冒険に異世界を求めるのは間違っているだろうか   作:その辺の人

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気付けば時間がたちすぎていました。
シヴァは基本雄神(インドの神話準拠。ff要素も可能な限り入れたい)で行きます。



1話 旅人、冒険者になる

旅人、冒険者になる

 

ーーーーー

 

オラリオに着いた翌朝、ガネーシャ・ファミリア本拠地「アイ・アム・ガネーシャ」で目覚めたバッツは、着の身着のまま寝て過ごすことの多かった経験から、快適すぎる寝起きに違和感を覚えた。

 

しかしながらメイドに朝食があると告げられ棚からぼたもちが降ってきたようですぐに気分が晴れた。

 

そそくさと着替えたバッツは寝癖も直さず、この世界へ誘った張本人であるシヴァとその息子ガネーシャと共に朝食を取るためメイドに案内されて食堂に着き、誰だかわからない二人の座っている食卓に案内された。

バッツは心当たりを隠しもせずに挨拶する。

 

「おはよう。もしかしてガネーシャか?」

「おはようバッツ!そうだ!俺がガネーシャだ!父に言われて今だけでも仮面は外すことにした!」

 

仮面をつけることにどんな思いがあるのかなど気にもならなかったバッツはもう一人へ声をかけた。

 

「おはようシヴァ。あってるか?」

「おはよう。存外落ち着いてるな。私が父のシヴァだ。」

「驚いてるさ。でも見た目で間違えるほどもう短い付き合いじゃないだろ」

「この姿をお前に見せるのは初めてのはずだが、つまらないな」

「俺は父の姿の方が見慣れているがな!」

 

よくわからない二人の正体はシヴァとガネーシャだった。

ガネーシャに関しては仮面を外しただけなので特に違和感もなかったが、シヴァの変化にはさすがに旅を連れ添っているバッツも驚いた。

どう見ても男だったのだ。

透き通るような肌やどこまでも落ち着いた目付き、それにいつも纏う独特の乾いた雰囲気は変わらないため間違える事こそなかったが、やはり凄まじい違和感を覚えたバッツは、口を付いて出る言葉を止められなかった。

 

「何で裸なんだ!服を着ろって言ったろ。」

「「!」」

「何で二人とも驚くんだ!」

「「服を着るなんて暑苦しい…」」

「そんな理由かよ!」

「男なら周りを気にせずとも上裸でいられると思ったのだ。」

「こっちは真面目に心配したんだぞ!」

「それはありがとう。」

「…もう食べよう。」

「そうだな!料理を出してくれ!」

 

オラリオに来てからというもの明らかに緊張感のないシヴァにバッツは困惑を隠しきれなかったが、それを察したシヴァが弁明する。

 

「バッツ、私は人と同じ目線で暮らしてみると言っただろう。ここでは私たち神は人と同じ体で過ごすのだ。私は、とてもじゃないがお前のように強くはないから開きなおってみることにした。」

「じゃこの町でパンでも焼いて売るのか。」

「それもいいかもしれないな。」

「ここにいない奴を召喚したらどうなるんだ。」

「呼び掛けには応じないと思うぞ。どうしてもと言うなら来るはずだが。」

「そんなもんか。気分次第ってことだな。」

「バッツ!この世界はお前の故郷に比べてはるかに安定している!この平穏を守ることを我々神々が保証しよう!」

 

この世界の人々が聞けば思わず卒倒するような会話が当たり前のように展開されたが、平和に朝食を終えた。

 

ーーーー

 

朝食を終えて出掛ける支度を済ませたバッツは、ガネーシャに昨晩聞いた冒険者登録についての案内を急かした。

 

「早くギルドってとこに連れてってくれよ」

「まだ朝だぞ!窓口は空いていないのだ!しかもこのまま行っても何の手続きも出来ないだろう!」

「とにかく場所だけでも教えてくれ。早く外を見たいんだ。」

「うむ!わかった!その熱意を妨げる私ではない!すぐにでも私の家族が案内する!ではまた用があればいつでもガネーシャ・ファミリアを頼ってくれ!」

「ああ!ありがとう。」

 

もはや心ここにあらずといった調子のバッツにシヴァは微笑みながら告げた

 

「ここまでよく付き合ってくれた。今からは思うまま過ごしてくれ。」

「ガネーシャ・ファミリアに来ればまた会えるか?」

「しばらくはここに世話になるからな。そのつもりでいてくれ。」

 

その後に世話になったメイド等に挨拶を済ませたバッツは、ガネーシャ・ファミリアの案内と共にギルドへ向かった。

 

「門番のおっちゃんが案内だったのか。」

「お前のことをガネーシャ様から先ほど聞いたが、驚いたぞ。まさかそんな素性だとは。」

「頼むから畏まらないでくれよ。あと尾ひれをつけた噂もしないでくれ。」

「お前のことは気に入ってるんだ。そんなことはしないよ。」

「助かるよ。じゃあ案内よろしくな。」

 

どこまでも期待を隠さない表情で歩き続けるバッツは、街の人々からはよくみる外から来た冒険者としか映らなかったため、特に押し売りのような物もなくギルドの窓口へ着いたが、人の気配がない。

 

「まだあいてないか。」

「俺はここまでだ。餞別って訳じゃないが、ガネーシャ様からだ。大事にしろよ。」

「ここが開いたらどうすればいい?」

「適当に職員を捕まえて登録したいって言えばいいさ。心配するなよ、ここはなんにも知らないやつが最初に来る場所なんだ。」

「ありがとな。じゃあまた。」

 

地図を受け取り案内と別れたバッツは現在地を確認し、すぐに散歩の計画を立てた。

 

「まずは武器と防具か。次は街の外の地図でも探すかな。そのあとギルドで登録。飯と寝床はそんとき考えるか。」

 

最低限の装備だけでも欲しいと思ったバッツは、なんとも大雑把な計画をたて歩きだした。

見知らぬ土地を歩けばどうせ予定など吹き飛ばされると相場が決まっている。そんなことを何度も経験しているから詳細を詰めるバッツではない。

 

早速今居る冒険者通りの武器屋から見ることにしたバッツは、商魂たくましく我先にとまばらに開き始めた商店を見渡す。

剣を描いた旗があがったのを見つけたバッツは、金もないのに店主へ話しかける。

他に人のいない時間ならば冷やかしでも笑顔で対応してくれるかもしれないという打算もあった。

 

「開いてる?」

「いらっしゃい!開いてるよ!」

「昨日ここに着いてさ、いま持ってる武器がナイフ一本なんだ。」

「そいつは心配だな?ここで槍でも弓でも揃えていけよ!」

「それいいな。いつもはどんな人が買ってくんだ?」

「よくぞ聞いてくれた!うちはあのアポロン・ファミリアの団長がお得意様なんだぜ!レベル3の冒険者でも満足の品なんだ。安心して買ってくれよ。」

「なるほどな。団長ってぐらいだし凄そうだ。これ持ってみてもいいか?」

「ああいいぞ。」

 

バッツは一振りのロングソードを手に取り、いくらか素振りした。

今の自分には重たい気がしたが、片手で振り回すには苦労しなかった。無論、買わずに自身の体の調子を確かめるのが目的である。

ロングソードの出来映えはと言うと、切れ味は計りかねたがおおよそ平凡なものと変わらないようであると判断した。しかしバッツは基準を元の世界に合わせて考えたため、この剣は耐久性が優れたお買い得品だと知るよしもなかった。

普通の武器の値段がこんなもんかと確かめたバッツは続いて防具を見ることにした。

 

「ごめんなおっちゃん。実は俺まだ冒険者登録してないからそろそろギルドに行くよ。良い剣だと思ったけど手持ちが足りないから諦める。」

「そうか残念だな。レベルが上がったらまた来いよ!」

 

正直に手持ちがないことを伝えても嫌な顔をされないのは、バッツの興奮冷めやらぬ笑顔など、滲み出る新参者っぷりからであった。バッツ自身も人を選んで話しかけている意識はあったが、この通りがギルド周辺にあるので新参者に優しい店が多いことも要因だった。

 

そんな調子で防具の店やら、昨日来たばかりであると伝えたら、押し売りぎみに試供品などと言って明らかに製品であるポーションをくれた心配性な美形の薬屋やらと会話を楽しんでいるうちに、ふとすれ違った白髪の少年が焦っていることを見逃さなかった。

そう言えばもう何度かすれ違っていたことに気付き、どうせ暇だからこの白髪の迷子でも連れてギルドに行こうと思ったバッツは、もうギルドの受付が開いている時間だと思い出した。

そんなバッツを知ってか知らずか、立ち止まってキョロキョロと辺りを見回し始めた白髪にバッツは声をかけた。

 

「おはよう!何度もここをいったり来たりしてるみたいだけど誰か探してるのか?」

「お、おはようございます!神様を探しています!」

「誰でもいいなら3人知ってるぞ。」

「3人もご存じですか!紹介してください!」

 

バッツはこの少年を家族からはぐれた迷子くらいに思っていたため、その焦りと押しの強さに少し驚いた。

どうやら神なら誰でも良いようなのですぐそこにいる先ほど話した薬屋を紹介する事にした。

 

「それならあそこの女の子に話しかけてるやつが神様だぞ。」

「えっ本当ですか!?神様はもっと偉…いや、それっぽくしてると思いました…」

「まあ神様と話をしたいんだろ?とりあえず聞いてみようぜ。」

 

「おおバッツ、道にでも迷ったか?ギルドはあっちだぞ」

「ミアハ。こいつが話があるってさ。」

「か、神様!僕をファミリアに入れてください!」

「うーん。なるほどな。バッツも一緒に聞いてくれ。」

「わかった。なんの話だ?」

「まずは私の意見だ。君は私のファミリアには入らない方が良いと思う。」

「なんでですか…」

「正直に言うと私のファミリアはいま困窮している。君を迎え入れる余裕はないのだ。さらに君がそんなことを気にしないとしても、私の縮みゆくファミリアに君を加えてしまうことを私自身が許せない。」

「そうですか…」

「では二人に聞いてほしい話を始める。まず二人ともファミリアとは何か分かるか?」

「神様からファルナを頂いた家族の様な仲間のことです!」

「ファルナってなんだ?」

「知らなかったんですか!?すごく落ち着いてるし神様の知り合いも多いから、てっきりベテランの方かと…」

「バッツはここに来てまだ1日だぞ。」

「ファルナとは、この世界で行使できる神々の唯一の力だ。元よりこの世界に住む子らに加護を授ける。具体的には君たちはファルナによって、身体能力の向上や、スキル、アビリティなど超常的な素養を身に付けることができる。」

「よくわかったよ。ありがとう。ようは強くなったり便利なことができるようになるんだな。」

「次だ。ファミリアに入って君たちはどうしたい?」

「俺はファミリアに入らなくとも冒険する予定だけど。」

「バッツさん!僕も冒険者になりたくてここに来ましたけど、ファルナ無しで冒険するなんて危険すぎてできませんよ!」

「二人とも冒険者志望か。ならなおさら私のような冒険者のいない薬屋ファミリアに入るべきではないな。いくらファルナの効果がどの神から授かろうと変わらなかろうが、ダンジョンの中でともに助け合い、アドバイスを授ける仲間が私のファミリアには居ないのだから。」

「仲間は大事だよな。そう言うことなら冒険者のたくさんいるファミリアを探した方が良いって訳か。」

「いくつかのファミリアには当たりを付けてたんですが、門前払いでした…」

「焦っていたのはそういうことだったのか。」

「まあ、仲間なんて探して見つかる訳じゃないし、気楽に行こうぜ。まず一人目の仲間だ。おれはバッツ!よろしくな!」

「ファミリアでなくとも仲間にはなれるぞ!私はミアハ。二人ともよろしく。」

「うっ…本当に良いんですか?こんな迷子の仲間だなんて…」

「大分心細かったようだな。言い方を変えよう。もうこの3人は友達だ。存分に頼ってくれ。そうだ、挨拶代わりにこのポーションも持っていってくれ。」

「ありがとうございます!僕の名前はベル、ベル・クラネルです!」

「よろしくなベル!じゃあ先ずはギルドに行こうぜ。おれは冒険者登録ってのをするつもりだったんだ。」

「おお、行ってらっしゃい二人とも。ベル、もうここで二人も友が出来たんだ、君はツイてるよ。心配は無用さ。もちろんバッツもだ。」

「ああ、これからよろしくなミアハ!じゃあまたな。」

「ファミリアが決まったら必ずお礼に行きます!行ってきます!ミアハ様!」

 

この感動的な出会いによるベルのテンションは、しかしギルドの受付による冷静な説明によって長続きしなかった。

 

「冒険者登録はファミリアに入ってからとなります。ファルナ無き身でのダンジョン探索によるリスクをギルドは見過ごせません。」

「結局ファミリアに入らないといけないわけだ。」

「ファミリア探し、頑張りましょう!バッツさん。」

「そのバッツさんはやめてくれよベル。呼び捨てでいい。」

「じゃ、じゃあ…バッツ。行こっか。」

 

バッツとベルはギルドから出た後に地図を眺めながら、今日をこのファミリア入りで使いきるだろうと覚悟した。

ミアハの説明を聞く限り、ダンジョン探索を行うファミリアでないとそもそも取り合ってすらもらえない可能性が大いにあることは想像に難くない。

さらにはこの二人、いま使える人脈はとても忙しいらしいガネーシャと昨日来たばかりで右も左もわからないシヴァのみなのだ。

正直妙にベテランの風格を感じるバッツがその身体能力をアピールすれば話くらいはどのファミリアでも聞いてもらえるだろうと思ったベルであったが、早速人を頼りにしてしまう自分を浅ましく思った。

暗い表情のベルリンに気付いたバッツは、が声をかける。

 

「おいベル。まずは飯にしようぜ。」

「お金持ってません…」

「実は俺もなんだ。」

「なんですかそれ…どうするつもりだったんですか?」

「行き当たりばったりさ!ほら、ポーションもらえたろ?」

「…そうですね!どこかで水でも頂いて、ひといきつきましょう!」

 

街の冒険者たちには、この白い髪と白い服の二人組が妙にしっくり来てしまった。

これからの期待感を隠さずに道行く人を捕まえまくるこの二人を思わず応援してしまうひともちらほらいた。

一刻もすれば水を手入れた二人は躊躇なく道端に座り込み笑顔で作戦会議を開いていた。

 

「このダイダロスってところは止めておきましょう。」

「そうだな。ファミリアの多いこっちの方からいってみるか。」

「あ、でも大抵いきなり神様とは話をさせてくれないらしいですから、いま神様の間でブームになってるらしいこのお店の前にもよってみましょう!」

「そうだな!じゃあ店があいてるいまのうちに行って、それからホーム巡りだな。」

「はい!」

 

それから夕方まで嫌になるほど同じ温度を感じながら過ごした。

ギルドで先ほど味わったばかりの確かな温度差を。

確かに流行りの店の前で沢山の神々と会うことが出来た。しかし皆一様に邪魔をするなという態度で過ぎ去ってしまう。ミアハやガネーシャのようなどんな話にも向き合ってくれる神はかなりの少数派であることを、ここで二人は知ることとなる。

その後は推して知るべしである。

客観的に見れば二人の見た目は子供なのだ。

童顔にシックなマントは背伸びしているようにしか写らず、隣の白髪はただの子供なのだ。なんなら親の装備を盗んでのごっこ遊びだと言われても信じてしまう人はいるだろう。

バッツがマントを外しても、その白い軽装は髪飾りと相まって新しい演劇の服装かと思われた。

おまけにそれをみた童話好きのベルはツボにはまってしまい、まるであの本の英雄様だ!と騒ぎ始める始末。

結局一日かけても神々には鬱陶しがられるか微笑まれるかで、まともに相手をされなかった。

 

「さすがに腹が減ったな…ベル?」

「はい…もう帰ろうバッツ。」

「俺に帰る家なんて無いんだ。ベル。」

「え…?」

「無いんだよ。今日は野宿だ。」

「もうダメ…動けない。雨もしのげないなんて…」

「「はあ。」」

 

救いの手はどこにでもある。

きまぐれな運命がプー太郎を偶然彼らの前に放り出し、プー太郎が偶然ミアハのように優しい少数派で、しかもそのプー太郎が珍しくプー太郎らしくない積極性を出し生活の糸口を掴むために町を歩き、さらに二人の目の前で我慢の限界に達して愚痴りだし、まして神であることを口に出すなど、それはもう彼らの救いのプー太郎に違いなかった。

 

「プー太郎って呼ぶなあっ!全くっ駄女神呼ばわりまでは心の広いボクだから流してあげたのに!太郎はないだろ!太郎は男の名前だろ!ボクはボクだけど女神なんだよ全く!」

「「神様ぁっ!」」

「!なんだい君たち。もしかしていまの愚痴を聞いてた…?」

「「聞いてましたぁっ!」」

「わ、忘れてくれ!ボクはこれでも一人で立派に生活してる女神なんだ!」

「「プー太郎…」」

「忘れてくれぇっ!」

「「あなたのファミリアに入れてください!」」

「…よく見れば君たちすごく疲れてるようだね?」

 

神が人の状態を見極めるのは容易い。

神という存在として、人の心をある程度見透かすことができる。

そして疲れているのはこの二人だけではなかったが、その慈愛が一度発揮されればこの神、どこまでも芯の通った善神だった。

 

「君たち。ボクにはファミリアがないんだ。当然君たちにあげられるものはファルナとボク自身しかない。」

「なんでもやります。お金も稼ぎます。ご飯も作ります。」

「楽しくやっていくためにこいつは頑張れる。俺からもお願いだ。」

「君たちの心が本当に正直だってことは分かるよ。…ボクも少し寂しかったし。」

 

バッツとベルは顔を見合わせる。

すぐに疲れと寂しさは吹き飛び、二人は笑顔で女神の手を取る。

 

「バッツ・クラウザーだ。よろしくな。」

「ベル・クラネルです!よろしくお願いします!」

「バッツくんにベルくんだね!これから楽しくしていこう!」

「じゃあ、ベルをよろしくな。」

「「ん?」」

「本当によかった。ベルのファミリアが見つかって。」

「待ってよバッツ。」

「待つんだバッツくん。」

「なんだよ二人とも。もういいだろ?手を離してくれ。」

「「嫌だ。」」

「なんだ。俺なんかしたか?」

「「なんで入ってくれないの!」」

「!」

「ここまで一緒に頑張ったじゃないですか!ボクも神様にお願いするから一緒に頑張りましょうよ!」

「君みたいに心の綺麗な子は居ないよ!誰にお願いされなくても君にはボクのファミリアに入ってほしい!」

「そこまで言われると恥ずかしいな。でもいいのか?俺はきっとベルと違ってこれって目標もないんだ。」

「やりたいことなんてファミリアに入ってから決めれば良い!ちょっとお金は稼いでもらうことに、なるかもしれないけど…!」

「むしろそんなもんでいいなら、よろしく頼むよ。そう言えば名前なんだっけ。」

「入ってくれるんだね!よろしくバッツくん!」

「良かった!これからもよろしくバッツ!」

「いけない!名乗り忘れてたね。ボクはヘスティア。竈の女神さ。これから宜しく!ふたりとも!」

 

翌日、早朝から笑顔でお世話になりましたと挨拶して回る新人冒険者の二人組が、ヘスティア・ファミア発足の話題とともに、少しだけ、いくらかの通りを明るくした。

 

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