元教官相手にどういう風な戦いにするか、色々と考えていたので、完成に時間が掛かりました。
6月31日
古庄の号令の元、演習が開始された。
春乱、操縦席
なのは「スターズ1、行きます!!」
フェイト「ライトニング1、テイクオフ!」
空母大鳳からスターズ隊、ライトニング隊の計78機が発艦した。
演習が開始される中、西部隊の旗艦晴風では
晴風、艦橋
幸子「始まりました!演習開始です!!」
空母大鳳から全艦に演習開始の号令が来て
芽衣「よっしゃ!!久しぶりに撃って、撃ちまくるぞ!!」
志摩「うぃ!うぃ!」
演習で再び撃てる事に芽衣と志摩が浮かれるが
次郎「こら!まだ早い!!」
撃つにはまだ早いと次郎に怒られる。
ましろ「取り合えず艦長?」
明乃「ん!・・・教官指示を?」
明乃は、薫に指示を求む。
薫「先ずは、対空戦闘用意!」
薫は、先ず航空攻撃に対応する為、対空戦闘の号令を出す。
『え!?・・・対空・・・戦闘?』
だが、明乃達には、対空戦闘の意味が分からなかった。
薫「あっ、そっか!?・・・貴方達は知らないもんね・・・先ず納沙さん!・・・各艦に武蔵を中心にした円陣を組む様に指示を!」
薫は、それに気づき、改めて、先ず幸子に各艦に対し、輪形陣を組むよう命じ
幸子「分かりました。」
薫「見張りは、上空を警戒して!」
続いて、マチコと秀子、まゆみに上空を見張るよう命じる。
『はい!』
マチコ『了解!』
マチコと秀子、まゆみは、双眼鏡で上空を見張る。
各艦は、武蔵を中心とした輪形陣を組む。
東部隊も高千穂を中心とした輪形陣を組んだ。
晴風、艦橋
ましろ「こんな陣形は、始めて見ますが・・・これで大丈夫なんですか?」
始めて組む輪形陣にましろは、疑問を持つが
薫「大丈夫・・・この陣形は、対航空機用に発案したものだから!」
それに対して、薫がこの陣形は、対航空機用に発案したものだからと言って、ましろを安心させる。
ましろ「そうですか・・・」
それを聞いて、ましろは、安心する。
次郎「気を抜くな!・・・間もなく航空攻撃が始まるぞ!!」
安心もさて置き、間もなく航空攻撃が始まると次郎が注意を呼び掛ける。
鈴「ど、どんな攻撃が来るんですか?」
鈴は、航空攻撃がどんなのか、恐ろしく聞く。
次郎「そうだな・・・先ず知らないうちにいきなり目の前に着弾が来るだろう。」
鈴「目、目の前!?」
目の前に着弾と聞いて、鈴はビビり始め
次郎「そして、今度は、ミサイルが猛スピードで向かって来て、一撃でボカーンだ!!」
鈴「ひぃ・・・!!」
更に一撃でボカーンと聞いて、鈴は悲鳴を出す。
薫「もう次郎君!知床さんをあんまりからかわないで!」
余りのからかいに薫から怒られる。
次郎「悪い悪い、少しやり過ぎた・・・でも、今言った事は、全部本当だから気を抜くなよ・・・」
薫に怒られ、次郎は謝罪する。
だが、次郎が言っている事は全部本当であり、気を抜けなかった。
空母大鳳、艦橋
龍之介「成程!・・・両部隊も対航空機用の輪形陣を組んでるな!」
一方、空母大鳳からも、E2Gからのオンライン映像で、両部隊が輪形陣を敷いている事が確認していた。
古庄「初めて見る陣形ですね・・・何故この様な?」
古庄は、何故輪形陣を組むのか問う。
功「この陣形は、敵航空機から艦隊を守る為に考案された陣形です。」
この輪形陣は、元々空母機動部隊を敵航空機から守る為に発案された陣形で、空母を中心に置き、周りを戦艦や巡洋艦、駆逐艦が円陣を組んで守りを固める陣形。
今回は、武蔵と高千穂を中心として、円陣を組む。
数分後
空母大鳳を発艦した両攻撃隊は、両部隊上空に達した。
西部隊
すくね、CIC
すくねのレーダー主「敵機捕捉、数39!」
東部隊
さつま、CIC
さつまのレーダー主「敵機捕捉、数39!」
早くも両部隊は、対空レーダーで攻撃隊を捕捉し
晴風、艦橋
まゆみ「来ました!?」
雲から現れた攻撃隊を肉眼でも確認した。
『対空戦闘!!』
先ずは、薫達西部隊の戦闘から見てみよう。
西部隊に来襲して来たフェイト率いるライトニング隊39機は
春乱、操縦席
フェイト「全機!・・・中央の武蔵に構わず・・・周りを囲む艦艇を攻撃せよ!」
『了解!』
中央の武蔵を攻撃せず、周りを囲んでいる艦艇を攻撃する。
西部隊
晴風、艦橋
マチコ『敵機!此方に向かってくる!!』
敵機数機が武蔵以外の旗艦晴風以下数隻に攻撃を仕掛けてきた。
次郎「何で、こっちを狙って来るんだ!?・・・普通なら武蔵を狙うだろう?」
普通なら中心の武蔵を狙うのに、フェイトは、何故周りの艦から攻撃するのか疑問を抱く。
薫「多分フェイトちゃん・・・味方の被害を最小限にしようと、あえて武蔵を狙わないで、私達を攻撃して・・・此方の攻撃力を削ぐつもりなのよ!」
それに対して、薫は、フェイトが味方の被害を最小限にしようと、あえて武蔵を狙わないで、周りの艦を攻撃し、部隊の攻撃力を削ぐつもりだと見抜く。
次郎「如何する薫?・・・こいつらの艦じゃ、航空機には太刀打ちできないぞ!」
次郎の言う通り、GF艦なら兎も角、学生艦の武装では、音速を飛行する航空機には、太刀打ちできない。
それに対し、薫の判断は
薫「今打つ手は一つだけ・・・全力で回避するのみ!」
航空機の攻撃を全力で回避するのみと判断した。
薫「艦長!敵機の攻撃を全力で回避するのにだけ専念して!」
薫は、明乃に全力で回避に専念するよう命じる。
明乃「は、はい!」
明乃は従う。
芽衣「に、逃げるの?向かってくるんだから、反撃しようよ!!」
志摩「うぃ!うぃ!」
だが、芽衣と志摩は、逃げるより、反撃しようと言うが
次郎「馬鹿かお前らは?・・・音速で向かってくる敵機に、この艦の攻撃が当たる訳無いだろう!!」
そんな2人に対して、次郎が音速で向かってくる敵機に攻撃が当たる訳無いと言って、2人を叱る。
『ん!!!』
撃てないと分かり、2人は落ち込む。
次郎「そんなに気を落とすな!・・・次の水上戦じゃ、いくらでも打たせてやる!」
落ち込む2人に次郎は、次の水上戦で、いくらでも打たせてやると告げ
芽衣「本当!?」
志摩「うぃ?」
それを聞いて、2人は、立ち直り
次郎「ああ本当だ!!約束する。」
次の水上戦で、いくらでも打たせてやると、2人に約束する。
芽衣「やった!!」
志摩「うぃ!!」
次郎(単純な奴ら・・・)
立ち直りが早い2人を見て、単純な奴だと思う。
薫「納沙さん!他の艦にも回避に専念するよう伝えてくれる。」
幸子「分かりました。」
改めて、他の艦にも回避に専念するよう伝え、薫は受話器を取り
薫「すくねとせんだいは、敵機の迎撃をお任せします。」
五月『了解。』
与力『心得た。』
すくねとせんだいに敵機の迎撃を依頼。
せんだい、CIC
与力「よ~し、学生艦には、一発も当てさせるな!一機残らず叩き落とせ!!」
橘「了解!」
すくね、艦橋
五月「はぁ~世話が焼けるわ!」
志津真「まあ、あの艦長が命じる事は、大体分かっていますから・・・」
五月「とは言え・・・此処は、私達が一肌脱いであげましょう副長。」
志津真「はい!」
すくねとせんだいは、敵機の迎撃に専念し
武蔵、艦橋
親子「攻撃しないのですか?」
もえか「今は、山本教官の命令に従いましょう。」
天津風、艦橋
千華「何で攻撃しないのよ!?あの指揮官は、何を考えているの?」
あゆみ「とは言え、命令には従った方が良いのでは、艦長?」
千華「わ、分かってるわよ!!」
時津風、艦橋
つむぎ「だ、大丈夫かな・・・」
君江「まあ~なる様に成るんじゃないんですか?」
晴風以下の学生艦は、回避行動をする。
こうして、本格的な戦闘が始まった。
「目標捕捉!」
『てーっ!』
敵機を捕捉したすくねとせんだいが速射砲と20mmファランクスCIWS(両方とも演習用のペイント弾)で攻撃する。
2隻の攻撃でライトニング隊39機のうち15機に命中、機体に撃墜の印であるペイント弾の絵具が付着した。
だが、残りの24機が学生艦に突入し
春乱、操縦席
ライトニング隊「目標を捕捉!・・・投下!!」
容赦ない雷爆撃を慣行。
模擬魚雷、模擬爆弾の猛攻撃で、比叡は小破、摩耶は中破し、五十鈴と浦風、谷風は大破、航行不能と言う事で脱落した。
晴風、艦橋
鶫『五十鈴から連絡です・・・ワレ多数ノ被弾ヲ受ケ、航行不能・・・浦風、谷風からもです!!』
早くも3隻が脱落した情報が晴風に齎された。
次郎「早くも3隻脱落かよ・・・」
薫「今は、回避に専念するしかない!・・・皆頑張って!」
容赦ない爆撃に対し、学生艦は、回避するしか術はなく
マチコ『敵機1機、左舷より此方に向かう!』
そんな中、晴風にも敵機1機が向かって来た。
明乃「リンちゃん、主舵一杯!!」
明乃は、鈴に右に回避するよう命じる。
鈴「はい・・・・・・!」
鈴は、急いで舵を右に舵を切る。
回避する晴風に対し、春乱1機から2発の模擬爆弾が投下。
晴風の左舷付近に着弾した。
鈴「ひぃ・・・・・・!!」
至近での着弾に鈴は、悲鳴を上げる。
ましろ「なんて速さ何だ!?これじゃ、こっちの照準が着かない!」
航空機のあまりの攻撃の速さにましろは驚愕し
ましろ「これが戦闘なのか?」
これが戦闘なのかと疑問視する。
薫「そうよ!」
それに薫が答え
ましろ「えっ?」
薫「これが私達の戦闘・・・貴方達がいつもしているのは、水上と対潜戦闘の2種類のみ・・・でも私達のしているのは、水上と対潜、そして対空戦闘の3種類なの!」
明乃達に自分達の戦闘の違いを説明する。
確かに明乃達がいつもしているのは、水上と対潜戦闘の2種類だけで、薫達の方は、水上と対潜に対空戦闘の1種類が増えている。
幸子「成程!1つ種類が増えているんですね!」
それを聞いた幸子は納得し
芽衣「ど、如何やったら勝てるの?」
志摩「うぃ?」
芽衣と志摩は、勝つ方法を問う。
次郎「そんなの無い!相手は、無限に来るからな!」
それに対して、勝つ方法など無く。
相手が無限に来る事を告げる。
鈴「む、無限!?」
無限だと聞いて、鈴は怯える。
薫「私達が今やれる事は、全力で回避して、この攻撃に耐えるしかない!」
今やれる事は、全力で回避して、攻撃に耐えるしかない。
次郎「分かったなら、敵は、まだ来るぞ!全力で回避に専念しろ!!」
『はい!』
明乃達は、回避に専念する。
そして、他の艦も
武蔵、艦橋
親子「五十鈴が・・・」
もえか「これ以上被害を大きくする訳にも行かない・・・砲術長!・・・速射砲で敵機を攻撃して!」
武蔵の砲術長「了解!」
親子「何をする気ですか?」
もえか「私達が囮になって、敵の注意を引き付けるの!・・・大丈夫、私達の艦ならちょっとやそっとの攻撃にも耐えられるから!」
もえかは、武蔵の防御力を活かして、囮になって、敵の注意を引き付ける。
アドミラル・グラフ・シュぺー、艦橋
アウレリア「左舷より敵機!?」
ロミルダ「右舷からもです!?」
ミーナ「艦長!!」
テア「うろたえるな!素早く対応すれば大丈夫だ!!」
テアの指示のもと、2方向からの攻撃を易々と回避する。
天津風、艦橋
千華「反撃よ!あいつらを打ち落してやる!!」
あゆみ「無理です!回避に専念して下さい!!」
千華「わ、分かっているわよ!!」
千華は、反撃を試みるも、あゆみに止められ、回避に専念する。
時津風、艦橋
君江「艦長!敵が向かってきます!?」
つむぎ「ど、如何しよう!!!」
つつじ「回避で良いんじゃないですか?」
敵機の接近につむぎは戸惑うが、航海長の賀茂つつじの判断で危機を脱する。
一方、美由紀達東部隊もなのは率いるスターズ隊の攻撃を受けていた。
高千穂、艦橋
「敵機接近!」
美由紀「さつまといばらぎは迎撃せよ!」
此方も高千穂とさつま、いばらぎが迎撃を担当し、学生艦は、退避に専念する。
3艦の攻撃でスターズ隊は、39機の中、20機を撃墜した。
だが、此方もスターズ隊の容赦ない雷爆撃でビスマルクは小破、鳥海に中破し、磯風、萩風は小破し、磯風が萩風は大破、航行不能で脱落した。
しばらくして、空襲は止み、攻撃隊は帰路に着く。
晴風、艦橋
薫「ふぅ・・・一先ず終わった見たいね・・・」
薫は、一先ず空襲が終わった事を確認する。
ましろ「やっとか!」
明乃「ひやっとしたよ!」
一先ず空襲が終わった事に明乃達も一段落した。
薫「納沙さん!各艦の損害状況の確認をお願い!」
幸子「了解です!」
幸子は、タブレットで被害状況を確認する。
数時間後
幸子「損害の確認できました。」
タブレットで各艦の損害の確認を終え、報告する。
幸子「五十鈴と浦風、谷風は、轟沈・・・比叡は小破・・・摩耶は中破・・・我々晴風と武蔵以下3隻は健在です。」
西部隊の被害は
五十鈴、浦風、谷風は大破、航行不能、比叡は小破、摩耶は中破。
健在なのは、旗艦の晴風、武蔵、すくね、せんだい、アドミラル・グラフ・シュペー、天津風、時津風の計7隻。
一方、東部隊の被害は
磯風、萩風が大破、航行不能、ビスマルクは小破、鳥海は中破。
健在なのは、旗艦の高千穂、さつま、いばらき、涼風、浜風、舞風の6隻
どちらとも損害は、同じだった。
空母大鳳、艦橋
功「あれ程の攻撃を受けて、どちらも損害は同じとは・・・」
古庄「どちらとも非常時に対応ができている。」
両部隊の損害状況を見て、薫と美由紀が非常時に対応ができていると評価する。
龍之介「まだ続くぞ!・・・次は、水上戦だ!!」
そして、いよいよ待ちに待った水上戦へと移る。
晴風、艦橋
薫「次は、水上戦!」
明乃「水上戦!?」
芽衣「よっしゃ、やっと出番だ!」
志摩「うぃ!」
遂に水上戦だと聞いて、芽衣と志摩は、浮かれる。
ましろ「水上戦ですか!?」
薫「ん!・・・だけど、相手が権藤中佐だから油断は、禁物!・・・注意して!」
だが、相手が美由紀である為、薫は、油断は、禁物だと注意する。
次郎「だそうだ!・・・お前ら、気を引き締めていけ!!」
『はい!』
明乃「ココちゃん!敵との距離は、どのくらい?」
明乃は、東部隊との距離を幸子に問う。
幸子「ん・・・位置からして・・・敵との距離は・・・40,000mです!」
幸子は、タブレットで東部隊との距離を測定。
東部隊との距離は、まだ40,000mも離れていた。
薫「40,000mなら、まだ余裕が有る・・・今のうちに交代で少し休みましょう艦長!」
明乃「そうですね。」
接敵まで、まだ余裕が有るので、薫は、今のうちに交代で休むよう命じる。
西部隊は、接敵前に交代で休養を取る。
だが、一方の東部隊では
高千穂、艦橋
美由紀「敵との距離は、まだ40,000mもある・・・今頃、接敵に備えて、向こうは休養している頃ね!」
美由紀は、薫達が接敵に備えて、休養していると予測する。
文夫「此方も接敵に備え、休養を取りますか?」
此方も接敵に備えて、休養をするのか問う。
接敵まで、まだ距離が有る。
美由紀の事だから、当然休養を命じると思った。
だが、美由紀の判断は
美由紀「何を言っているの副長!・・・向こうが休養している最中なら、先手必勝!・・・直ちに攻撃するべきよ!」
休養せず、攻撃を命じる。
文夫「攻撃ですか?」
美由紀「この好機を逃す訳にはいかない!・・・砲撃用意!」
春美「了解!全主砲砲撃戦用意!!」
美由紀は、砲撃を命じ、高千穂砲術長の井上春美大尉は、全主砲塔に砲撃用意を指示する。
高千穂のみ砲撃準備をする。
40,000mでは、高千穂と武蔵の18インチ砲しか届かない。
高千穂、全主砲塔
高千穂の全主砲塔は、砲撃準備をする。
高千穂の砲術員「砲弾装填!」
下の弾薬庫から46cm演習用砲弾が上げられ、隣の砲術員の指示で砲身に装填。
高千穂の砲術員「よし、降ろせ!」
高千穂の砲術員「装薬装填!」
続けて、装薬が降ろされ、砲術員達の手で砲身に装填される。
高千穂、艦橋
美由紀「砲術長!・・・遠距離レーダーで目標を捕捉!」
春美「了解!」
春美は、遠距離レーダーで目標に狙いを付ける。
高千穂の測距儀で見える距離は武蔵と同じ23,000mが限界。
それ以上はレーダーだが、普通のレーダーでは遠すぎて捕捉できない。
その為、対巡航ミサイル用の遠距離レーダーで目標を捕捉する。
春美「測定完了!砲撃準備完了!」
美由紀「って!!」
美由紀の号令のもと、高千穂の全主砲が一斉に射撃を開始する。
その頃、西部隊は、接敵に備え、各艦それぞれ交代で休養を取っていた。
そんな時
晴風、艦橋
慧『主砲弾多数!此方に向かう!!』
『えっ!?』
電測員の慧からの報告に明乃と薫は、驚愕する。
そして、高千穂から発射された砲弾が至近に着弾する。
『きゃ・・・・!!』
いきなりの着弾の衝撃に悲鳴を上げる。
晴風、炊飯所兼食堂室
『きゃ!?』
百々「なんッスか?」
媛萌「分かんない!?」
炊飯所兼食堂室で休息を取っていた生徒達も、いきなりの着弾の衝撃に困惑する。
晴風、艦橋
次郎「完全に隙を突かれたぞ!?」
明乃「総員!直ちに配置に戻って!!」
完全に此方の隙を付かれ、急いで配置に戻るよう命じる。
晴風、電探室
慧「更に主砲弾多数!此方に向かう!!」
更に数分待たずに第2波がやって来て
晴風、見張り台
マチコ「比叡に着弾!?」
5発が比叡に命中する。
晴風、艦橋
ましろ「ひ、比叡が!?」
武蔵、艦橋
親子「艦長!比叡が!?」
もえか「ん・・・」
主砲弾5発の命中で比叡は、甚大な被害を受け
古庄『判定、比叡大破!』
脱落した。
更に中破した摩耶も被弾し、脱落する。
これで残っている艦は、6隻。
晴風、艦橋
ましろ「こんな見えない距離で、弾着観測なしで当てるとは・・・」
幸子「普通のレーダー照準では、こんなに正確に当てる事は・・・」
弾着観測や普通のレーダー照準なしで、正確に当てた事に、2人は困惑する。
薫「おそらくこれは・・・遠距離レーダー照準での射撃!?」
だが、薫は、直ぐにそれが遠距離レーダー照準での射撃だと見抜く。
『遠距離レーダー!?』
遠距離レーダーに明乃達は注目する。
次郎「おい薫!・・・遠距離レーダーは普通、遠距離からのミサイル迎撃に使うもんだろう・・・こんな風に使うなんて聞いた事が無いぞ?」
だが、次郎の方は、これが遠距離レーダー照準での射撃とは思えなかった。
次郎の言う通り、遠距離レーダーは、遠くから発射されたミサイルをいち早く捕捉する為に開発された物で、こう言う風に艦船への攻撃に使うとは聞いた事が無い。
薫「それは前例がないだけ・・・遠距離レーダーは、対物レーダーと同じだから射撃にも応用出来るよ!」
それに対して、薫は、前例がないだけと告げる。
次郎「そ、そうか!?・・・あんまりミサイルに頼り過ぎているから、応用できる事に気づかなかったのか!?」
薫の言葉に次郎は納得する。
薫「もう次郎君たら、大事なところが抜けてるよ!・・・発想の転換だよ!」
確かに発想の転換であるが
次郎「わ、分かってるよ、そんな事!!」
次郎本人は、全く分かってない様だ。
芽衣「何なの、この雰囲気?」
鈴「何か・・息ピッタリ?」
志摩「うぃ?」
2人を見て、芽衣、鈴、志摩は、息ピッタリだと思うのだった。
だが、そんな事を思ってる中、砲撃は更に悪化し
ましろ「砲撃が益々悪化して来た!?教官、如何すれば?」
如何すれば良いか薫に問う。
薫「大丈夫!・・・向こうがレーダーで射撃するなら使えない様にすれば良いだけの事!」
ましろ「えっ?」
薫は、そう言って、受話器を取り
薫「十六夜艦長、原田艦長!ジャミングをお願いします!」
すくねとさつまにジャミングをお願いする。
すくね、艦橋
五月「良いけど、そんな事をすれば、此方のレーダーや通信機器が使えなくなるわよ!」
だが、すくねの艦長五月から、ジャミングは、敵のレーダーを妨害出来るが、此方もレーダーと通信ができなくなると忠告される。
確かにジャミングは、敵のみじゃなく、味方のレーダーや通信機器に影響を及ぼす。
薫『それは分かっています・・・しかし、この砲撃から逃れるには、それしか・・・』
その事は、薫も重々承知していたが、この砲撃を逃れるにはそれしかなかった。
五月「はぁ・・・分かったわ。」
せんだい、艦橋
与力「了解した!」
両艦の艦長は、承諾する。
晴風、艦橋
薫「納沙さん!他の艦に通信が出来ないので、発光信号で応答するように!」
幸子「分かりました。」
通信が出来なくなるので、予め発光信号で応答する様、各艦に通達する。
五月「ジャミング開始!」
すくねとせんだいの電波探知妨害装置NOLQ-3及びOLT-3が作動。
これによりレーダー及び通信が使用できなくなった。
高千穂、艦橋
高千穂のレーダー主「艦長!・・・敵が対抗処置を取って来ました・・・遠距離レーダーが妨害されています!!」
すくねとせんだいの妨害装置によって、高千穂の遠距離レーダーは、西部隊を探知できなくなった。
それを聞いた美由紀は
美由紀「そう・・・此方の射撃から逃れる為に、2艦にジャミングを行わせているのね・・・もし同じ立場なら、私もそうするわね!」
すくねとせんだいがジャミングをしているのだろうと察し
もし同じ立場なら自分もそうしていただろう。
春美「砲撃を続けますか?」
春美が美由紀に砲撃を続けるのか問う。
美由紀「止めておきましょう・・・弾の無駄よ!・・・此方もジャミングを行いながら様子を見ましょう。」
美由紀は、砲撃を一時中止し、此方もジャミングで向こうのレーダーから隠れる。
美由紀「さて・・・砲撃から逃れた事は褒めてあげるわ!・・・でも、この状態では遠距離での攻撃は出来ないわよ!・・・如何するのかしら・・・」
砲撃から逃れる為とは言え、ジャミングを行った事で両部隊は、遠距離での攻撃が出来ない。
如何するのか
薫の行動をお手並み拝見する。
空母大鳳、艦橋
実「両部隊の通信が途絶えました。」
攻撃隊収容中の空母大鳳でも両部隊が妨害装置を作動させた事を確認する。
古庄「えっ!?」
通信が途絶えた事に古庄は驚く。
信吾『此方CIC!・・・両部隊がレーダーから消えました。』
古庄「雅か、事故か何か?」
通信やレーダーからの消失
古庄は、一瞬非常事態が起きたかと思ったが
龍之介「いや・・・おそらくジャミングの影響だろう・・・心配いらない!」
龍之介は、両部隊のジャミングの影響だと察し、心配いらないと告げる。
古庄「しかし、これでは何か有った時に此方から直ぐに救援が出せなくなるのでは?」
古庄の言う通り、この状態では、直ぐに救援が出せない。
龍之介「その点は問題ない・・・E2Jのレーダーが代わりに監視している。」
だが、龍之介は問題ないと言う。
何故なら、監視で飛んでいるE2Jのレーダーは、妨害にも強いレーダー機器を使っているので、此方に代わって監視を続けられる。
更にヘリ6機で編成されている救難部隊が、いつでも出撃できるよう準備していた。
西部隊
話は戻し、ジャミングの影響の中、西部隊では
晴風、艦橋
明乃「あっ!?」
ましろ「砲撃が止んだ。」
砲撃が止んだ事を明乃とましろが確認する。
次郎「ジャミングのお陰で、助かったな!」
『ふぅ・・・』
助かった事に安心する。
幸子「でも、この状態では、レーダーや通信もおろか攻撃もできません。」
幸子の言う通り、この状態では、通信も攻撃が出来ない。
例え、攻撃で来ても距離が遠すぎて撃てない。
芽衣「ああ、もう、折角の水上戦なのに距離が遠すぎて撃てない!!」
志摩「うぃ!うぃ!」
折角の水上戦なのに撃てない事に芽衣と志摩は悔しがる。
次郎「如何する薫?・・・この状態じゃ、あの武蔵の艦長が立てた作戦ができないぞ!」
次郎は、この状態じゃ、もえかが立てた作戦が実行できない。
もえかが立てた作戦とは
敵部隊に対して、武蔵と比叡の援護の元、味方部隊が二手に分かれ敵部隊に突入し、乱戦に用いる作戦だった。
しかし、ジャミングを行っている以上、遠距離の支援が出来ない。
更に先の砲撃で比叡と摩耶を失い、戦力は半減している。
これでは、とても実行できない。
薫「ん・・・」
如何すれば良いか、薫は考える。
そんな時
明乃「じゃ!」
薫「ん?」
明乃「私達が、その分何とかすれば良いんじゃないですか?」
明乃が、その分自分達が何とかすれば良いんじゃないですかと薫に進言する。
次郎「お前聞いてなかったのか?・・・この状態で何が・・・」
それに対して、次郎が言い返すと
薫「出来るかも!」
次郎「えっ!?」
薫が何かを思い付き、各艦に命令を出す。
東部隊
西部隊が動く中、東部隊は、西部隊に備え防備を固めていた。
そして
高千穂、防空指揮所
高千穂見張り員「ん!?」
高千穂の見張り員が海上にマストの様な構造物を視認。
やがて、それが艦の構造部だと分かり
高千穂見張り員「敵艦隊発見、数3!!」
直ちに艦橋に報告する。
高千穂、艦橋
報告を受けた美由紀は、直ぐに双眼鏡で見る。
美由紀「ん!?・・・あれは?」
美由紀が見たものは、煙幕を展開しながら此方へと全速で向かってくる敵部隊の姿だった。
文夫「奴ら何も考えないで突撃して来たのか?」
双眼鏡で相手が何も考えないで突撃してきたのかと文夫は推測する。
美由紀「そんな訳が無いわ!・・・煙幕で上手く隠しているけど・・・どうせ囮よ!・・・私達が前方に気を取られているうちに別動隊が後方から責める魂胆ね!」
美由紀は、前方の敵が此方の目を欺く陽動だと認識し、別動隊が後方から責めてくると推測する。
文夫「ならばいかがいたしましょうか?」
それに対して文夫は、如何するか問う。
美由紀「前方のさつま、いばらきを迎撃に向かわせなさい・・・他の艦は、そのまま周囲の警戒を続行。」
文夫「了解!」
美由紀は、前方を航行中のさつま、いばらきを迎撃に向かわせる。
一方、前方から向かってくる艦艇は、旗艦の晴風とアドミラル・グラフ・シュペーの2隻で、両艦は、煙幕を張りながら航行していた。
晴風、艦橋
次郎「如何やら、上手く言ったな!・・・奴らこっちが囮だって気づいた様だ。」
次郎は、双眼鏡で向こうの動きを見て、向こうが此方が囮だと気付いた様だと判断する。
薫「ん、このまま煙幕を張りながら主砲の有効射程まで接近・・・但し、速度は27ノットを維持・・・艦長!」
それを聞いた薫は、煙幕を張りながら27ノットで主砲の有効射程まで接近するよう明乃に命じる。
明乃「リンちゃん!第4戦速を維持しつつ前進!」
鈴「ヨ、ヨーソロー!!」
明乃は、鈴に第4戦速を維持しつつ前進と命じ、
明乃「ココちゃん!シュペーにも伝えて!」
幸子「分かりました。」
隣のアドミラル・グラフ・シュペーにも伝える。
2隻は、煙幕を張りながら27ノットで有効射程まで接近する。
高千穂、艦橋
美由紀「・・・妙ね?」
双眼鏡で接近してくる敵部隊を見ていた美由紀は、敵部隊の行動に疑問を抱く。
それは、2隻が、かなりの近距離で航行している事。
しかも煙幕を張りながら
美由紀「何故、あんなに距離を詰めて航行するのかしら?」
文夫「さあ、どうせ素人が操舵しているのでしょう。」
文夫は、相手が素人が操縦しているのだから、距離を間違えていると思っていた。
美由紀「そんな筈は・・・・・・はぁ!?」
だが、美由紀は、そんな筈はないと思っている内にある事に気づき
美由紀「急いでさつまといばらきに撤退するよう命じて!!」
文夫「え?」
美由紀「早く!!」
急いで迎撃に向かわせたさつま、いばらきに撤退を命じる。
だが、時既に遅かった。
晴風、艦橋
薫「今よ!煙幕止め!距離を開けて、全速前進!!」
アドミラル・グラフ・シュペー、艦橋
ミーナ「艦長!」
テア「全速前進!!」
薫の号令のもと、2隻は、煙幕を張るのを止め、全速で距離を開けながら接近する。
やがて2隻が展開していた煙幕が晴れ、其処から
さつま、艦橋
さつまの見張り員「前方に大型艦!?」
大型艦が姿を現した。
守「艦長、あれは!?」
重雄「ん!!!」
前方に現れた大型艦を見て、重雄は驚愕する。
高千穂、艦橋
美由紀「む、武蔵!?」
その大型艦は、紛れも無く武蔵だった。
武蔵、艦橋
親子「雅か、こんな方法で敵に接近するとは!?」
もえか「ん、流石に考える事は凄いね!」
薫の作戦に驚きながら
もえか「砲撃用意!目標前方の2艦!!」
武蔵の砲術長「了解!」
迎撃に来たさつま、いばらきに主砲の照準を合わせる。
さつま、艦橋
重雄「全速退避!急げ!!」
さつま、いばらきは、退避行動を取るが
武蔵、艦橋
もえか「砲撃始め!」
武蔵の砲術長「って!!」
武蔵は砲撃を開始。
2艦に命中した。
さつま、艦橋
さつまの乗員「機関部に被弾!航行不能!!」
さつまの乗員「いばらきも同じです!!」
2艦共、機関部を損傷し、航行不能になり
古庄『判定、2艦とも航行不能で脱落と見なします!』
脱落した。
晴風、艦橋
『よっしゃ!!』
次郎「よ~し!2艦仕留めたぞ!!」
幸子「流石武蔵!初弾で見事に当てましたね!」
明乃「流石もかちゃん!!」
敵2艦を脱落させた事に明乃達は大喜びする。
薫「まだよ!まだ手強いのが残っている・・・このまま武蔵と共に敵部隊に突入する。」
だが、薫は喜ばず、このまま武蔵と共に敵部隊に突入を命じる。
高千穂、艦橋
文夫「さつまといばらきが・・・」
学生艦じゃない艦2隻がやられた事に文夫は驚愕するが
美由紀「・・・へ・・・やるじゃないの・・・だけど、此処までよ!・・・全速前進!!目標武蔵!」
美由紀は、それを見て、此方も負けていられないと思ったのか、艦を武蔵へと向けるよう命じる。
武蔵、艦橋
武蔵の生徒「敵艦向かってきます!!」
もえか「砲戦用意!」
向かってくる高千穂にもえかは砲戦準備を命じる。
晴風、艦橋
ましろ「教官、私達も!」
武蔵が高千穂とやり合うのを見て、ましろは、自分達も参加しようと言うが
薫「いえ、このまま進みます!」
薫は、そのまま前進を命じる。
アドミラル・グラフ・シュペー、艦橋
ミーナ「我々も援護しましょう。」
テア「うむ!」
アドミラル・グラフ・シュペーも武蔵を援護するが
アレクサンドラ「前方よりビスマルク!?向かってきます!!」
前方からビスマルクが向かって来た。
ビスマルク、艦橋
クローナ「貴方達の相手は、この私よ!」
艦橋では、テアのライバル、クローナが笑いながらテアの前に立ちはだかる。
アドミラル・グラフ・シュペー、艦橋
ミーナ「くそ、クローナの奴!」
テア「砲戦用意!」
止む無く、アドミラル・グラフ・シュペーは、ビスマルクと一戦交える。
こうして、武蔵は、高千穂を
アドミラル・グラフ・シュペーは、ビスマルクを
そして、晴風は、残っている敵部隊に単独で突入する。
残っている敵は、鳥海、涼風、浜風、舞風の4隻。
それに対して、晴風は1隻のみで交戦を挑む。
雅に無謀だ。
だが、薫はまだ奥の手を残していた。
それはさておき、武蔵は、高千穂と交戦を交え様としていた。
高千穂、艦橋
美由紀「目標武蔵!」
春美「全主砲照準!目標武蔵!」
高千穂の主砲が武蔵に照準を合わせる。
武蔵、艦橋
もえか「砲術長!目標高千穂!」
武蔵の砲術長「了解!目標高千穂!」
武蔵も高千穂に照準を向ける。
高千穂と武蔵
史上始めての超戦艦同士の砲撃戦が始まる。
高千穂の18インチ砲12門に対し、武蔵は18インチ砲9門。
数から見て、高千穂の方が有利だが、武蔵も負けてはいない。
武蔵は自動装填に対し、高千穂は手動装填。
高千穂より武蔵の方が装填速度が速い。
どちらとも違いは有るが、それでも超戦艦同士の撃ち合いに代わりはない
『って!!』
両艦は、砲戦を開始した。
同じ頃、アドミラル・グラフ・シュペーもビスマルクと交戦を開始しようとしていた。
アドミラル・グラフ・シュペー、艦橋
テア「全速前進!!ビスマルクに近づけろ。」
テアは、ビスマルクに対し、接近戦を挑む。
アドミラル・グラフ・シュペーの性能ではビスマルクにまともに太刀打ちできない。
その為、テアは、接近戦に持ち込もうとする。
ビスマルク、艦橋
ビアンカ「シュペーが向かってきます!?」
クローナ「ククク・・・このビスマルクに対し、接近戦に挑むきね!・・・そうはさせないわよ。」
接近してくるアドミラル・グラフ・シュペーに対し、ビスマルクは迎撃する。
そんな中、晴風は、単独で残った敵部隊に突入しようとしていた。
晴風、見張り台
マチコ「前方より鳥海以下、航洋艦3隻近づく。」
マチコからの報告で、前方から鳥海と涼風、浜風、舞風の4隻が接近してきた。
晴風、艦橋
明乃「戦闘用意!」
明乃は、戦闘用意を命じ
芽衣「よっしゃ、やっと出番だ!」
志摩「うぃ!」
芽衣と志摩は、主砲と魚雷の用意をする。
4隻は、しだいに近づいてくる。
鈴「ううう・・・」
4隻が近づいてくるのを見て、鈴は、震えて来た。
ましろ「教官、攻撃は?」
ましろは、薫に攻撃の許可を問うが
薫「まだ!」
薫はまだと言って、攻撃を待つ。
やがて、鳥海の主砲が此方を向いた途端
薫「今よ、艦長!」
明乃「信号弾用意!」
晴風、射撃指揮所
光「って!!」
晴風から信号弾が放たれる。
鳥海、艦橋
鳥海艦長「何、何だ!?」
いきなりの信号弾に何かと驚き
すくね、艦橋
志津真「旗艦より合図です!」
五月「全速前進!」
せんだい、艦橋
与力「いくぞ!!」
信号弾から直ぐに左右からすくね、せんだい、天津風、時津風の4隻が現れた。
4隻は、本体とは別に敵に気づかれない様に密かに接近していたのだ。
鳥海の生徒「左右から敵!?囲まれました!!」
前方から晴風、左からすくねと時津風、右からはせんだいと天津風。
4隻は、完全に包囲された。
高千穂、艦橋
高千穂の通信主「艦長!後続の部隊が敵に包囲されています!!」
美由紀「な、何ですって!?」
後方に残っていた味方艦4隻が敵に包囲された報告を聞いて、驚愕する。
美由紀「ま、雅か!?・・・主力艦を囮にして、此方の主力を引き付け、その間に残った艦船を包囲する。」
薫の作戦は、先ず煙幕で敵に近づき、此方が囮と気づかせて、今度は、武蔵を出して、此方が本命だと思わせる。
そして、敵の主力2隻が此方に引き付けている間に晴風が残った敵部隊に接近、単独で戦闘をすると見せかけ、信号弾で隠れていた4隻に合図を出し、敵部隊を包囲する。
文夫「か、艦長?」
美由紀「ふん!・・・完全にしてやられたわね・・・あの子に!」
まんまと薫の作戦にはまってしまった事に美由紀は嘲笑う。
報告を聞いたところで今は戦闘中、囲まれた味方を救う事はできない。
仕方が無く、戦闘を続行するしかなかった。
晴風、艦橋
幸子「包囲完了しました。」
次郎「雅か成功するとは!?」
次郎は、薫の作戦が成功するとは思わなかった。
薫「岬ちゃんのお陰だよ!あの時、岬ちゃんの言葉で思い付いたの!」
薫は、あの時、戦力が半減し、窮地になった時、明乃が励ましたお陰で今の作戦を思い付いたのだ。
雅に明乃は、幸運の持ち主だ。
明乃「いやぁ・・・照れるな・・・!」
明乃は、照れてしまう。
ましろ「はぁ・・・其処は照れるところじゃないでしょう艦長!」
だが、ましろは、其処は照れるところじゃないでしょうと呆れる。
空母大鳳、艦橋
古庄「これは!?」
功「主力を囮にして、敵の主力を引き付けている間に残りが残った敵を包囲する・・・何とも大胆な作戦を立てましたね!」
空母大鳳の艦橋で見ていた古庄と功も薫の戦術に驚いていた。
龍之介「やはりあいつには、指揮官の才能が十分にある。」
薫の戦術を見て、龍之介は、薫には指揮官としての才能が有ると確信する。
まあ、それはさて置き、晴風以下5隻は、包囲した4隻の攻撃を開始した。
明乃「砲雷戦用意!目標鳥海!」
芽衣「魚雷!・・敵針180度、敵速20ノット、雷速52ノット、写真角0度。」
志摩「うぃ!」
芽衣と志摩は、鳥海に照準を合わせ
明乃「攻撃始め!!」
芽衣「撃てぇ!!」
晴風から魚雷8本が鳥海に向け発射され
志摩「って!!」
更に砲撃も開始する。
8本の魚雷の内、4本が命中し、砲弾も中央付近に命中する。
芽衣「よっしゃ!命中!!」
志摩「う~い!」
命中した事に芽衣と志摩は大喜びする。
晴風、見張り台
マチコ「鳥海発砲!?」
攻撃を受けた鳥海も負けていられず反撃する。
だが、前の航空攻撃によって、主砲の2基が使用不能になっているので、隙が出来ていた。
その隙を狙って、攻撃を続け
晴風、見張り台
マチコ「鳥海大破!・・・マストに白旗が上がっています。」
遂に鳥海は白旗を揚げ、降伏する。
晴風、艦橋
次郎「よし!1隻仕留めた。」
芽衣「やった・・・!!やった・・・!!」
志摩「うぃ!!」
芽衣「イエーイ!!」
志摩「うぃ!!」
鳥海を仕留めた事に芽衣と志摩は、大喜びし、ハイタッチをする。
ましろ「やったのか・・・」
幸子「そうだよシロちゃん!!」
明乃「やったね教官!」
薫「うん、これで残るはあと3隻・・・このまま包囲の輪を縮めよう。」
喜びに漬しながら包囲の輪を縮める。
やがて、鳥海に続いて、涼風、浜風、舞風までもがすくね、せんだい、天津風、時津風によって、降伏した。
古庄『鳥海降伏!他の3隻も降伏を確認。』
晴風、艦橋
幸子「これで残るは2隻だけですね!」
包囲戦によって、敵4隻が脱落し、残りは高千穂とビスマルクの2隻のみ。
薫「ん!先ずは、高千穂から・・・全艦前進!」
晴風以下5隻は、武蔵と戦闘中の高千穂へと針路を向ける。
その頃、高千穂は、武蔵と戦闘を続けていた。
高千穂、艦橋
春美「って!!」
武蔵、艦橋
武蔵の生徒「2番主砲及び3番主砲大破!!」
高千穂の砲撃で2番主砲及び3番主砲が大破した。
もえか「向こうの被害は?」
親子「保々軽微の模様・・・」
一方の高千穂は、2番副砲と左舷5インチ砲の数基が大破したのみだった。
武蔵の生徒「2番及び3番副砲大破!後部甲板にも被弾!」
僅か数十分で武蔵は追い詰められていく。
夏美「ま、雅か私達が・・・」
自分達が追い詰められている事に困惑する夏美。
いくら成績優秀な武蔵の生徒でも高千穂の乗員は実戦経験の差で武蔵が不利だった。
もえか「ん・・・」
如何すれば良いのかもえかは考えるが、高千穂の砲撃更に迫ってゆく。
高千穂、艦橋
美由紀「これでトドメよ!」
武蔵にトドメを刺そうと高千穂の全主砲が武蔵に向く。
春美「って!!」
最後の砲撃が武蔵に迫る。
武蔵、艦橋
『きゃぁ・・・!?』
高千穂の砲弾が武蔵の至る各所に命中し、被弾の衝撃に生徒達は悲鳴を上げる。
そんな中
もえか「・・・白旗を上げて!」
親子「えっ!?」
突然、もえかは降伏の意味でもある白旗を上げるよう命じる。
夏美「降伏するんですか艦長?」
武蔵の生徒「まだ私達は戦えます!!」
もえかの降伏命令に夏美達が反対するが
もえか「確かにまだ私達は戦える・・・だけど、私はこれ以上、皆を危険な目に遭わせたくない!!・・・此処は潔く負けを認めよう!」
もえかは、これ以上、皆を危険な目に遭わせたくないと思い、此処は潔く負けを認めようと皆に告げる。
親子「ん・・・分かりました。」
もえかの言葉に親子は納得し、他の生徒も潔くもえかに従う。
高千穂、艦橋
高千穂の見張り員「武蔵より白旗!?」
やがて武蔵に白旗が上がった事を高千穂の見張り員が確認する。
美由紀「潔く降伏するとは・・・敵ながらあっぱれね!」
美由紀は、潔く負けを認めたもえかを高く評価する。
文夫「これで敵は、要を失ったも同然です!!」
西部隊は、武蔵が脱落した事で主力艦を失った。
残るは、旗艦の晴風以下巡洋艦3隻と航洋艦2隻のみだった。
美由紀「これより残った敵を殲滅する・・・全速前進!!」
武蔵を仕留めた高千穂は、残りの敵を殲滅する為、晴風へと針路を取る。
晴風、艦橋
古庄『判定!武蔵、大破により降伏を確認!』
ましろ「む、武蔵が・・・」
芽衣「う、嘘でしょ!?」
志摩「うぃ・・・」
幸子「あの武蔵が!?」
明乃「もかちゃん!」
武蔵の降伏に明乃達は、驚愕する。
なんせ成績優秀でエリートと謳われた武蔵が、あっという間に撃破されたからだ。
次郎「流石は元教官、侮れねえな!」
薫「うん!」
しかし、薫と次郎の方は、冷静だった。
高千穂相手に武蔵では勝ってないと分かっていたのだろう。
武蔵の生徒は、成績優秀だが実戦経験が無い。
一方の高千穂の乗員は、冷戦とゴジラ戦を戦い抜いているので実戦経験が豊富だ。
もしラット事件で高千穂が地中海に派遣されていなかったら武蔵を止めていたかもしれない。
雅にそれを語っているかの様だった。
とは言え、武蔵を撃破した高千穂が此方へと向かってくる。
鈴「こっちに来る!ど、如何すれば!?」
こっちに向かってくる高千穂に鈴は困惑し
芽衣「あの武蔵を仕留めるなんて・・・あんなのとまともに戦ったら!?」
志摩「うぃ・・・」
高千穂の強さに芽衣と志摩がビビってしまう。
幸子「確かに、あの武蔵を撃破するなんて、とても我々では・・・」
ましろ「やはり無理なのか?」
更に幸子やましろも怖じ気づく。
明乃「ん・・・」
そんな中、明乃も如何すれば良いのか迷う。
高千穂の強さに恐れをなす明乃達を見て
次郎「おいおい、何だよその情けなさわ!!・・・今さら高千穂の強さにビビって如何するんだ!!」
次郎は激怒する。
ましろ「しかし、あんなのとまともに戦うとなると・・・」
ましろは、無理だと言うが
次郎「じゃ降伏するか?」
それに対して、次郎は降伏するのかとましろに言う。
ましろ「それは・・・」
それに対して、ましろは、迷うが
次郎「俺は嫌だね!まだ戦ってもいないのに降伏するのは恥だ!!」
次郎は、まだ戦ってもいないのに降伏するのは恥だと言って、降伏を拒否する。
薫「私も!」
ましろ「えっ!?」
薫「私も降伏には反対!・・・まだやれるのに、此処で諦めたら、それこそ負けになる・・・此処は挑戦すべきだよ皆!」
薫も降伏を拒否し、此処は挑戦すべきだと告げる。
それを聞いた明乃は
明乃「ん、教官の言う通りだよ!・・・まだ私達やれるのに此処で諦めたら駄目だよ皆!」
自分もまだやれるのに此処で諦めたら駄目だよと言い張り
芽衣「そうだよ!まだ私達やれる!!」
志摩「うぃ!うぃ!」
芽衣と志摩もやる気を見せ始め
幸子「やりましょう!此処は挑戦すべきです!!」
鈴「わ、私も頑張ります!!」
幸子や鈴も同じである。
あとはましろだけとなり
ましろ「ん・・・」
ましろは悩む。
悩むましろに薫が
薫「ましろちゃん・・・もし嫌なら参加しなくても良いわよ・・・別に参加しなくても責めたりしないから!」
嫌ならこの戦いに参加しなくても良いとましろに言う。
ましろ「いえ、私もやります。」
だが、ましろは逃げずに参加する。
次郎「これで戦えるな!」
皆のやる気差を見て、これで高千穂と戦えると次郎は把握。
薫「ではこれより高千穂との戦闘を開始します。」
明乃「全速前進!!」
せんだい、艦橋
与力「行くぞ!!」
すくね、艦橋
五月「面白くなってきたわね。」
そして、晴風以下5隻は、高千穂へと戦闘を開始する。
次郎「来たぞ!」
高千穂が晴風以下5隻に向かって来た。
明乃「教官、如何しますか?」
明乃は、如何すれば良いか薫に問う。
薫「先ずは高千穂に接近しよう。」
薫は、高千穂に接近を主張。
ましろ「高千穂相手に接近を!?・・・無茶です!!・・・相手は武蔵以上の艦何ですよ!!」
それに対して、ましろは、無茶だと反対するが
薫「大丈夫!・・・接近すれば、主砲は使えない!・・・それに相手も武蔵との戦闘で傷ついている・・・其処を狙えば!」
薫の言う通り、接近すれば要の18インチ砲は使えない。
攻撃してくるのは副砲と5インチ砲だけになる。
だが副砲は、先の武蔵との戦闘で後方の2番副砲が大破している。
更に5インチ砲も数基が破損している状況。
其処を狙えば勝気は有ると薫は睨む。
ましろ「成程!」
それにましろは、理解し
明乃「ココちゃん!他の艦にも伝えて!」
明乃は、幸子に薫の作戦を他の艦に伝えるよう命じ
幸子「分かりました。」
明乃「リンちゃん!全速で高千穂に接近して!」
鈴に高千穂に全速で接近するよう命じる。
鈴「ぜ、前進全速ヨーソロ―!!」
鈴は、高千穂に接近する針路を取る。
明乃「マロンちゃん!機関を一杯にして!」
更に明乃は、機関室の麻侖に機関を一杯にするよう命じる。
麻侖『がってん承知!』
晴風、機関室
麻侖「よーし、皆!・・・機関一杯、全力でぶん回すぜ!」
調整している麗緒達に機関一杯、全力でぶん回すぜとカツを入れる。
『おお・・・!!』
晴風は、速力を最大にし、高千穂へと接近する。
他の艦も全速で高千穂へと接近する。
高千穂、艦橋
高千穂の見張り員「敵部隊!全速で此方に接近してきます!!」
文夫「何をする気だ?」
文夫は、此方に全速で接近する敵部隊を見て、何をする気なのか分らなかったが
美由紀「恐らく此方の主砲に対し、接近戦を挑もうとしているのよ!」
美由紀は、薫の作戦を察知する。
文夫「しまった!?懐に入れば、此方は打つ手はありません!!」
美由紀「何としても阻止しなさい!!」
美由紀は、敵部隊の接近を絶対阻止を命じる。
春美「了解!」
接近戦を挑む敵部隊に対し、容赦ない砲撃を加える。
晴風、見張り台
マチコ「高千穂から発砲!」
晴風、電探室
慧「主砲弾多数!此方に向かう!!」
高千穂の攻撃を察知し
晴風、艦橋
明乃「リンちゃん、回避しながら全速!!」
明乃は、回避しながら全速を命じ
鈴「はい・・・!!」
鈴は、巧みに舵を左右に切る。
高千穂の砲撃を回避しながら接近する晴風。
他の艦も同様な行動で接近するが
晴風、見張り台
マチコ「すくね、被弾!!」
すくねが被弾した。
晴風、艦橋
薫「五月中佐!?」
すくねの被弾に薫は、動揺したが
鶫『すくねから通信!』
五月『私達に構わず、行きなさい!!』
五月から自分達に構わず、行けと言われ、そのまま通信は切れた。
薫「このまま前進を続けて!!」
薫は、構わず前進を命令。
明乃「はい!」
すくねが脱落する中、晴風以下3隻は高千穂に接近。
幸子「高千穂に近づきました。」
高千穂に接近する事に成功した。
高千穂、艦橋
春美「近すぎる・・・これでは主砲が撃てません!!」
近すぎて主砲が使えなくなり
美由紀「主砲以外で応戦しなさい!!」
春美「了解!」
主砲以外の副砲と5インチ砲で応戦する。
晴風、艦橋
マチコ『敵が応戦してきます。』
高千穂が副砲と5インチ砲で応戦してくると報告が入るが
薫「構わず、攻撃して!!」
薫は、そんなの無視して、攻撃を命じる。
ましろ「分かりました・・・魚雷、全弾撃ち尽くすつもりで撃って!」
芽衣「よ~し!全部撃ちまくるぞ!!」
ましろは、芽衣に撃ち尽くすつもりで魚雷を打つよう命じ
ましろ「主砲、砲では抜けないけど撃ち尽くすつもりで撃って良い。」
志摩「うぃ!」
更に主砲も撃ち尽くすつもりで、撃つよう命じる。
ましろ「攻撃始め!!」
晴風以下、3隻は、左右から主砲や魚雷で攻撃する。
高千穂、艦橋
高千穂の乗員「左舷、右舷5インチ砲破損!」
高千穂の乗員「進水区画拡大しています!!」
4隻からの主砲と魚雷攻撃に被害が拡大する。
文夫「怯むな!応戦しろ!!」
だが、高千穂は怯まず応戦する。
しかし、主砲が使いない以上、高千穂は追い詰められていく。
そんな中、晴風の後方を航行していた時津風に異常が起きる。
晴風、艦橋
まゆみ「艦長!時津風が!!」
高千穂の応戦に恐怖したのか、戦列を離れ、高千穂から距離を開けていく。
時津風、艦橋
君江「いや~ど派手に撃ってきますね!」
つむぎ「ど、如何すれば・・・」
至近の着弾に如何すれば良いのか戸惑うつむぎ。
晴風、艦橋
ましろ「このままではやられてしまうぞ!!」
次郎「何やってるんだ!!」
このままでは時津風が主砲の餌食になる。
その時
明乃「シロちゃん!此処任せて良い?」
突然、明乃は、ましろに晴風の指揮を押し付ける。
ましろ「はぁ・・・どうせそう言うと思いましたよ・・・行ってください!!」
それを聞いたましろは、溜息をしながら、明乃のやる事が分かっていたかの様に行かせる。
明乃「うん!じゃ行ってくる。」
明乃は、ましろに指揮を預け、時津風に向かう。
次郎「おい、艦長が勝手に持ち場を離れたぞ!!」
次郎は、明乃の行動に驚く。
薫「大丈夫!・・・いつもの事だから・・・」
それに対して、薫は大丈夫だと言って、笑顔を露にする。
次郎「・・・可笑しな艦だぜ、此処は!」
そんな薫を見て、晴風は可笑しな艦だと思った。
時津風、艦橋
君江「スキッパー接近!?」
君江は、前方の晴風からスキッパー1艇が此方に向かってくる事を確認する。
君江「あれは・・・・・・晴風艦長です!?」
しかも乗っているのは、晴風艦長明乃だった。
つむぎ「え!?何?戦闘中に!?」
つむぎは驚愕していた。
戦闘中に艦長自らスキッパーで此方に来る事に驚愕していたからだ。
君江「面白いなぁ、晴風の艦長って・・・」
それとは逆に君江の方は、明乃の行動に興味を抱く。
やがて、明乃が艦橋にやって来て
明乃「皆大丈夫?」
大丈夫かとつむぎに言う。
つむぎ「な、何とか大丈夫・・・だけど、敵の砲弾が・・・」
つむぎは、何とか大丈夫だと答えるが、敵の着弾に脅えて指揮が出来なくなっていた。
明乃「分かった!私が指揮するから言う通りにして!」
つむぎ「分かった。」
つむぎは、明乃の言う通りに指揮をし、戦列に復帰する。
時津風が戦列に復帰する中
今度は、反対側にいる天津風に問題が起きる。
天津風、艦橋
紀子「敵の反撃が激しくなった!?」
天津風砲術長の大指紀子が高千穂の反撃が激しくなったのを確認。
千華「ええい、面倒だわ!!こうなったら!」
それに乗じて、敵の反撃に血が上ったか千華は、艦を全速で高千穂の前に出ようとする。
せんだい、艦橋
せんだいの見張り員「後方の天津風が全速で向かってきます!!」
与力「雅か高千穂の前に出るきか?・・・回線を繋げろ!!」
天津風が高千穂の前に出ようとするのを察知した与力は、無線で呼び止めようとする。
天津風、艦橋
天津風通信員「せんだいから通信です。」
与力『何をしている・・・艦が前に出ようとしているぞ!!』
千華「見れば分かるでしょ!・・・このままじゃやられるだけよ・・・それなら私らが囮になって敵を引き付けてやるのよ!!」
千華は、自分が囮になって敵の攻撃を引き付け様とする。
与力『馬鹿なマネは止めろ!!・・・お前1人の勝手な判断で味方を危険に晒す気か!!』
それに対して、与力は千華を叱る。
千華「ん!!!」
与力に叱られ千華は、悔しがるが
あゆみ「艦長・・・此処は止めるべきです!」
悔しがる千華をあゆみが宥め様とする。
千華「・・・分かったわ。」
あゆみに宥められ、千華は艦を元に戻す。
色々とトラブルはあったが、両者の戦闘は続き
やがて、晴風以下3隻が砲弾と魚雷を撃ち尽くした頃。
晴風、艦橋
芽衣「もう魚雷が無いよ!」
芽衣は、もう魚雷が無いと言って
志摩「う~ぃ・・・」
志摩も首を振るう。
ましろ「不味いな・・・向こうの方は、かなりの被害を受けているが、まだ戦えるみたいだ。」
ましろから見て、高千穂の方は、かなりの被害を受けていたが、まだ戦えると見ていた。
次郎「万事休すか?」
既に弾薬が尽きた状態では、戦闘は続けられない。
最早、絶体絶命。
薫(やはり無理だったのかな・・・それでも私達は、全力でやったと思う・・・此処で負けても・・・悔いはない。)
薫は、やはり無理だったと思ってたが、逆に悔しくは無かった。
例え無理でも自分達は、精一杯やり遂げたんだから悔しくなかったからだ。
そんな時だった。
まゆみ「敵が白旗を上げています!!」
『えっ!?』
何と高千穂のマストに降伏を表す白旗が掲げられていた。
古庄『演習終了!・・・西部隊の勝利!!』
高千穂が降伏した後、西部隊の勝利の判定が出た。
本当は、まだビスマルク1隻残っていたが
アドミラル・グラフ・シュペー、艦橋
ミーナ「如何やら、向こうも勝った見たいですね艦長!」
テア「ああ」
既にアドミラル・グラフ・シュペーによって、大損害を受けて、マストに白旗が上がっていた。
ビスマルク、艦橋
クローナ「負けた負けた・・・・・・」
テアに負けた事にクローナは、負けた負けたと言いながら、口から魂が抜けた状態になっていた。
とは言え、これで西部隊の勝利は、確定だった。
晴風、艦橋
ましろ「か、勝ったのか?」
勝った事にましろは信じられなかったが
幸子「そうだよシロちゃん!やったよ・・・!!」
幸子は、勝利に喜びながらましろに抱き付く。
だが、ましろは、抱き付く幸子に嫌がるが突き放さなかった。
次郎「やったぞ薫!!・・・俺達は、遂にあの教官に勝ったんだ!!」
次郎は、美由紀に勝利した事に大喜びし
薫「うん!私達勝ったんだね!」
薫も喜んでいた。
時津風、艦橋
同じ頃、時津風に居た明乃とつむぎ達も
君江「如何やら勝った見たいですね!」
つむぎ「えっ!?勝ったの?」
明乃「そうだよ!私達勝ったんだよ!!」
勝利に喜ぶ。
明乃「じゃ、私は戻るね!」
演習が終了したので、明乃は晴風へと戻っていた。
君江「いや~助かりましたね艦長。」
つむぎ「うん!」
つむぎ達は、明乃に感謝した。
空母大鳳、飛行甲板
なのは「如何なったのかな?」
フェイト「ん・・・」
空母大鳳に戻っていたなのはとフェイトは勝負の行く末を伺っていたが
文雄「勝ったよ!」
『班長!?』
2人の前に整備班長の文雄が現れ
文雄「勝ったよ!艦長殿が!!」
薫達が勝った事を告げる。
『やった・・・!!』
薫達が勝った事を聞いて、2人は、大喜びする。
空母大鳳、艦橋
古庄「信じられない・・・雅か、あんな戦法で高千穂に勝つとは・・・あの子は、それ程の実力を持っているのね!」
判定を出した古庄は、薫の実力に驚いていた。
龍之介「いや!・・・むしろあんたの生徒のお陰かもしれない・・・じゃなかったら、あいつは勝ってなかったろうな!」
だが、龍之介の方は、薫の実力ではなく、むしろ生徒のお陰で勝利したと主張する。
武蔵、前部甲板
演習は終わり、双方のGF隊員と生徒達が武蔵の前部甲板に集められる。
古庄「皆さん演習ご苦労様でした・・・これにて演習を終了します・・・今日は、それぞれ艦に戻って休む様に・・・生徒達には、明日から特別研修を行います・・・それでは解散!」
古庄は、今日の演習の終わりを宣言し、明日からの特別研修を行うと言って、解散を告げる。
GF隊員と生徒達が艦に戻る中
薫は、次郎達と明乃達と勝利を祝っていた。
そんな時
「ちょっと良い!!」
薫「ん?」
後ろから声を掛けられ薫は、振り向くと、其処には千華とつむぎが立っていた。
薫「な、何ですか?」
薫は、何を言われるかと思ったが
千華「そ、その・・・中々やるじゃないの・・・見直したわよ!」
千華は、かたぐるしく薫の事を認める。
薫「ありがとう。」
薫は、千華に礼を言って、つむぎの方を見る。
薫「榊原さんは、大丈夫だった・・・岬さんから聞いたけど、大変だったそうね?」
薫は、明乃から時津風の状況を聞いていたので、つむぎ達を心配していた。
つむぎ「い、いえ・・・晴風艦長のお陰で、何とか助かりました。」
それに対して、つむぎは、明乃のお陰で助かったと告げる。
薫「そう・・・・・・あっ!?」
それを聞いた薫は安心し、辺りを見ていると美由紀が自分の艦に戻って行くのが見えて
薫「ちょっと御免。」
後を追いかけ
薫「権藤中佐!!」
美由紀を呼び止める。
美由紀「ん!?」
美由紀は足を止め、薫を見る。
薫「ん・・・」
何か言おうとしたが、言葉が出ず
美由紀「おめでとう・・・これで貴方は、優秀な指揮官として認められたわ!」
先に美由紀が薫を優秀な指揮官と認める。
薫「いえ、私なんかまだまだです・・・それに今回は、あの子らのお陰で助かったんですから!」
それに対して、薫は、自分はまだまだと言って、今回の演習の手柄は明乃達だっと告げる。
美由紀「・・・貴方には、私が持っていないモノを持っているのね・・・私も欲しかったわ。」
美由紀は、次郎達と明乃達を見て、自分が持っていないモノを薫は、持っている事を認識した。
美由紀自身も欲しかった。
友人と言うモノが
美由紀には、友達はいない。
辛くなるから作らなかった。
薫「居るじゃないですか、私達が!」
美由紀「えっ!?」
薫「私達と中佐は、同じ仲間じゃないですか!?」
だが、美由紀は、1人じゃなかった。
薫やGフォースの仲間が居る。
決して、1人じゃない。
美由紀「はぁ・・・そうだったわね・・・今まで忘れていたわ。」
美由紀もそれを思い出す。
薫「ですから今まで通り、これからもよろしくお願いします。」
薫は、そう言って、美由紀に頭を下げる。
美由紀「全く、教え子にはいつも手を焼かせるわ!」
そう言って、美由紀は、去っていった。
薫「そんなに手を焼いているのかな・・・私って?」
薫は、自分がそんなに手を焼いているとは自覚していなかった。
とは言え、演習も終わり
次は、特別研修へと進む。