とりあえず約束は大事   作:黒色エンピツ

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1:始まりは復讐から

ミッドチルダのとある倉庫で二人の男が戦っていた。

暗い中で魔力光が輝く。

 

「これで終わりだ。」

 

片方の男の手がもう片方の胸を貫く、すると貫かれた男は笑いながら満足そうに息絶えた。

 

「最後まで不愉快なやつだったな。

……意外と呆気ない。」

 

男は暗闇に消えていった。

 

 

 

 

俺は復讐を終え地下道の研究所に来て、いつもの様に白衣の科学者に声をかける。

 

「ジェイル。」

 

「うん?やあ、ゼロ。復讐は終わったのかい?」

 

「ああ、つまらないもんだった。」

 

「そうかいそうかい。私も暇潰しだったからね、そんなものだろう。」

 

「それで、これからは何をすれば良い?

俺の目的は達成した。お前との契約だ。お前は何を望む?」

 

「そうだね。私の計画は話しただろう?」

 

「ああ、管理局を潰すんだったな。それの手伝いか?」

 

「急かさないでくれ。まだ話は終わってないのだよ。

彼女の護衛。いや、世話をしてくれるかな?」

 

ジェイルが指差す先には金髪の女の子が座っていた。目はオッドアイか。

 

「あの子は?」

 

「ヴィヴィオ君と言ってね。聖王のクローン、今回の作戦の鍵になる。君のこれからのご主人様さ。」

 

「ああ、分かった。」

 

「それと、彼女には1度管理局に保護して貰うことになる。それからは陰ながら護衛をしてあげてくれるかな?」

 

「了解だ。」

 

「うん、それとまた姿を現すのは事件が終わってからで頼むよ。」

 

「まるで作戦が失敗するみたいな言い方だな。」

 

「さて、どうかな?」

 

「ふん、まあいい。」

 

「じゃあ後の事は任せたよ。ああ、ヴィヴィオ君を逃がすタイミングは無線で知らせるよ。」

 

そう言うとジェイルは背を向けて歩き出す。

 

「……ジェイル。」

 

「おや、君が止めるなんて珍しい。なんだい?」

 

「頑張れよ。」

 

遠くからでもあいつの目が見開くのが見えた。そんなに驚く事か。

 

「はっはっはっ!まさか君からそんな言葉が聞けるだなんてね!うん、頑張るとしよう!さらばだ、友よ!」

 

そのまま高笑いをしながら去って行った。

 

「友か……。」

 

不思議と笑う。まさかあいつが友と呼ぶだなんてな。

 

「ヴィヴィオ様。」

 

「んー?」

 

「初めまして、俺はゼロと言います。」

 

「はじめまして!ヴィヴィオです!」

 

子供の相手は初めてだけど頑張らないとな。

 

 

 

 

まあ、そう上手く行く訳もなく。

 

「ヴィヴィオ様ー!?どこですかー!?いや、ほんとマジでどこですかー!?」

 

小さい体でウロチョロされて行方不明になったり。

 

 

 

 

「好き嫌いはいけませんよ。」

 

「だって、美味しくないもん!」

 

「……料理雑誌読むか。」

 

嫌々と言われて落ち込んだり。

 

 

 

 

「うわぁぁん!!」

 

「ふわぁぁ……、ヴィヴィオ様ー?よーしよし、大丈夫ですよー。」

 

夜泣きで寝不足になったり。

 

 

 

 

「あはは、ゼロー!こっちこっち!」

 

「ちょ、子供の体力舐めてた……。待ってくださーい!」

 

振り回されたり。

 

 

 

 

なんだかんだ復讐しか無かった俺が変わっていく様に感じた。

 

「ん、通信。ジェイルからか。」

 

『やあ、久し振りだね。ゼロ。』

 

「そうだな。元気だったか?」

 

『……随分と変わったね。』

 

「そうみたいだ。自分でも驚いている。」

 

『そうか、今日が約束の日だよ。』

 

「ああ、分かった。またな。」

 

『ああ。』

 

通信が途切れる。

 

「……ヴィヴィオ様。」

 

「なーに?」

 

「宝探しゲームをしましょうか。」

 

「げーむ?する!」

 

「この順番に歩いて下さいね。」

 

ヴィヴィオ様に地図を渡す。……間違えないか心配だ。

出ていってすぐに地下道の構造を変える。これで戻って来れない。

エレベーターに乗り、別口で地上に出る。金があるから保護される間に拠点を置かないとな。

……良い人達に保護されるといいな。

 

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