ゆるキャン△ 〜岸辺露伴は止まらない〜   作:苗根杏

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てぇ↑んっさい小説家の苗根杏にかかればてぇ↑んっさい的なネタは四六時中浮かぶのですが、肝心の今やってる小説が中々進まず新学期を迎えました。受験シーズンになれば、今よりもーっと小説にかける時間が無くなります。ああ、やだやだ。進路の為に今を、夢中になっているコトを捨てるのは、仕方の無いことなのでしょうか。


エピソード#2₅-1=31:温泉フルーツ

  日本三大夜景というものがある。

 

  どこの誰がどうやって決めたのかは知らないが、日本三大と銘打っているのだから、日本の中でもトップクラスに美しいことは確かなのだろう。その中のひとつに…こんな場所がある。

 

  山梨県山梨市江曽原『フルーツ公園』。

 

  フルーツ王国の異名を持つ山梨県にある、広めの観光施設だ。地元ではまあまあ有名らしい。他の県での知名度は知れているがな。ぼくだってつい1ヶ月前まで知らなかった。

 

  ぼくはその『フルーツ公園』に向けて、バイクを走らせている。法定速度でな。少年誌のトップをかざる人気マンガ家が事故でも起こしてみろ。休載を免れないし、なによりマンガが書けなくなるだろ。下調べはルートとある程度の知識だけ。そっちの方が印象に残りやすく、『取材』になるのだ。

 

  そもそも『取材』とは、『このシーンにこんな描写を使うため、ここに行く』という考えのもと行うものではない。取材する時点では、『どのシーンにどんな描写を使うかわからない』。構想とはそこまで細かいものではなく大雑把なルート引きでしかない。

 

  だからこそ、だ。

 

  どんな描写が使いたくても、いつでも好きな時に使えるように、写真やスケッチ、メモを『ストック』しておくんだ。過去の自分からの『遺産』をマンガに有効活用させてもらうのだ。このぼくよりは参考にならないと思うが、前に行きたくもないパーティーに行った時は、皆してその手法をとっていたらしいな。もっとも、ぼくの知ったことではないが。

 

  今回は一旦フルーツ公園で取材、その後キャンプ場に移動して野営を行う。夕食後、本題の『夜景』を取材する。あそこの飯は美味いらしいからな。ちょっぴり期待しているぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  朝から車で出て、昼ごろにはフルーツ公園に着いていた。朝食は康一くん手作りのサンドイッチだった。料理も出来るんだな…ありゃモテそうだな。……まあ、康一くんは相手が相手でまたアレなんだが……。

 

  「昼でもなかなかいい景色じゃあないか」

 

  写真に映えるな。ぼくは取材の為に、『誰が見にくるんだ?』ってカンジの写真展にもよく足を運ぶんだが…そんなのを見るより、やっぱり『ナマ』で見た方がいいな。一眼レフが捉えた逆さ富士より、ぼくの書いたアスファルトに咲く蒲公英の方が優れているというくらいの自信もあるがね。

 

  「あーっ!?」

  「ム?」

  「ろっ!露伴せんせー!」

  「げえっ、各務原なでしこ」

 

  なんてこった。コイツの地元だったな…山梨は。いや、そうだとしてもこんな所で、こんなタイミングで、こんなヤツと会うのは『偶然』っつー一言だけで片付けていい問題なんかじゃあないぜ。

 

  コイツの性格からして、放し飼いのニワトリみたいに着いてくるだろうし…。

 

  待てよ。コイツ、各務原なでしこを取材に『有効活用』するのはどうだろう。使い道はおいおい考えるが、そこら辺のガキよりかは役に立つだろう。ふむ、せいぜいカップヌードルのラベルについているテープくらいか。

 

  さて、問題はもうひとつある。

 

  「…あれがなでしこの言ってたマンガ家、なのか?ピンクダークの少年を描いてるっつー…」

  「うちはジャンプで見た事あるでー。ほんまにカリメロみたいなバンド巻いてるんやなあ」

  「いや、イバックオの帽子の方がソレっぽいだろ」

  「なんや、アキも見とるんか」

  「ち!…ちょっとだけ、なッ!」

  「……なでしこ。その2人は?」

  「私の友達です!『野外活動サークル』の!」

 

  聞き覚えがあるぞ。

 

  この前いきなり電話してきたものだから忙しい中(キャンプ道具を用意していたら、〆切ギリギリになってしまった。もう二度とコールマンに長居はしない。)しぶしぶ出てやった時のこと。

 

  『せんせー!!』

  『近所迷惑だぞ』

  『私、野外活動サークルに入ったの!』

  『何だい、それェ〜〜ッ』

  『それでね、それでね!アキちゃんとあおいちゃんがね!』

  『待て待て、事前情報を詳しく聞かせろ』

 

  よほど嬉しかったのか、ガキみたいにはしゃいでいた。隣にいるのは、その時話してた2人か……。

 

  「は、はじめまして。大垣千明です」

  「サインくださいっ!犬山あおいちゃんへって書いてください!」

  「2人とも、はじめまして…あとサインならもう描いてるよ。ぼくは仕事が早い方だからね」

  「うええっ!?」

 

  さっきそこで買ったコーヒーを飛ばし、あの子の持ってた色紙に書いた。

 

  それぞれ『犬山あおい』と『大垣千明』。用具入れを部室としている『野外活動サークル』のメンバーらしい。どちらにしろ活動場所は『外』だし、あの大きなテント等を仕舞う所があるのか…?

 

  「サインくらいSPECIAL THANKS!」

  「あああありがとうございますッ!めっちゃ嬉しいです!」

  「せ、折角だし…私も…」

  「勿論、オーケーだ」

  「せんせー、その『じーぺん』ってどのくらい圧力かかってるの?」

  「単位のGなんかじゃあないぞ、Gペンの『G』は。いいか、そもそもつけペンの1種であって…」

  「あ!写真撮ろうよ!」

 

  自由奔放なネコみたいなヤツだな。まるで少女漫画の主人公だ。何度も思うが、いい意味でマンガのネタになるかもしれない。食事シーンの参考にもさせてもらおう。

 

  「元気だな」

  「せやなー、若々しいわー」

  「全くアイツは…」

  「みんなー!中のカフェでスイーツも食べれるんだってー!」

  「うおおおおッ」

  「ちょ、露伴先生はえー!」

  「待ってやー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  う───────

  「ンまァ〜〜〜〜〜ッ!」

  「やっぱ疲れとる時の甘いもんは、格が違うんやなぁ」

  「暖房も効いてるしなー」

  「季節によって、色んなスイーツが食べれるんだって!」

 

  苺ソフト(1月~5月)キウイソフト、サクランボソフト(6月)桃ソフト(7月〜8月)巨峰ソフト(9月〜10月)林檎ソフト(10月〜12月)柿ソフト(1月~5月)。外のオブジェも中の装飾もフルーツだらけだ。フルーツ公園とは、そういう事か。名に恥じない、かなりのフルーツっぷりだ。

 

  「キャンプ場まで約2キロ。温泉の方が近いな」

  「さて、この場合…私達はどこに行ったものか」

  「①!まっすぐキャンプ場まで歩く!」

  「②。尻に根が張ってもた。もうちょいここに居る」

  「③……ほっとけや温泉で至福のひととき」

  「「「おんせーん」」」

 

  欲望に忠実なヤツらだ。

  ……ダメだ、居心地が良すぎる。あと5分だけならッ…いいよな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「笛吹公園…って、なんで露伴先生がいるんだよ」

  なでしこ…大垣千明と、犬山あおい。あいつら、あそこのキャンプ場に行ったのか。と、横に真顔で机に伏す露伴先生。なんでだ。

 

  そっか、露伴先生いるのか。

 

  ……………。

  さて、こちらも一休みしますか。丁度あそこにいい感じの山小屋が…ううっ、寒い。

 

  「いらっしゃいませー。お好きな席へどうぞー」

 

 

 

 

  「あれ?露伴先生、行かへんの?」

  「そういえば、ズッと私達に着いてくるのかな?キャンプ道具は持ってるみたいだけど」

  「まあ…満足そうなカオしてるし、いいんじゃあねーの?」

 

 NEXT CAMP

「ざるそばで頼む」

「温玉あげだけ買ってこ!」

「これがピンクダークの少年に活かされる…のか?」

「煮込むだけ…だな」

「夜景、見に行こ!」

 エピソード#A(3,2)=A(2,A(2,A(3,1)))=29:二人ノヤケイ

 

 To be Continued…




今回、とーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっても回りくどい書き方をしているので、ボリュームがお徳用うまい棒のシュガーラスク並となっています。
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