ハイスクール・フリート Gフォース   作:首都防衛戦闘機

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第12章 特別実習 後編

8月10日

 

とある孤島

 

古庄「実習内容は・・・オリエンテーリング!」

 

『オリエンテーリング・・・』

 

芽衣「オリエンテーリングって何?」

 

古庄が言うオリエンテーリングに晴風クラスの面々は意味が分からず

 

薫「要するにオリエンテーリングてのは・・・地図とコンパスを使って、各地に設置されたポイントを通過しながらゴールを目指す・・・言うなれば野外スポーツの一種の事よ!」

 

それに対して、薫がオリエンテーリングの意味を説明する。

 

幸子「成程!野外スポーツですね!」

 

幸子もタブレットで調べて理解する。

 

芽衣「魚雷撃つチャンスはあるの?」

 

だが、芽衣は魚雷撃つチャンスはあるのかと関係ない事を問う。

 

ましろ「あるわけないだろ!」

 

それに対して、ましろがないと真実を言う。

 

鈴「わ・・・私、小学生の頃キャンプでやったことあるかも・・・」

 

まゆみ「あーやったやった!・・・何か文字とかが描いてある看板を探して森の中を歩き回ったやつだよね。」

 

鈴とまゆみはオリエンテーリングの経験が有った。

 

まゆみ「あの時は道に迷って鈴ちゃん泣いちゃって・・・」

 

鈴「ううう・・・そうだっけ・・・」

 

幸子「幼馴染だからこそ知るエピソードですね!」

 

2人にとっては、恥ずかしいエピソードも有る様だ。

 

古庄「はいはい、其処まで!」

 

干渉も束の間、古庄が皆を静粛させる。

 

福内「オリエンテーリングは元々訓練として始められたものなの」

 

平賀「競技としては順位を競う物なんだけど、グループで行う登山ってイメージが広く浸透しているかもね!」

 

平賀と福内がグループで行う事を説明し

 

古庄「今回行う実習もグループで行動してもらいます。」

 

薫「先ずは皆4つのグループを作ってちょうだい!」

 

古庄と薫が4つのグループを作るよう告げる。

 

そんな中で

 

由美子「あの・・・私達は如何すれば良いんでしょう?」

 

由美子と小百合は如何すれば良いかを問う。

 

確かに晴風クラスじゃない由美子と小百合は如何するのか

 

古庄「そうね・・・折角だから参加で!」

 

由美子「やっぱり!?」

 

小百合「しかたないネ!」

 

結局参加する事になった。

 

序に夏雄の方は

 

夏雄「よーし、あたしも!」

 

薫「機関長は此処にいて下さい!」

 

夏雄「ううう・・・」

 

釣られて参加しようと思ったが、薫に止められ、此処に残る事になったが

 

古庄「良いんじゃないの参加させて!」

 

薫「え!?良いんですか?」

 

古庄「生徒の中に経験者を入れた方が実習がより良くなるわ!」

 

薫「それはそうなんですけど・・・」

 

夏雄「古庄教官が言うんだから良いじゃないか艦長!」

 

薫「それが心配なの!」

 

古庄の一言で参加する事になったが、薫は心配性だった。

 

明乃「組み合わせは如何すれば良いですか?」

 

明乃が組み合わせは如何すれば良いか問う。

 

古庄「其方に任せます・・・3分以内にグループに分かれて整列する様に!」

 

組み合わせは自由で、3分以内に整列するよう告げる。

 

ましろ「組み合わせは自由か・・・如何します?」

 

芽衣「科で分ければ?丁度四つだし!」

 

志摩「うぃ」

 

芽衣は、科で分ければ良いじゃないかと言うが

 

明乃「それが一番早いけど・・・それだとグループごとに得意な事が偏っちゃうかも・・・」

 

幸子「確かに能力は均等に分けた方が良いかもしれませんね。」

 

流石に科に分けてもグループごとに得意な事が偏ってしまうので却下された。

 

明乃「じゃあ科ごとにグーチョキパーで分かれてみよう!」

 

其処で明乃は科ごとにじゃんけんのグーチョキパーで分かれてみようと言い出した。

 

ましろ「良いのか、そんな決め方で・・・」

 

ましろは不安な様子であった。

 

だが、グループを分けようとした途端問題が生じた。

 

果代子「4つに分かれるならグーチョキパーじゃ1つ足りないんじゃない?」

 

明乃「あ、そっか!」

 

それは、グループを分けるにはグーチョキパーでは、1つ足りなかった。

 

聡子「ならもう一つは、これぞな!」

 

其処で聡子が

 

まゆみ「何それ?」

 

慧「フレミングだyo!」

 

フレミングを提案する。

 

薫「あと1分!」

 

明乃「とっ、取り合えず皆でそれで分かれよう!」

 

取り合えず時間がないので、グーチョキパー、フレミングでグループに分ける事にした。

 

組分けたグループは

 

グーチーム

 

明乃、媛萌、小百合、美波、麻侖、まゆみ、果代子、順子

 

チョキチーム

 

ましろ、光、楓、洋美、麗緒、美甘、聡子、秀子

 

パーチーム

 

幸子、ほまれ、理都子、美千留、美海、マチコ、桜良、鈴、空

 

フレミングチーム

 

芽衣、夏雄、あかね、慧、鶫、志摩、由美子、百々、留奈

 

で編成された。

 

薫「では各グループに地図を配ります。」

 

各グループごとに薫が地図を配布する。

 

明乃「これが地図?・・・殆んど何も描いてないけど・・・」

 

配布された地図は、何も書かれていない唯の地図だった。

 

福内「見て分かる通り、その地図は不完全です・・・各グループには、その地図を持って、それぞれ別の位置からスタートしてもらいます。」

 

古庄「進む道にはポイントが設置されていて、地図にはそのポイントのいくつかだけが表記されているので、道中、ポイントを見つけながら進み地図と照らし合わせて現在位置や方角を割り出し、最終地点に辿り着く事・・・制限時間は3時間・・・内容は以上!」

 

ルールは、3時間以内にポイントを見つけながら、この集合地点に戻る事。

 

薫「じゃあ、皆、気をつけっていってらしゃい!!」

 

薫に見送られて、晴風クラスは、それぞれの地点から集合地点を目指し出発した。

 

出発して数分後

 

各グループの状況は

 

グーチーム

 

明乃率いるグーチームは順調に進んでいたが

 

美波「重い・・・」

 

かろているリュックが重いせいで美波がばてる。

 

明乃「みなみさん大丈夫?」

 

流石に12歳の美波には重過ぎた様だ。

 

すると、突然後ろから

 

美波「!?」

 

小百合が美波のリュックを持つ。

 

小百合「ジェニーが持つヨ!」

 

如何やら肩代わりしてくれる様だ。

 

美波「あ・・・ありがとう・・・」

 

小百合「ユア、ウェルカム!」

 

麻侖「これ何が入ってんだ?」

 

今頃になって麻侖がリュックの中身を気にする。

 

まゆみ「あれ、見なかったの?」

 

明乃「水とか食料とか、あと発煙筒とかだね・・・非常時の準備だけど、今回はトレーニング用の重り代わりなんじゃないかな?・・・ほらいつも権藤教官がブルマーの人達を訓練する時に使ってるじゃない!」

 

リュックの中身は当然サバイバル用品で、今回はトレーニング用の重り代わりに持たされたのだ。

 

麻侖「悪かったなジェニー・・・こんなつもりで誘った訳じゃ無かったんだが・・・」

 

麻侖は、こんな事に付き合わせた小百合に申し訳ないと思ったが

 

小百合「ノープロブレム!山登りも楽しいネ!」

 

本人は全く気にしておらず、むしろ楽しい気分だ。

 

まゆみ「虫よけスプレー持ってて良かった・・・気が影になって日焼けの心配はなさそうだけど・・・」

 

日焼けを気にするまゆみ。

 

順子「それにしても変わった実習だよね!」

 

果代子「特別実習だからね・・・」

 

順子と果代子が実習に疑問を抱く中

 

明乃「皆足元気を付けてね!」

 

明乃が足元に注意を呼び掛ける。

 

媛萌「艦長は結構場慣れしてるね?」

 

媛萌は、明乃がサバイバル慣れていると思ったが

 

明乃「そんな事ないけど・・・昔もかちゃんと色んな所を探索したの・・・思い出したら、ちょっと楽しくなっちゃって」

 

如何やら小さい頃にもえかと共に色んな場所を探検した事が有るので、こう言う事に離れていた。

 

本人的には楽しいと思っている。

 

麻侖「相変わらずだなぁ艦長は!」

 

小百合「ポジティブなのは、よいことダネ!」

 

そんな明乃に麻侖と小百合が感心する中

 

果代子「ところでポイントって何所に在るんだろうね・・・?」

 

果代子がポイントを捜すが中々見つからない。

 

美波「簡単には見つからない様に隠されてる可能性も有る。」

 

美波の言う通り、簡単には見つからない様に隠されてる可能性も有る。

 

麻侖「テキト―に進んでてもいずれは辿り着けそうだけどな・・・」

 

だが、進んでいればいずれは辿り着けるのも有りだが

 

明乃「うん・・・だけど制限時間も有るし、早い内から位置を把握して最善の道を選ぶ必要が有るのよ。」

 

制限時間も有るので、素早くポイントを探して、最短ルートを選ぶ必要が有る。

 

順子「ポイントは出来るだけ見つけて地図に記入するってルールも有るしね。」

 

明乃「もしかして少し道を外れないと見つからないのかも!」

 

順子「この辺りで一度探して見る?」

 

明乃「そうだね!」

 

明乃達は、辺りを探索しながら進む。

 

パーチーム

 

幸子達率いるパーチームも順調に進んでいる。

 

マチコ「発見!赤のG!」

 

木の上から探索していたマチコがポイントを発見し

 

幸子「赤のGは此処・・・っと」

 

幸子が位置を地図に記入する。

 

幸子「位置の把握は、保々出来ましたね!」

 

鈴「野間さんが居ると直ぐポイントが見つかって助かるよね!」

 

美海「流石マッチー!」

 

マチコのお陰で幸子達は既にポイントを何個か見つけていた。

 

理都子「私達1番にゴール出来るかもね・・・」

 

美千留「そうね」

 

自分達が1番に辿り着けると思っている理都子と美千留。

 

ほまれ「他の皆は大丈夫かな?」

 

桜良「如何かしら・・・連絡取り合うのは禁止されてるからね。」

 

他の皆を気にするほまれと桜良。

 

美千留「そもそもこれは如何いう訓練なの?」

 

空「サバイバル力アップ?」

 

幸子「そうですね・・・想定としては、機械の故障などで方角も位置も分からず孤立した状態での行動・・・と言ったところでしょうか?」

 

桜良「山でやる必要はあるのかしら?」

 

空「何時も海だからね!」

 

理都子「理由それだけ?」

 

空「さぁ?」

 

明乃達同様に幸子達も、この訓練に疑問を持つ。

 

それはさて置き

 

幸子「兎に角、このままゴールを目指しましょう・・・地図によると・・・こっちですね!」

 

鈴「次のポイントも探さなきゃね!」

 

美海「マッチが居れば完璧よ!!」

 

マチコに探索させながら進む幸子達。

 

フレミングチーム

 

芽衣率いるフレミングチームは順調に進んでいる。

 

と思ったが

 

ガサッ!

 

芽衣「うーん・・・成程成程・・・・・・迷った?」

 

志摩「うぃ!」

 

道に迷ってしまった。

 

芽衣「ぷはぁ!道に迷って飲む水は美味い!」

 

道に迷って一息入れる芽衣。

 

百々「こんなんで大丈夫っすかね?」

 

と言って不安を感じる芽衣。

 

そんな中、慧は膝を抱え、ある事を思い浮かべる。

 

慧(ぬかった!・・・じゃんけんによって四つに分かれたチーム・・・一見ランダムに決まった様に見えるけど・・・実は好んで手を出す手には、その人の性格が大きく関係している・・・と私は考えている・・・例えばグーは強く握った拳から力強くエネルギッシュなイメージ・・・そして石から連想される頑固な一面・・・、職人やリーダータイプ!・・・つまりこのチーム分けは、結果的に似たタイプ同士で結成されている!・・・それで言うと・・・このフレミングチーム・・・本来ジャンケンには存在しない特別な枠)

 

グーチームはリーダーシップのチーム

 

チョキチームは平和と攻撃のバランス力を重視したチーム

 

パーチームは紙のような柔軟性、裏もあるかもしれないチーム

 

そして自分達フレミングチームは、本来じゃんけんに存在しない特別な枠

 

そう思い、辺りを見回す。

 

慧「それを出すタイプは・・・目立ちたがり!・・・新しい物好き!・・・好機心旺盛!・・・自由人!!・・・出す手を間違えた気がする。」

 

目立ちたがりの芽衣、夏雄、新しい物好きのあかね、好奇心旺盛の百々と留奈、自由人の鶫。

 

鶫「めぐちゃん如何したの?」

 

慧「ううん何でもない・・・」

 

面々を見て、自分が出す手を間違えたとつくづく悔やむ慧だった。

 

百々「何はともあれ、兎に角ポイントを探すのが先決っすね!」

 

ともあれポイントを捜す事が先決だと言う百々。

 

あかね「位置が分からないと、如何しようも無いもんね!」

 

由美子「確かに・・・」

 

しかし、位置が分からない以上、どうしようもない。

 

そんな時由美子が

 

由美子「どんなに打球が伸びても方向が悪ければ唯のファール・・・!」

 

今の状況を野球言語で話す。

 

芽衣「タマ分かる?」

 

志摩「うぃ」

 

野球に詳しい志摩には分かるが、芽衣達には分からない。

 

すると今度は夏雄が

 

夏雄「此処はあたしに任せろ!こう言う時は機関科のカンに頼れば良い事だ!」

 

と言って、得意のカンを使って

 

夏雄「あたしのカンによれば・・・あっちだ!!」

 

ポイントの方向を指で指すが

 

芽衣「ホントに?」

 

慧「そんなの信用できないよ!」

 

芽衣達には信用されてない。

 

そして、今度は

 

鶫「なら探し物なら任せて!」

 

鶫が探し物なら任せてと得意のタウジングを出す。

 

慧「やると思った!任せられないよ!?」

 

慧は任せられないと言うが

 

留奈「でもつぐちゃんって、これまでもダウジングで色々見つけてるんでしょ?・・・意外とイケるかも!」

 

留奈は、鶫のタウジングを信用していた。

 

慧「そんなオカルトは信じないもん!」

 

鶫「探し物の内容をチェックポイントにすれば・・・」

 

慧「そんな融通利くの!?」

 

百々「まぁ他にアテもないっすから一度試して見るのも面白いかもしれないっすよ!」

 

由美子「この采配試合にどう影響するのか・・・見ものだね!」

 

志摩「うぃ!」

 

慧「何でそんなに他人事なのかが分からない・・・」

 

芽衣「よーしじゃあ行ってみよーう!」

 

慧「ふあ・・・ん!」

 

結局、鶫のタウジングを頼りに芽衣達は進む。

 

進む中

 

夏雄「お前ら、あたしのカンは無視かよ!」

 

自分のカンは無視された事に夏雄は不信感を抱きながら後を追う。

 

チョキチーム

 

ましろ率いるチョキチームは順調に進んでいたが

 

ましろ「うわっ!!」

 

洋美「宗谷さん!」

 

進む中、突然セミの突進され、ましろはその場に尻もちする。

 

洋美「大丈夫?」

 

ましろ「あ、あぁ・・・」

 

洋美が手を差し伸べて、ましろは起き上がる。

 

美甘「宗谷さん、もう3回もセミに突撃されてるね!」

 

聡子「先頭を行ってくれるから犠牲になってるぞな!」

 

如何やら既に3回もましろはセミに突撃され、尻もちを付いている様だ。

 

ましろ「はぁ〜、ついてない・・・」

 

何時ものセリフを言って、悔むましろ。

 

光「副長の不運を除けば、探索は極めて順調だけどね!」

 

麗緒「優秀なのは間違いないからね・・・うちの副長・・・運はないけど・・・」

 

ましろの運以外は、順調に進んでいた。

 

そんなの束の間

 

秀子「ポイント発見しました!!」

 

秀子がポイントを発見する。

 

麗緒「流石航海科、よく見てるね!」

 

ましろ「此処まで順調に進めているのは山下さんの功績が大きいな」

 

楓「やっぱり目がよろしいんですのね!」

 

聡子「ウチも何個か見つけたぞな!」

 

此処まで順調に進んでいるのも秀子と聡子の功績が大きい。

 

そんな中、洋美は地図を見ながら辺りを見て

 

洋美「このまま行くと川が有るわね・・・ゴール付近にも川が流れている見たいだし・・・遡って行けばゴールできそうだけど・・・これはルール上良いのかしら?」

 

集合地点付近に川が流れていると分かり、遡って行けばゴール出来そうだと確信するが、ルール上大丈夫なのか疑問を抱く。

 

美甘「ゴールに辿り着くのが目的ならそれで良いんじゃない?・・・位置を把握する最低限のポイントは見つけてるんだし!」

 

光「そうだよね。」

 

既にある程度のポイントは見つけているので、問題はないと思うが

 

楓「ですが・・・ポイントはできるだけ見つけるといったルールも有りましたわよね?」

 

楓が言う様にポイントはできるだけ見つけるといったルールも有る。

 

麗緒「それって最短のルートを阻害する為だけに有るひっかけ問題の可能性も有るよね!」

 

だが、麗緒は最短のルートを阻害する為のダミーだと主張する。

 

聡子「時間内にゴールは絶対条件ぞな!」

 

しかし、時間内にゴールは絶対条件。

 

それを聞いたましろは

 

ましろ「そうだな・・・」

 

ある事を考える。

 

ましろ「しかし例えばこの実習・・・チェックポイントを救助者と仮定した救助訓練なのだとしたら・・・時間内に成るべく多くの救助者を発見し、目的地に辿り着くのが本来の意味なのかも知れない?」

 

ましろは、チェックポイントを救助者と仮定した救助訓練なのだと思い、時間内に成るべく多くの救助者を発見し、目的地に辿り着くのが本来の意味だと考える。

 

光「救助訓練・・・?」

 

ましろ「勿論唯の推測だが・・・」

 

洋美「確かに特別実習にしては説明されたルールだけを遂行するだけならそれ程難しい事じゃないわ・・・別の意味が隠されてる可能性も充分考えられる・・・」

 

洋美もましろと同じ考えだった。

 

ましろ「勝田さん!地図を見る限り此処からゴールまではどのくらいかかる?」

 

聡子「道が悪い事を考慮しても・・・1時間はかからないくらいぞな?」

 

美甘「まだ時間には余裕が有るね。」

 

ゴールするには1時間もかからない。

 

時間に余裕が有った。

 

光「じゃあゴールはひとまず置いといて、もう少しポイント探しに行って見る?」

 

ましろ「良いのか?・・・自分で言っておいて何だが・・・これが救助訓練だと決まった訳では・・・」

 

洋美「良いのよ・・・少なくとも私は宗谷さんの意見に納得したわ・・・恐らく他の皆も!」

 

ましろ「皆・・・・・・ありがとう」

 

皆の一致を見て、ましろは感謝し

 

ましろ「よし!ではこれからはポイント探しを重視!・・・広範囲を捜索しつつゴールへの道筋は大きく外れないよう移動する!・・・それと制限時間には遅れない様に気を付けるぞ!!」

 

『了解!!』

 

時間内に残りのポイントを捜索する事にした。

 

集合地点

 

その頃、集合地点で各グループの到着を待っていた古庄達の方は

 

古庄「・・・・」

 

薫「・・・・」

 

平賀「まだどのチームもゴールに辿り着いていませんね・・・この時間だと真っ先にゴールに向かう事を想定としたチームはゼロ・・・ですか?」

 

平賀は、この時間にゴールしたグループはまだいない事を告げる。

 

古庄「そうね・・・最低限のポイントでゴールを目指すなら最速を目指さなければ・・・その先の目標を達成できない・・・でもそれは数ある中の一つの想定よ・・・この実習内容をどう受け止めて、如何行動するか・・・それは生徒達の自由。」

 

それに対して、古庄は最低限のポイントでゴールを目指すなら最速を目指すのも数ある一つの想定。

 

だが、この実習内容をどう受け止めて、如何行動するかは、生徒達の自由だと告げる。

 

福内「楽しみに待ちましょう・・・あの子達が何に気づきそれを想定した上で、しっかりミッションを達成できるかどうか」

 

古庄「・・・ええ」

 

薫「大丈夫ですよ!あの子達ならきっとやり遂げますよ!」

 

古庄達は、明乃達が無事に実習を終えて戻ってくるのを楽しみに待つ。

 

数分後

 

芽衣「いっちば――ん!」

 

最初にゴールしたのは、何と道に迷いながらも辿り着いた芽衣達フレミングチーム。

 

幸子「雅かフレミングチームに一着を取られるとは思いませんでした。」

 

鈴「2位でも凄いよね!」

 

美千留「自信あったのにな・・・」

 

更に幸子達パーチームが2位でゴール。

 

果代子「疲れた・・・」

 

小百合「でも楽しかったネ!」

 

続いて、明乃達グーチームが3位でゴール。

 

そして、最後に

 

ましろ「すまない・・・時間を管理していた私の時計が不具合を・・・」

 

美甘「まぁまぁ」

 

麗緒「ギリギリ間に合ったんだし、だいじょうぶじゃん?」

 

ましろ達チョキチームが時間ぎりぎりでゴールした。

 

平賀「皆お疲れ様!」

 

古庄「ひとまず制限時間内に此処まで辿り着く事が出来た見たいね!」

 

ゴールした晴風クラスを古庄達が出迎える。

 

芽衣「はいはーい!一位ゴールには何かご褒美とか有りませんか?」

 

一番にゴールした芽衣が褒美が有るのか問う。

 

薫「これは実習なので、そう言うものはありません!」

 

すると、薫が実習なので、そう言うものはありませんと言い返す。

 

ガーン!

 

芽衣「頑張ったのに・・・」

 

ましろ「そりゃそうだ!」

 

ないと聞いて、ショックを受ける芽衣。

 

まあ確かにこれは授業の一環なので、褒美などは出ない。

 

それに

 

古庄「それに実習はこれで終わりじゃないわよ?」

 

実習はまだ終わっていない。

 

『え!?』

 

それを聞いて、クラス一同に固まる。

 

福内「先ず本日各チームが作成した地図を回収します。」

 

古庄「あとは明日までに本日のオリエンテーリングで何を考え、どのように行動したのかレポートにまとめて提出する事・・・最終的に探索にかかった時間、地図の完成度、レポート内容をトータルで吟味の上、評価を下します。」

 

各グループで作成された地図を回収後、生徒達が作成したレポートと合わせて、評価を下す。

 

芽衣「うへぇ・・・レポートもあるのか・・・」

 

レポートまであると言われ、流石に皆やる気をなくすが

 

薫「皆何を落ち込んでいるの?もう少しがんばらないと!」

 

平賀「そうそう、もう終わったも当然!・・・レポートを乗り切れば明日は自由時間!・・・もう一息よ!頑張れ若者よ!!」

 

薫と平賀に激励され

 

『おお・・・!!』

 

皆はやる気を取り戻し、レポート作成を始める。

 

皆が書く中

 

薫「機関長もレポートを提出して下さいね!」

 

薫は特別参加した夏雄にもレポートを作成するよう言う。

 

夏雄「うう・・・」

 

夏雄は嫌々ながらレポートを作成する。

 

8月11日

 

翌日、レポートを作成し、古庄に提出した晴風クラスは

 

明乃「海じゃなくて、川だ・・・!!」

 

全員水着に着替え、川で遊ぶ。 

 

川で遊ぶ中

 

平賀「賑やかね!・・・川で遊ぶなんて何年振りかしら・・・」

 

平賀と福内が何故か水着姿で現れた。

 

芽衣「ええ!?2人まで完全に遊びモード・・・」

 

福内「ふふっ!実は私たちも半分夏休みで来てるのよ!」

 

如何やら2人は夏休みで此処に来ていたのだ。

 

平賀「ビーチバレーでもする?ビーチじゃないけど!」

 

平賀は、ビーチバレーをしようと言い

 

由美子「現役ブルマーーとビーチバレー対決!オープン戦みたいでワクワクするね!」

 

小百合「ワーオ!エキサイティングね!」

 

麻侖「よーし!やってやろってんでぃ!」

 

皆は平賀達と共にビーチバレーをする。

 

そんな中

 

明乃「あっ!?」

 

明乃はパラソルの下で地図の採点をしている古庄と薫に話しかけた。

 

明乃「古庄教官、山本教官!」

 

『ん?』

 

明乃「教官達も水着なんですね?」

 

古庄と薫も何故か水着を着ていた。

 

古庄「あの子達が持ってきたのよ!まあ、どんな格好でも採点できるから仕方なくね」

 

薫「私は自前だけど!」

 

古庄の方は平賀達が持って来たと言ってブランケットを羽織る。

 

薫の方は自分で持って来た。

 

明乃「あの、実習の点数次第では、更に補習・・・なんて可能性も?」

 

明乃は、今回の実習で点数が悪かったら補修が増えるのかと心配したが

 

古庄「それはないわ・・・元々この実習自体補習みたいなものだし・・・点数をつけると言っても、判断能力や適性を見るのが大きな目的だから」

 

自習自体が補習で、判断能力や適性を見るのが目的。

 

明乃「そっか・・・」

 

それを聞いて、明乃はホッとする。

 

古庄「チーム分けの方法も少しは採点に影響してるわよ?」

 

だが、ホッとするのも束の間、チーム分けの方法も少しは採点に影響すると言われ

 

明乃「えっ!?それってもしかしてマイナスなんじゃ・・・」

 

それを聞いて、明乃は動揺する。

 

古庄「ふふっ、どうかしら?」

 

と言って古庄は笑みを浮かべて誤魔化す。

 

そんな時

 

鈴「岬さーん!」

 

麗緒「艦長も一緒にやらなーい?」

 

鈴と麗緒が一緒にビーチバレーをしようと誘う。

 

古庄「ほら、私は良いから岬さんも遊んでいらっしゃい!」

 

古庄は、自分の事は良いから遊んで来なさいと告げる。

 

明乃「はい、あの・・・良かったら教官達も、それが終わったら一緒に遊びませんか?」

 

明乃は、古庄と薫に採点が終わったら一緒に遊びませんかと誘う。

 

古庄「・・・そうね、考えておくわ!」

 

それに対して、考えておくわと告げる。

 

明乃「やった!じゃあ待ってますね!」

 

古庄「ええ」

 

それを聞いて、明乃は待ってますねと言って、皆の元に向かう。

 

明乃が行った後、2人は採点を続ける。

 

古庄「此処は良いから貴方も行ったら!」

 

古庄は、薫にも遊びに行くよう言うが

 

薫「いえ、私も手伝います・・・どうせ仕事ですから!」

 

薫は拒み、古庄を手伝う。

 

古庄「そう」

 

2人は採点を続けるが、次のフレミングチームの地図を採点し様とした途端

 

古庄(・・・宝の地図・・・?)

 

フレミングチームが書いた地図で『まいぞー金』『温泉足湯サイズ』と書かれており古庄は思わず首を傾げた。

 

 

 

 


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