木漏れ日の光が心地よく、滝から流れ落ちる水の音だけが岩間に響いている。
すがすがしい空気の中で、おばあは静かな自然をを満喫しながら、森林浴を楽しんでいた。
(ここは秘密の場所じゃから、キジムナーにも内緒なんじゃ。
隠れてバイトしてるってわかったら、こっぴどく怒られるからねぇ。)
おばあはキジムナーに内緒で手紙相談のバイトを受けていた。
本来ならボランティアで行いたいところではあるのだが、それをやってしまうと際限なく
送られてきてしまい、処理に困ってしまうため、少々のお金をいただくことにしていた。
(どれどれ・・・2018年の相談だね。好きな人がいて、とりあえず間接的に
気持ちは伝えたつもりだが、相手の気持ちはわからない。このままあきらめるべきかどうか。
ふぅむ、なるほど・・・いっそ相手に聞いてしまえば、気持ちも楽になるだろうに
状況や相手の事を考えるとなかなかそうもいかないわけだ。
簡単にくっついては離れるこの現代にしちゃあ、めずらしい相談だ。
本人も相手も奥手で真面目なんだろうねぇ。だって、もしこの女子の気持ちをわかって
もてあそぼうと思ったら、近づいていって気持ちを利用する男もいるからね。
まぁ、この女性は自分の考えをしっかり持っているようだし、そういう男には惹かれないんだろうね。だからこそ相手に聞けなくて悶々としているわけか・・・)
おばあは、自分の経験と重ね合わせたのか、この相談案件に妙に興味を
そそられたようだ。
(ん?相手の様子を心配しているようだね。顔色が良くなかったけど、仕事で大変じゃないか?ストレス抱えすぎていないか、無理していないか・・・
そうか・・・本当に心配しているようじゃな。確かに、大丈夫ですか?
なんて、声をかけられればいいけど、本当に気になっていると
声もかけられないわな・・・近くにいて一緒に仕事でもしていれば
なんらかの援助はしてあげられるだろうにのぉ。
どうやって相手に今の自分の気持ちを伝えたらよいかってのが、気になるところじゃろうけど無理に押しつけたりするのもいやなのか・・・
そんな気持ちを相手もわかってくれていると、思うがなぁ。
とりあえず見守ってあげるしかないな。
ただ、相手がなにかヘルプサインを出したり、はき出したそうにしていたら
遠慮なく出してくださいオーラは出しておいた方がよいな。
がんばれ。いつか必ずその気持ちが伝わって自由にやりとりができるように。
また、ツーショットになれたら、直接はっきり伝えたいようじゃから
チャンスがめぐってくるように。
おばあがおまじないを送っておくから。)
おばあのおまじないはよく効く。それをもらうと、なんだかすっきりして
結果がどうであれ、心が落ちつくらしい。
おばあは、おまじないを込めた葉っぱを、相談者の女性に異空間電送した。
一仕事終えて、ゆっくりしていたら、急に橙とえん・まこのことを思い出した。
えん・まこは小さいときから愛らしくて元気な子だった。
きじむなーとできれば仲良くしてほしいところだが、橙が消えた経緯を知ってしまったら、あの子のことだから、リベンジに行くとか言いかねない・・・それがおばあの心配事だった。
できれば、えん・まこがいる前で、事情を話し、今はえん・まこもすべてを克服し幸せでいるということをしっかり伝えなければ、と思ったおばあだった。
「ん?なんだか、わさわさするよ。次の案件もなかなか難題な感じが伝わって
きたんじゃが・・・・」
そろそろキジムナーが案件整理を終える頃だと、おばあは西の山間に沈みはじめた夕日をみながら深呼吸をした。
あらっ。おばあったら、ちゃっかりバイトなんかしちゃってるんですね。
これって、申告外なのかしら?領収書なしでぇ~なんて言っちゃって、
申告してないとか??? まあ、こずかい程度なら非課税内ってことで
おとがめなしかもしれませんが、小説執筆などの報酬はちゃんと申告しないと
だめですよ!!
おばあのことだから、いろいろ何か手広くバイトしてそうですよね。
でも、キジムナーがしっかりしてるから、課税対象の報酬なら黙ってないでしょうから
心配ないとは思います。
お金は暮らせるだけあってお菓子が買えるぐらいなら十分な作者です。お金持ちは相続とか節税とか骨肉の争いとか大変みたいですから・・・私は、小さな幸せで十分です。<本当か?