ゆるキャン△ 〜岸辺露伴は止まらない〜   作:苗根杏

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今この前書きを書いてるのは夜中なんです。私はゆるキャン△とジョジョの原作を手元に置いて、この小説を書いてるのですが、ジョジョでトニオさんの飯テロをくらって、お腹が減ったんです。ゆるキャン△に逃げたら、これまた肉焼いてやがんの。

そうか、この2つは唐突な飯テロという共通点があるのだと。そしてジョジョ、ゆるキャン△、どちらも大体野宿をする。つまりジョジョはゆるキャン△。嘘ですごめんなさい。


エピソード#x-y=1(x,y=mn),x=9:焼肉ノススメ

「昆布ダシつゆに、にんじん、はくさい、長ネギ、とうふ一丁と…塩をすり込んだ鱈を2〜3切れ入れて、フタをする」

「スープってか、がっつり鱈鍋だな」

「焼肉がメインだから、具は少なめだよー」

「……その焼肉が今、炭になろうとしているんだが?」

「あーっ!?豚串がファイヤーしちゃってる!」

「あちあち、あちち。あぶねー…」

「火が強いんじゃあないか?」

 

 炭火のグリルでは、場所ごとに炭の量で火力を調整する…らしい。今みたいに寒い季節、特に夜は皿に出した肉が冷めてしまうので、炭の少ないところを作って保温をするんだとか。

 

 全く、この地球上の砂の粒より多いサイトのひとつだけで、ここまで有益かつ実用的(あくまでキャンプにハマった、いち個人の感想だがな)な情報が得られるなんて。最初から最後まで、蛇の男に感謝だな。

 

「大分暗くなってきたねー」

「うん。やっぱこう暗くなると…っくしゅん」

「寒くなって…へくしっ」

「……………………」

 

 なんだこいつ。絵本にこんな奴がいたな。森の妖精みたいな奴。…取材で買ったんだぞ、絵本は。

 

「出たな怪人ブランケット」

 

 ああ、仮面ライダーか……仮面ライダーか?

 

「せんせーとリンちゃんの分もありますぜ」

「つまり?」

「身体に巻け…と言うのか」

「暖まりたくないの?」

「ここは有難く!」

「包まらせていただきます!」

「ふっふっふ、こうやって仲間を増やすのだ…」

 

 そろそろかなー?と、なでしこが鍋のフタを開けた途端、さっきまで冷え冷えとした空気の辺り一面に広がる、鱈鍋のいい匂い。

 

 瞬間、自分の顎下腺が目を覚ます。同時に発声器官を持たない舌下線は、感嘆の声の代わりに、唾液を1滴、また1滴と分泌する。

 

「おお……」

「よし煮えてる!プチ鱈鍋スープかんせー!」

「こっちの焼肉も出来たね」

「さて」

「食べよー!」

 

 なでしこと意気投合して(こんなの嬉しくもないが)箸を伸ばそうとしたが、何故か慌ててリンくんがそれを止める。

 

「あ、待って。2人とも」

「ン?」

「んーん?」

「これさあ、さっきの……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う"〜」

「めっちゃ飲んだね、お姉ちゃん…はい水」

 

 なんだ、あの酔いどれ…とと。隣には焼き鳥の救世主がいるな………カップルか?酒を思い切り飲んだり、恋人同士で来たり…ああいう楽しみ方もあるんだな。

 

 しかしかなり飲んでいるぞ。ウィスキー、日本酒、ブランデー…色々な種類の瓶で、壁が出来てやがる。

 

 で、今からするのが、ぼく達が食べる前に提案したリンくんの案だ。

 

「あのー!」

「こ、こんばんは〜」

「ああ!さっきの…いらっしゃい!」

「それなんですが。さっきはありがとうございました……」

「で」

 

 紙の皿によそられた、二人分のスープとねぎま。

 

 リンくんが提案したものとは、さっきお世話になった焼肉の救世主と、その彼女に料理を届ける事だったらしい。いい匂いで話が頭に入ってこず、訳も分からず皿にスープを入れていたので、ようやく頭の中で話がまとまった。

 

「よかったら、お二人でどうぞ」

「あ、それならこっちも…ほら!」

 

 焼肉の救世主が差し出したのは、鍋の中で湯気をたてながら匂うジャンバラヤだった。

 

 

 ジャンバラヤ・・・米料理の一種。スペインのパエリヤが起源とされていて、最近ではよく大きな鍋で炊いて、家族や友達で囲んで食べる。みじん切りのパセリを乗せると、けっこう美味〜い。

 

 

「いい匂い…♡」

「よだれ拭け。こんなに頂いていいんですか?」

「いいのいいの、多く作りすぎちゃったから」

「ありがとうございます!」

「ちょっとォ〜アンタ達ッ!!」

 

 げ、酔っ払い。

 

「これも持っ「あ、ああ。酔っ払いは気にしなくていいから」うぃ〜…っく、はぐはぐ」

「ありがとうございましたー!!」

「こちらこそ、ありがとね……お礼くらい言いなよ、姉ちゃん…」

「ん?」

 

 お姉ちゃん…?そういう趣味なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ポン酢を忘れてきた相変わらずのなでしこを横目に、なくても充分うまいじゃあないか、とリンくんが豚串のせご飯(麦飯)と共に平らげる。

 ああ…幸せだ。脂と糖、肉と米ほど合う食べ物は、そうそう無いぜ。質素にも思えるが、このくらいがキャンプ飯にはちょうどいい。夜の森に、肉の焼ける音と、雑談の声が響く。

 

「ここって、ボートで荷物運びできるんだ」

「え!!そうなの!?」

「ふむ、さっき乗ったやつか?」

 

 こういう物珍しいことを目の当たりにした時、取材の二文字が頭に浮かぶのは、決して悪くはない職業病だと思う。

 

「ほら」

「ほんとだー!」

「1時間500円だぞ、リンくん」

「………え゛。乗るんすか」

「リンちゃ「寒いからやだ」えー?帰り、一緒に乗ろうよー」

「そ、そうだぜ。案外悪くないかもしれない…」

「ううっ、露伴先生まで……でも三人+荷物はキツくないか?」

「じ、じゃあ往復しよう!」

「やだ」

「ボート、1つしかないんだよな」

「池が小さいからね!よーし、最後は炭火焼きハンバー「いや食べ過ぎだr…うっぷ」あれ?もうお腹いっぱい?」

「お前とは違うんだよ、ぼく達は」

「えへへ〜」

「褒めてないッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「食べたー!」

((食べすぎた…))

 

 もう水しか飲めない。飲むものに、1カロリーでもあったら飲めないくらいだ。軽く明日の朝までもつくらいのカロリーを摂取したぞ。

 

「火、消えないね」

「ここにさっき拾った薪を…っと」

「焚き火か」

「あったかい…」

 

 なでしこの故郷の話を聞いた。

 

 静岡の浜松、浜名湖のすぐ近くにある街に住んでいたらしい。天気が良ければ、その街からも富士山が見えるというが、望遠鏡で覗くのがちょうどいいくらいに小さいのだそうだ。山梨に引っ越してくる途中で寝てしまったことから、道中には大きな富士山を見ることが出来なかったらしく、新居に着いてすぐに自転車を出して本栖湖まで来た…は、いいものの、目前のトイレ横で寝ていたんだとか。それからはぼくの知っている通りだ。

 

 車で寝ていなかったら、ぼくはコイツに出会えなかったのかもしれない。

 

 何故こんな事が、脳内にふと浮かんだのかは分からない。いや違う。疑問に思うのがおかしいのだ。至って普通な疑問だろう?そんなifの可能性を考えるのなんて、ありふれた思考だ。ああ、今日一日疲れたからだな。ゆっくり休もう…。

 

「ふぁぁ」

「眠そうだね」

「ん、だいぶ」

「そろそろ寝るか?」

「うん!あ、リンちゃん!せんせー!一緒のテントで寝よー!」

「断る」

「狭いだろ」

「牛のお化け出たら怖いよぉ〜……」

 

 ぼくとリンくんの防寒着の袖を引っ張り、必死に引っ張るなでしこ。しかしぼくのテントは一人用…この前だってギュウギュウの状態で寝たじゃあないか。

 

「なでしこ。お化けや妖怪だの騒いでるが、そんなの無いぜ。ファンタジーやメルヘンじゃあ無いんだからな」

「何言ってるのさ!露伴せんせーも見たでしょ、牛のお化けのやつ!人をとって食べちゃうんだよ!?」

「ああ。しかし牛鬼っていうのは『伝説』、ただそれだけだ」

「教えて貰わなくたって知ってるよ!いい、この場合だよ!今の場合を言ってるのっ!この暗い森の中!」

「ないな」

「せんせぇ〜っ!!」

「あ、あー。なでしこ。化粧水で顔洗っとけ」

 

 うまくリンくんが話を逸らしてくれた。焚き火で肌が荒れると聞いたことはあるが、ぼくはそれ程気にしていなかったな…後で借りてこよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜、何かを吐くような呻き声と、若い女の泣き声が聞こえたそうだ。

 

 翌朝。

 

「……………」

「うへへ」

「……フン」

 

 なんだよ。結局、二人仲良く寝ているじゃあないか。マッ!このぼくが介入するまでもなく、コイツらがイチャイチャするのは分かっていたがな。

 

 でなきゃ、こうやってキャンプに来ることも無いだろう?

 

 そういう事さ。

 

 

 

 

 だとしたら、ぼくはどうなるんだろう。

 

 NEXT CAMP???

 NEXT HUNT

「すまない、風邪みたいだ。熱が40度近くあるし、目眩と吐き気が止まらない」

「来たでー先生♪」

「ケッ、ここまで来たんだ、ぼくのファンとして『取材』の一環として部屋に上げるのはいい。だがッ!『看病』というのは、どうしても腑に落ちんッ!」

「じゃあ…はい、あーん」

「ふざけるんじゃあないぜ犬山あおい……」

 

 エピソード#1+2+4+7+14=28:犬子パスタ!?




ジョジョ8部に出てくるイタリアのスゥイーツ『ロマノフ』を作りました。最近は料理にハマっており、調理実習を除けば甘いものを作るのは初挑戦です。どや?(豆銑礼ムーブ)

結果としては、成功。とても美味しかったです。ジョジョは唐突にレシピを紹介してくれるのが、千個以上あると言われている魅力のひとつでもあります。

そういえば露伴先生の短編小説が出ましたね。リゼロの一番くじに浪費してしまったので、また今度、資料としても買いたいです。推しはペテルギウス。
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