「こんにちは、鬼怒田さんいます?」
ある日の放課後、八幡はボーダー本部の開発室に来ていた。
「おぉ、来たか八幡!専用トリガーの試作が出来たからテストだ」
そこに身長の低いおっさんがやってきた。見た目こそちんちくりんな感じもするがボーダー本部の開発室室長を務める凄腕の技術者である。
「あれ、出来たんすね」
「まだ試作段階だがな。まぁ、それはそうと……最近の学校はどうなんだ?部活にも入ったのだろう?」
テストルームに向かう道すがら、鬼怒田はそう聞きだした。
「問題ないですよ、部活も平和だし。それに部員が知らない人じゃなかったですし」
「そうか、わしも小町も学校じゃ1人じゃないかと心配しておったからな。今度の部活は良い機会だったわい」
そう言い笑う鬼怒田。鬼怒田は八幡が荒れていた時に諭してくれた人物である。それから八幡は鬼怒田に深い恩を感じている。
「それでだ、お主の専用トリガーだが……遠征などで使うのはワシは正直反対じゃ」
1つのトリガーを持ってきた鬼怒田はそう言う。
「でも今のノーマルトリガーだとトリオンの持ち腐れすからね」
余りにも膨大なトリオンを持つ八幡は最大で
も8つしかトリガーを使えない状況に限界を感じていたのだ。
「まぁせっかく作ったのだから、試してみるか」
そして鬼怒田からトリガーを受け取った八幡はテストに向かう。
1時間くらい試した結果
「うーむ、やはりまだまだじゃな」
「そうすね、でもこれ完成すれば存分に戦えそうです」
試作トリガーを実際に動かすと色々と問題が出てきたのだ。
「うむ。今日はこれで終いじゃ」
「ありがとうございました。じゃあ俺はこれで」
そして開発室を出て行き、とある場所に向かった。
「こんばんは〜」
「あ、お兄ちゃん!!」
とある建物に入ると八幡を兄と呼ぶ少女、妹の比企谷小町が出迎えた。
「あ、八幡くん。いらっしゃい」
その後ろから女性も出てきた。
「ゆりさん、久しぶりっす。」
女性は林藤ゆり、玉狛支部の支部長の姪である。
「ふふ、お茶にしましょうか」
「あ、はい」
そう言うゆりに着いて行く八幡。
「お兄ちゃん、今日は大忙しだよ!」
八幡の隣に来て小町が不穏な事を言い出す。
「は?」
「あ!八幡!あんた来てたのね!」
そこに燃え尽きたようになっている材木座を引きずって少女がやってきた。
「小南、もう少し手加減してやれよ……」
燃え尽きた材木座を見て顔を引きつかせながら言う八幡。
「うちと関わるなら弱いままだと困るのよ。こっちまで弱いと思われたらムカつくじゃない」
「気持ちは分かるけどな……」
「じゃあ、あんたが弟子にして面倒みなさいよ」
「断る」
小南の提案を即座に却下する八幡。
「え?酷くない?八幡」
そう涙を流しながら言う材木座だが、2人からは無視され
「まぁ、小南の憂さ晴らしには付き合ってやるよ」
「そうこなくっちゃね!」
そして小南は嬉しそうにトレーニングルームに向かい、八幡はやれやれと付いていった。
「くっ……やっぱり勝ち越せない」
「俺も訓練とかは欠かしてないからな」
10本勝負で7:3で八幡に負けた小南は悔しそうにしていた。
「比企谷くん!私たちにも稽古つけてよ!」
「陽乃さん、来てたんすね」
八幡に話しかけたのは雪ノ下陽乃だった。雪ノ下雪乃の姉であり八幡が事故にあった時に実家にすぐに八幡の事を知らせた人物である。
「私もいますよ!先輩!」
そこに一色も存在アピールする。
「雪ノ下隊、揃い踏みかよ」
雪ノ下隊……一応は本部所属のA級9位の部隊である。リーダーは個人総合8位の『オールラウンダー雪ノ下陽乃』である。それに『攻撃手、材木座義輝』と『スナイパー 一色いろは』。そして『オペレーター 比企谷小町』の4人で構成されている。
「小町が忙しくなるって言ってたのはこれか……」
そうボヤく八幡に小町は二ヒヒっとイタズラぽい笑みを浮かべたのだった。
雪ノ下隊、俺ガイル原作知ってると異色な部隊すね。