「臓器売買のブローカーなんてさ・・・やなんだけど。そもそも。おぞましい・・・」
「でもさ、臓器とか好物の妖怪だっているわけでさ・・・」
「だからいやなんじゃ!!そんな下等な妖怪と一緒にされてたまるか!」
「まあ、ね・・・・とにかく、さっさと片づけて休みにしようよ」
「太郎!あぶない!」
「あ゛ーーーーー!」
なんと、キジムナーは巧妙に仕組まれた落とし穴に落ちてしまった。
「お・・・・ば・・・・・あ・・・・!」
「太郎ぉーーーーー、大丈夫かぁーーー?」
「なんとか・・・・ひっかかってる・・・・下まで落ちてない・・・」
「太郎、ちょっとふんばれ。いいか、わしが今から念力を送るから
それを受け取って集中して力をこめるんじゃ。わしが思いっきり念でひっぱる。
いいか?」
「わかった・・・・・」
「いち、に・・・・・・さん!!!だーーーー!!!」
ぐぁーーーーーーと、大きな竜巻が起こった。
その瞬間、キジムナーは落とし穴から飛び出し、どたっ、と地面に落ちた。
「太郎、大丈夫か?」
「ん・・・なんとか・・・・」
「怪我しておるな・・・・とりあえずこれを巻いて応急処置をしておくから。
あとは、案件をすぐに済まして戻ろう」
おばあは、素早く応急処置をすると、キジムナーをおぶって風のように秒速で案件地へと移動した。
ジメっとしたブローカーのアジトでは、ブローカーの頭と手下が新しい臓器売買を企てていた。
(いいか、太郎、ここを動くなよ。わしは、あの中に入って、案件者と会ってくるから。じっとしていなさい)
キジムナーは目で合図をしてうなづくと、おばあはするすると蛇のようにアジトの中に入っていった。
おばあはアジトの奥の部屋に到達すると、煙になってその部屋に侵入した。
「おい、そなたが案件主じゃの?」
「Yes, ma'am....私です。もうあと数分で命が途絶えますので、手短にお話しします。私は孤児として育ち、ここの頭にひきとられました。小さいころから盗みを働き、物心ついたときはプロのスリとして働いておりました。ここの頭がしていたことは知っています。臓器売買の他に麻薬も南の方から入手し売り飛ばし、銃の密輸もしています。
ところが、あるとき瀕死の重傷を負った娘の心臓を引き取りにいこうとしていたのですが、なんとその娘は子供の時に生き別れた妹だったのです。養父母の顔をみてすぐにわかりました。また、後にそのデータを調べましたところ、間違いなく私の妹と判明しました。
その時に私は自分の犯してきた罪を心から悔やんだのです。なんということをしてきたんだ・・・まさかこの手で実の妹の心臓を売ってしまうなんて・・・
組織を抜けたいと申し出たら半殺しの目に遭いました・・おそらく私の内臓も売り飛ばすつもりでしょう・・・」
「事情はよくわかった。そなたは何を献納するのじゃ?」
「この麻薬組織のルート図と機密データががこの地下に格納されてあります。これを葬り去れば麻薬組織は潰れ不法な臓器売買も立ち消えになります。ぜひこれを捨て去っていただきたいのです」
「わかった。もう、なにも申すな。そなたの意向は必ず引き継ぐ。わしが責任を持って廃棄するから安心なされ」
「ありがとうございます・・・・・」
ブローカーの手下は静かに目を閉じた。
おばあはすぐに機密データを取り出し速攻で脱出して、キジムナーを抱えると行脚車に戻り、自ら運転をして事務所に戻った。
「太郎、ケガがひどいのぉ。休暇とは別に治るまでしばらく休んでいなさい。この魂浄化もすこし時間がかかるから、心配しないでゆっくりするといい。あわびのおかゆを作っておいたから、あとで食べなさい」
「うん・・・おばあ、ありがとう・・・・」
そう言うとキジムナーは目を閉じて眠りに落ちた。
******
静かな森の奥深くキジムナーが歩いていると、向こうから小柄な女性が近づいてきた。
「あれ?キジムナーさん?」
「あ!この間の男の子と一緒にいたお姉さんだね?」
「そうです。道に迷ったところを助けていただいたものです。」
「どうしたんですか?」
「キジムナーさんがケガをされたと、伺いましたので、サムゲタンを届けにきました。」
「それはどうもありがとうございます!お姉さんの双子の男の子は元気ですか?」
「・・・・・?ケントの事ですか?」
「そうです。柴犬を連れた男の子。あの子はおねえさんとずっと昔双子だったんですよ」
「そうだったんですか・・・。どうりで懐かしい感じがするはずですね・・・。教えていただいてありがとうございます。キジムナーさんには、ケントもお世話になったそうで、これをケントから預かっています。」
「あ、四葉のクローバーですね?」
「そうです。キジムナーさんの怪我が早く良くなりますようにって、ケントから」
「どうもありがとう!お姉さんもこれからは幸せになりますよ!今までの苦労が報われますから。みんなと幸せに暮らしてくださいね!」
「こちらこそありがとうございます。必ず幸せになります」
むにゃむにゃ・・・・・
「おい、太郎!大丈夫か?」
「あ、おばあ。ボク夢みてたよー。お見舞いに来てくれた人がいて。あれ?体の痛みがないや。すっかり元気になったみたいだ。おばあのおかゆも後でいただくよ」
「それはよかった。あまり無理しないで休んでから、休暇にしなさい。わしも今回めったに使わないない力を用いたから、ちぃと疲れたわ」
(夢って、どんな夢みてたんだろ?)
おばあは、キジムナーの夢が気になっていた。
「うん。ボクの怪我の事はまこちゃんには内緒だよ。心配かけたくないからね!完全復活したら、ピクニックに行くから!」
「そ・・・うじゃな。楽しんでおいで」
おばあはそろそろキジムナーに秘密を打ち明ける時期なのかもしれないと考えていた。
おばあって、いざというときにすごい技を使うんですね。頼もしいですね。
明日はちょっとやぼ用で仕事を休みにしています・・・自分のことではありませんが、生きた心地がしません・・・
心臓をはずしてどこかに置いてしまいたい気分です・・・おばあ助けて~(/_;)
祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり・・・
盛者必衰のことわりをあらわす・・・・・・・・( ̄▽ ̄;)