正反対の二人   作:やまたむ

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勘違い

それは、中学二年生の春頃の記憶。

 

『貴方なんで、学校に来ないの?』

 

『勉強よりも、やるべき事があるからだけど?』

 

『それって……』

 

『まぁ、お前が気にするような事じゃないから、お前は真っ直ぐ前を向いて歩いてくれ』

 

その時の千聖の寂しそうな顔を忘れることはないだろう。

 

──────────────────────

 

千聖が有名な演出家からオファーを受け、俺の家に入り浸り始めて数日くらいたった。

 

「なぁ、千聖」

 

「なにかしら?」

 

「結局、俺ん家に入り浸ってたけど、おばさんに話は通してあったのか?」

 

「今更過ぎないかしら?まぁ、ちゃんとお母さんには伝えてあるけれど」

 

突っ込まないぞ。おばさんの俺に対しての信用がいつの間にかカンストしていたことに対して突っ込まないからな。

 

「それなら良いんだ。ほら、今日から本格的に稽古が始まるんだろ?しっかり飯食っとけ」

 

そう言い朝食を千聖の前に出す。

 

「えぇ。ありがとう」

 

「気にすんな。いつものことだし」

 

そう言って俺の分の朝食も食卓に並べると、そのままいつも座っている場所につく。

 

「そんじゃ、まぁ」

 

「「いただきます」」

 

俺と千聖は声をそろえてそう言った。

 

それにしてもここ数日、千聖と食卓を囲んでいる気がする。

 

そのことを千聖に言うと、

 

「そう言えばそうね」

 

と、返してきた。

 

そして、なんで、俺の家にきて演技の練習をするのか聞いたら、千聖は、

 

「この家って広いじゃない?そのおかげで近所を気にせず演技できるから、丁度良いのよね」

 

と言ってきた。

 

つまり、千聖は、こう言いたいのだろう。

 

『貴方を異性として見ていないから、諦めなさい』

 

と。

 

うむ。なんかそう考えると合点がつくぞ。

 

千聖は、俺のことを異性として認識していないからこう何度も平気で俺の家に来ることが出来るのだろう。

 

はぁ、それじゃ、今まで俺が言わされてきた事ってなんだったんだろ?

 

まぁ、千聖はSッ気が強いからそう言うことをして、俺の恥ずかしがる姿を見て楽しんでいるのだろう。

 

「どうしたの?浮かない顔をして」

 

そんな、俺の様子を見て疑問に思ったのか千聖が声をかけてきた。

 

「いや、現実を考えるとやっぱり無理だよなぁと落ち込んでいるとこ」

 

「……?まぁ、良いわ。それより、今日はちょっと遅くなるかもしれないから、先に晩御飯食べてても良いわよ?」

 

「いや、お前が帰ってきてから食うよ」

 

「いえ、それでも、いつ終わるか分からないし」

 

「なら、終わった時連絡してくれ。迎えに行くから」

 

「貴方9時になったらいつも寝てるじゃない」

 

「大丈夫、寝ながら迎えに行くから」

 

「それは、それで不安だからやめてちょうだい」

 

「まぁ、流石に今のは冗談だけど、でも、帰ってくるときは連絡しろよ?」

 

そう言うと千聖は、諦めたようにため息をつき、

 

「分かったわ。ちょっと過保護すぎないかしら?

 

と返してくれたが、最後の方に何か言っていたのだがよく聞き取れなかった。

 

「あと、はい。これ弁当な。昼に食えよ」

 

「あ、ありあがとう」

 

「んじゃ、気をつけてな」

 

「えぇ。いってきます」

 

それを言うと千聖は、背を向けて歩き始めた。

 

俺は千聖を見送ると、ポケットからスマホを取り出し、ある人に電話をかける。

 

『もしもし、どうしたの?ゆうくん』

 

そのある人とは、千聖のお母さんである。

 

なぜ電話をかけたのかというと、

 

「もしもし、おばさん?早速だけどなんで、千聖が家にくること許可してるのか、訊かせて貰っても?」

 

と、言うわけである。

 

まぁ、今更かもしれんが、それでも話は訊いておかないといけない気がしたのだ。

 

『今更ねぇ。まぁ、でも、漸く本格的に使われ始めたのね。その家』

 

ん?今聞き捨てならんセリフが聞こえてきたぞ?漸く()()()()使()()()()()()

 

つまり、こう言うことか?

 

「この家は元々千聖と二人で使うために押しつけられた?」

 

『押し付けただなんて人聞きの悪い。プレゼントしたのよ。て言うかおかしいと思わないの?幾ら弦巻家には劣るとはいえ、資産家の息子一人を『武家屋敷』に住まわせるなんて』

 

「あぁ、確かにおかしいとは思った。けど、父さん達ならやりかねない、と思って渋々納得してたんだよなぁ」

 

『純粋ねぇ。それで、千聖ちゃんとはどこまで進んだの?』

 

「進むも何も、生殺しだよ。今の俺と千聖の立場分かってるんでしょ?おばさんは」

 

『あ、そういえばそうだったわね。貴方不良の溜まり場のような学校に通っていたのよね。貴方が余りにも不良とは思えないから、忘れていたわ』

 

あ、あんたもそれを言いますか。

 

まぁ、自覚はしてるし、千聖に手を出すつもりは今の所ないので問題はないのかもしれないが、おばさん、俺の事も考えてくれよ。いや、割とマジで。

 

「そんな事言われなれてるから今更つっこむ気はないですけど、それ、千聖は知ってるんですか?」

 

『え?知らないわよ?』

 

「なに、さも当然のように答えてるんですか。貴女は」

 

『まぁ、そんな事より、貴方まだ千聖ちゃんの事好きなの?』

 

それを訊かれたときむせてしまった俺は悪くないと思います。

 

まぁ、隠す気もなく毎度千聖に告白のようなことをさせられれば嫌でもバレルだろう。そもそも、千聖にどんな目的があって俺に告白させているのか全く分からないが、少なくとも芸能界だと『好きです』みたいな言葉を聞き続ける事になるのだから、その耐性をつける為なのか?

 

う~む。さっぱり分からん。

 

『あら、その反応はやっぱりまだ千聖ちゃんの事が好きなのね。これはゆうくんママに報告ね』

 

「なんでそこで母さんが出てくるんですかっ!?」

 

『それじゃ、千聖ちゃんのことよろしくね~』

 

「あっ!ちょっ!まーー」

 

俺が何か言い返そうと言葉を探していたらツーツーと言う通話が切られた音が聞こえてきた。

 

「はぁ、もうしゃーない。弓道場、行くか」

 

そうして、俺はため息を尽きながら弓道場まで歩を進める。

 

今のむしゃくしゃした感情を忘れるには丁度良い。と言うか、いつもむしゃくしゃするときは、矢を射ることで忘れているのだ。

 

他にも拳法の型を反復するだけでも気分は晴れる。

 

まぁ、要するに体を動かすことによって、心の整理をしているのだ。

 

そうこうしているうちに、弓道場についた。

 

ほぼ毎日使っているので掃除の手は行き届いており、結構綺麗だ。

 

学校にある弓道場も同じで不良校の異空間とさえ思わせる程の清潔さを醸し出しているのだ。

 

胴着に着替えた俺はいつも通り矢を放つ。

 

俺が弓道を始めようと思ったは千聖を守ると約束したときからだ。

 

なぜその時からなのかと言うと、俺が目標を忘れないためと言うのと、一種の願掛けだからだ。

 

気づけば昼になっていた。

 

因みに今日は平日だ。そのため、いつも通り授業はあるのだが、ここ最近行っていない。

 

まぁ、そもそも、不良校だ。授業なんて有ってないようなものだし、普通に授業中生徒と先生のリアルファイトが行われるので授業にすらなっていない。

 

そんな授業すら行われていない学校で俺は基本弓道場に籠もり、後輩達と昼になると弁当を食べる。

 

それが俺の平日の過ごし方なので、家に居ようが居なかろうが関係ないのだ。

 

そんな俺の平日の過ごし方はさて置き、昼飯を作るために一度居間に向かう。

 

時間とかも考えると簡単なものでいいか。

 

炒飯、焼きそば、焼きうどん、ラーメンどれがいいだろうか。

 

取り敢えず冷蔵庫の中を見てみるか。

 

お、納豆残ってんじゃん。そういや最近千聖が家に居るから『あれ』作ってなかったけど、今は居ないし丁度良い。

 

作るか、『納豆炒飯』。

 

作る過程にそんなに難しいものはなく、基本炒飯に納豆を入れるだけと言う簡単なものだ。

 

千聖が居ると絶対に作れない一品なのでほんとに丁度良かった。

 

因みに俺は納豆が好きだ。千聖の次ぐらいに好きだ。

 

そう言うと千聖と比べるのって失礼じゃね?と言われかねないので、一応言っておくが、千聖>>越えられない壁>>納豆と言うレベルなので、俺の納豆好きが千聖好きを越えることなどあり得ないのである。

 

だから、千聖が居るときは納豆を使った料理は出さないし、千聖を弄る時以外に納豆の話題すら出さない。

 

さて、こんな話はおいておくとして、納豆炒飯を作り始める。

 

先ほども言ったとおり、納豆炒飯は炒飯の材料に納豆が加わっただけの簡単なものだ。

 

そのため、さっさと完成した。

 

因みに三人前だ。

 

なぜ、三人前も作ったのかというと、千聖は、納豆のパックを見るだけでもいやな顔をするので、今のうちに無くしとこうと思ったからだ。

 

決して久しぶりに食べる納豆炒飯が楽しみすぎて作りすぎたわけではない。イイネ?

 

まぁ、俺も一応不良なのだ。喧嘩するときで無駄に体力は使うし、喧嘩で負けないために体を鍛えていると更に腹も減る。

 

正直に言おう。三人前でも少ないのだ。

 

でも、飯の時は腹八分目までが丁度良いって言うし、丁度それより少ないぐらいだから良いだろう。うん。

 

「うーん。やっぱ、少ないかなぁ?でも、変に残って千聖に見られるのもやだしなぁ。よし、追加で作って晩飯までには食い終わろう」

 

そうと決まれば追加でもう三人前作り出す。

 

そして、合計で六人前作り終えると、大皿に移し納豆炒飯を完食すべくスプーンを動かし始めた。

 

ー50分後ー

 

き、強敵だったぜ。流石に六人前は作りすぎた。これなら五人前にしとけば良かったぜ。

 

食後の運動すれば丁度良いかな?

 

よし、町内五週でもするか。

 

俺はジャージに着替え、玄関前に立つと準備運動をする。

 

「よし、そんじゃ、走りますか」

 

そして、俺は走り出した。

 

町内を走ること自体はよくあるので別に珍しいことではない。

 

そのため、結構町内の人とは顔見知りになった。だが、基本的に俺の通っている学校について話したりはしていないので、どこの学校に通っているのか分からない高校生。と言う認識で町内が納得している。

 

他にも中学時代にスポーツセンターや弓道場に入り浸っていたことがあり、その時は入学式と卒業式にも顔を出さない幻の生徒。と呼ばれていたらしく、学校の七不思議認定されたようだ。(千聖情報)

 

「お、祐貴の坊主じゃねえか。コロッケ食ってくか?」

 

「もう、昼飯食い終わったのでまた後日」

 

「そうかい。がんばれよー」

 

「あんがとです。北沢のおっちゃん」

 

まぁ、俺の町内の認識なんてこんなものだ。顔を見れば話しかけらる。そこに学校行かなくても良いのかい?と言う疑問は浮かんでこないのだろう。そもそも、俺は中学時代は学校に行かずこうしてランニングをしたり、弓道場で弓持ってたり、拳法をネットで調べてそれを自分のものにしたりとしていたのだ。

 

因みに路地裏の旅もしていて、その時に喝上げされていた後輩を見つけてその不良をフルボッコにした結果、後輩が自身のことを舎弟と呼び始めたのだ。

 

まぁ、うちの学校では後輩の居る学年の生徒全員が俺をあがめ始めているので何事かと思ったのだが、全員俺が路地裏の旅で見つけた奴や、イジメをしていた生徒だったやつなのだ。

 

そんなことはさて置き、俺が学校に行かないのは周知の事実なので、突っ込む気が失せたのが正しいかもしれない。

 

そして、町内五週が終わり丁度3時くらいだろう。小腹がすいてきた。

 

これなら北沢のおっちゃんとこのコロッケ買えば良かったかもな。

 

俺は汗を首に掛けておいたタオルで拭い、周囲を見渡すと、羽沢珈琲店と言う喫茶店にはいる。

 

「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」

 

店員さんが定型文通り挨拶をしてくる。

 

へぇ~意外と少ないな。

 

「ご注文がお決まりになりましたら、お声掛けください」

 

うおっ、もしかして今の声にでてた?そんなことないよな?

 

そんな事より、何頼むかだけど、アイスコーヒーは確定として、ケーキをどうしようか。

 

ウーム、ショートケーキでも良いし、チョコも捨てがたい。

 

よし、迷ったときは、こうだ。

 

「すいませーん」

 

と声をかけると、店員さんが来る。

 

「アイスコーヒー、ショートケーキ、チョコレートケーキそれぞれ一つずつ、お願いします」

 

「かしこまりました。ご注文の確認をします。アイスコーヒー一つ、ショートケーキ一つ、チョコレートケーキ一つ、でよろしいでしょうか?」

 

「はい」

 

「それでは、少々お待ちください」

 

やることがなく、何となく外を眺めていると、アイスコーヒーはそんなに時間が掛からなかったのすぐに出てきた。

 

俺はそのアイスコーヒーを飲みながら外を再び眺める。

 

そうしていること数分。髪の色だけ見ると、地毛なのか分からない仲の良さそうな五人組が入ってきた。

 

「ただいまー」

 

「「「「お邪魔しまーす」」」」

 

と、言って入ってきたので、どうやらひとりはこのお店の子のようだ。

 

それにしても、濃いなあー。なんだろ?髪の色だけ見ても濃いよ。

 

恐らく二人を除いて染めてるだろ。

 

いや、その除いた内の一人も赤のメッシュを入れているから地毛なのはこの店の娘さんだけだろう。

 

そんな事を思っていると赤色のメッシュを入れた黒髪の女の子が話しかけてくる。

 

「なに?さっきからじろじろ見て?」

 

ふむ。どうやら機嫌を損ねてしまってたみたいだ。

 

「あぁ、すまない。なんともまぁ、特徴的な髪の色だったからつい地毛なのか気になってな」

 

「私は地毛だぞ」

 

と赤い髪の背が高い子が、

 

「あたしも地毛ですよ」

 

とピンク色の子が、

 

「あたしも~」

 

と白色の髪の子が言った。

 

えっ?それで地毛なの?まぁ、俺の幼なじみも似たような感じで染めてるのか疑わしいが、小さい頃から見てるから地毛みたいだし、別におかしくはないのか?

 

そんな、話をしていると注文の品ができたのかこの五人組の中で一番普通そうな子がケーキ2つ持ってくる。

 

「お待たせしました。あれ?みんな何話してたの?」

 

「いや、この人がさ、私らの髪が地毛かどうか気になったみたいなんだよ」

 

「あ、そうなんだ」

 

「まぁ、気にしてた俺が言うのは何だが、俺の幼なじみも地毛かどうか疑わしい部分があるんだけどな」

 

「あ、そうなんですね。私達も幼なじみなんですよ」

 

「おぉ、そうなのか」

 

俺はそこまで言って気づいた。

 

ーこの制服って、羽女じゃね?

 

と。

 

「なぁ、君らって羽女の生徒?」

 

「え、はい。そうですけど……」

 

「あぁ、やっぱり。君らの学校に瀬田かお」

 

「薫様!!薫様の幼なじみなんですか!?」

 

お、おう。凄まじいインパクトだな。

 

って待て、今『薫様』って言ったか?薫、何があったんだよ。

 

「ひーちゃんがっつきすぎだよ~。その人思いっきり引いてるし~」

 

とのんびりとした口調で指摘している少女がいるが正直それどころじゃない。

 

どうやったら、『あの』薫が『薫様』って呼ばれるようになるんだ?こんなことになるくらいなら中学ちゃんと行けば良かったか?

 

「えっ!?あ、ほんとだ!す、すみません」

 

「ん?あ、あぁ、気にしなくても良いよ。正直『あの』薫が『薫様』って呼ばれてることに驚いただけだから」

 

「えっ!?そうなんですか!?」

 

「あぁ、俺中学行ってなくてさ。薫の中学時代は全く分からないんだよ」

 

「あ、すみません」

 

「俺は別に学校に通うのが嫌だった訳じゃないから気にしなくてもいいよ」

 

と、俺は言った。

 

ほんとは千聖を守るための力が欲しくてサボったとか、弓道を使った願掛けするために、弓道場に通いつめたりしていたなんて恥ずかしくて言えない。

 

「あー、ひーちゃんが知らない人の傷を抉った~」

 

「えぇっ!!あ、あのほんとに大丈夫ですか?」

 

「いや、マジで気にしてないから大丈夫だよ?」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「ここで嘘ついてどうなるんだよ。それに今日もサボってるし」

 

「えっ!?学校休んでるんですか!?」

 

「まぁ、うちの学校の授業なんて教師対生徒のガチバトルが行われるだけだから、俺は常に弓道場に籠もってるだけだよ」

 

そう言うと、五人組は頭の上にハテナを3つ浮かべている。

 

「うーん。よくわからないです」

 

「ハハハ、よくわからなくて良いんだよ。これでもサボリは慣れてるしな」

 

「はぐらかすの下手すぎ」

 

「い、良いだろ別に。しょうがない、幼なじみに教えて貰った中学の七不思議の一つでも話すか」

 

俺がそう言うと、「い、いや、良い」とメッシュを入れた子が反応して、白色の髪の子が「蘭~怖いの~」と煽ったことにより、「こ、怖くない!」と反応して「それじゃ、聞いてみよ~」と言った。

 

「その七不思議は学校に来ない幻の生徒」

 

「それ、あんたの事じゃないの?」

 

「それは、どうだろうな?」

 

まぁ、当たってるんだけど、どうやら噂が一人歩きした内容が七不思議となっているものなので、話させてもらおう。

 

「その生徒は入学式の日に車に引かれてなくなったって噂があってだな」

 

「あーよくある話だな」

 

と赤い髪の子が言う。

 

「いや、まぁ、ここまではテンプレートなんだけど、どうやら、先生も生徒もその生徒が学校に1日たりとも休んでいないって感じの認識で違和感を覚えてないそうなんだ。まるで暗示か何かを掛けられたみたいに」

 

俺は、作り話っぽく矛盾点を作ったのだが、どうやらその矛盾に気づかないほど、怖がっている三人にため息をついて、ほかの二人を見ると、ハハハとあきれていたり、これはこれはという風に感心してたりと見ていておもしろかった。

 

「でも~、今の話って作ったんですよね~?」

 

「おう。今さっき俺が基になった七不思議を基にして、作った話だし、思いっきり矛盾しているところもあるんだけど、気づいているのかな?」

 

「いやー、冷静に考えると怖くないのにねー」

 

「そうだな。ならさ、この三人にネタバレしといてくれないか?俺の口から言っても無駄だろうし」

 

と言い、ケーキの最後の一口を口に入れ、勘定するためにこの店の子に声を掛ける。

 

「あ、お勘定ですね」

 

と、この店の子、恐らく羽沢さんは、レシートをもってレジに向かう。

 

俺もそれについて行くようにレジに向かうと、

 

「それじゃーねー。オニーサン~」

 

と手を振る白髪の子に「そんじゃ、また会うときがあったらな」と言い、代金を払い、店を後にした。

 

「またのご来店をお待ちしてまーす」

 

と後ろから聞こえてきた。

 

うーむ。それは、難しいかもしれないな。なにせもう直ぐうちの学校で行われる町内を使った体育祭。もとい、大乱闘が始まるのだ。彼女達に迷惑を掛けるわけにはいかないので、当分はこの喫茶店にはこないだろう。

 

そんな中夕日を見ながらふと、彼女達の事が頭に浮かんだ。

 

なんでだろ?




今回はここまでです。

途中の七不思議は完全な作り話ですので気にしないでください。

何かのフラグだったりするわけではありません。
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