達と別れる。

 

その頃、浪速では

 

美波「お手数ですが・・・それを横須賀女子海洋学校まで届けて下さい。」

 

美波が例のマウスが入った箱を岸間に渡す。

 

岸間「了解しました。」

 

岸間は、それを受け取る。

 

美波「それとこれも・・・」

 

箱の他に美波は、ある封筒を渡す。

 

岸間「これは?」

 

美波「抗体と・・・私の報告書です。」

 

美波が渡した封筒の中には、これまでマウスの事を調べた報告書やウイルスに対する抗体の報告書が入っていた。

 

岸間は、箱と同じくそれも受け取る。

 

新橋の乗員を収容した浪速とせんだいは、横須賀へと戻る。

 

横須賀に戻る前に晴風が不足していた水も2艦から半分ずつ分けて貰い、水不足は、解消された。

 

晴風、艦橋

 

ましろ「ただいま・・・」

 

ましろは、汚れた制服を着替え、新しい制服を着て、艦橋に戻ってくると

 

明乃「っ!?・・・シロちゃん!!」

 

ましろの声を聞いた明乃は、直ぐに振り返りましろに抱きつく。

 

明乃「良かった無事で!!・・・私、待ってる間ずっと苦しかった!!・・・シロちゃんをずっとこんな・・・御免ね!!・・・御免ね!!・・・」

 

明乃はましろの胸元で泣き始めた。

 

洋美「宗谷さん!・・・えっ・・・」

 

洋美もましろの事が心配に思い、艦橋に見に来たが、明乃の泣いているところを見て、声を掛けるのを止める。

 

その時

 

多聞丸「ニャ~」

 

明乃 「あっ?」

 

何所からか猫の声が聞こえ、すると、

 

明乃「えっ!?」

 

多聞丸「ニャ~ン」

 

ましろの制服の胸元から多聞丸が出て来た。

 

『ああ・・・・!?』

 

雅か動物嫌いのましろが猫を持ってる事に艦橋にいた6人は、驚く。

 

ましろ「もう1匹・・・乗せても良いだろうか艦長?・・・」

 

ましろは、明乃に多聞丸を晴風に乗艦させて良いか問うと

 

明乃「もちろん!!」

 

明乃は、喜びながら乗艦を許可する。

 

そして

 

薫「皆大丈夫だった!!」

 

薫が支え杖を持ちながら、艦橋に戻ってきた。

 

明乃「かお、教官!?無事だったんですね!!」

 

薫が無事な事に艦橋の7人は、喜ぶ。

 

ましろ「あの教官、実は…」

 

戻ってきた薫にましろは、多聞丸の事を話そうとしたが

 

薫「分かっているわよ・・・その多聞丸は、ましろちゃんが責任を持って、育てると言うなら、私は、多聞丸の乗艦を許可します。」

 

薫は、さっきの話を全て聞いていたので、ましろが責任を持って、育てるという条件で多聞丸の晴風乗艦を許可する。

 

ましろ「はああ・・・はい!」

 

それを聞いたましろは、大いに喜ぶ。

 

「うあぁぁ・・・」

 

「可愛い・・・」

 

艦橋に居た7人は、多聞丸に触り始めた。

 

その光景を洋美は、影で見てた。

 

そして、機関室に戻ろうとした時

 

薫「待って、黒木さん!!」

 

洋美に気づいていた薫が機関室に戻ろうとしていた彼女を呼び止める。

 

洋美「・・・・」

 

薫「さっきの見た通り、ましろちゃんは、岬ちゃんと仲直りしたわ!・・・だから、貴方も・・・」

 

洋美「私に如何しろと言うんですか?」

 

薫「如何もしないわ・・・唯・・・これで、岬ちゃんの事を艦長と認めて貰いますか黒木さん?」

 

薫は、洋美に明乃を艦長と見てめて欲しかった。

 

洋美「・・・・」

 

だが、洋美は、何も言わず、機関室へと戻っていてしまった。

 

如何やら、まだ認めて貰うには、時間が掛かりそうだ。

 

薫(・・・黒木さん!・・・貴方がいつか、岬ちゃんを認めてくれるまで、私は、待ってるからね・・・)

 

戻る洋美を見ながら、薫は、いつか洋美が明乃を認めてくれるまで、待つ事にした。

 

せんだい、浪速と別れた晴風は、再び武蔵捜索に戻る。

 

晴風、艦橋

 

ミーナ「本職のブルマーは流石だったな・・・」

 

ミーナは、今回の救助でブルーマーメイドが自分達より優れていた事に感心していた。

 

明乃「私も遭難した時、助けって貰ったから、ブルーマーメイドになろうと思ったんだ‥‥それに船に乗れば家族ができると思って‥‥」

 

9年前、呉の養護施設

 

もえか「私のお母さんブルーマーメイドだったの!!」

 

明乃「えっ!?」

 

もえか「お母さん言ってた・・・海の仲間は家族みたいなんだって!・・・だから、私もミケちゃんもブルーマーメイドになったらたくさん家族ができると思うの・・・・だから、約束しようよ!!」

 

明乃「うん!」

 

明乃は幼い時に施設で出会ったもえかと約束した事を話した。

 

晴風、艦橋

 

ましろ「だからあんなに海の仲間は、家族だっと・・・」

 

ミーナ「そのもえかという子が武蔵の艦長か…ワシもうちの艦長‥‥ティアとは中学から、ずっと一緒じゃった。」

 

ミーナはシュペーに残して来たテアの身を案じた。

 

薫「私も・・・」

 

ミーナ「えっ!?」

 

薫「私もはやてちゃんとは、小さい時、一緒だった・・・・」

 

薫は、明乃とミーナの過去を聞いて、自分も幼い頃にはやてと一緒だった事を思い出す。

 

ミーナ「そのはやても・・・」

 

薫「・・・教員として、知名さんと一緒に武蔵に乗っているわ・・・」

 

ミーナ「そうじゃったのか・・・まあ、ウイルスの抗体もできた事じゃしな!・・・早く助けに行きたい!!」

 

薫の話を聞いて、直ぐにでもテアの元に向かいたいと思うミーナ。

 

明乃「うん!」

 

明乃もミーナの言う事に賛同する。

 

薫「そうだね・・・・問題は、見つかればの事だけど・・・・」

 

だが、薫が言う様に問題は、何所に居るかだ。

 

そんな事を考えているうちに更なる脅威が晴風に迫っていた。

 

 

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