「何してんの?」
八幡がいつものように奉仕部に向かうと雪ノ下と由比ヶ浜が部室を覗き込んでいた。
「きゃ!?……驚かさないでくれれかしら?」
「あっ、ヒッキー!」
2人が言うには部室に見知らぬ男がいるらしい。
「誰だ?………はぁ」
八幡は中を見て人物を確認すると盛大にため息をついた。
「大丈夫な奴だから入ろうぜ」
八幡は気怠げにそう言うと部室に入っていき、雪ノ下と由比ヶ浜も続いた。
「何してんだ?」
「おぉ!来たか我が師であり最強の友よ!」
「あなたの知り合いかしら?」
「遺憾ながらな」
2人のやり取りを見た雪ノ下が八幡に聞くとげんなりしながら答える八幡。
「ふっふっふっ、話は聞いているぞ八幡!お主は我の願いを叶える義務があるとな!!」
材木座がそう言うと雪ノ下が一歩出て
「依頼はその変な喋り方を治すということで良いかしら?」
「え、あ、いや……違います」
「キャラ崩れるのはえーよ……」
雪ノ下に話しかけられ、あっさりキャラ崩壊する材木座を見て呆れた八幡。
「雪ノ下、そいつは中2病と言ってだな……」
そして八幡が中2病について説明すると
「なるほど、妄想と現実の区別がつかないと……」
「うわぁ……」
「まぁ、そう言う感じだ」
雪ノ下は哀れみの目を向け、由比ヶ浜は引いていた。そしてその説明で既に瀕死な材木座だったが気をとりなおすと
「我の依頼はこれだ、八幡!」
そう言うと材木座は紙束を出した。
「これは何かしら?」
「これは我の「普通に話してくれないしら?」……僕の書いた小説です、はい。」
「それを読んでこいと……」
「その通りであ……はい、そして感想ください」
雪ノ下にひと睨みされ、萎縮しつつも材木座は依頼を話した。
「わかったよ、ただ感想ならインターネットでも良いんじゃねーのか?」
「いや、あいつら容赦ないし」
その材木座の言葉に、雪ノ下のが容赦ないだろうなと八幡は思ったが口には出さなかった。そして奉仕部3人は材木座の原稿をコピーし各自持ち帰ることとなった。
「そうだ、八幡よ」
「どうした?」
帰りに材木座が八幡に話しかけてきた。
「たまには玉狛にも来いと木崎さんが呼んでおったぞ。というか小南嬢が腕試しができないと、我に憂さ晴らしを……」
そう言い遠い目をする材木座に
「あぁ、すまなかったな。近々行くと伝えといてくれ」
「絶対だぞ!それに我の修行の相手もしてもらわねばな!!」
それだけ伝えると材木座も帰っていった。
そして翌日、八幡は眠たい目をこすりながら奉仕部にきていた。
「では感想を聞かせていただきたい」
全員が集合すると材木座がそう切り出した。
「では私から……つまらなかった。読むのが苦痛ですらあった。」
そこからダメ出しがしばらく続き
「っぅぐ、次を……」
「えっとつぎは私かな?……む、難しい字をたくさん知ってるね!」
材木座に促され由比ヶ浜はてきとうにそう言うと
「最後は俺だな」
縋るような視線の材木座にたいし
「で?これは何のパクリだ?」
「ぐはっ!!」
八幡の言葉がトドメになり、材木座は崩れ落ちた。
「みな、ありがとう……また読んでもらえるだろうか?」
おもむろに立ち上がると材木座がそう聞くと
「つぎはもっと文法からしっかりしてほしいわね」
「ヨ、読むかも?」
「まともなの書いて来いよ」
材木座はそれを聞くと
「ありがとう、皆の者!我の次回作を楽しみにするが良い!!ではさらばだ!」
そう言うと材木座は出て行った。
「これで良かったのかしら?」
「本人が満足したんだから良いんじゃねーの?」
雪ノ下の疑問にそう答える八幡だった。