ハイスクール・フリート Gフォース   作:首都防衛戦闘機

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特別編 後編

東京湾の出口付近の海中

 

東京湾の出口付近の海中には、アメリカの潜水艦ニューヨークが息を潜めながら湾外に出る艦艇を見張っていた。

 

そんな時

 

ニューヨーク、発令所

 

ニューヨークのソナー主「ソナーに感あり!」

 

ソナー員が湾外から出撃する艦を探知した。

 

ニューヨークの艦長「潜望鏡上げ!」

 

報告を聞いた艦長は、直ぐに確認するべく潜望鏡を上げる。

 

ニューヨークの艦長「こ・・・こりゃ!?」

 

艦長が見たのは、湾外から出て来る大艦隊の姿だった。

 

ニューヨークの艦長「潜望鏡を下ろせ!ケーブルアンテナ射出!!」

 

この情報は、直ぐに本部を通じて、ホワイトハウスに報告された。

 

ワシントンD.C、ホワイトハウス、大統領執務室

 

補佐官「大統領!・・・潜入していたニューヨークからの報告で・・・大艦隊が横須賀を出撃したとの事です!」

 

キング「何かの間違いじゃないのか・・・港内は塞いだから残っているのは、ホワイトドルフィンの艦艇だけの筈?」

 

報告を受けたキングは、驚愕する。

 

雅か残っている艦が有るとは、思わなかったのだろう。

 

キング「大丈夫なんだろうな補佐官?」

 

補佐官「ご心配いりません・・・こうなる事を予測して、既に手は打っています。」

 

だが、こうなる事を予測して、既に手は打ってあった。

 

八丈島南

 

その頃、混成艦隊から先行していた弁天は、八丈島の南300海里まで進出していた。

 

弁天、艦橋

 

弁天艦橋の後ろにあるCIC 室では、真冬と福内が画面を見ながら現状を見る。

 

真冬「現状は如何なっている?」

 

福内「現在、バルーンでプラントの偵察を行っております。」

 

既に弁天からは偵察の為、無人飛行船が発艦し、プラントの偵察を行っていた。

 

福内「そろそろ映像が入る筈です。」

 

やがて、無人飛行船からの映像が映る。

 

真冬「見えた!」

 

映像から移動するプラントを視認する。

 

福内「現在、目標は本艦の260度・・・38マイル、8ノットで西南西へ移動中・・・」

 

プラントは、低速で要塞へと向かっていた。

 

真冬「よし!・・・潜入部隊を高速艇で送り込み、人質と海賊の配置を確認・・・可能ならプラント内部の監視システムをジャックせよ!」

 

真冬は、人質と海賊の配置を確認する為、プラントに潜入部隊を送り込むよう命じる。

 

福内「了解!」

 

こうして、弁天からプラントに向け潜入部隊が放たれる。

 

空母大鳳、飛行甲板

 

GF隊員『ペガサス隊が発艦する・・・整備員は退避せよ!』

 

同じ頃、空母大鳳からも索敵と警戒の為、ペガサス隊の早期警戒機E-2G 2機が発艦しようとしていた。

 

空母大鳳、艦橋

 

薫「ペガサス隊発進!」

 

空母大鳳からペガサス隊のE-2G 2機が発艦した。

 

龍之介「これで周辺の警戒は大丈夫だな・・・さて、我々も飯にしよう。」

 

俊秋「飯だぞ!」

 

哨戒機の発艦が済んだので、龍之介達は安心して、作戦に備え飯を食う。

 

因みに出されている夜食は、あかねが試作した肉巻きミルフィーユかつおにぎりだった。

 

次郎「・・・・」

 

夜食を食べながら次郎は薫を見る。

 

薫「・・・・」

 

それに気づいた薫は

 

薫「終わったら・・・言うね。」

 

そう言って、夜食を食う。

 

龍之介「・・・・」

 

その光景を後ろで見ていた龍之介は、黙って様子を見る。

 

武蔵、艦橋

 

龍之介達が飯を取る中、他の艦も作戦に備え夜食を食べていた。

 

そんな中、スーは、夜食のおにぎりを食べていると

 

スー「ん?」

 

もえか「うん?」

 

スーが何かに気づき、犬みたいに鼻で臭いを嗅ぎ、匂いの先を見る。

 

もえか「何を見ているの?」

 

もえかは、スーに何を見ているのか問う。

 

スー「あっち!すっごく美味しそう!」

 

するとスーは、すっごく美味しそうと言って、匂いの先を指す。

 

匂いの出元は、先頭を航行する晴風からだった。

 

もえか「ミケちゃんの所?・・・見えるの?」

 

スー「何か良い匂いまでする。」

 

如何やら晴風の飯の匂いに食い付いた様だ。

 

スー「ねぇ!あっちに移っちゃ駄目?」

 

晴風の飯の匂いに食い付いたスーは、晴風に移りたいと言うが

 

もえか「駄目です。」

 

もえかはあっさり駄目だと告げる。

 

スー「え・・・・」

 

もえかに駄目だと言われ、スーは、ガッカリする。

 

本人は、此処に一体何しに来たのか、分かっていない様だ。

 

晴風、艦橋

 

一方、晴風の生徒も作戦に備え、飯を食べていた。

 

此方も空母大鳳と同じ肉巻きミルフィーユかつおにぎりが出されていた。

 

生徒達が夜食を食う中、艦橋には、当直として明乃とましろが残っていた。

 

そんな中

 

洋美「宗谷さん、夜食です。」

 

洋美がましろの為に夜食を持って来た。

 

ましろ「ああ、ありがとう。」

 

ましろは、洋美から夜食を受け取る

 

すると洋美が

 

洋美「何か悩んでいるなら私に相談して!」

 

耳元でましろに悩み事が有るなら自分に相談してと言って去る。

 

ましろ「あ・・・」

 

それを聞いたましろは、黙って明乃の方を見る。

 

明乃「・・・・」

 

明乃も同じ様にましろを見る。

 

ましろ「今は目の前の作戦に集中します。」

 

今は、答えを出さず、目の前の作戦に集中すると告げる。

 

明乃「うん」

 

それを聞いて、明乃もそれに賛成する。

 

しばらくして、混成艦隊は、プラントを張っていた弁天と合流。

 

状況を知る為、龍之介、功と真霜、もえかの4人は、弁天へと向かう。

 

弁天、艦橋

 

福内「現在、プラントの内部状況は、保々完全に把握完了!」

 

画面に出ているプラントの図面をもとに説明する福内。

 

潜入部隊によって、プラントの内部状況は保々把握されていた。

 

真冬「人質は全員、デッキの此処に・・・」

 

真冬は、指を刺して、人質の居場所を示す。

 

真霜「見張りは?」

 

続いて、見張りは何人か問う。

 

福内「人質の見張りは常に3人・・・まだ交代のタイミング自体は分かりません。」

 

見張りは3人で、まだ交代のタイミングは把握できていない。

 

真霜「他の海賊は?」

 

福内「管制室に12名、上層部にも見張りが6名・・・それ以外は食堂に集まっている模様です。」

 

他の海賊は、管制室と上層部に居り、他は食堂に居た。

 

真冬「人質がいなければ、あっ突っ込んで、ドカーンって、行くのになあ・・・」

 

人質がいなければあっという間に制圧できるのにと真冬は、大胆に言い張るが

 

龍之介「そんなに上手く行く筈が・・・」

 

龍之介が上手く行く筈がないと否定し様とした時

 

真霜「だったら、人質を全部解放してしまえば良いでしょう。」

 

真霜は、人質を全部解放してしまえば良いでしょうと2人に告げる。

 

真霜「母さ・・・校長からも人質救出を最優先と指示が出ているわ・・・でも・・・人質さえ救出すれば・・・手加減する必要・・・ないでしょう?」

 

真霜は、真雪から人質救出を最優先と指示が出ているが、人質さえ救出すれば後は、手加減する必要はないと言って、不気味さを露にする。

 

『うう・・・』

 

それを見た真冬と福内は、怯え

 

龍之介(出た!?・・・真霜のブラック状態だ!)

 

龍之介も真霜のブラック状態が出たと感じ怯える。

 

もえか「貴方は何かプランがあるかしら?」

 

3人が怯える中、真霜は、もえかに何か作戦が有るのか問う。

 

もえか「ああ・・・そうですね・・・此処まで情報が把握できているなら・・・このまま監視装置に欺瞞情報を流して、その間に人質を救出でしょうか?」

 

もえかは、画面を見て、プラントの情報が把握できているなら、監視装置に欺瞞情報を流し、その間に人質を救出しようと言う案を出す。

 

真霜「大体、正解ね!」

 

もえかの案に真霜も同じ考えだった。

 

真霜「でも、見張りの交代のタイミングがつかめない以上、迅速な制圧が必要よ!」

 

真霜の言う通り、見張りの交代のタイミングがつかめない以上、迅速な制圧が必要だと告げる。

 

もえか「その場合は大きな陽動が必要ですよね。」

 

それに対して、大規模な陽動が必要だと発言する。

 

真霜「フフ!」

 

真霜もその通りだとにっこりと笑う。

 

龍之介「なら!」

 

『えっ?』

 

龍之介「その陽動は俺達が引き受けよう。」

 

龍之介は、その陽動を引き受ける。

 

真霜「何をする気?」

 

龍之介の陽動について、真霜は、何をする気なのか問う。

 

それについて、龍之介は唯黙って、指で上を指す。

 

と言う事で予め作戦は決まり、作戦の許可を仰ごうと横須賀女子海洋学校に報告する。

 

横須賀女子海洋学校、会議室

 

真雪「作戦は以上です・・・この方法なら、先ず間違いなく人質に危害が及ぶ事はありません。」

 

報告を受けた真雪は、作戦内容を海上安全整備局に説明する。

 

海上安全整備局長『確率は?』

 

説明を聞いた海上安全整備局は作戦の成功確率を問う。

 

真雪「95%!」

 

確率は95%だと告げ

 

真雪「残りの5%は、大鳳、弁天乗員が暴走する可能性ですが・・・宗谷真霜、宗谷龍之介両名が抑えてくれるでしょう。」

 

残りの5%は、大鳳、弁天乗員が暴走する可能性で、其処は、龍之介と真霜が抑えてくれるだと信じていた。

 

海上安全整備局長『真霜君と龍之介君か・・・2人なら確かに彼らの手綱を引き受けるだろう・・・よろしい・・作戦を承認する・・・プラントが我が国の管轄海域外に出るまでに・・・必ず作戦を必ず完遂せよ!』

 

それを聞いて、海上安全整備局も同じ考えで、作戦を承認した。

 

真雪「了解しました。」

 

こうして、作戦は承認され、プラントが国の管轄海域外に出るまでに作戦を必ず完了しなければならなかった。

 

弁天、艦橋

 

福内「本部から作戦決行の指示が来ました。」

 

真雪からの作戦が許可されたと言う報告が齎される。

 

真冬「よーし、腕が鳴るぜ!」

 

作戦を許可され、真冬は、腕が鳴ると言って、腕をゴキゴキと鳴らしながらやる気を見せ

 

真冬「姉ちゃん!作戦の指示を?」

 

真霜に指示をこうが

 

真霜「此方の指揮官は貴方でしょう。」

 

真霜は、此処の指揮官は真冬本人だと言う。

 

真冬「あ・・・そうか・・・」

 

それを聞いた真冬は、自分が指揮官と言うのを自覚していなかった。

 

龍之介「しっかりしろよ!・・・俺の大事な部隊を貸すんだから!」

 

真冬の自覚してない事に呆れる。

 

真冬「わってるよう!」

 

それに対して、真冬も分かっていると言うが

 

龍之介「本当に大丈夫なのか?」

 

龍之介は、真冬に貸す陽動部隊が心配になって来た。

 

真霜「私達は、学生艦隊に戻って、大至急、要塞に向かうわ・・・今のままなら0600に管轄海域に侵入する筈・・・その瞬間に航空隊が攻撃を開始、その後此方も攻撃を開始します。」

 

真霜達と龍之介達が立てた作戦とは、先ず潜入部隊を使って、プラントに潜入し、人質を救出。

 

その後、陽動部隊が敵を攻撃し、引き付けている間に人質を弁天に収容し、プラントを制圧する。

 

プラント制圧完了次第、海上要塞に向け龍之介達の航空隊が攻撃を開始し、続いて、真霜達が砲撃で要塞のゲートを破壊し、ホワイトドルフィンが要塞を制圧する。

 

龍之介「ああ!」

 

もえか「了解しました。」

 

龍之介達と真霜達も行動を開始し様と混成艦隊に戻る。

 

その頃、混成艦隊は、補給を受けていた。

 

晴風、甲板

 

そんな中、晴風は、明石からある物を搭載し様としていた。

 

理都子「何、あのおっきいの?」

 

果代子「普通の倍ぐらいあるよね!」

 

それは、魚雷だが、普通の倍ぐらいの大きさ。

 

珊瑚「フッフッフッ・・・私の秘蔵コレクション」

 

しかも珊瑚の所有物。

 

百々「おー!あれは幻の36インチ魚雷っスね!初めて見たっスよ!」

 

何と搭載され様としているのは試製の36インチ魚雷だった。

 

『36インチ!?』

 

36インチと聞いて、理都子と果代子は驚愕する。

 

珊瑚「そう・・・試験的に開発されたけど・・・無駄に威力が大き過ぎて、使い道が無くなった。」

 

珊瑚が言うには、あまりの破壊力に開発が中止されたそうだ。

 

理都子「これなら要塞にも効くのかなあ?」

 

理都子は、この魚雷なら要塞に効くと思った。

 

珊瑚「普通に正面から撃っただけなら多分効果はない。」

 

だが、正面から攻撃しても効果は期待できなかった。

 

果代子「それじゃあ積む意味ないんじゃない?」

 

果代子の言う通り、積む意味はない。

 

珊瑚「きっと貴方方の艦長なら面白い使い道を考えてくれる筈・・・他のも含めて、レポート楽しみにしてる。」

 

だが、珊瑚は明乃が、この魚雷を有効に使ってくれると信じ、レポートを楽しみにしていると不気味に笑う。

 

『ええ・・・!?』

 

それを見た3人は驚愕する。

 

空母大鳳、飛行甲板

 

一方、空母大鳳の飛行甲板でも艦載機の換装作業が行われていた。

 

護衛戦闘機には、対空装備の90式短距離空対空ミサイル2発と99式中距離空対空ミサイル8発、300ガロン増槽1基、攻撃機には、Mk.84 2000ポンド爆弾6発が装備された。

 

そして、陽動部隊として、AH-1G 1機とUH-1G2機が発進準備をする。

 

三郎「何で俺達がおとり何だ?」

 

古野間「それはですね・・・か弱い女性達を危険にさらさない為に俺達が危ないめに会うんだ。」

 

三郎「全然意味分かんねえよう・・・よは、危ない仕事を引き受けたって事だろう・・・嫌な役目だな・・・」

 

三郎は嫌な役目を引き受けたと思いながら、UH-1Gに乗り込む。

 

やがて全艦補給が完了し

 

武蔵、艦橋

 

もえか「全艦、補給完了!出撃準備完了です!」

 

もえかは、殆んどの艦が補給を終えた事を真霜に報告する。

 

真霜「よろしい・・・それでは、要塞に向かいます!」

 

報告を聞いた真霜は、海上要塞に向けて出撃命令を出す。

 

画して、弁天と比叡、アドミラル・グラフ・シュペーの3隻を残し、混成艦隊は、一斉に海上要塞に向かう。

 

空母大鳳、艦橋

 

GF隊員『此方アッタカ部隊、発進する!』

 

実『了解!幸運を祈る。』

 

それに乗じて、空母大鳳からも陽動部隊が発進

 

発進後、混成艦隊の後を追う。

 

弁天、艦橋

 

真冬「フッ・・・潜入作戦開始!」

 

混成艦隊出撃後、真冬は、予定通りプラントへの潜入作戦を開始する。

 

弁天、艦内

 

作戦開始に辺り、特殊部隊が準備をしていた。

 

真冬『我らの行けぬ海はなし!・・・素早く・・・そして確実に・・・徹底的にやれ!!』

 

準備する中、真冬は、彼らを激励する。

 

BPF隊員『ウッス!』

 

真冬の激励の元、特殊部隊は、水中スクーターでプラントに向けて出撃する。

 

UH-1G、機内

 

同じ頃、空中で待機している陽動部隊のUH-1Gの機内では、突入予定時刻に備え、強襲の準備をしていた。

 

そんな中、三郎は

 

三郎「なあ?」

 

GF隊員「何です少佐?」

 

三郎「此処の指揮官は、宗谷真冬何だろう?」

 

GF隊員「そうですけど・・・」

 

三郎「嫌な予感がする・・・」

 

真冬が指揮官なのが如何も嫌な予感がする。

 

実は三郎は、内緒で真冬と付き合っている。

 

だけど、いつも付き合いで、真冬の尻拭いをやらされる。

 

今回もそれで嫌な予感がすると思い落ち着かなかった。

 

GF隊員「心配いりませんって!・・・こっちには、歴戦勇士の古野間隊長が居ますから問題ないっすよ!」

 

『ハハハ・・・・!』

 

だが、Gフォースの特殊部隊は、そんな事は考えず、歴戦勇士の古野間が居るから大丈夫だと言って笑う。

 

三郎(問題あり過ぎだろう・・・・)

 

だが、やっぱり落ち着かない。

 

植物プラント船、バラストタンク室

 

何だかんだ言いながら、ブルーマーメイドの特殊部隊は、海中からプラントの船底取水口からバラストタンク室へと侵入。

 

BPF隊員「・・・・・」

 

1人が内部の安全を確認し、合図で一斉に侵入する。

 

侵入後、人質が居る貨物倉庫へと向かう。

 

向かう中、行く手を阻む見張りをテーザー銃で巧みに倒して行き、人質が居る貨物倉庫の船内大通路に辿り着く。

 

植物プラント船、船内大通路

 

辿り着いたブルーマーメイドの特殊部隊は、倉庫の入り口付近にいる見張り3人に気づかれない様に通路の隅に隠れて、見張りの様子を伺う。

 

その間にもう1人がプラントのコンピュータにハッキングし、監視カメラの映像をリンクする。

 

弁天、艦橋

 

弁天乗員「同期しました。」

 

弁天でも監視カメラの映像をリンクした事を確認し、欺瞞映像を流す。

 

植物プラント船、操船艦橋

 

海賊手下「ん?」

 

プラントの操船の操船艦橋にいた海賊の1人が、監視カメラの映像が一時乱れた事に気づく。

 

海賊ボス「如何した?」

 

部下の1人が何かに気づいて、如何したかと問う。

 

海賊手下「今ノイズが?」

 

部下は、さっき画面が乱れた事を報告し

 

海賊ボス「カメラを切り替えて見ろ!」

 

それを聞いて、確認の為カメラを切り替えるが

 

海賊ボス「異常なしか・・・一応人質区画に人を送れ」

 

何所も異常もなく。

 

念の為、貨物倉庫に人をやるよう命じる。

 

海賊手下「了解!」

 

こうして海賊は、弁天から贈られた欺瞞映像に騙される。

 

植物プラント船、船内大通路

 

海賊達が欺瞞映像に騙されているうちに

 

『うおっ・・・』

 

倉庫に立っていた見張り3人を一誠に倒す。

 

倒した後、急いで倉庫へと向かう。

 

植物プラント船、貨物倉庫

 

貨物倉庫へと入ると、其処には、プラントの関係者数十人が怯えた状態で中にいた

 

プラント関係者「あなた方は・・・」

 

BPF隊員「ブルーマーメイドです・・・救助に来ました。」

 

救助に来たBPF隊員達に関係者達は大いに喜ぶが、騒がれては、他の海賊に気づかれるので、関係者を静かにさせる。

 

BPF隊員「さあ、急いで・・・時間がありません。」

 

プラント関係者「さあ行こう。」

 

ブルーマーメイドの特殊部隊は、急いで人質にされていたプラント関係者達を舷側搬入口へと誘導する。

 

弁天、艦橋

 

福内「予定時間です。」

 

真冬「よし!作戦開始!!」

 

攻撃予定時間になり、真冬は、攻撃を開始するよう命じる。

 

UH-1G、機内

 

古野間「突入!!」

 

空中で待機していたGフォースの特殊部隊は、AH-1Gを先頭にプラントに突入を開始する。

 

アドミラル・グラフ・シュペー、艦橋

 

ミーナ「作戦開始の指示です!」

 

テア「よろしい・・・攻撃・・・始め!」

 

そして、弁天からの作戦開始を知らせる発光信号に伴い、アドミラル・グラフ・シュペー、比叡は、プラントへの砲撃を開始。

 

植物プラント船、操船艦橋

 

『うう・・・!?』

 

いきなりの砲撃で操船艦橋にいた海賊達はパニックを起こし

 

海賊ボス「何事だ?」

 

何事かと問う。

 

海賊手下「砲撃です!」

 

海賊ボス「出せ!」

 

砲撃だと知り、映像を出すよう命じる。

 

映像が出ると海上に無数のボートが探照灯を照らしていた。

 

海賊ボス「人質を見殺しにするか?・・・反撃するぞ!」

 

映像を見た海賊のボスは、ブルマーメイドが人質を見殺しにするのかと思い、反撃を命じる。

 

だが、それは、海賊の目をそらす為の陽動で、ボートには、誰も乗っていなかった。

 

そして、もう一つ

 

植物プラント船、舷側通路

 

ゴォォ・・・!!

 

海賊手下「な、何だ!?」

 

突然の轟音に何かと驚く海賊の1人が前方を見ていると

 

下からAH-1Gが轟音を鳴らしながら、姿を現した。

 

海賊手下「そ、空飛ぶ悪魔だ!?」

 

突然現れたAH-1Gに海賊達は、空飛ぶ悪魔だと言って、反撃する。

 

だが、そんな反撃にAH-1Gは、物ともせずに海賊達に向けて、ロケット弾攻撃を浴びせる。

 

『うわぁ!』

 

AH-1Gのロケット弾攻撃に舷側通路にいた海賊は制圧され

 

GF隊員「降下!」

 

続いて、UH-1Gから三郎と古野間率いるGフォースの特殊部隊が次々と降下する。

 

植物プラント船、操船艦橋

 

海賊手下「舷側通路より強襲!」

 

海賊ボス「映像を出せ!」

 

舷側通路から強襲の報告を聞いて、直ぐに舷側通路の映像を出す。

 

海賊ボス「こっちが本命か?・・・増援をやれ!」

 

海賊手下「了解!」

 

攻撃しているGフォースの特殊部隊を本命だと思い込み、返り撃ちにしようと増援を送る。

 

植物プラント船、舷側通路

 

降下した三郎、古野間達は、海賊相手に白兵戦を繰り広げていた。

 

古野間「撃ちまくれ!」

 

三郎「陽動とは言え、向こうも派手だな・・・」

 

後から来た海賊の増援相手に三郎、古野間達は、ゆうかんに戦う。

 

海賊達がGフォースの特殊部隊に気を取られている間にブルーマーメイドの特殊部隊は、人質達を舷側搬入口から内火艇で弁天に収容する。

 

弁天、艦橋

 

福内「全人質、収容完了!」

 

真冬「よし!殴り込みだ!!」

 

人質を収容が完了したと報告を聞いて、真冬もプラントに殴り込みを命じ、弁天は、プラントに向け突入する。

 

植物プラント船、舷側通路

 

三郎「そろそろ良いんじゃないのか?」

 

古野間「よ~し!行くぞ!」

 

そして、三郎、古野間達も頃間っと判断し、海賊相手にいつもの閃光手榴弾を投げつける。

 

『うう・・・!?』

 

閃光手榴弾を受けた海賊達は、一時的に動きを封じられる。

 

古野間「突入!!」

 

その隙に古野間が突入を命じ

 

三郎「おりゃ!」

 

動けない海賊達を肉弾戦で次々と倒し、内部に突入する。

 

植物プラント船、舷側搬入口

 

同じ頃、弁天もプラントの舷側搬入口に接舷

 

真冬「よし・・続け!」

 

『ウッス!』

 

真冬自らが率いて内部に突入する。

 

植物プラント船、内部

 

海賊手下「ぐわっ・・・」

 

三郎「艦橋を目指せ!」

 

プラント内部に突入した三郎、古野間達は、行く手を阻む海賊を倒しながら、真冬達と合流する為、操船艦橋を目指す。

 

一方、突入した真冬達も操船艦橋を目指していた。

 

『うおっ!』

 

エレベーターから増援に来た海賊達は、いきなり飛びこんできた真冬にコテンパンにされながら上へと上がる。

 

後から来たBPF隊員達は、エレベーターが何階に上がっているのかを確認し、隣の階段を上がる。

 

やがて、エレベーターが5階に止まり、ドアが開く。

 

BPF隊員「あっ・・・」

 

遅れて5階へと上がって来たBPF隊員達が目撃したのは、エレベーター内で海賊達が真冬にコテンパンにされ、1人が顔をドアに挟まれながらのびていた。

 

その光景を見たBPF隊員達は、真冬の恐ろしさに怯えながら、真冬の後を追う。

 

植物プラント船、植物栽培室

 

海賊手下「はっ・・・」

 

植物栽培室で見張りに立っていた手下の1人が何かに気づく。

 

すると前方から真冬が単身で突っ込んで来た。

 

手下は、真冬に向かって、容赦なく発砲するが、真冬は、素早く避けながら手下の頭に飛び蹴りの一撃を浴びせる。

 

海賊手下「ぐわっ・・・!?」

 

飛び蹴りの一撃をもろにくらって、手下は、前方の壁へと叩き付けられて、のびてしまった。

 

後からBPF隊員達がぞろぞろと現れ、真冬と合流。

 

BPF隊長「管制室は上です。」

 

真冬「よし続け!」

 

真冬は、操船艦橋を目指すが

 

BPF隊長「艦長!こっち・・・」

 

うっかり反対方向へと行ってしまう。

 

『あ・・・』

 

真冬のうっかりに呆れながら

 

BPF隊長「潜入部隊だけ続け!!」

 

真冬の後を追う。

 

植物プラント船、操船艦橋

 

海賊ボス「状況は如何なってる?・・・プラント区画で侵入者を食い止めろ!」

 

次々と制圧される中、操船艦橋では、何とかプラント区画で食い止め様とするが

 

海賊ボス「!?」

 

突然左のドアが開く音がしたので、確認しようと近づいて見ると

 

ドアが開き、中から手下の1人が、その場に倒れた。

 

海賊ボス「なっ・・・うっ・・・」

 

手下の1人が、その場に倒れた事に驚くと今度は、右からBPF隊員達が現れ

 

海賊ボス「うっ・・・」

 

さっきの左のドアからは、三郎達が現れた。

 

古野間「武器を捨てろ!」

 

後ろからも古野間達とBPF隊員が現れ、武器を捨てる様海賊達に命じる。

 

海賊達は、言われるままに武器を捨てて手を上げる。

 

残るはボス1人だけになった。

 

三郎「残るは、お前だけだ!・・・諦めて降伏しろ!」

 

三郎は、残ったボスに降伏する様言うが

 

海賊ボス「ほざくな!」

 

ボスは、降伏を拒否する。

 

三郎「お前の為に言ってるんだ!・・・早く降伏しないと命がないぞ!」

 

降伏を拒否するボスに三郎は、何とかしようと降伏させようとする。

 

何故なら、ボスの後ろの窓から操船艦橋を目指してくる真冬の姿が有ったからだ。

 

操船艦橋を目指していた真冬は

 

真冬「とうっ・・・!」

 

操船艦橋へ向けジャンプ

 

三郎「手遅れだ・・・」

 

海賊ボス「うう・・・」

 

三郎が手遅れと言ってるうちにボスの後ろにジャンプする真冬の姿が見え

 

『ううっ!』

 

ジャンプする真冬の姿が見えた事に手下どもは喚き立てて、ボスに危険を知らせる。

 

海賊ボス「うおっ?」

 

それを聞いたボスが後ろを向くと

 

真冬「でやあ・・・・!」

 

真冬が窓ガラスを割って、艦橋に乱入して来た。

 

海賊ボス「うう・・・ええい」

 

乱入してきた真冬にボスは驚きながら真冬に向けて銃を乱射する。

 

銃の乱射で真冬のマントは、ボロボロになるも、其処に真冬の姿はなく。

 

海賊ボス「なっ!?」

 

よく見ると真冬は、上にいた。

 

真冬「フッ、うああ・・・・・・でいっ!」

 

真冬は、上からボスに向かって、強烈な一撃を浴びせる。

 

海賊ボス「ぐわっ!ううっ・・・」

 

真冬の強烈な一撃を浴びて、壁に叩きつけられた。

 

真冬「んっ!」

 

それに真冬は、怯まず銃を拾って、ボスを殴る。

 

海賊ボス「うっ、ぐっ・・・うう・・・」

 

真冬に銃で殴られ、ボスは地べたを這い上がりながら真冬から逃げ様とするが

 

真冬「根性ある奴が1人も・・・根性!」

 

真冬に捕まり、右手で鼻を掴められ

 

海賊ボス「あ・・・あ・・・あが・・・」

 

更には、左手で首を絞められた状態になり

 

真冬「へへっ」

 

真冬は不気味な笑いを出し

 

次の瞬間

 

海賊ボス「ノ・・・・・・!!」

 

真冬に半殺しにされた。

 

アドミラル・グラフ・シュペー、艦橋

 

テア「ああ・・・」

 

その光景をアドミラル・グラフ・シュペーの艦橋から見ていたテアは、唖然とし

 

テア「あれは子供には見せられんな!」

 

ミーナ「・・・・・・えっ?」

 

その光景は、子供には見せらない光景だと感じた。

 

植物プラント船、操船艦橋

 

三郎「警告したのに・・・半分死んでるぞ!」

 

半殺しにされたボスを見て、三郎は、真冬を叱る。

 

真冬「海賊は、これぐらい傷めつけないと・・・」

 

三郎「だからと言って、これはやり過ぎだ!」

 

真冬「良いじゃねえかよ!何はともあれ制圧したんだから・・・」

 

三郎「はぁ!何が制圧だ!・・・大体何だ!・・・海賊相手に丸腰で戦うなんて自殺行為だぞ!」

 

真冬「ふん!・・・海賊相手にそんなもんはいらねえよ!」

 

三郎「それだから、何時もうちの艦長に舐められるんだ!」

 

真冬「何だと!」

 

2人は、隊員達がいる前で喧嘩を始めた。

 

それを側で見ていた隊員達は、

 

BPF隊員「如何しますか?」

 

古野間「気がするまでやらせとけ・・・」

 

気が済むまでやらせる事にした。

 

しかし、2人が喧嘩している間にボスが隙をついて、腰に付けていたセンサらしき物を起動した。

 

センサーから何らかの信号が発せられた。

 

そうとは、知らず真冬、三郎達は、プラント制圧を完了した。。

 

海上要塞から70,000m付近

 

プラントが制圧される中、混成艦隊は、海上要塞から70,000mにまで進出した。

 

空母大鳳、艦橋

 

功「間もなく発進時刻です。」

 

はやて「攻撃隊の発進準備は、既に整っています。」

 

飛行甲板には、攻撃隊が既に出撃態勢を整えていた。

 

そして、遂に

 

龍之介「そろそろ行くか!・・・第1次攻撃隊発進用意!」

 

龍之介は、第1次攻撃隊発進用意を命じる。

 

薫「スターズ隊(第1次攻撃隊)発進用意!」

 

空母大鳳、作戦室

 

なのは「よーし!皆行くよ!」

 

『おう!』

 

スターズ隊(第1次攻撃隊)発進用意の命令が下り、なのは達は、機体に乗り込む。

 

空母大鳳、飛行甲板

 

なのは達が乗り込んだ春乱4機がカタパルトに前脚を装着し、発艦準備が完了する。

 

空母大鳳、艦橋

 

はやて「スターズ隊(第1次攻撃隊)発進用意完了!」

 

薫「艦首を風上に!」

 

美奈「取り舵10ヨーソロ―!」

 

発進の為、艦首を風上に向ける。

 

薫「スターズ隊(第1次攻撃隊)発進!」

 

薫が発進の命令を下す。

 

なのは「スターズ1行くよ!」

 

薫の号令のもと、スターズ隊(第1次攻撃隊)が次々と勢いづつ発艦して行く。

 

大和、艦橋

 

進愛「な、何や、あのもの凄いもんわ!?」

 

十海「あれが噂の航空機なの・・・以外と速いわね!」

 

信濃、艦橋

 

亜澄「凄いな~あれ!・・・うちの艦に欲しいくらいだ!」

 

燕「亜澄社長!・・・あんなもの如何やって艦に乗せるんですか?」

 

紀伊、艦橋

 

沙千帆「何か、すっごく強そうだな!」

 

啓子「やはりあの艦は、侮れませんね!」

 

発艦して行くスターズ隊(第1次攻撃隊)を見て、十海達は、驚きながら航空機に興味を示す。

 

空母大鳳、艦橋

 

はやて「スターズ隊(第1次攻撃隊)発進完了!」

 

空母大鳳からスターズ隊(第1次攻撃隊)(戦闘機15機、攻撃機25機)、計40機が発進、海上要塞へと向かう。

 

海上要塞付近

 

要塞付近の海中には、東舞鶴男子海洋学校所属の伊号第201潜水艦が要塞を偵察しながら、要塞の状況を逐一混成艦隊に報告する。

 

武蔵、艦橋

 

夏美「偵察中の伊201より入電!・・・要塞の針路、速力は、依然として変化なし!」

 

武蔵にも伊号第201潜水艦からの報告が齎される。

 

もえか「射程内まで、あと10分です。」

 

真霜「予定通りなら、そろそろ内部に突入した頃ね!」

 

もえか「全艦に攻撃準備をさせますか?」

 

真霜「ええ・・・要塞側に情報が伝わる前に、つまりプラント制圧後に航空隊の攻撃が始まる・・・その直後に初弾発砲します!」

 

もえか「了解しました!・・・再確認しますが・・・本艦が高千穂や他の上級生も指揮下に置くので問題ありませんね?」

 

真霜「ええ、それは既に通達済みよ!」

 

要塞砲撃に備え真霜は、武蔵以下5隻に砲撃準備をさせる。

 

高千穂、全主砲塔

 

武蔵以下4隻が砲撃準備をする中、高千穂でも全砲塔が砲撃準備をしていた。

 

高千穂砲術員「砲弾装填!」

 

46cm砲弾が降ろされ、砲身に装填し

 

高千穂砲術員「よし、降ろせ!」

 

高千穂砲術員「装薬装填!」

 

続けて、装薬が降ろされ、砲術員達の手で砲身に装填される。

 

高千穂の主砲は、他の大和型4隻と違い、4連装18インチ砲3基を搭載しているが、装填システムが自動ではなく手動システムだった。

 

その為、装填速度が他の3隻と違い遅い。

 

だが、照準精度は此方が上である。

 

晴風、通信室

 

そんな中、晴風の通信室では、鶫が何かの通信を傍受していた。

 

鶫「ノイズ…」

 

それが何なのかは、不明で、鶫は解析する。

 

とは言え、混成艦隊は、海上要塞50,000mまで迫っていた。

 

春乱、操縦席

 

その頃、スターズ隊(第1次攻撃隊)も海上要塞20,000mまで迫っていた。

 

なのは「伊201からの情報だと目標の針路、速力は変わらない・・・このまま針路を維持!」

 

スターズ隊(第1次攻撃隊)は、伊号第201潜水艦の情報を頼りに針路を取る。

 

スターズ隊員A「敵の戦闘機がいないから楽勝!」

 

スターズ隊員B「これで要塞への一番乗りは頂きだな!」

 

敵の航空機が居ない事にスターズ隊(第1次攻撃隊)の連中は、楽勝だと言い張るが

 

なのは「油断しないで・・・何が有るか分らない・・・周辺の警戒を怠らない様に・・・」

 

『了解!』

 

だが、なのはは、何か嫌な予感がすると思い、周辺の警戒を怠らない様に命じる。

 

E-2G、機内

 

攻撃隊が海上要塞に突撃する中、周辺を偵察していたペガサス隊の早期警戒機E-2Gでは

 

ペガサス隊レーダ員「な、何だこれは!?」

 

E-2Gのレーダーが要塞方面から未確認飛行物体らしき大編隊を捕捉した。

 

しかもそれは、真っ直ぐ此方へと向かっていた。

 

ペガサス隊レーダ員「直ぐに本体に知らせろ!」

 

この報は、急ぎ空母大鳳へと報告する。

 

空母大鳳、艦橋

 

実「哨戒中のペガサス1より入電!・・・未確認飛行物体らしき大編隊を探知!・・・その数30・・・真っ直ぐ此方へと向かってくる!」

 

『えっ!?』

 

龍之介「ん!?」

 

ペガサス隊からの急報が齎され、龍之介達は驚き

 

功「未確認飛行物体だと?」

 

はやて「何やろ?」

 

何かと思った。

 

薫「まさっか敵機!?」

 

薫は、敵機だと思った。

 

次郎「そんな筈は!?」

 

次郎は、冗談かと思った。

 

だが、現に未確認飛行物体の大編隊は、此方を目指して接近しつつあった。

 

それが何なのかは不明だ。

 

如何するか、龍之介の判断に委ねられた。

 

そして、龍之介は

 

龍之介「通信主!・・・なのは隊長に至急繋げろ!」

 

実「了解!」

 

至急、海上要塞に向かっているスターズ隊(第1次攻撃隊)との回線を繋げる。

 

春乱、操縦席

 

龍之介『大鳳よりスターズ1へ!』

 

なのは「此方スターズ1!」

 

龍之介『哨戒中のペガサス1が敵らしき未確認飛行物体の大編隊を捉えた・・・その数30・・・真っ直ぐ本艦隊に向かっている・・・従がって、護衛戦闘機隊は、これを捕捉せよ!』

 

龍之介は、なのはに未確認飛行物体の大編隊を捉えたと言って、その方面に向かわせる。

 

なのは「了解!・・・皆聞いた!・・・私達は、その方面へと向かう・・・攻撃隊は、このまま要塞へと向かう様に・・・行くよ!」

 

『了解!』

 

こうして、スターズ隊(第1次攻撃隊)は、攻撃隊25機だけ、このまま海上要塞に向かわせて、護衛戦闘機隊15機を未確認飛行物体の方に向かう。

 

空母大鳳、艦橋

 

薫「対空戦闘用意!」

 

薫は、対空戦闘用意の号令を出す。

 

更に航空戦の指揮を執る為、混成艦隊から別れ、単独行動をする。

 

龍之介「通信主!・・・旗艦にもこの事を知らせろ!」

 

龍之介は、この報告を武蔵にいる真霜達にも知らせる。

 

武蔵、艦橋

 

夏美「大鳳より入電!・・・未確認飛行物体らしき大編隊を捕捉!」

 

『えっ!?』

 

龍之介からの報告を聞いて、真霜ともえかは驚愕する。

 

夏美「なお、迎撃の為、戦闘機隊を向かわせた・・・我が艦は、航空戦の指揮を執る為、艦隊から離脱する・・・従がって、艦隊は、このまま要塞に向かう様に・・・」

 

龍之介は、真霜にこのまま海上要塞へと向かうよう命じた。

 

真霜「龍之介!」

 

真霜は、心配しながら、艦隊から離れる空母大鳳を見守る。

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「頼むわよなのは隊長!」

 

美由紀も行く手を見守っていた。

 

そして、なのは達護衛戦闘機隊15機は、前方より接近してくる未確認飛行物体の大編隊をレーダーに捉えた。

 

春乱、操縦席

 

なのは「此方スターズ1!・・・目標をレーダで確認!・・・針路、速力は、依然として変わらず・・・後数分で会的します。」

 

未確認飛行物体の針路、速力は、依然として変わらず、後数分でなのは達と会的する。

 

空母大鳳、艦橋

 

龍之介「了解スターズ1!・・・可能なら目標を視認せよう!・・・もし攻撃してきたら撃墜を許可する。」

 

なのはからの報告を聞いて、龍之介は、なのはに未確認飛行物体の正体を確認するよう命じ、更に向こうが攻撃したら撃墜を許可した。

 

なのは『了解!』

 

なのは達は、未確認飛行物体の大編隊に接近する。

 

しかし

 

バシュ・・・!

 

未確認飛行物体の大編隊から小型物体が分離した。

 

それは間違いなく対空ミサイルで、なのは達に向け発射した。

 

その状況は、E-2Gのレーダーにも捕らえられ、なのは達に知らせられる。

 

春乱、操縦席

 

ペガサス隊レーダー員『ペガサス1よりスターズ隊へ・・・目標は、此方に向けて、ミサイルらしき物を発射した・・・注意されたし!』

 

ペガサス隊からの報告が齎され

 

なのは「了解!・・・皆聞いた通り・・・警戒して!」

 

なのは達は、警戒する。

 

こうして、初の空中戦が始まった。

 

そして、前方から対空ミサイルらしき物が迫って来た。

 

なのは「全機回避!」

 

なのはは、回避を命じて、フレアを出しながら回避する。

 

他の機も同様にフレアとすれすれで回避する。

 

空母大鳳、艦橋

 

信吾『目標はミサイルらしき物を発射!・・・その数30!』

 

薫「やはり敵なの?」

 

実「スターズ隊被弾報告なし!」

 

状況は逐一、空母大鳳に齎され

 

功「流石はスターズ隊!・・・あれだけのミサイルを回避するとは・・・」

 

なのは達が30発もの対空ミサイルを回避した事に驚く。

 

龍之介「空母大鳳よりスターズ隊へ・・・敵を1機で追いかけるな・・・必ず1機を2機で攻撃しろ!」

 

龍之介は、なのは達に1機で1機を追いかけず、必ず2機で攻撃しろと命じる。

 

これは雅に空中戦の基本通りのやり方である。

 

春乱、操縦席

 

なのは「了解!・・・今度はこっちの番・・・行くわよ!」

 

今度は、なのは達が攻撃を開始した。

 

なのは機は、編隊を維持しつつ、目標の1機に食い付き

 

なのは「目標ロックオン!・・・発射!」

 

目標に向けてミサイルを発射

 

ミサイルは目標に命中、撃墜した。

 

撃墜した飛行物体は、なのは達が乗っている春乱と同じ大きさで、同じジェットエンジンを搭載した機体。

 

なのは「敵は同じジェット機・・・・コックピットが・・・ない?」

 

しかも落ちて行く敵機の先頭部分には、操縦席が無かった。

 

これは高性能の無人戦闘機だった。

 

ともあれなのは達は、敵無人戦闘機を次々と撃破して行く。

 

空母大鳳、艦橋

 

信吾『スターズ1、1機撃墜!・・・スターズ3、1機撃墜・・・スターズ2、1機撃墜・・・』

 

逐一戦況は、空母大鳳に齎された。

 

龍之介「良いぞ・・・」

 

薫(なのはちゃん・・・)

 

龍之介達が戦況を見守る中、なのは達は、敵機を撃墜していく。

 

海上要塞、上空

 

一方、なのは達と別れた攻撃隊25機は、海上要塞に接近しようとしていた。

 

春乱、操縦席

 

スターズ隊B「間もなく爆撃目標です!」

 

スターズ隊C「全機、爆弾投下用意!」

 

海上要塞上空到達に伴い、水平爆撃の用意をする。

 

同じ頃、混成艦隊も海上要塞から40,000まで迫っていた。

 

晴風、射撃指揮所

 

美千留「要塞って見える?」

 

光「全然・・・水平線の向こうだもん!」

 

順子「えーっ、それってどのくらい?」

 

光「現在の位置関係は、大体、フルマラソンの距離くらいかな・・・」

 

美千留「42,195k?」

 

順子「それって横須賀から横浜より遠いんじゃない?」

 

光「多分、品川の向こう。」

 

美千留「晴風の主砲は、水平線のちょい先までしか届かないのに・・・」

 

順子「武蔵は其処まで届くんでしょ・・・バキュンだね!」

 

3人は、高千穂、大和型4隻の遠距離砲撃に驚きながら、水平線を見る。

 

晴風、艦橋

 

幸子「艦長!プラント制圧完了の報告です。」

 

そして、混成艦隊にプラント陥落の報告が入る。

 

明乃「総員、戦闘配置!」

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「水上戦闘!砲撃戦用意!」

 

混成艦隊全艦に戦闘配置が発せられた。

 

晴風、艦橋

 

志摩「遠距離・・・」

 

芽衣「く・・・・・・!見えない位置からの超長距離射撃・・・あれぞ大型艦の夢だね・・・」

 

初めて見る遠距離射撃に志摩と芽衣は、わくわくしていた。

 

幸子「高千穂と大和型の測距儀は、大体、海面から37mぐらいの位置にあるとして、其処から見える距離は・・・えーと23k・・・砲弾は、その倍近くまで届きますから、目標に命中させるのには、目標近くでの弾着観測が必要ですね・・・って誰か聞いています?」

 

幸子の言う通り、高千穂と大和型4隻の射程距離は42,026m

 

だが、測距儀で見える距離は23,000mが限界で、それ以上は、目標近くで弾着観測が必要。

 

もちろんレーダー射撃と言う手もあるが、精密射撃だと、やはり弾着観測が必要になる。

 

その為に要塞付近に潜航していた伊号第201潜水艦が混成艦隊に向け、弾着測定のデーターを送っていた。

 

海上要塞、上空

 

スターズ隊C「用意・・・投下!!」

 

そして、プラント陥落の報告と同時に攻撃隊25機からMk.84 2000ポンド爆弾が一斉に投下。

 

要塞上部に全弾命中、爆発が要塞上部に響き渡る。

 

武蔵、艦橋

 

親子「要塞への爆撃を確認!」

 

水平線から黒煙が見え、要塞への爆撃を確認した。

 

真霜「攻撃始め!」

 

爆撃の報告を聞いた真霜は、要塞への砲撃を命じた。

 

もえか「高千穂及び大和型全艦にて、統制射撃を行う!」

 

もえかは、高千穂及び大和型4艦に統制射撃の指示を出す。

 

武蔵副長「了解!旗艦武蔵より高千穂及び大和型各艦に通達・・・要塞に対して統制射撃を行う。」

 

『了解!・・・旗艦の諸元にて攻撃を行う!』

 

もえかの号令のもと、高千穂及び大和型4艦の全主砲を海上要塞へと向ける。

 

武蔵、艦橋

 

もえか「砲術長・・・目標要塞!・・・位置は伊201のデータを使用・・・交互打方!」

 

もえかは、遠距離砲撃に伴い、伊201のデータを元に照準を元に交互打方を指示。

 

武蔵砲術長「了解!」

 

高千穂及び大和型4艦は、伊201のデータを元に海上要塞に照準を合わせる。

 

武蔵砲術長「射撃用意よし!」

 

もえか「各艦に通達・・・武蔵、攻撃準備完了!」

 

『攻撃準備完了!』

 

美由紀「此方も攻撃準備完了!」

 

各艦、攻撃準備が完了し

 

もえか「打方・・始め!」

 

もえかは、砲撃命令を出す。

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「てーっ!」

 

高千穂及び大和型4艦は、一斉に砲撃を開始した。

 

5艦の砲撃は、壮烈差を増し、巨大な砲音が周辺に響き渡る。

 

高千穂、全主砲塔

 

高千穂砲術員「次弾装填!装薬装填急げ!」

 

一斉砲撃後、各艦は、次弾装填する。

 

5艦が発射した46㎝砲弾は、海上要塞至近に着弾、付近に水柱が立つ。

 

大和、艦橋

 

伝令「伊201より入電・・・初弾全弾近!」

 

進愛「流石に初弾命中は難しいだら・・・」

 

初弾が外れた事に進愛は、悔しがる。

 

伝令「伊201より続報・・・目標は、此方の発砲直後に約5度、外方変針・・・旧針路のままであれば、初弾は莢叉」

 

『なっ・・・』

 

進愛「変針しなければ初弾莢叉ですか?」

 

十海「ふうん、中々、武蔵の艦長は、大した腕の持ち主みたいね!」

 

進愛「どえらいもんだねえ!」

 

もえかの命中計算に驚く。

 

伝令「次弾、修正諸元来ました。」

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「へ・・・中々計算しているじゃない・・・此方も負けてらんないわ・・・」

 

もえかの命中計算に美由紀は負けてられないと思った。

 

高千穂砲術長「諸元修正終わり!」

 

美由紀「てーっ!」

 

5艦は、諸元を修正して、再び要塞に向け第2次一斉射を行う。

 

晴風、艦橋

 

その光景は、晴風でも見えていた。

 

幸子「お・・・交互打方!・・・最初は左右の砲、次は中央の砲が発砲して修正する打方ですよ!」

 

幸子は、5艦の交互打方に興味を抱く。

 

志摩「斉射」

 

芽衣「高千穂と大和型4隻の46cm砲48門の同時発射は、見て見たいよね・・・」

 

志摩「弾着」

 

芽衣「そっか・・・安全圏にいたら弾着は見えないか・・・」

 

志摩「残念」

 

芽衣と志摩は、高千穂と大和型4隻の46cm砲48門の同時発射を見て、海上要塞に命中する瞬間を見たいと思ったが、安全圏では命中する瞬間を見る事が出来なかったので、ガッカリする。

 

鈴「此処は安全圏内だから、私は安心!安心!」

 

それと逆に鈴は、安全圏内だから安心する。

 

武蔵、艦橋

 

真霜「距離を詰めた方が良いかしら?」

 

正確に命中させる為、真霜は、もえかに距離を詰めた方が良いか問う。

 

もえか「大丈夫です。」

 

しかし、もえかは、大丈夫と言って、懐中時計で着弾時間を確認し

 

もえか「弾着!」

 

もえかの計算通り、砲弾は海上要塞のゲートに見事に命中した。

 

親子「伊201より入電・・・目標のゲートに命中!」

 

もえか「フッ!」

 

真霜「やるわね!」

 

もえかの砲撃計算に真霜は褒めたたえ

 

真霜「突入艦隊に連絡!」

 

待機していたホワイトドルフィン艦隊に海上要塞への突入を命じる。

 

空母大鳳、艦橋

 

実「ゲートに命中!」

 

次郎「やった!」

 

薫「流石知名さんやる!」

 

航空指揮をしている空母大鳳にもゲート命中の報告が入り、薫達は、大喜びする。

 

はやて「これで後は、ホワイトドルフィン艦隊が突入すれば、要塞も制圧したも同然や!」

 

後は、ホワイトドルフィン艦隊が突入すれば、要塞も制圧したも同然だった。

 

龍之介「ん・・・」

 

だが、龍之介は、喜べなかった。

 

何故なら、先程の敵機と言い、まだ何か起こるかも知れないと思い

 

龍之介「第2次攻撃隊発進用意!」

 

待機していたライトニング隊(第2次攻撃隊)の発進用意をする。

 

晴風、通信室

 

鶫「あ・・・」

 

そして、晴風でも同じ様に鶫が先程傍受した不審な電波を調べ

 

晴風、艦橋

 

鶫『艦長!・・・プラント陥落直後にごく短時間だけど不審な電波探知!』

 

艦橋に報告する。

 

明乃「ブルマー関連じゃなくて?」

 

報告を聞いた明乃は、ブルーマーメイド関連かと思ったが

 

鶫『周波数が違います。』

 

周波数が違っていた。

 

明乃「旗艦へ報告!」

 

明乃は、この事を武蔵へと報告する。

 

砲爆撃を受け、沈黙した海上要塞にホワイトドルフィン艦隊が破壊されたゲートへと突入を開始する。

 

武蔵、艦橋

 

親子「ホワイトドルフィンが突入を開始しました。」

 

武蔵にもホワイトドルフィン艦隊が突入を開始した報告が入る。

 

しかし

 

夏美「晴風から入電!・・・プラント陥落直後、内容不明の不審電波ありとの事!」

 

晴風からの不審電波傍受の報告が入る。

 

『えっ?』

 

それに真霜ともえかは、驚愕する。

 

そして、龍之介が予感した通り、沈黙していた海上要塞が牙を向いた。

 

要塞入口上部から砲身の様なものが現れ、突入してくるホワイトドルフィン艦隊に向けて砲撃を開始した。

 

うらづき、艦橋

 

うらづき副長「要塞から砲撃!」

 

いきなりの海上要塞からの砲撃にホワイトドルフィン艦隊は、パニックを起こす。

 

うらづき艦長「面舵一杯!」

 

パニックを起こしながら、海上要塞からの砲撃を何とか回避しながら

 

うらづき艦長「安全整備局へ連絡・・・要塞は稼動状態にあり・・・本艦は要塞へ突入を行う!」

 

この事を海上安全整備局に報告し

 

うらづき副長「了解!要塞へ突入します。」

 

何とか海上要塞ゲートに突入を試みる。

 

だが、突入先で思いもよらぬ事が判明した。

 

うらづき、艦橋

 

うらづき見張り員「ゲート入り口、推定幅14m、高さ25m!」

 

うらづき副長「この艦での突入は不可能です。」

 

それは、ゲートの破壊した部分が小さく、普通のホワイトドルフィンの艦では、突入する事が出来なかったのだ。

 

 

突入が出来ないと知り、ホワイトドルフィン艦隊は、砲撃を回避しながら、何とか打開策を講じ様とする。

 

横須賀女子海洋学校、会議室

 

真雪「何ですって!?要塞から砲撃?」

 

要塞からの砲撃の報告が真雪や深町にも齎され、2人は驚愕する。

 

真雪「武装は破壊したって、アメリカは言ってたわよね?」

 

老松「事前情報ではそうでしたが・・・」

 

事前情報では、確かに要塞の武装は破壊したとアメリカ側も言っていた。

 

だが実際は、武装は破壊されていなかったのだ

 

深町「やはり・・・先程の敵機と言い・・・突入を焦り過ぎた・・・」

 

深町は、先程の敵機の報告を聞いて、もう少し慎重に事を運べばと要塞への突入を早過ぎたと悔む。

 

真雪「ん・・・学生達を行かせるんじゃなかったわ!」

 

真雪もこんな事態になるなら、学生達を行かせるんじゃなかったと悔む。

 

そんな中

 

海上安全整備局長『作戦が失敗しただと?』

 

会話を聞いていた海上安全整備局は、要塞が砲撃して来たと知り、作戦が失敗したと判断する。

 

真雪「まだ失敗ではありません。」

 

それに対して、真雪は、まだ失敗じゃないと言い張る。

 

海上安全整備局長『要塞の武装が生きていて、内部に突入できなければ如何やって止めるんだ?』

 

失敗じゃないと言い張る真雪に他に如何やって要塞を止めるのか問う。

 

真雪「高千穂と大和型の砲撃と航空攻撃で!」

 

それに対して、砲撃や空爆を加えると主張する。

 

海上安全整備局長『直ぐ近くに内部に入れる艦が有るんじゃないか?』

 

だが、海上安全整備局は、海上要塞内部に突入できる艦が近くに有るのではないかと主張。

 

真雪「それは学生の艦の事ですか?」

 

確かに、海上要塞付近にある艦と言うと学生艦しかない

 

深町「無茶だ!」

 

それを聞いて、深町は、無茶だと断固反対する。

 

海上安全整備局長『私は特に・・・何も言っていない』

 

だが、海上安全整備局は、それに対して何も言わず、結局は、学生艦まで使っても海上要塞を止めろと言う事だろう。

 

真雪「はぁ・・・」

 

深町「くそ!」

 

2人は、海上安全整備局の判断に呆れながら、混成艦隊に要塞への全面攻撃を命じる。

 

ワシントンD.C、ホワイトハウス、大統領執務室

 

混成艦隊とホワイトドルフィンが戦闘している中、此処ホワイトハウスでは、リアルタイムで戦況を見ていた。

 

キング「今のとこは、戦況は、此方側の有利に立っているね!」

 

補佐官「はい大統領!・・・我々が提供した新型無人機も役に立っています。」

 

今なのは達が交戦しているのは、アメリカが極秘に試作している無人戦闘機で、アメリカが密かに自国のブルーマーメイドから技術を奪い、それを元に試作された。

 

まだ完成したばかりなので、数もそんなに制作されておらず、今回は、データを取る為に態々、海賊に提供したのだ。

 

キング「それにしては、大分苦戦しているな?」

 

だが、あまりの撃墜数にキングは失望する。

 

補佐官「仕方がありません・・・試作とは言え、操縦しているのは彼らなので、性能以上の威力を発揮できないんです。」

 

いくら新型とは言え、結局操縦するのは人だ。

 

しかも素人が操作をしているので、動きが鈍く、対応が出来ないでいる。

 

キング「まあ良い・・・ともあれ、これで日本政府がどう対応するか・・・見ものだな!」

 

キングは、予想もしない事態に日本政府がどう動くか見ものだと戦況を見る。

 

雅か、学生艦まで使って、海上要塞を止めようとしている何て、予想できないだろう。

 

そんな中、ホワイトドルフィン艦隊は、海上要塞の砲撃に苦戦していた。

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「至急、大鳳にブロークン・アローを要請して!」

 

美由紀は、苦戦するホワイトドルフィン艦隊を支援しようと

 

高千穂通信主「了解!」

 

空母大鳳にブロークン・アローを要請した。

 

空母大鳳、艦橋

 

実「要塞から砲撃だそうです。」

 

薫「何で!?・・・武装は破壊されてたんじゃなかったの?」

 

報告を聞いて、薫達は驚愕する。

 

龍之介「やはり、あの艦長の言った通りになったな・・・」

 

龍之介は、もえかの言う通りになったと確信する。

 

そんな時

 

実「高千穂から入電!・・・ブロークン・アローを要請しています。」

 

高千穂からのブロークン・アローを要請が入る。

 

功「ブロークン・アロー・・・全航空機による集中支援要請!?」

 

既にホワイトドルフィン艦隊は突入を断念し、苦戦している状態。

 

その為、ブロークン・アロー

 

つまり全航空機による海上要塞への集中攻撃支援要請だ。

 

龍之介「至急、第2次攻撃隊発進させろ・・・それから帰還中の第1次攻撃隊を急ぎ収容し、再度要塞攻撃に向かわせろ!」

 

薫「りょ、了解!」

 

直ちに空母大鳳から待機していたライトニング隊(第2次攻撃隊)(戦闘機13機、攻撃機25機)を発進させ、更に攻撃を終えたスターズ隊の攻撃機25機を急いで収容し、補給を終えた後、再度海上要塞攻撃へと向かわせた。

 

そして、武蔵でも

 

武蔵、艦橋

 

真霜「最悪ね・・・」

 

ホワイトドルフィン艦隊の苦戦や真雪からの要塞への全面攻撃命令。

 

最悪な状態に落ちいたと真霜は、認識し

 

もえか「距離を詰めます。」

 

真霜「向こうも撃ってくるわよ!」

 

もえか「ホワイトドルフィンが頑張って引き付けてくれていますので・・・その間にできるだけ砲弾を叩き込みます。」

 

もえかも距離を詰めて、海上要塞への集中砲撃を命じる。

 

こうして、海上要塞に対して空と海からの集中攻撃が開始された。

 

そして、それに乗じるかの様に

 

春乱、操縦席

 

スターズ隊A『これで13機目だ!』

 

なのは「よ~し・・・あれ?」

 

なのは達と交戦していた敵機17機も交戦を止めて、海上要塞の方へと引き返して行く。

 

それを見たなのは達も

 

なのは「追撃するよ!」

 

逃げる敵機を追撃する。

 

晴風、艦橋

 

2正面での攻撃がなされる中、晴風でも

 

鶫『・・・だ、そうです。』

 

真雪からの命令が齎され

 

ましろ「現在の要塞の位置と予想針路は?」

 

ましろは、海上要塞の位置と予想針路を問う。

 

幸子「此方です!」

 

幸子は、タブレットをましろに見せる。

 

ましろ「不味いな・・・6時間以内に到達可能な距離に、幅14m以下の艦はありません!」

 

明乃「それって・・・」

 

ましろ「ホワイトドルフィンもブルーマーメイドもGフォースも・・・どちらもです。」

 

タブレットの情報を見て、ましろは、6時間以内に到達可能な距離に海上要塞内部に突入できる艦が無いと分かった。

 

しかもそれは、ブルーマーメイド、ホワイトドルフィン、そして、Gフォースのどちらも無かった。

 

幸子「今のままだと5時間でプラントに合流・・・そうなった場合、再び奪い返されると思います。」

 

このままでは、海上要塞は、プラントと合流してしまう。

 

そうなればプラントは奪回され、真冬や三郎達の努力も無駄になる。

 

鈴「プラント・・・逃げちゃえば良いのに・・・」

 

それを聞いた鈴は、プラントが逃げれば良いと思ったが

 

幸子「何所に逃げても、要塞の速度なら追いつかれますよ!」

 

鈴「え・・・」

 

何所に逃げても要塞からは逃げられないので、無理だった。

 

明乃「囮だったのかな・・・武装が使える状態で、もし要塞が東京湾に入ったら・・・」

 

明乃は、もしかしたらプラントは唯の囮で、本当は、そのまま東京湾に侵入するかもしれないと思った。

 

幸子「そうなったら首都圏は火の海です!」

 

ましろ「今、湾内にあの要塞を止められる艦はありません・・・此処で我々で止めるしか・・・」

 

ましろと幸子の言う通り、今東京湾に海上要塞を止められる艦艇は無い。

 

殆んどが横須賀港内に閉じ込められた状態にある。

 

そんな状態で海上要塞が東京湾に入ったら、間違いなく首都圏は壊滅状態になるだろう。

 

ましろが言う様に此処で止めるしかない。

 

だが、如何やって止めるのか

 

そんな時

 

明乃「この晴風なら中に入れる。」

 

明乃は、自分が乗っている晴風なら海上要塞内部に入れると言い出した。

 

ましろ「確かに最大幅は10.8mですが・・・正気ですか?」

 

確かに晴風は、小型の駆逐艦だから、普通の巡洋艦並みの駆逐艦よりは、小さいので破壊されたゲート部分に入れるだろう。

 

だが、それは、余りにも危険で、下手すれば海上要塞の砲撃で撃沈される危険性があった。

 

そんな危険性が有るのにやるのかましろは、明乃に問う。

 

明乃「分かんない・・・でも・・・私達がやれるなら・・・」

 

それに対して、明乃も分からないが、もし自分達がやれるならとそう思った。

 

ましろ「・・・・はぁ・・・艦長なら、そう言うと思ってました。」

 

それを聞いたましろは、明乃が考えている事はお見通しで、自分も明乃の考えに同意する。

 

明乃「ああ!・・シロちゃん!」

 

ましろの同意に明乃は喜び

 

ましろ「5分待ってください・・・作戦を検討します。」

 

ましろは、作戦を検討する。

 

そして、作戦を検討した後、武蔵と空母大鳳に作戦の実行の許可を申し出る。

 

その頃、海上要塞の戦闘は泥沼化していた。

 

武蔵以下5艦からの集中砲撃、そして、空母大鳳から発進した攻撃隊からの集中爆撃。

 

これらの攻撃を受けても海上要塞は、健在だった。

 

うらづき、艦橋

 

うらづき艦長「これ程の攻撃でも駄目か?」

 

戦況をまじかで見ていたうらづきの艦長は、如何すれば良いか考える。

 

うらづき副長「スキッパー部隊の突入を進言します。」

 

副長も何とかして、海上要塞内部に突入しようと、スキッパー部隊による海上要塞内部への突入を進言する。

 

うらづき艦長「そうだな・・・要塞砲の次弾装填までは30秒・・・それを使えば・・・よろしい!ぎりぎりまで接近させろ!」

 

艦長もそれに賛同し、要塞砲の次弾装填の時間を利用する事にした。

 

副長「了解!」

 

こうして、ホワイトドルフィン艦隊は、一か八かのスキッパー部隊の突入作戦を実行する。

 

しかし、それを読んでいるかの様に接近してくるホワイトドルフィン艦隊に向け、海上要塞は容赦なく砲撃を浴びせる。

 

うらづき、艦橋

 

『うう!・・うう・・・』

 

うらづき艦長「全速退避!」

 

海上要塞からの容赦ない砲撃に、ホワイトドルフィン艦隊は退避する。

 

うらづき艦長「これでは接近もできん!」

 

流石の容赦ない砲撃にホワイトドルフィン艦隊は、接近するどころかスキッパー部隊を突入させる事も出来なかった。

 

更に

 

うらづき見張り員「直上より航空機!」

 

うらづき艦長「何!?」

 

艦隊の直上から敵機が来襲し、ホワイトドルフィン艦隊に向け容赦ない攻撃を浴びせる。

 

『うう!・・うう・・・』

 

うらづき副長「これでは、嬲り殺しにされます。」

 

海上要塞からの砲撃と敵機による攻撃

 

雅に嬲殺しの状態になろうとしていた。

 

その時

 

うらづき艦長「はっ!?」

 

攻撃して来た敵機が目の前で、突然爆発した。

 

よく見ると、後から味方の戦闘機が現れた。

 

それは、紛れもなく敵機を追撃していたなのは達だった。

 

更に後からフェイト達13機も加わり、敵機を、ホワイトドルフィン艦隊に近づけさせない様に追い払う。

 

上空も乱戦になる。

 

空母大鳳、艦橋

 

龍之介「晴風が要塞に突入すると進言して来た。」

 

一方、航空戦の指揮を執っていた龍之介の元に晴風からの海上要塞への突入の進言が飛び込んで来た。

 

薫「晴風が!?・・・無茶です!・・・いくら要塞内部に突入が可能でも・・・もし失敗すれば、要塞砲からの集中攻撃にさらされる恐れが・・・」

 

それを聞いた薫は、断固として反対する。

 

龍之介「だが恐らく、あいつらは行くだろうな・・・例えそれが、どんな結果になろうとも・・・」

 

だが、例え反対しても、明乃の事だから行くだろうと察する。

 

薫「ん・・・ならば准将!・・・お願いがあります。」

 

龍之介の考えを聞いて、薫は、龍之介にある頼み事をする。

 

龍之介「何だ艦長?」

 

薫「私を・・・晴風に行かせて下さい!」

 

それは、薫が晴風への乗艦の要望だった。

 

『えっ?』

 

龍之介「・・・・」

 

それを聞いた次郎達は驚き、龍之介は真剣に聞く。

 

薫「このまま晴風の生徒だけ向かわせるのは、余りに危険です・・・ですから・・・私も行って、晴風生徒の力になりたいんです・・・お願いします!」

 

薫は、今まで共にしてきた明乃達を行かせたくなかった。

 

でも止めても明乃達は行くと思い。

 

なら自分も共に向かおうと龍之介に頼んだのだ。

 

それを聞いた龍之介は

 

龍之介「はぁ・・・どうせ止めても行くんだろう・・・良いだろう・・・俺も晴風の生徒だけに任せるには、心細いからな・・・此処は、お前が行くのが適任だ・・・晴風への同行を認める。」

 

あっさりと薫の晴風乗艦を許可した。

 

実は、龍之介も明乃達だけ向かわせるのは、やばいと思っていた。

 

だから此処は、薫を行かせ、明乃達を監督して、海上要塞内部へと向かわせる事にした。

 

薫「ありがとうございます・・・兄さん!」

 

薫は、龍之介に感謝し

 

薫「では副長!・・・後の事を頼みます。」

 

後の事をはやてに任せる。

 

はやて「任せて下さい・・・先輩が留守の間、きっちりと守って見せますさかい!」

 

はやては、きっちり留守を預かると言い

 

薫「じゃ、行ってくる。」

 

薫は、晴風へと向かう為、艦橋を後にする。

 

次郎「あ・・・」

 

晴風へ向かう薫を唯見ている事しかできない次郎だったが

 

龍之介「何しているんだ次郎?・・・お前もさっさと行かんか!」

 

ボーとしている次郎に対し、龍之介は、薫と同行させる。

 

次郎「えっ!?でも俺は?」

 

だが次郎は、迷う。

 

龍之介「お前には、薫を守ると言う大事な役目が有るだろう・・・さっさと行け!」

 

そんな次郎に龍之介は強引に行かせる。

 

次郎「は、はい!」

 

龍之介に命じられ、次郎は薫の後を追う。

 

2人が行った後、龍之介は

 

龍之介「全く・・・我が家は、如何して無茶ばかりするのか・・・」

 

山本家と宗谷家の女性は、如何して危ない事ばかりするのに呆れてしまう。

 

とは言え薫と次郎は、待機していたSH-60Gで晴風へと向かう。

 

武蔵、艦橋

 

同じ頃、武蔵で指揮を執っていた真霜の方にも

 

真霜「晴風が作戦計画を上甲してきたわ!」

 

晴風からの海上要塞への突入の進言が入って来た。

 

もえか「ミケちゃんが?」

 

真霜「ええ・・・晴風で突入して、動力部を破壊するって!」

 

もえか「あっ・・・」

 

それを聞いたもえかは、考え

 

もえか「なら、打つ手は、一つですね!」

 

ある作戦を思い付く。

 

真霜「何をする気?」

 

真霜は、何をする気なのか問う。

 

もえか「簡単です!・・・我々が撃って撃って撃ちまくって・・・その間に晴風を中に突入させます。」

 

それは、自分達が海上要塞に攻撃を集中させて、海上要塞の目を晴風から逸らし、その隙に晴風を海上要塞内部に突入させると言うのだ。

 

真霜「ホワイトドルフィン艦隊でも近づけなかったのに?」

 

真霜の言う通り、ホワイトドルフィン艦隊が出来なかった事を今度は、晴風1隻で行おうと言うのだ。

 

もえか「私とミケちゃんなら大丈夫です。」

 

だが、もえかは、明乃の事を信じ、大丈夫だと真霜に言う。

 

それを聞いた真霜は

 

真霜「はぁ・・・貴方も一度言い出したら、引き下がらないタイプなのね・・・仕方ないわ・・・確かに政府からも、学生を使ってでも止めろと命令が来ているの・・・だけど私としては、安全を十分に考慮して、作戦を立ててほしい。」

 

あっさりもえかの作戦を受け入れた。

 

本当は、政府からも学生を使ってでも止めろと命令が出ているが、真霜としては、そんな事はしたくなかった。

 

だけど、学生が向かう以上、安全を十分に考慮して、作戦を立ててほしいともえかに進言し

 

もえか「分かっています。」

 

もえかもそれは、分かっていた。

 

そんな時

 

夏美「大鳳から入電!・・・此方も晴風の作戦を了承する・・・従がって、監督の為・・・山本中佐以下2名を晴風に乗艦させると・・・」

 

龍之介からも晴風の海上要塞への突入の進言を了承すると通信が入り、それに乗じて、薫と次郎の晴風へ乗艦するとまで言って来た。

 

真霜「フッ!・・・如何やらもう1人引き下がらないタイプがいるらしいわね!」

 

それを聞いた真霜は、薫ももえかと同じタイプだと認識する。

 

もえか「そのようですね・・・後は要塞の中を・・・」

 

もえかも認識し、後は海上要塞の中をと言った時

 

スー「それ・・私、知ってる!」

 

スーがそれに飛び付く。

 

真霜「はぁ・・・そうだったわね!」

 

確かにスーなら海上要塞に詳しい。

 

真霜もそれに同調する。

 

そんな時

 

夏美「要塞から通信です!」

 

今度は、海上要塞から通信が入ってきた。

 

真霜は、内容を見る。

 

もえか「何と?」

 

真霜「予想通りよ!・・・”近隣の艦を引き揚げてプラントを引き渡せ”・・・”そうでなければ東京湾に突入する”と・・・」

 

明乃ともえかの予測通り、攻撃を中止して、プラントを引き渡せ・・・従わなければ東京湾に突入すると警告して来た。

 

もえか「最悪・・ですね!」

 

最早、最悪だと認識し

 

真霜「ええ、こうなった以上、作戦を承認します。」

 

真霜は、作戦を了承し

 

真霜「それと、あの子を晴風に送って!」

 

スーを晴風へと送るよう命じる。

 

もえか「了解!・・・晴風に連絡!」

 

こうして、龍之介と真霜の許可を経て、作戦は了承された。

 

晴風、艦橋

 

まゆみ「”作戦を了承する”だそうです!」

 

作戦が了承され、晴風にそれを伝えた。

 

そして

 

スー「あはっ・・・」

 

『えっ!?』

 

それに乗じて、スーが晴風に乗り込んできた。

 

ロープ経由で晴風に乗り込んできたスーは

 

『わっ!?』

 

そのまま艦橋の窓にぶつかり

 

『うわっ!?』

 

そのまま下へと落ちた。

 

それを見ていた明乃とましろは、急いでスーの元に向かう。

 

晴風、甲板

 

甲板に出た明乃とましろは、スーがスキッパーの上に着地している事を確認し

 

明乃「スーちゃん!」

 

ましろ「何しに来た!?」

 

何しに来たのか問う。

 

スー「手伝いに来た!・・・スー、要塞の中、知ってる!」

 

それに対して、スーは、要塞内部への突入の手伝いに来たと言う。

 

明乃「えっ!?本当に?」

 

それを聞いた明乃は驚き

 

ましろ「それは助かるが・・・良いのか?」

 

ましろは、本当に一緒に付いてくるのか問う。

 

スー「当然・・もうファミリーよ!」

 

だが、スーは、既に明乃達と行くと決めていた。

 

そんな中

 

スー「おっ?」

 

スーが犬みたいに匂いを嗅ぎ始め

 

スー「アハッ!」

 

何かを見つけた様に2人の側に飛び移って来た。

 

2人は、何かと思ったが、スーが後ろへと向かう。

 

その先にはあかねが立っていた。

 

スーは、あかねの前で

 

スー「さっきの良い匂い!」

 

あかねが持っていた肉巻きミルフィーユかつおにぎりに目を付ける。

 

如何やら夜食の時に気づいた肉巻きミルフィーユかつおにぎりに飛び付いた様だ。

 

あかね「私が作った肉巻きミルフィーユかつおにぎりなの・・・食べて食べて!」

 

飛び付くスーにあかねは、易々と自分が作った肉巻きミルフィーユかつおにぎりをスーに渡す。

 

スー「食べる食べる・・・」

 

あかねから肉巻きミルフィーユかつおにぎりを貰い

 

スー「は・・・あむっ!」

 

スーは、嬉しそうにそれを食べる。

 

全く手伝いに来たのか、それとも食べに来たのか、全く食いしん坊な奴だ。

 

スーが食べている時

 

『!?』

 

晴風上空にSH-60Gが飛来し、其処から薫と次郎がロープ降下で晴風の甲板に降りる。

 

明乃「教官!?」

 

ましろ「如何して此処に?」

 

スー同様に何しい来たのか問うと

 

薫「貴方達が要塞に向かうって聞いて、居ても立っても居られないから来て上げたのよ!」

 

薫は、明乃達が海上要塞に向かうと聞いて、居ても立っても居られないから来て上げたと告げる。

 

明乃「教官・・・」

 

そんな薫に明乃とましろは感謝する。

 

次郎「ついでに俺も薫の付き添い出来た・・・感謝しろ!」

 

ましろ「別に感謝は・・・」

 

だが、次郎については、別に感謝しておらず

 

次郎「何だよそれ・・・何かありがたみがないな・・・」

 

次郎は、ありがたみがないと思った。

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「全くあの2人は・・・まあ、生徒だけ行かせる訳にも行かないし・・・今回は、あの2人に任せるとしましょう。」

 

艦橋から見ていた美由紀も薫と次郎に呆れながら、2人に任せる事にした。

 

 

 

とは言え、これで晴風の海上要塞への突入準備は整い。

 

時津風や天津風他2隻を率いて、要塞に針路を取る。

 

武蔵、艦橋

 

真霜「啄木鳥作戦開始!」

 

真霜は、晴風での海上要塞突入作戦、啄木鳥作戦開始を命じる。

 

それに乗じて、ホワイトドルフィン艦隊は

 

うらづき、艦橋

 

うらづき艦長「我々が、奴らの砲撃を引き付ける。」

 

囮として、要塞の砲撃を引き付ける。

 

そして、龍之介も

 

空母大鳳、艦橋

 

龍之介「上空にいるなのはとフェイト達に晴風を援護をさせるんだ。」

 

海上要塞上空にいたなのはとフェイト達に晴風への援護を命じる。

 

5艦からの砲撃とホワイトドルフィン艦隊の陽動、そして、なのはとフェイト達が迫り来る敵機を追い払った事で海上要塞は、晴風から完全に目を逸らす。

 

更に

 

大和、艦橋

 

進愛「うん?」

 

戦況を見ていた進愛が何かに気づく。

 

進愛「武蔵、照準ミスしとるん?」

 

それは、武蔵が砲撃の照準ミスを犯している事だった。

 

しかし

 

十海「いえ、あれを見て!」

 

それは、違うと十海は言って、進愛に双眼鏡を代わって見せる。

 

進愛「ありゃー!」

 

進愛が見た物は、武蔵が晴風に対し、染色弾で道案内をしていたのだ。

 

一方、晴風の方は、海上要塞に近づきにつれ、味方の弾着が近くなっていた。

 

晴風、見張り台

 

マチコ「目標まで距離30・・・水柱まで距離0.5!・・くっ・・・」

 

晴風、艦橋

 

『うわっ!』

 

次郎「くっ・・・」

 

マチコ『弾着が近すぎです!』

 

流石の弾着の至近にかなりの衝撃と揺れが襲う。

 

ましろ「艦長!」

 

流石のましろも如何するか明乃に問う。

 

それに対して、明乃は、如何するか考えていると

 

明乃「はっ!」

 

薫「染色弾だわ!?」

 

染色弾が前方に着弾した。

 

しかもそれは、何発弾着しているではないか

 

明乃「おもか~じ!赤色の水柱・・ヨーソロ!」

 

鈴「了解!」

 

明乃は、もえかの道しるべである染色弾に気づき、染色弾が弾着した方へと針路を取る。

 

染色弾の水柱で晴風は、海上要塞から見えない状態で進む。

 

『う・・・!?』

 

だが、流石に至近なので衝撃や揺れが容赦なく遅い。

 

ましろ「艦長?」

 

流石のましろも当たるかと思ったが

 

明乃「大丈夫・・絶対当たらないから・・・もかちゃんを信用して、あの水柱の中へ突入して!」

 

明乃は、もえかを信じ、断固、染色弾の水柱へと突入しながら進む。

 

ましろ「うう・・・雅かこんな方法で・・・」

 

進むに連れ、ましろは、もえかが、こんな方法で海上要塞に誘導するとは思っても見なかった。

 

武蔵、艦橋

 

もえか「高め5」

 

武蔵砲術長「高め5」

 

そのもえかも晴風を導こうと進むにつれ角度を変えながら染色弾を放つ。

 

真霜「染色弾で道案内なんて・・・」

 

双眼鏡で見ていた真霜は、もえかの誘導方法に驚愕する。

 

晴風、艦橋

 

薫と明乃達が衝撃と揺れに耐える中

 

次郎「やほ~う!・・・良いぞ!このまま要塞へ向かえ!」

 

次郎は、逆に何だか楽しそうにしていた。

 

薫「楽しそうね次郎君・・・きゃ・・・」

 

次郎「だって、この揺れと衝撃・・・まるでサーフィンしている見たいだぜ!」

 

この衝撃と揺れに対して、本人は、サーフィンしている様だと迫力に面白がっていた。

 

薫「う・・・次郎君って・・・サーフィンしたことあるの・・・う・・・」

 

それに対して、薫は、次郎にサーフィンをした事が有るのか問う。

 

次郎「・・・ない・・・兎に角、艦長の言う通りに進もう。」

 

だが、本人は、サーフィンなどした事がなく、結局、明乃言う通りに進む。

 

晴風が染色弾の水柱に目隠しされながら、海上要塞に進む中、隣を航行していた天津風では

 

天津風、艦橋

 

あゆみ「艦長!・・・我々は囮として、目立つ様に後退せよ、と!」

 

武蔵からの囮として行動しながら後退せよとの指示が齎された。

 

千華「くっ!・・・本当は私が1番に突入したかったんだけど!」

 

だが、千華は、本当は自分が海上要塞に突入したかったと駄々をこねる。

 

あゆみ「あれを見てもそう思います?」

 

そんな千華にあゆみは、あれを見て、それでもそう思うのか問う。

 

千華「うん?」

 

千華は、歩みが指す方向を見ると

 

其処には、染色弾の水柱に突入しながら進む晴風の姿が有った。

 

それを見た千華は

 

千華「よし!囮で一番、目立つわよ!」

 

流石に無理と判断し、命令どおり囮として行動しながら後退する事に決めた。

 

あゆみ「はい!そうしましょう。」

 

こうして、天津風と時津風他2隻は、囮として、目立つ様後退する。

 

そして、晴風は、海上要塞付近まで到達していた。

 

晴風、艦橋

 

マチコ『要塞は目の前です!』

 

既に海上要塞は、目の前に狭ていた。

 

明乃「野間さん退避を!」

 

それを聞いた明乃は、マチコに見張り台からの退避を命じる。

 

流石に海上要塞ゲートの破損部分から入るので、マストが破損するかも知れない恐れがあったので、あえて見張り台にいたマチコに艦内への退避を命じたのだ。

 

マチコ『了解!』

 

マチコもそれに従い急いで降りる。

 

ましろ「万里小路さんも退避完了!」

 

既に楓も艦底からの退避は完了し

 

幸子「艦内防水扉、閉鎖完了!」

 

防水扉も閉鎖が完了する。

 

薫「皆捕まって!」

 

全てが完了すると薫は、突入に備えて、薫達と明乃達に何かに捕まるよう命じる。

 

ゲート付近に近づくに連れ、要塞砲からの集中砲撃が襲い掛かる。

 

晴風は、全速でそれを避けながら

 

明乃「どんぴしゃーっ!!」

 

ゲート付近に突入する。

 

明乃「両舷停止!後進いっぱい!・・・急げ!」

 

ゲート付近に突入した明乃は、減速しながらよゲートから内部に侵入する。

 

その通過時にレーダの一部とマストがゲート上部に衝突し、破損してしまった。

 

マチコは、何とか退避に成功したが

 

マチコ「私の部屋が・・・・・・!?」

 

衝突したせいで見張り台まで壊された事にマチコは、ショックを受ける。

 

とは言え、晴風は見事に海上要塞内部へと侵入した。

 

武蔵、艦橋

 

真霜「砲弾で誘導するなんて、貴方達無茶するわね!」

 

侵入後、真霜は、もえかの誘導方法に無茶な事をすると驚いていた。

 

もえか「ミケちゃんなら絶対に大丈夫ですから!」

 

明乃ももえかを信じてた様にもえかも明乃を信じ、大丈夫だと思った。

 

真霜「はぁ・・・薫やうちの家族も大概だと思ってたけど・・・この子達も相当ね!」

 

真霜は、それを聞いて、薫や自分の家族も大概だと思ってたが、もえかや明乃も相当だと思うのだった。

 

空母大鳳、艦橋

 

龍之介「全くだ!」

 

龍之介も同じ思いだった。

 

とは言え、龍之介達と真霜達は、突入した晴風の無事を祈るんだった。

 

一方、海上要塞に突入した晴風は

 

晴風、艦橋

 

マチコ『前部マスト上部欠損!』

 

慧『電探反応ありません!』

 

麻侖『機関、舵、スクリュー異常な~し!』

 

光『全砲門異常なし・・全力発揮可能!』

 

美甘『炊飯器無事です!』

 

楓『聴音、避難完了です。』

 

被害状況を確認しながら要塞内部奥に進む。

 

幸子「艦内状況確認終了!・・・電探、ソナー使用不能・・・それ以外は問題なし!」

 

次郎「まいったな・・・レーダーなしじゃ、何所から攻撃されるか分らん?」

 

薫「一応、前方の見張りを厳しくしましょう艦長!」

 

明乃「はい!・・・前方見張りを厳に!」

 

レーダーが使えないので、薫の言う通りに前方の見張りを厳しくする。

 

明乃「スーちゃん!道案内よろしく!」

 

後は、スーに海上要塞内部の道案内を頼む。

 

スー「任せて!」

 

薫「がんばって!」

 

次郎「お前が頼りなんだからな!」

 

スー「ん!・・・このまま、しばらく真っ直ぐ!」

 

2人に励まされ、スーは、道案内をする。

 

スー「あの先はドックになっていて・・・」

 

幸子「何で外の砲とか生きていたんですかね?」

 

内部に進むにつれ、幸子は、何故武装が生きていたのか不思議に思う。

 

芽衣「海賊が修理したのか?」

 

最初は、海賊が修理したと思ったが

 

次郎「そうじゃないと思う・・・確か准将やはりと言っていた。」

 

次郎は、龍之介が予測してた事を言う。

 

薫「私も詳しい事は分からないけど・・・スーちゃん何か知ってる?」

 

だが、本当のところは、薫と次郎にも分からなず、薫は、スーに何か知っているか聞く。

 

スー「分かんないけど・・・時々、外から来た人が出入りしてた。」

 

スーも其処のとこは分からず、唯関係者が時々出入りしていたと告げる。

 

ましろ「じゃあ、ひょっとして中にも武装が・・・はっ!」

 

薫「それは、あり得るかも・・・」

 

それを聞いた薫とましろは、嫌な予感がしてきたと思い、前方を警戒する。

 

そして、海上要塞内部のドックに侵入した時

 

天井付近からサーチライトらしき光が一斉に晴風を照らす。

 

薫「しまった!?」

 

ましろ「やっぱり!?」

 

2人の嫌な予感は、見事に的中した。

 

明乃「面舵一杯!急げ!」

 

鈴「はい・・・・・・!」

 

明乃は、急いでサーチライトから逃れようとする。

 

それに乗じて、上から10.2cm砲が晴風に向けて砲撃して来た。

 

晴風は、何とか回避しながら

 

明乃「反撃して!」

 

志摩「うぃ」

 

反撃する。

 

だが、内部が狭く、仰角が上げられなかった。

 

晴風、射撃指揮所

 

マチコ「弾かれた!」

 

砲塔の台座付近に弾かれてしまう。

 

無傷の10.2cm砲は、再度晴風を砲撃し、晴風も回避しながら反撃するも

 

光「全然、当たらないよ・・・」

 

美千留「回避が早すぎ・・・」

 

順子「バキュンと当てたい・・・」

 

内部の狭さと急回避な為、照準が出来ないでいた。

 

晴風、艦橋

 

鈴「ひえ・・・・・・・・・・・・」

 

攻撃に脅えながら回避する鈴。

 

次郎「撃つに狭すぎるぜ此処は・・・」

 

志摩「うぃぃ・・・・・・」

 

砲弾が届かない事と内部が狭い事に次郎と志摩は、苛立つ。

 

ましろ「艦長!擁壁が邪魔で、此方の砲弾は当たりません!」

 

ましろは、明乃に打開策を問う。

 

幸子「上から撃ち込むしかないですね・・・」

 

幸子は、目を回しながら上から撃ち込むしかないと言うが

 

薫「それは無理よ・・・」

 

薫がそれは無理だと否定する。

 

明乃「主砲の仰角を上げるのは?」

 

明乃は、主砲の仰角を上げるのはと問うが

 

次郎「こんな狭さじゃ無理だ!それに・・・」

 

志摩「天井、邪魔」

 

流石に内部が狭いし、例え撃っても天井に邪魔されて、当てられなかった。

 

芽衣「だ~も~何か打ち上げるの、無いんか!!」

 

2人の話を聞いて、芽衣が何か打ち上げる者が無いかと言い張る。

 

それを聞いた途端

 

明乃「それだ!」

 

明乃は、何かを思い付き

 

明乃「爆雷準備!」

 

爆雷用意を命じる。

 

幸子「爆雷!?」

 

次郎「爆雷なんて如何する気だ!?」

 

ましろ「艦長、目標は潜水艦ではありません!!」

 

明乃の考えに3人は、分からなかった。

 

薫「投射機だわ!・・・あれなら上へと持ち上げられる・・・後は、上手く砲に投げ込めば・・・」

 

薫は、大体明乃の考えは分かっていた。

 

明乃「ヒメちゃん、モモちゃん、爆雷用意!」

 

明乃は、媛萌と百々に爆雷の発射準備を命じ

 

明乃「タマちゃんお願い!」

 

志摩「うぃ!」

 

志摩にある事を命じる。

 

晴風、後部甲板

 

媛萌「投射距離と飛行秒時は?」

 

百々「単射で210mの7.2秒っス!」

 

媛萌と百々、美海の3人は、投射の距離と射撃のタイミングを計算。

 

媛萌「一番、上がった時がそれだから・・・え・・・と、仰角は50度・・・」

 

隣では、志摩がいつでも撃てる様に機銃の引き金を握っている。

 

美海「天井の高さから割り出すと・・・計算できました・・・一杯一杯で旋回してください!」

 

大体計算し、一杯一杯で旋回するよう命じる。

 

明乃『了解!』

 

晴風、艦橋

 

鈴「うええ・・・・・・」

 

それに従い鈴は、怯えながら舵を左に一杯一杯切る。

 

晴風は大周りしながら艦尾を砲座に向け

 

晴風、後部甲板

 

百々「まだっスか・・・!?」

 

百々がまだかと言って、発射レバーに手を置いた状態で待っている。

 

媛萌「まだ!?」

 

媛萌は、まだと言い。

 

美海「もう少し・・・よーい・・・てーっ!」

 

美海ももう少しと言って、しばらくして、発射を命令。

 

百々は、発射レバーを引き、爆雷1発が投射された。

 

投射された爆雷は、敵の砲座の上まで上がり

 

志摩「ひーはーラム・・・!」

 

続いて、志摩が機銃で上がった爆雷を狙い撃ち

 

撃たれた爆雷は、そのまま砲座の砲付近に命中した。

 

命中により砲座は大爆発を起こす。

 

『大成功・・・!!』

 

砲座に命中した事を3人は大喜びする。

 

晴風、艦橋

 

マチコ『砲塔、沈黙!』

 

ましろ「ああ・・・」

 

次郎「あいつは勲章もんだ!」

 

明乃「前方開口部に突入!」

 

砲座を破壊の報告を聞いて、明乃は、そのまま開口部に突入を命じる。

 

鈴「りょ、了解・・・!」

 

砲座を破壊した晴風は、開口部へと突入する。

 

薫「スーちゃん、この先の水路は?」

 

スー「しばらく直線、水深も十分にある。」

 

この先は、直線で水深も十分にあった。

 

薫「艦長!」

 

明乃「ん!・・・サトちゃん、内部の事前情報との違いをスーちゃんと至急確認して!」

 

それを聞いて、明乃は、直ぐに聡子に内部の事前情報との違いをスーと至急確認するよう命じる。

 

聡子『了解ぞな!』

 

聡子は、直ぐに艦橋に上がり、スーと内部の情報を確認する。

 

しばらく前方を進んでいると

 

晴風、射撃指揮所

 

マチコ「左右に砲座!」

 

またしても砲座があり、しかも今度は、バルカン砲だった。

 

左右のバルカン砲の銃撃をもろに食らう。

 

晴風、艦橋

 

芽衣「ぐあ・・・・・・!魚雷、撃ちたい・・・!」

 

バルカン砲の攻撃に芽衣は、魚雷撃ちたいと駄々をこね

 

鈴「狭いから避けられないよ・・・」

 

鈴は、水路が狭いから避けられないと泣き叫ぶ。

 

薫「落ち着いて、これぐらいの攻撃なら大丈夫だから・・・」

 

薫は、2人を落ち着かせようとする。

 

そんな時

 

志摩「左!」

 

志摩は左と言って、砲撃指示を出す。

 

それに従い、砲撃で左のバルカン砲を破壊する。

 

だが、更に奥にもバルカン砲があり、晴風を波状攻撃する。

 

『ううっ・・・』

 

次郎「くそ!一体何台有るんだ?」

 

ましろ「はっ!」

 

バルカン砲の波状攻撃に薫達と明乃達は耐える。

 

その時

 

聡子「最適航路のプロットと想定砲座位置、確認終了ぞな!」

 

スー「頑張った!」

 

聡子とスーが内部の情報と今ある砲座の位置を確認したと報告が入る。

 

薫「でかしたわよ!」

 

明乃「サトちゃん、スーちゃん、偉い!」

 

それを聞いた薫と明乃は、2人を褒め

 

『えへへ!』

 

薫と明乃に褒められ2人は照れる。

 

明乃「リンちゃん!プロット済み航路に従って航行!」

 

鈴「はい・・・!」

 

内部の情報の確認が出来た以上、明乃は、直ぐに鈴に確認した最適航路を進むよう命じる。

 

明乃「ココちゃん!万里小路さんを呼んで!」

 

幸子「はい!」

 

更に楓を艦橋に呼ぶ。

 

しばらくして、バルカン砲が次々と破壊されている。

 

何故だろうか

 

晴風、艦橋

 

それは、楓が耳を澄まして、砲の音を嗅ぎ分けているからだ。

 

楓「次、右で機械音・・距離4.0」

 

楓は、得意の聴音でバルカン砲の位置を探り、志摩に報告する。

 

志摩「1番砲・・20度・・仰角15度に備え・・射距離4.0」

 

志摩もそれに従い狙いを定めて

 

志摩「てっ!」

 

砲撃する。

 

砲弾は、右のバルカン砲に見事に命中する

 

『やった・・・!』

 

命中した事に明乃達は大喜びする。

 

ましろ「成程!見えないなら別な手段を使えば良いと・・・」

 

ましろは、明乃の策に感心する。

 

楓「左、機械音」

 

その調子でバルカン砲を次々と破壊して行き

 

聡子「目標までの距離8.0」

 

やがて、動力部が有る中央部に到達し

 

明乃「戦闘右魚雷戦!」

 

明乃は、魚雷戦の指示を出す。

 

芽衣「やった・・・!出番だ・・・!」

 

それを聞いた芽衣は、やっと出番だとはしゃぎ

 

芽衣「でっかいの使っちゃって!」

 

例の36インチ魚雷の発射準備を命じる。

 

晴風、甲板

 

理都子「えっ、あれ使うんだ?」

 

果代子「発射管に入らないよ・・・」

 

理都子と果代子の言う通り、36インチ魚雷は、巨大な為、普通の発射管には入らない。

 

だが

 

百々「こんな事もあろうかとっス!」

 

『えっ?』

 

媛萌「一応レール・・敷いておいだけど!」

 

こんな事態に備えて、媛萌と百々が自前で発射装置を作っていた。

 

晴風、艦橋

 

スー「この先動力用ゲート、距離600」

 

スーは、この先に動力用のゲートが有ると告げ。

 

ましろ「それを破壊すれば止まる筈!」

 

ましろは、それを破壊すれば止まると察し

 

明乃「速度このまま・・通路から出た瞬間に取り舵一杯!」

 

鈴「了解!」

 

明乃は、通路が出た瞬間を狙い取り舵一杯を命じる。

 

聡子「魚雷発射位置まで・・あと15秒」

 

やがて、魚雷発射位置まであと15秒を切り

 

次郎「いよいよだ・・・」

 

薫「ん・・・」

 

薫と次郎は、いよいよだと思い

 

聡子「10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・」

 

聡子はカウントダウンを行い

 

明乃「取り舵一杯!」

 

4で明乃は、取り舵を命じ

 

鈴「取り舵一杯・・・!」

 

鈴は、舵を左に切る。

 

聡子「3・・・2・・・1・・・0」

 

芽衣「よーい・・・てっ!」

 

聡子のカウントダウン終了と同時に晴風から36インチ魚雷が発射された。

 

明乃「衝撃に備え!」

 

薫達と明乃達は、衝撃に備える。

 

36インチ魚雷は、そのまま目標に命中した。

 

『うう・・・!』

 

爆発の衝撃で艦は、押し出されるが

 

『あっ』

 

衝撃が収まり内部がむき出しになった。

 

『やった・・・!』

 

明乃達は、やったと大喜びするが

 

次郎「喜ぶのはまだ早い!」

 

だが、まだ喜ぶのは早い、破壊したとは言え、内部がむき出しの状態になっただけであるからだ。

 

武蔵、艦橋

 

真霜「そろそろ時間だけど・・・」

 

海上要塞外で見守っていた真霜達も突入した晴風が海上要塞を止めるのを待っていた。

 

そんな時

 

夏美「聴音室より報告!・・・要塞内部で大規模な爆発を確認!」

 

聴音室から先程の36インチ魚雷の爆発音を確認したと報告が入り

 

もえか「ミケちゃん!」

 

もえかは直ぐに双眼鏡で海上要塞を見る。

 

もえか「まだ…動いてる。」

 

しかし、海上要塞は停止していなかった。

 

次郎の言う通り、まだ終わっていなかった。

 

むき出しになった内部には、柱見たいなものが動力炉の前に立塞がっていた。

 

晴風、艦橋

 

ましろ「まるで神殿だな・・・」

 

ましろは、それを見て、まるで神殿だと思い

 

明乃「スーちゃん、此処は知ってる?」

 

明乃は、スーに動力炉の事をしているのか問う

 

スー「ううん」

 

スーは、動力炉に関しては知らなかった。

 

薫「こうなれば破れかぶれよ!」

 

明乃「はい!・・・攻撃許可します。」

 

志摩「うぃ!」

 

志摩は、動力炉に向かって砲撃する。

 

しかし、いくら砲撃しても前方にある柱が邪魔で動力炉に当たらない

 

芽衣「柱が邪魔で砲弾が通らない!」

 

次郎「くそ!ミサイルさえ有れば・・・」

 

ましろ「不味いな・・・」

 

柱が邪魔で砲撃が当たらない事に3人は、如何すれば良いか悩んでいると

 

幸子「『枯れ木も山の賑わいじゃがの・・・柱も要塞の賑わい、かのう』」

 

幸子がいつもの一人芝居を始め

 

ましろ「ワシら・・・『柱に食いつぶされる訳にはいかんけぇ!!』」

 

ましろはつい釣られてしまい

 

幸子「『おうよ!』」

 

ましろ「はっ!?」

 

現実に戻る。

 

薫「はぁ・・・こんな時まで、仁義のないしなくたって・・・」

 

薫は、こんな時まで一人芝居をする2人に呆れてしまう。

 

そんな時

 

鈴「魚雷が自由に曲がれば良いのに・・・」

 

鈴が有りもしない事を言う。

 

明乃「それだ!」

 

鈴「え?」

 

明乃は、鈴の言葉を聞いて、ある事を思い付き

 

明乃「ココちゃん!美波さん呼んで!」

 

美波を呼ぶ。

 

しばらくして

 

美波「怪我人か!」

 

美波がセグウェイミニの兎走烏飛24号で艦橋に現れ

 

美波「うっ!・・・あっ・・・」

 

まゆみと秀子に両腕を掴まれ、セグウェイミニの兎走烏飛24号から降ろされた。

 

明乃は、セグウェイミニの兎走烏飛24号を拾い

 

明乃「美波さん、これ貸して!」

 

美波に借してと迫る。

 

美波「えっ?・・・それっ・・私の兎走烏飛24号!」

 

いきなり自分のセグウェイミニの兎走烏飛24号を貸せと言われ、何なのかと思い

 

次郎「おいおい!そんな物、一体何に使うんだ?」

 

次郎も何に使うかと思った。

 

取り合えずセグウェイミニの兎走烏飛24号を使って何かを作る。

 

そして

 

晴風、後部甲板

 

美波「完成だ!」

 

完成したのが弾頭を搭載した。

 

百々「題して、超ダブルクロス号っス!」

 

遠隔操作式の超ダブルクロス号だった。

 

名前の通り、遠距離から操作が可能。

 

晴風、艦橋

 

鈴「これなら全然怖くない!」

 

鈴が幸子のタブレットで超ダブルクロス号を操作する。

 

そんな時

 

ましろ「艦長!水深が浅くなってきています。」

 

ましろは、内部の水深が浅くなっている事に気づく。

 

明乃「何で?」

 

何故、浅くなっているのか問う。

 

ましろ「原因は分かりませんが・・・このままでは座礁します。」

 

ましろも分からなかったが、座礁してしまう事は確かだった。

 

次郎「おそらく奴ら焦っているんだ!・・・俺達が動力炉を破壊しようとしているのが・・・」

 

2人の話を聞いて、次郎は、浅くなっている原因が海上要塞を抑えている海賊達が焦っているんだと思い、その為、動力部にいる晴風を動けない様にしようと最後の手段に撃って来たんだと察した。

 

薫「なら、早く破壊しないと・・・」

 

薫は、早く攻撃しないとと明乃に告げ

 

明乃「そうですね・・・リンちゃんは手が離せないからサトちゃん、操艦かんよろしく!」

 

明乃は、鈴が攻撃に集中している間、操舵を聡子に任せる。

 

聡子「了解ぞな!」

 

攻撃に備え晴風は、艦尾を動力部に向け

 

晴風、艦橋

 

幸子「目標見えました。」

 

攻撃準備が完了する。

 

明乃「攻撃始め!」

 

明乃は、攻撃を命じ

 

鈴は発進ボタンを押す。

 

晴風から超ダブルクロス号が動力炉を目指して発進した。

 

全速で航走する超ダブルクロス号

 

明乃「無線の届くぎりぎりまで後退」

 

聡子「両舷停止!両舷後進減速!」

 

明乃は、無線が届く距離まで後退し

 

明乃「マロンちゃん!」

 

晴風、機関室

 

明乃『爆発と同時に全速後退の準備!」

 

更に麻侖に爆発と同時に全速後退の準備を命じる。

 

麻侖「合点でぃ!・・・皆正念場だ!」

 

『了解!』

 

麻侖達は、全速後退に備える。

 

晴風、艦橋

 

そんな中

 

鈴「フッフッフッ・・・ハイパードリフトターン!」

 

鈴は、操縦に夢中に成り、隠れテクニックを見せつけ

 

鈴「突っ込め・・・・・・!!」

 

見事に動力炉に突っ込ませた。

 

芽衣「リンちゃんにも撃て撃て魂が有ったよ!」

 

志摩「うぃ」

 

それを見ていた芽衣と志摩は、鈴にも撃て撃て魂が有ると思った。

 

動力炉に突っ込んだのを見計らい

 

明乃「後進一杯!」

 

明乃は、全速後進を命じ、動力部から退避する。

 

それと同時に動力炉が爆発。

 

誘爆を起こしながら大爆発をする。

 

その爆発は、外にまで及び

 

武蔵、艦橋

 

海上要塞外で見守っていた真霜達にも見えていた。

 

もえか「あれは!」

 

突然の要塞の爆発に何かと思ったもえかだが

 

夏美「要塞、速度低下しています!」

 

海上要塞の動きが止まったと報告が入り

 

真霜「やったわ!」

 

もえか「はぁ・・・はい!」

 

もえかと真霜は、晴風が動力炉の破壊に成功したのだと喜び

 

空母大鳳、艦橋

 

実「要塞の速力低下!」

 

はやて「やった!」

 

功「やりましたね!」

 

龍之介「あいつら、本当にやりやがった!」

 

龍之介達も喜ぶ。

 

そして

 

なのは「あれ?」

 

それと同時になのはとフェイト達と空戦していた敵機もコントロールを失い、海上へと落ちていた。

 

なのは「如何なってるの?」

 

何が起きているのか分らなかった。

 

おそらく要塞からの遠隔操作だったのが、動力炉を破壊したんで、機能を停止したんだろう。

 

とは言え、動力炉を破壊した事で海上要塞は完全に機能を停止した。

 

晴風、艦橋

 

楓「機関音停止!」

 

鶫『速度低下中!』

 

慧『要塞、停止した模様!』

 

晴風でも海上要塞が停止したのを確認し

 

次郎「よーし!」

 

薫「やったわ!」

 

鈴「うっしゃ・・・!」

 

『いえ・・・・・・い!』

 

次郎達や鈴達は、大喜びする。

 

幸子「やりましたよ艦長!」

 

明乃「うん、やったよ!」

 

明乃も喜ぶが

 

ましろ「艦長!水位が急速に低下中!」

 

ましろが水位が急速に低下していると報告を受け

 

更に

 

ボーン!

 

明乃「あっ・・・」

 

ましろ「えっ?」

 

突然の爆発音に2人は、何かと思ったが

 

スー「壊れる!」

 

スーが言う様に動力炉が爆発した事で内部が崩壊を始めた。

 

次郎「おいおい、ヤバイぞ!」

 

幸子「やり過ぎましたね・・・」

 

薫「早く逃げましょう艦長!」

 

明乃「はい!」

 

晴風は、反転して、急いで脱出する。

 

マチコ『要塞崩壊まで、およそ60秒!』

 

崩壊まで60秒を切り、晴風は、全速で出口に向かう。

 

しかし

 

晴風、電探室

 

慧「出口が塞がっています!」

 

瓦礫で出口が塞がれていた。

 

晴風、艦橋

 

ましろ「艦長!」

 

明乃「信号弾用意!」

 

明乃は、急いで信号弾で外にいる味方に支援砲撃を要請する。

 

晴風、射撃指揮所

 

光「10度、仰角50度に備え!・・・うっ・・・信号弾、星弾用意!」

 

美千留「主砲、射撃用意よし!」

 

順子「もうちょっと・・・もうちょっと・・・てーっ!」

 

晴風から外にいる混成艦隊に向け、支援砲撃を知らせる信号弾が発射された。

 

武蔵、艦橋

 

武蔵副長「信号弾、上がりました・・・晴風です!」

 

晴風からの支援砲撃を知らせる信号弾を確認。

 

もえか「全艦統制射撃準備!」

 

もえかは、直ぐに高千穂以下4艦に統制射撃準備を命じ

 

『了解!』

 

武蔵以下5艦は、要塞ゲートに照準を定め

 

もえか「攻撃始め!」

 

砲撃を開始。

 

武蔵副長「弾着!」

 

全弾要塞ゲートに命中するが

 

武蔵副長「駄目です!破壊出来ていません!」

 

肝心の障害物は、破壊出来ていなかった。

 

親子「次発装填完了まで30秒!」

 

もえか「ミケちゃん・・・」

 

次発装填まで30秒、もはや間に合わない。

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「砲撃が駄目なら別の方法で・・・トマホーク発射用意!」

 

だが、美由紀の方は諦めず、トマホーク対艦巡航ミサイルの発射準備を命じる。

 

晴風、艦橋

 

楓「弾着音48!」

 

幸子「高千穂及び大和型4隻の一斉射撃です!」

 

一方、脱出する晴風にも先程の統制射撃の攻撃が伝わる。

 

晴風、射撃指揮所

 

マチコ「空気の流れなし・・・外界へ繋がってない!」

 

だが、障害物を破壊していない事はマチコの報告でも分かった。

 

晴風、艦橋

 

明乃「主砲は?」

 

志摩「よわよわ」

 

明乃「メイちゃん魚雷は?」

 

芽衣「折角のチャンスなのに、発射角が悪すぎて撃てないよ・・・」

 

明乃は、何とかしようとするが、主砲も魚雷も威力と発射角度が駄目で使い物にならない。

 

明乃「残り時間は!?」

 

幸子「過ぎてます!・・・もう持ちません!」

 

既に残り時間も過ぎており

 

志摩「大和型の装填速度は最速でも30秒」

 

薫「間に合わない!」

 

外にいる味方の支援砲撃も間に合わない。

 

次郎「くそ!・・・此処で終わりなのか・・・」

 

最早、もう駄目だと思った。

 

その時

 

ましろ「艦長!私が破壊します!」

 

明乃「シロちゃん!?」

 

そう言って、ましろが艦橋を飛び出し

 

次郎「おい待て、何所行くんだ!?・・・くそ!」

 

薫「次郎君!?」

 

次郎が後を追った。

 

2人は、爆弾を搭載したスキッパーで出る。

 

明乃「シロちゃん!」

 

薫「次郎君!」

 

薫と明乃が見守る中

 

ましろ『艦長!後を頼みます!』

 

次郎『俺達が突破口を作る!』

 

2人は、薫と明乃に後を任せ、爆弾を搭載したスキッパーで塞がれた出口へと突入する。

 

薫「分かった!」

 

明乃「小沢さんとシロちゃんを支援する。」

 

薫と明乃は、2人を支援する。

 

2人は、全速で突入。

 

しかし、2人の前に、巨大な瓦礫が立ちはだかる。

 

スキッパー、操縦席

 

ましろ「はっ!・・・くっ・・・」

 

立ちはだかる瓦礫にましろは焦る。

 

次郎「焦るな、大丈夫だ!」

 

だが次郎が焦るましろに大丈夫だと告げ、運転に集中させる。

 

次郎の言葉通り

 

晴風、艦橋

 

薫「スキッパー前方に障害物!」

 

薫が前方に立ちはだかる瓦礫に気づき

 

明乃「タマちゃん!主砲発射準備!」

 

志摩「うぃ」

 

明乃は、砲撃準備を命じ

 

明乃「手空き乗員は前部甲板に集合!」

 

スー「えっ!?何で、何するの?」

 

更に手が空いている生徒を前部甲板に集め

 

晴風、機関室

 

明乃『マロンちゃん!機関一杯お願いできる?』

 

麻侖に機関最大を命じる。

 

麻侖「おおよ!・・・こんな事もあろうかと、2度と壊れない様にしっかり手入れしておいたぜ!」

 

麻侖は、こんな時の為に予め機関を壊れない様にしていた。

 

そして

 

麻侖「よーし、皆!・・・機関一杯、全力でぶん回すぜ!」

 

調整している麗緒達に機関一杯、全力でぶん回すぜとカツを入れる。

 

『おお・・・!!』

 

晴風は、速力を最大にし、突入するスキッパーの後を追う。

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「発射!」

 

同じ頃、突入するスキッパーと同時に高千穂からトマホーク対艦巡航ミサイル1発が発射された。

 

こうして、外からは、トマホーク対艦巡航ミサイル、中からは、次郎とましろが障害物に向かって突入。

 

2正面での破壊が進む。

 

そして、直前まで来た時

 

スキッパー

 

ましろ「艦長!」

 

ましろは、明乃に合図を送り

 

晴風、艦橋

 

明乃「てーっ!」

 

明乃は、砲撃を命じる。

 

砲弾は、立ちはだかる瓦礫の上部を直撃

 

瓦礫は、ゆっくりと下に傾き始め

 

スキッパー

 

次郎「今だ!」

 

それを見た次郎は、ましろに全速で進むよう命じ

 

ましろ「うう・・・」

 

ましろは、スピードを上げる。

 

2人が乗ったスキッパーは、全速で傾く瓦礫に突入。

 

上に乗り上げ、火花を散らしながら、瓦礫を発射代替わりに利用し、爆弾を搭載したスキッパーを出口を塞いでる障害物へと投げ込む。

 

その瞬間に2人は、艇外に投げ出された状態で脱出。

 

次郎がましろを抱いた状態で安全装置が作動する。

 

投げ込まれたスキッパーと高千穂から発射されたトマホーク対艦巡航ミサイルは、同時に障害物に命中した。

 

命中で大爆発が起こり、浮遊していた次郎とましろは、爆発の衝撃で安全装置に入ったまま投げ出された。

 

晴風、前部甲板

 

洋美「うう・・・・・・」

 

前部甲板では、洋美達が2人を回収しようと集まっていた。

 

そして

 

2人が入った安全装置が現れ

 

ましろ「宗谷さん!」

 

洋美はキャッチしようとするが

 

洋美「!?」

 

結局、後ろに待機していた理都子と果代子に回収される。

 

2人を無事に回収した晴風は、そのまま開いた出口から脱出。

 

見事に生還を果たした。

 

武蔵及び高千穂、艦橋

 

『ははぁ・・・・・・!』

 

晴風生還に武蔵や高千穂では、歓喜に沸き

 

武蔵、艦橋

 

もえか「はぁ・・・」

 

もえかも晴風が無事な事に安心し

 

真霜「貴方達には、驚かされてばかりだわ!」

 

真霜は、何度も奇跡を起こす晴風に驚いていた。

 

もえか「私も・・晴風には驚かされてばかりです!」

 

その言葉にもえかも同じ気持ちだった。

 

そして

 

高千穂、艦橋

 

美由紀「全くあの子達は危ない事ばかり・・・呆れてしょうがないわ!」

 

美由紀の方は、逆にそんな晴風に呆れていた。

 

だが、本当は嬉しかった。

 

空母大鳳、艦橋

 

龍之介「さて、馬鹿な2人を迎えに行くか・・・」

 

功「そうですね!」

 

なのは、フェイト達を収容していた龍之介達は、薫と次郎を迎えに行こうと真霜達の元に針路を取る。

 

ワシントンD.C、ホワイトハウス、大統領執務室

 

キング「雅か、こんな事になろうとは・・・」

 

たかだか晴風1隻に難攻不落の海上要塞が陥落した事に驚いていた。

 

補佐官「申し訳ありません大統領・・・雅か、あんなちぽっけな艦に、我々の計画を・・・」

 

補佐官も海上要塞が晴風1隻に陥落されるとは思っても見なかった。

 

キング「まあ良い・・・これではっきりした・・・我々にとって、奴らと言い、彼らも最大の強敵だと・・・」

 

キングは、Gフォースだけでなく、今の横須賀女子海洋学校の学生も脅威だと認識した。

 

晴風、前部甲板

 

一方、生還を果たした晴風の前部甲板では、薫と明乃達が次郎とましろの無事を確かめに集まっていた。

 

洋美「宗谷さん、無事で良かった!」

 

ましろの無事を洋美は喜び

 

ましろ「大丈夫!・・・皆を信じていたから!」

 

無事なましろも明乃達ならやってくれると信じていた。

 

隣も

 

薫「大丈夫だった次郎君?」

 

薫が生還した次郎を心配し

 

次郎「大丈夫だ!・・・信じてたからな・・・お前とこいつらなら!」

 

次郎もましろと同じ気持ちで、薫と明乃達ならやってくれると信じていた。

 

それを聞いた薫は

 

薫「ん・・・」

 

次郎「はぁ!?」

 

次郎に抱き付く。

 

同時に洋美も

 

洋美「うう・・・・よかっ・・・」

 

ましろに抱き付こうとしたが

 

麻侖「クロちゃ・・・」

 

洋美「おえ・・・!?」

 

直前で側にいた麻侖にぎゃくに抱き付かれ、後からスーが現れ

 

スー「凄い凄い凄い!・・・ミケとシロ・・・まるで艦のお父さんとお母さん見たいだった!」

 

明乃とましろを見て、まるで艦のお父さんとお母さん見たいだったと評価する。

 

ましろ「いや、あの・・・」

 

ましろは照れ

 

スー「私もこの艦に乗りたい!」

 

スーは、自分も晴風に乗りたいと言って

 

スー「フフフ!」

 

何所かへ行ってしまい。

 

隣にいた明乃は、ましろを見る。

 

ましろ「艦長・・・私もようやく、オールウェイズオンザデッキの意味が理解できた気がします。」

 

ましろは、明乃にようやくオールウェイズオンザデッキの意味が理解できた告げ。

 

明乃「あっ・・・」

 

それを聞いた明乃は、唖然とする。

 

そして、ましろは

 

ましろ「決めました・・・私・・・艦長になります!」

 

明乃に艦長になると告げた。

 

明乃「シロちゃん・・・」

 

それを聞いた明乃は、寂しい顔をする。

 

それもそうだ。

 

艦長になると言う事は、比叡の艦長になると言う事で、明乃と別れる事になるからだ。

 

決めたましろに明乃は行かないでと言いたかったが、言葉が出ない。

 

本当に別れるのか

 

しかし

 

ましろは、水平線を見ながら

 

ましろ「でも、それは今じゃないんです。」

 

それは今じゃないんですと言って、明乃を見る。

 

明乃「え?」

 

明乃は、ましろの言葉に驚愕する。

 

一体如何いう事なのか

 

それは

 

ましろ「晴風にいれば、この後も間違いなく・・・色々とんでもない事に巻き込まれるに決まっています・・・私が艦長になる為には、もっともっと経験が必要です。」

 

艦長になると言う事は、将来の事で比叡の艦長になると言う事じゃなかった。

 

つまり

 

明乃「え?」

 

ましろ「だから、私は晴風に残ります!」

 

ましろは、晴風に残る事を決意し、明乃にそう告げた。

 

それを聞いた明乃は

 

明乃「ああ・・・フフフ・・・ありがとうシロちゃん!」

 

余りの嬉しさにましろに抱き付く。

 

明乃は、嬉しかった。

 

何よりましろが残ってくれた事に

 

そして、もう一つ

 

薫「良かったね!」

 

次郎「ああ!」

 

2人を見た薫と次郎は、これでやっと解決したと喜び

 

薫「決めった!」

 

薫もある事を決めた。

 

次郎「な、何を?」

 

薫「私・・・やっぱり残るわ!」

 

次郎「ええ・・・!?」

 

薫は、次郎に残ると告げた。

 

残ると言う事は、ブルーマーメイド行きを断り、Gフォースに残ると言う事。

 

薫「だって、私がいないと次郎君、危ない事ばかりするし・・・私がいないと駄目でしょ!」

 

次郎「い、良いのか本当に?」

 

薫「うん!」

 

薫の言葉を聞いて

 

次郎「うう・・・うあぁぁ・・・!?」

 

次郎は、泣き始め

 

『おお・・・!?』

 

薫「じ、次郎君!?」

 

皆の目の前で薫に抱き付き

 

次郎「良かった!良かった・・・!」

 

良かったと泣き叫ぶ。

 

次郎的に本当は、薫が残っててくれる事に嬉しかったんだろう。

 

結局、薫もましろ同様に残る事に決めた。

 

その後、ホワイトドルフィン艦隊が海上要塞から脱出していた海賊達を全員逮捕。

 

空母大鳳も混成艦隊に合流し、横須賀に向け帰途に着いた。

 

画して、大規模なテロ事件は幕を閉じた。

 

 




劇場版を元にした特別編はこれで終わりです。

次回は、新起動編で、この特別編までの出来事を描きます。

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