そうか、この2つは唐突な飯テロという共通点があるのだと。そしてジョジョ、ゆるキャン△、どちらも大体野宿をする。つまりジョジョはゆるキャン△。嘘ですごめんなさい。
「昆布ダシつゆに、にんじん、はくさい、長ネギ、とうふ一丁と…塩をすり込んだ鱈を2〜3切れ入れて、フタをする」
「スープってか、がっつり鱈鍋だな」
「焼肉がメインだから、具は少なめだよー」
「……その焼肉が今、炭になろうとしているんだが?」
「あーっ!?豚串がファイヤーしちゃってる!」
「あちあち、あちち。あぶねー…」
「火が強いんじゃあないか?」
炭火のグリルでは、場所ごとに炭の量で火力を調整する…らしい。今みたいに寒い季節、特に夜は皿に出した肉が冷めてしまうので、炭の少ないところを作って保温をするんだとか。
全く、この地球上の砂の粒より多いサイトのひとつだけで、ここまで有益かつ実用的(あくまでキャンプにハマった、いち個人の感想だがな)な情報が得られるなんて。最初から最後まで、蛇の男に感謝だな。
「大分暗くなってきたねー」
「うん。やっぱこう暗くなると…っくしゅん」
「寒くなって…へくしっ」
「……………………」
なんだこいつ。絵本にこんな奴がいたな。森の妖精みたいな奴。…取材で買ったんだぞ、絵本は。
「出たな怪人ブランケット」
ああ、仮面ライダーか……仮面ライダーか?
「せんせーとリンちゃんの分もありますぜ」
「つまり?」
「身体に巻け…と言うのか」
「暖まりたくないの?」
「ここは有難く!」
「包まらせていただきます!」
「ふっふっふ、こうやって仲間を増やすのだ…」
そろそろかなー?と、なでしこが鍋のフタを開けた途端、さっきまで冷え冷えとした空気の辺り一面に広がる、鱈鍋のいい匂い。
瞬間、自分の顎下腺が目を覚ます。同時に発声器官を持たない舌下線は、感嘆の声の代わりに、唾液を1滴、また1滴と分泌する。
「おお……」
「よし煮えてる!プチ鱈鍋スープかんせー!」
「こっちの焼肉も出来たね」
「さて」
「食べよー!」
なでしこと意気投合して(こんなの嬉しくもないが)箸を伸ばそうとしたが、何故か慌ててリンくんがそれを止める。
「あ、待って。2人とも」
「ン?」
「んーん?」
「これさあ、さっきの……」
「う"〜」
「めっちゃ飲んだね、お姉ちゃん…はい水」
なんだ、あの酔いどれ…とと。隣には焼き鳥の救世主がいるな………カップルか?酒を思い切り飲んだり、恋人同士で来たり…ああいう楽しみ方もあるんだな。
しかしかなり飲んでいるぞ。ウィスキー、日本酒、ブランデー…色々な種類の瓶で、壁が出来てやがる。
で、今からするのが、ぼく達が食べる前に提案したリンくんの案だ。
「あのー!」
「こ、こんばんは〜」
「ああ!さっきの…いらっしゃい!」
「それなんですが。さっきはありがとうございました……」
「で」
紙の皿によそられた、二人分のスープとねぎま。
リンくんが提案したものとは、さっきお世話になった焼肉の救世主と、その彼女に料理を届ける事だったらしい。いい匂いで話が頭に入ってこず、訳も分からず皿にスープを入れていたので、ようやく頭の中で話がまとまった。
「よかったら、お二人でどうぞ」
「あ、それならこっちも…ほら!」
焼肉の救世主が差し出したのは、鍋の中で湯気をたてながら匂うジャンバラヤだった。
ジャンバラヤ・・・米料理の一種。スペインのパエリヤが起源とされていて、最近ではよく大きな鍋で炊いて、家族や友達で囲んで食べる。みじん切りのパセリを乗せると、けっこう美味〜い。
「いい匂い…♡」
「よだれ拭け。こんなに頂いていいんですか?」
「いいのいいの、多く作りすぎちゃったから」
「ありがとうございます!」
「ちょっとォ〜アンタ達ッ!!」
げ、酔っ払い。
「これも持っ「あ、ああ。酔っ払いは気にしなくていいから」うぃ〜…っく、はぐはぐ」
「ありがとうございましたー!!」
「こちらこそ、ありがとね……お礼くらい言いなよ、姉ちゃん…」
「ん?」
お姉ちゃん…?そういう趣味なのか?
ポン酢を忘れてきた相変わらずのなでしこを横目に、なくても充分うまいじゃあないか、とリンくんが豚串のせご飯(麦飯)と共に平らげる。
ああ…幸せだ。脂と糖、肉と米ほど合う食べ物は、そうそう無いぜ。質素にも思えるが、このくらいがキャンプ飯にはちょうどいい。夜の森に、肉の焼ける音と、雑談の声が響く。
「ここって、ボートで荷物運びできるんだ」
「え!!そうなの!?」
「ふむ、さっき乗ったやつか?」
こういう物珍しいことを目の当たりにした時、取材の二文字が頭に浮かぶのは、決して悪くはない職業病だと思う。
「ほら」
「ほんとだー!」
「1時間500円だぞ、リンくん」
「………え゛。乗るんすか」
「リンちゃ「寒いからやだ」えー?帰り、一緒に乗ろうよー」
「そ、そうだぜ。案外悪くないかもしれない…」
「ううっ、露伴先生まで……でも三人+荷物はキツくないか?」
「じ、じゃあ往復しよう!」
「やだ」
「ボート、1つしかないんだよな」
「池が小さいからね!よーし、最後は炭火焼きハンバー「いや食べ過ぎだr…うっぷ」あれ?もうお腹いっぱい?」
「お前とは違うんだよ、ぼく達は」
「えへへ〜」
「褒めてないッ」
「食べたー!」
((食べすぎた…))
もう水しか飲めない。飲むものに、1カロリーでもあったら飲めないくらいだ。軽く明日の朝までもつくらいのカロリーを摂取したぞ。
「火、消えないね」
「ここにさっき拾った薪を…っと」
「焚き火か」
「あったかい…」
なでしこの故郷の話を聞いた。
静岡の浜松、浜名湖のすぐ近くにある街に住んでいたらしい。天気が良ければ、その街からも富士山が見えるというが、望遠鏡で覗くのがちょうどいいくらいに小さいのだそうだ。山梨に引っ越してくる途中で寝てしまったことから、道中には大きな富士山を見ることが出来なかったらしく、新居に着いてすぐに自転車を出して本栖湖まで来た…は、いいものの、目前のトイレ横で寝ていたんだとか。それからはぼくの知っている通りだ。
車で寝ていなかったら、ぼくはコイツに出会えなかったのかもしれない。
何故こんな事が、脳内にふと浮かんだのかは分からない。いや違う。疑問に思うのがおかしいのだ。至って普通な疑問だろう?そんなifの可能性を考えるのなんて、ありふれた思考だ。ああ、今日一日疲れたからだな。ゆっくり休もう…。
「ふぁぁ」
「眠そうだね」
「ん、だいぶ」
「そろそろ寝るか?」
「うん!あ、リンちゃん!せんせー!一緒のテントで寝よー!」
「断る」
「狭いだろ」
「牛のお化け出たら怖いよぉ〜……」
ぼくとリンくんの防寒着の袖を引っ張り、必死に引っ張るなでしこ。しかしぼくのテントは一人用…この前だってギュウギュウの状態で寝たじゃあないか。
「なでしこ。お化けや妖怪だの騒いでるが、そんなの無いぜ。ファンタジーやメルヘンじゃあ無いんだからな」
「何言ってるのさ!露伴せんせーも見たでしょ、牛のお化けのやつ!人をとって食べちゃうんだよ!?」
「ああ。しかし牛鬼っていうのは『伝説』、ただそれだけだ」
「教えて貰わなくたって知ってるよ!いい、この場合だよ!今の場合を言ってるのっ!この暗い森の中!」
「ないな」
「せんせぇ〜っ!!」
「あ、あー。なでしこ。化粧水で顔洗っとけ」
うまくリンくんが話を逸らしてくれた。焚き火で肌が荒れると聞いたことはあるが、ぼくはそれ程気にしていなかったな…後で借りてこよう。
その夜、何かを吐くような呻き声と、若い女の泣き声が聞こえたそうだ。
翌朝。
「……………」
「うへへ」
「……フン」
なんだよ。結局、二人仲良く寝ているじゃあないか。マッ!このぼくが介入するまでもなく、コイツらがイチャイチャするのは分かっていたがな。
でなきゃ、こうやってキャンプに来ることも無いだろう?
そういう事さ。
だとしたら、ぼくはどうなるんだろう。
NEXT CAMP???
NEXT HUNT
「すまない、風邪みたいだ。熱が40度近くあるし、目眩と吐き気が止まらない」
「来たでー先生♪」
「ケッ、ここまで来たんだ、ぼくのファンとして『取材』の一環として部屋に上げるのはいい。だがッ!『看病』というのは、どうしても腑に落ちんッ!」
「じゃあ…はい、あーん」
「ふざけるんじゃあないぜ犬山あおい……」
エピソード#1+2+4+7+14=28:犬子パスタ!?
ジョジョ8部に出てくるイタリアのスゥイーツ『ロマノフ』を作りました。最近は料理にハマっており、調理実習を除けば甘いものを作るのは初挑戦です。どや?(豆銑礼ムーブ)
結果としては、成功。とても美味しかったです。ジョジョは唐突にレシピを紹介してくれるのが、千個以上あると言われている魅力のひとつでもあります。
そういえば露伴先生の短編小説が出ましたね。リゼロの一番くじに浪費してしまったので、また今度、資料としても買いたいです。推しはペテルギウス。