おばあの水晶玉   作:coltysolty

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さて今回の案件はでっかーい大陸でのお仕事。キジムナーも一抹の不安を抱えるが、無事作業を終えることができるのか・・・


あーゆーれでぃ?あめりきゃんVol.2

パンパン!

バキュンバキュン!!!

ダダダダダ・・・・

 

乾いた銃声音が街中に響き渡る。

 

「ねぇ~太郎、帰ろうよぉ~、あたしやだあ、ここ」

 

「おばあさ、頼むから、はすっ葉声で甘えるの止めてくれる?いやでも案件処理しなくちゃいけないの!透明盾あるから大丈夫なんでしょ?」

 

「ん~。わかんない。しばらく使ってないもん」

 

「え゛~!!!!大丈夫っていったじゃん!!」

 

「よくよく考えたら、前回つかったのって100年ぐらい前だったかな~って。それって、最近じゃないじゃん?」

 

「おばあ、今頃気づかないでよ・・・もう。なんとかするしかないよ。この後、例の連続殺人犯は警官に射殺されるんだから。そこまで行ってあげないと」

 

「もうさー、臨終直前に改心しようって思うんじゃなくてさー、もっと前に気づこうよーーー」

 

「おばあ、それは理想論ね。それができるなら、この世から犯罪や悪はなくなるでしょ!もう、今更なに言ってんの」

 

「そりゃあそうなんだけどさーーーー。ここの国って、ヤソリックじゃなくて、フロヘスタントやん?だから、交渉ちゃんとできるかなー。あたし苦手なんだよねー。」

 

「おばあ、苦手とか言ってられないよ。救われたいって思ってるんだから、心で話せば通じる。人間として生まれたら、だれしも罪びとなんだよ、だから真実に心から悔い改めることで魂も救われるんだよっておばあがいってたんじゃないか!」

 

「そうだけどさーーーーなんか昔は問題こんなに難しくなかったよーな気がすんのよ・・・現代はいろいろ複雑でさーーーあたしの手に負えないんじゃないかと」

 

「おばあ?それでも僕たちの使命なんだから、やんなくちゃだめなのよ?わかる?おばあがちゃんとしないと、これから先も、永遠に生き続けることになるよ?」

 

「ええええ???そりゃあ困る。コラーゲンもほとんどないからの。女子にみえんさかい、いつまでも化け物でいるっちゅーのはいやじゃ!」

 

「でしょお?おばあも、かわいい女子として生まれ変わりたいでしょ?だから、今をがんばろうよ、ね?」

 

嫌がるおばあを、懸命になだめるキジムナー

 

「・・・・・しょうがないな。じゃ、いくとするか・・・びゅ!」

 

「え?おばあ?何なのあの人・・・・めっちゃ速いんだけど?待ってー!おばあ!」

 

 

流れ弾から素早く身をかわすと、おばあは瀕死状態の男の前にたどりついた。

 

リンリンリリーン

 

(あれ?鈴の音が現代西洋モード?まあいいや。脳死しちゃってるけど、心臓はかすかに動いているようだ。)

おばあは、倒れている男の顔を覗き込んだ。

 

 

「もしもし、おぬし?あ、英語じゃないとあかんの?大丈夫だよね?魂状態だったら、言語関係なく通じるよね?」

 

「OH・・・・Lady...Thanks」

 

「え?英語じゃん。あんた魂で話せないの?」

 

「あ、話せます・・・すいません、つい、嬉しくて。」

 

「よろしい。で、なんでまた改心しようと思ったの?こっちとしては、もっと早くに気づいて、大事になる前に、更生してほしかったわね」

 

「ごめんなさい。もう、荒れ果てて、すべてを恨んでました。で、警官に射殺される直前に後ろの方に、妹の姿が見えたんです。警官に保護されながら、私を説得しようとしたみたいで」

 

「ふむ。なるほどね。妹の姿をみた瞬間に己の愚かさを悟ったのだな?」

 

「そうです・・・誰も私のことなどわかってはくれない。私の味方など、だれもいないと・・・自暴自棄になっていました。しかし、目に涙をいっぱい溜めていた妹を見た瞬間に、自分のしたことを後悔したんです」

 

「なるほどねー。太郎、妹のデータちょうだい。・・・あー、妹と離れて暮らしてたのねー。だから、妹がどれだけ案じてたかってのも気づかなかったのね。妹さん、看護師さんめざしてたんだ?だから、都会の学校に行ってたのね」

 

「そうです。せめて妹はりっぱな看護師になってたくさんの人を救ってほしい・・・」

 

「そんで、なにを犠牲にする?魂の浄化には必要なんだけど?でないと天国いけないし生まれ変われないよ」

 

「・・・・・実は、僕が作った未発表のプログラムがあります。それがあれば、きっと医療に役立つかもしれません。ガン発見分析及び新薬作成プログラムです。できるだけ早い段階でガンを発見して、適切な新薬を速攻で作成し、治療法プランを出して、確実に投薬できるようなプログラムです。特許を取りそれを売って、お金にしようとしていましたが、無料提供致します。」

 

「太郎、それ使えるか、分析して」

 

「おばあ、データ、これです」

 

「ふむ・・・使えそうじゃな。それでは、そなたの魂を浄化層、わかる?プールみたいなとこね。層になってて、自動で振り分けられる。そこに入れたげるから、あとはどの国に生まれ変わるかわからないけど、しっかり修行するんだよ。Right?」

 

「Got it, thanks a million.」

 

ぼっちゃーん

 

体の大きさに比例して、魂もずいぶん重量があったようだ。銃殺された男の魂は、浄化層に入って行った。

 

 

 

***

 

「なーんかさ、やるせないよね。鉄砲でバンバン!って、あっさり死んじゃうんだもんね。命乞いするヒマもないわい。」

 

森の事務所に戻ってお茶をのみながら、おばあがぼやいた。

 

「あ!おばあ。お礼の手紙がきてるよ。目安箱に入ってたらしくて。例の悪代官さんの奥さんから。武家屋敷は売って、息子さんと借家にいるんだって。

 

そんで、寡婦手当と遺族年金で細々暮らしてますって。息子さんもお医者さんになって、貧しい人からは、お金を取らないって、評判のドクターになったみたいだよ。なんでも、旦那さんの代官が奥さんの夢にでてきて、おばあが助けてくれたから、そういう援助を受けられたんだよーって、教えてあげたみたい」

 

「そっか・・・それは良かった。悪代官は生まれ変わって、しっかり修行をしているようだからね。遺族にも恩恵があったんだろうね」

 

「まあ、こういうお礼の手紙が届くと、やる気が起きるね。」

 

「そうじゃな・・・次の案件は?」

 

「なんか、おばあ元気ないけど、大丈夫?次の案件は・・・・あ!サグラダのミリアさんだよ!」

 

「え???彼女、娼婦だったけど聖女認定されたんじゃなかった?とっくに浄化してるやん!なんでわざわざあたしが浄化しなきゃいけないの???」

 

「うーん・・・わかんない。ちょっと調べてみるね。わかったら教えるから、おばあ休んでて」

 

「りょーかーい」

 

こっそりもちかえったロリポップをぺろぺろなめながら、おばあはしばしの休憩をとるのであった。




さてさて、毎回忙しいおばあとキジムナーですね。

人はそれぞれ使命を持って生まれてきたと言われていますが、自分の使命ってなんでしょうね?

とりあえず目の前の仕事を片付けておきましょうかね・・・ふぅ

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