そろそろ入梅の時期。
いろいろ気を付けないと食中毒が怖い季節である。
キジムナーやおばあは人間ではないにしろ
食中毒を起こしたものの残骸に触れたりすると
アレルギー症状を起こす。
そんなときは80度以上のお湯に
20分以上浸かると、だいたい滅菌されるが
活火山近くまで出向き、80度以上の源泉を探さねばいけないため
ちょっと不便を強いられてしまう。
「太郎、これ、除菌しておいて」
「うん。昨年はひどかったからね・・・・
僕がうっかり、カビた饅頭食べちゃって
それでのたうちまわっちゃったんだよね。」
「ただのカビならいいけど、虫が食べたところに
繁殖菌があったからのぉ・・・。解毒するのに
大変じゃったな」
「そうそう。まこちゃんが、Eらえもんさんのところにいって
『6次元ポケットから、瞬間滅菌スプレーください!同時に熱も
下がるらしいですから!』って、強引にもらってきちゃったんだよね」
「そうそう。まこの必死の看病で、太郎もすぐに回復してのぉ・・・
わしも解毒薬草を作っておったが、瞬間滅菌スプレーとは
思いつかなかったなぁ・・
6次元ポケットの存在すら、思い浮かばなかったよ」
「だよねえ。僕もびっくりしたよ。『6次元ポケットからだしてください!』
って、頼んじゃう発想がすごいよね」
「いやあ、さすがわしの姪娘じゃ。愛する人のためならなんでも
しちゃうってか、ひらめきが、天から降りてくるからのぉ」
「まこちゃんにはほんとーに感謝しているよ。
食中毒がらみの腹痛って、はんぱないからね」
「人間でも相当だからね。あたしら妖怪にとっては
痛みが倍増しちゃうから、厄介だ。めったなことじゃ
具合悪くならないんだけどね」
「だから、僕は梅雨がきらいだあ~」
「わしも、日本の夏、キンショールって
風情はすきじゃが、湿気があかん」
「そろそろそんな季節なんだよねー。おばあ。
おばあは今年の猛暑対策なにかある?」
「ない・・・・とりあえず、梅干しキープしてるぐらいかな」
「あー、大事だよね。疲れ取り、滅菌もあり」
「つくるの大変じゃから、最近は買ってるよ」
「いいんじゃない?おとなりのお国でも、リムチ漬をわざわざ
作ってるところって少なくなってるらしいよ。」
「この国も浅漬けぐらいじゃもんなあ。ぬか漬けとかやってるところ
あるの?」
「どろかけばーさんは、つくってるらしいよ。
このあいだ、通りがかったら、つくってたもん」
「どろかけなあ。あいつん家の畑はガーデニングの
お手本みたいな庭じゃからなあ。こんど、なんかかすめてくるか」
「かすめて・・・なんて、おばあったら。おばあの煮物とか
持ってったらいいじゃん。あと、最近はまってる
牛乳からつくる生乳キャラメルとか」
「ええー。あれ、自分で楽しむ為につくってるからあ~
人になんかあげたくないぃ~」
「せ、せこい・・・・。あ、そうだ
また案件あがってきてるよ」
「みたくない・・・・・」
「そうなんだよね。今回は、僕もあまりみたくないものばっかで」
「てか、そんなの浄化させたくないってのばっかじゃないか?
って、予想は立っておる」
「ん・・・・でもまあ、そうじゃないと地獄の
悪魂ばっかり増えちゃうから、少しでも多く浄化しないと・・・」
「はぁ・・・・この世から罪ってもんは
消える日がくるんだろうか・・・・」
「おばあ。それが僕らの仕事だからね。放置したら
消えるどころか、増え続けるから、なんとかしていかなくちゃ。
やっていくうちに、名案も生まれるだろうからね。
まこちゃんだって、そのうち強力な戦力になるから
おばあもがんばってよ!」
「へい・・・・・そうじゃな。やらなければ
悪くなる一方じゃからな。
無理せずちょっとずつやっていくとするよ」
「うん。ガス抜きも忘れずに!」
妖怪も無敵ではないようです。