キズナトーク 「初めましてをもう一度」
指定キャラクター:レックス、メレフ、アサヒ、スザク
場所:アーケディア セイリリオス広場
レックス「じゃあ、呼ぶけど――準備はいい?」
アサヒ「ま、待って! やっぱりちょっと待って!」
レックス「そうは言ったって、ずっとこのままな訳にはいかないだろ?」
アサヒ「そうなんだけど、心の準備が……!」
メレフ「お前たち、何をしているんだ?」
レックス「あ、メレフ。実はさ、アサヒにスザクを会わせようと思ってるんだけど――」
メレフ「スザクというのは、レックスのブレイドだろう? まだ顔合わしていなかったのか?」
レックス「みんなと一緒に顔合わせは簡単にはしたよ。でも、アサヒは前からスザクと仲が良かったし、ちゃんと挨拶しておいた方がいいと思ってさ」
メレフ「殊勝な心掛けだな。しかし、アサヒはなぜ、そのスザクに会うのに躊躇っているのだ?」
アサヒ「………………」
レックス「スザクの前のドライバーって、傭兵団の元団長でさ。アサヒはその傭兵団の出身で特にその団長――ヴァンダムさんっていうんだけど、その人と親子みたいに仲が良かったんだ。
少しの間だけど一緒に旅したこともあって、その旅の途中にホムラを狙ったイーラ達とカラムの遺跡で戦った時、まだ戦い慣れてない俺たちを、その人は命懸けで守ってくれたんだ。その時にヴァンダムさんは深手を負ってスザクとの同調が切れて……。アサヒのおかげで何とか一命は取り戻したんだけど――」
アサヒ「ヴァンダムさんは、左手を動かせなくなったんです……。あの時私が、すぐに動けて治療できていたらって思うと、スザクにどんな顔して会えばいいのか、どんなお話をしていいのか、分からなくなっちゃって……」
レックス「………………」
メレフ「………………」
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メレフ「なんと声をかけるべきだろうか」
→「確かに、アサヒの気持ちは分からなくはない」
→「君の知るスザクは、そういったことを気にするブレイドなのか?」
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メレフ「確かに、アサヒの気持ちは分からなくはない。親しい間柄であればあるほど、相手にどう接すればいいか分からずに、気後れする経験は私にもある」
アサヒ「メレフさんも……?」
メレフ「あぁ。だが、重要なのは過去ではない。今、アサヒがスザクとどうなりたいかが重要ではないか?」
レックス「メレフの言う通りだよ。アサヒはスザクと、どうなりたい?」
アサヒ「あ、えっと――。また、話せるようになりたい。コタローと、今度はトオノも一緒に笑って話がしたい」
メレフ「その気持ちがあるなら大丈夫だ。君の気持ちはきっと伝わる」
アサヒ「うん! ありがとう、メレフさん! ありがとう、レックス!」
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メレフ「君の知るスザクは、そういったことを気にするブレイドなのか?」
アサヒ「え……?」
メレフ「アサヒが不安に思う気持ちも分からなくはない。だが、スザク自身はどう思うだろう。自分の知らないところでそんな風に距離を取られている方が、よほど酷な気もするが」
アサヒ「………………」
レックス「アサヒ……」
アサヒ「私の知ってるスザクは、そんなこと気にした方が怒る気がします。でも、前と同じ風に接していいんでしょうか? 記憶もなくして、ドライバーも違うのに……」
メレフ「確かに記憶は無くしているかもしれない。だが、君の目から見て以前のスザクと今のスザクは何が違う?」
アサヒ「………。何も違わない――と思います」
メレフ「なら大丈夫だ。以前の通りに接すればいい。それをスザクが嫌だと言うなら、接し方を変えればいいだけだ。最初から完璧な対応をしようとしなくても、これから知っていけばいい」
アサヒ「そっか。最初から、完璧にしなくてもいいんだ……。ありがとう、メレフさん!」
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レックス「もう大丈夫?」
アサヒ「うん、大丈夫。お願い、レックス」
レックス「分かった。スザク!!」
スザク「呼んだか、ドライバー! ――ん? お前は確か楽園の……」
アサヒ「えっと、は、はじめまして――って、厳密にいえば違うんだけど。
あ、あの、スザク! 私、前のあなたを知ってて、その時もコタローと一緒に仲良くしてもらってたの……! だから! こ、今回も、仲良くして……! くれると、う、嬉しい……な……」
スザク「? お前、何を言ってるんだ?」
アサヒ「え、あ、えっと――」
スザク「わざわざ頼む必要なんてないだろう! 俺たちはもう仲間なんだからな、アサヒ!」
アサヒ「うん!!」
レックス「良かった、大丈夫みたいだ」
メレフ「あぁ、案ずるより産むが易しというのはこういうことを言うのだろうな」
レックス「あの二人、前みたいになれるよね?」
メレフ「きっと、大丈夫だろう。彼らなら――」
本編28話改変しました。
トオノは遠征に行ったことになりました。
次のキズナトークは誰のを書こうかな……。