キジムナーが休暇を申請したので、おばあも休暇を検討中だ。
日頃の疲れを癒そうと、ゆったりまったり日帰り温泉プランを計画していた。
キジムナーも毎日忙しく働かせてしまったから
交代で休暇を取ろう。おばあはとりあえず1日だけ休んで、キジムナーには2日ぐらい
休んでもらおうかと考えていた。
「おい、太郎。おまえ、先に休む?それとも後?」
「え?どっちでもいいよ。おばあが最初に休んでよ。休み中データだけまとめておくから」
「そうか。それじゃあ、そうするよ。帰ってきたら、好きなときに2日ぐらい休んだらいいよ」
「お!ありがとう!おばあ!そうするね!」
「じゃ、わしは、あさって、温泉につかってくるから、ひとつよろしく」
「おばあ、のんびりしてきて~。おみやげとかいらないから!」
(それは、買ってこいっていう催促ダロ・・・)
おばあは、近場の温泉で休日を過ごすとこにした。
湯治場のある人影のないのんびりとした温泉郷についた。
硫黄の臭いが一面にたちこめる。体の隅々まで効きそうだ。
湯船に浸かっていると、湯気の向こうから一匹の猿が現れた。
「ん?おぬしは、そん・ろっくーじゃな。おなご風呂に入ったらあかんやないかい」
「おう!紫の水晶おばあ!ひさしぶりだな!おばあもいちおう女だったな!ハハハ!」
「ははは、じゃねーよ。話あるなら、お湯出てからにしてちょうだい」
「わかったよ。中庭で待ってるから、そっちに来てくれ」
おばあは、ゆっくり目をつぶって、再び温泉に浸かった。
「で、話とは、なんじゃ?ろくう」
温泉浴衣に着替えたおばあが、そん・ろっくーの方に歩み寄った。
「おいら、悔い改めようかと思ってよ」
「悔い改めじゃと?ありすぎて魂浄化見返りプランが立てられるかいの?
短気ですぐにケンカするわ、盗み食いは常習犯だわ、罵詈雑言なんかあたりまえ
目上だろうが暴言吐きまくり。そんな非社会的すぎる行動ばっかで、
悔い改めるって、相当反省しないとおいつかんよ?」
「まー、本気で悔い改めようなんておもってないぜ」
「じゃ、なんでわしを呼んだんじゃ!」
「ほら、ばあさん、そろそろおだぶつになりてーって
いってただろ?だから、呼んでやったんだよ。ばあさん孝行してやろうと思ってよ」
「おまえができるいいことなんか、なにひとつないじゃろ?」
「銀斗雲にのせて、南米一周の旅とか、連れてってやるよ」
「そんなものいらん!」
「じゃ、休暇中のようだからさ。肩もんであげるよ」
「いらんいらん!そもそもおまえのダチが、わしの妹を食うたんじゃ!」
「あ?あいつ?友達なんかじゃねーよ。ぎょはっかいだろ?
オレ、あいつ、いちばんキライなんだよねー。
カッパはさー、たまにむかつくけどクールだからさ。オレ様の邪魔しねぇんだけど
ぎょはっかいのやろー、おれがとっといた金の肉マン食いやがって
四蔵さんの機嫌ばっかとりやがってよ。」
「よいではないか。仲間と分け合えば。四蔵さんを皆で助ければよいではないか」
「やーだね。オレのものはオレのもの。あいつのものもオレのもの」
「・・・おまえは一生お釈迦様の輪っかを頭につけて、苦しんどけ!!
わしを呼ぶなんて300年早いわ!!!わしゃ帰るっ」
「どこ帰るの?ここ、おばあのとこでしょ?」
「あれ?なんか太郎の口調だけど?」
「もー、きったないなぁ~おばあ。よだれタラして寝てたよ!」
「なんだ・・・夢か。わし、なんか変なことゆうとらんか?」
「へんなことって?」
「え・・・あのぉそのぉ・・・・」
「何も言ってないよ」
「そうか・・・」ホッと胸をなでおろすおばあ。
「ねえ、おばあ。休暇取る前に緊急案件入っちゃった
臓器売買と麻薬のブローカーだって」
「えええええ、またなんか殺伐としすぎてるやーん・・・
あたしの苦手部門じゃない・・・そんなアクドイことやって
悔い改めようなんて気持ちに、ほんとーになったのかね?」
「んー。とりあえず、行ってみないとね・・・・」
せっかくの休暇を楽しみにしていたキジムナーとおばあであったが
緊急の案件が入ってしまったようだ。
休暇は先延ばし。今度も二人は忙しく魂浄化の旅へと出発するのであった。
せっかくの休暇が延期になってしまいましたね。
大活躍中の二人ですが、時間が取れたらしっかりと休んでほしいものです。
花粉の季節になると筋肉痛がひどくなる作者でございます。花粉ブロックぬりぬりと内服薬で対処していますが、お仕事で森林エリアに行くことが多い昨今( ;∀;)
春はあけぼのやうやう白くなりゆく山ぎわ・・・少し明かりて紫立ちたる雲のたなびきたる・・・って、中学のときに暗記させられましたが、そんな悠長な風情を味わう余裕などなく・・・・
ふぁいとぉ