おばあの水晶玉   作:coltysolty

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一旦落ち込んでいたおばあ。しかし新案件、サグラダのミリアのデータをつかんだ途端にやる気が起きたようだ。さて、ミリアの望みは叶うのだろうか。


ラルドの聖布

おばあとキジムナーは、ラティマの丘に来ていた。

 

「あ~。和むわ~。ドッキュンだのダッダーンだの、あーゆーの、ほんと苦手。

なんで人間はあんなもの発明しちゃったんだろ。狩猟にだけつかってりゃいいのに

人殺しに使ったらあかんやん!!!」

 

おばあはいつになく熱い女と化していた。

ラルドの岩にたどりつくと、キジムナーとおばあの2人はミリアを探した。

 

「おばあ、あれ、ミリアさんじゃない?」

体中に亜麻布をまとった女性らしき人が岩陰に横たわっていた。

おばあは黙ってゆっくりと、その女性に近づいて行った。

 

「そなたが、ミリアさんだね?」

おばあは静かに、亜麻布の女性に声をかけた。

 

「はい、左様でございます。

遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。

ご存知のように娼婦を生業(なりわい)としていた罪はすでに告白をしておりましたが

 

うまづめであったことを隠しエススの妻となったことは隠しておりました。

しかし、エスス様の教えを広めるためには、一点の汚点も残しては

ならぬと思い至ったのでございます。

 

後の世の現代では、ヤソリックも衰退し、若い人が集まらなくなってしまったと

聞いております。

このままではヤソリックの存続の危機と思い、願いを出しました。」

 

かすれた声で懸命に心の内をつたえようとするミリア。

 

「殊勝やのぉ・・・。しかし、ミリアさんの言うとおりなんじゃ。現代では

テクノロジーが発達すればするほど、人の心が崩壊する傾向にあるんじゃ。

 

小さい子供から目と手を離すな、は、鉄則なのに、携帯に夢中になってる親や

ええとしこいた年寄りが、孫をつれて銀行などに来ていても、放置。

 

ああ、なげかわしい・・・教育の基本っちゅーもんが、崩れさってのぉ。

まあ、現代だからこうなったということもあるとは思う。ただ、こういう放置親は

自分も放置され、またその親も・・・なんじゃろうが、アナログ時代は

隣近所がそれをフォローしとったんじゃ。

 

今はそれがなくなってしもうたから、自ら積極的に社会性を持とうとしなければ

子供はKYのまま大きくなってしまうのじゃ。」

 

おばあは遠くを見ながら、世知辛い世を嘆いた。

 

「おばあって、たまーに、すんごくびしっと良いこと言うんだよね~

そういうとこ尊敬しちゃうんだけど」

 

キジムナーも感嘆する位、おぼあの講釈は愕くほど的を得ていた。

 

「それではそなたが捧げるものを聞くとしよう」

おばあがミリアに尋ねる。

 

「エススが臨終の際、血をぬぐった布があります。ラルドの岩水をふりかけ

この布で押さえると、不治の病は治ります。また、盲目の人は

目が開き、話せなかった人も声を出せるようになります」

 

「よろしい。ただし、罪を悔い改め、御心に従ったものにしか

その効力は発揮しない。それでよかろう?」

 

「はい、エススの12使徒もそれを切に望んでおりました。

どうか、彼らと私の願いが叶いますように」

 

そう、言うと、ミリアは静かに目を閉じた。

 

「よくわかった。そなたの十分すぎる尊い魂を、浄化層に捧げさせてもらう。

そなたの魂よ、永遠に平安あれ、アメン」

 

キラーン

 

ミリアの魂は、浄化層の水に反射してキラキラと光り輝いていた。

 

 

*******************

 

「おばあ。今回はさ、悔い改めさせるっていうより、僕らが考えさせられちゃったね」

 

「そうじゃな・・・」

 

と、言ったきり、おばあはだまりこんでしまった。

 

おばあは、外の空気を吸おうと、森に散歩にでかけた。

森林浴を終えて事務所に戻ると、えん・まこからのお届け物があった。

 

「おばさま、このあいだは、大根の煮物ありがとうございました!

とてもおいしかったです。お礼にココナツクッキーを焼きました。

ジムさんと召し上がってください!」

 

可愛らしい文字のカードがクッキーに添えられていた。

 

えん・まこは、現在は銀閣である閻魔大王の娘であるが

実は、おばあの妹である橙(だいだい)姫と金閣王の娘であった。

 

ある日、金閣が壺に飲み込まれてしまい、橙姫は夫を助けようと

壺の中に入っていこうとするが、その直前、ぎょ・はっかいに見つかり

食べられてしまう。

 

銀閣は金閣を助けようと壺に一旦は入るが、壺センサーのエラーで

銀閣だけはじかれてしまった。

 

金閣はいまだに壺の中。母親をなくした金閣の娘は

親が居なくなってしまったため、銀閣がひきとって育てた。

その娘が、えん・まこである。つまり、おばあの姪っ子にあたるわけだ。

 

そんな事情をしらないキジムナーは無邪気にえん・まこへの恋心を

募らせるが、おばあとしては複雑だった。

 

キジムナーが浄化行脚車を清掃し終えて戻ってきた。

 

「あれ?おいしそうなクッキーだね。どうしたの?」

 

「え?もらったんだよ・・・」

 

「だれから?」

 

「と、ともだち」

 

焦るおばあ。

 

「おばあの友達で、こんなこじゃれたクッキーつくる人いたっけ?

泥かけばーさんは、てびちとかこってりしたものしかつくらないし

塗り板は、刺身専門だもんな・・・」

 

「つべこべぬかしとらんと、食うたらよかと!」

 

「なんか、感じ悪いなぁ・・・はいはい、喜んでいただきます・・・

ムシャムシャ・・・う、うまっ!!食感はサクっとしてるけど

まったりとろけるような、ココナッツエキスが、お口の中に広がるわ・・・」

 

「おまえはテレビショッピングか」

 

「あ!来月はさ、休暇取っていい?えん・まこちゃんと、お花見したいんだよね」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「おばあ?」

 

「届け出しといて。考えとく」

 

「なんか変なんだよな・・・おばあ。最近。休暇中はおばあも休んでいいんだからね?充電しないとお互いにいい仕事できないしさ」

 

「わかったよ・・・温泉にでもつかってくるわ」

 

キジムナーとおばあは、しばしの休暇を楽しむ

あくまで「予定」である。

 

 




まこちゃん、おばあの姪っ子だったんですね。びっくり

それにしても働き過ぎは行けませんね。日本人はまじめだから、どうしても仕事中心になってしまいがちですが、日曜日ってもともと安息日といって、仕事をしたらいけない日なんだそうです。
ユダヤ教でいう土曜日で、キリスト教(西洋暦でいう)の日曜日ですね。

フランスもほぼカトリックですが、バカンスといって1ヶ月ぐらい休暇を取るそうです。1ヶ月も休んじゃったら、日本だったらどうなっちゃうんでしょうね?

日本人は自らどっさり休暇を取る習慣がないというか、取りづらい社会構造から休日が増えたようですが・・・

休日と関係なくお仕事をしている人達も少なくないですね。お休みの日はしっかりまったりじっくり休養をとりましょう~ それではまた!
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