冒険に異世界を求めるのは間違っているだろうか 作:その辺の人
ありがとうございます。
基本的に見た目はディシディア基準で考えていますが、今後は出来るだけ主観的でなく、設定通りの年相応なものとしてみます。
戦闘スタイルはff5にディシディアを足した形で。
旅の理由はドルガンとの約束では?とか、いろいろあると思います。感想がつくとは思ってなかったです。
読んでくださったかた。本当にありがとう。
金策に、新作を
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ヘスティアがシヴァへ会いに行ったその後、
金策を練るバッツとベルは現在のサイフ事情を考えながら今後の予定を立てていた。
「ベル、どうする?本当に金がないから明日にでも稼がないと。やっぱりダンジョンだよな。」
「でも、まだギルドのエイナさんと事前学習が終わってません。」
「あんなゴブリンくらいなら俺が教えるよ。飯も食えないんじゃ勉強も出来ないだろ。」
「確かにそうですけど。」
「でもまあ色んなことをタダで聞けるのはいいよな。そうだ、ベルが聞いてきて教えてくれよ。俺が先にダンジョンでなんか取ってくるからさ。」
「バッツ!危ないこと言わないで!せめて一回でも講習には顔を出してアドバイスの一つでも聞いてから…」
「わかったよ。そんなに怒るなって。仕方ないからなんか売ってしばらくはしのぐか…」
「その立派なナイフとかですか?大切なものなんじゃ…」
「ベル。こいつが気になるのか。」
「正直に言うとバッツの装備はマントもナイフもすごく高いんじゃないかなって思ってました…」
「確かに丈夫で良いものを装備してるさ。いくらかにはなると思う。でもこのナイフは拾い物だ。無いなら無いでまあ、その時考えれば良いだろ。俺はもう少し長い剣のほうが得意だし。」
「そうなんですか。」
「まあ槍でも杖でも見て覚えれば大丈夫だからな。ベルも出来るさ。」
「そんな簡単に言わないでください。でも…実は僕、ちゃんと戦ったことがないんです。」
「だからあんなに怒ったんだな…怖いのは仕方ないからそれでいいと思う。じゃあ予定にベルの訓練も入れるか!」
「本当ですか!よろしくお願いします!」
「俺が戦ってるの見たこと無いのによく言えるなあ。」
「その体つきでただ者には見えませんよ。」
「そうかもな。ちょっと鍛えてる。」
「じゃあ早速!今日の夜からお願いします!僕を一人前の男にしてください!」
「お!やる気だな。でも武器は何を使うんだ。そんな丸腰で。」
「あはは…それも出来れば見てほしいな…なんて。」
「よしわかった。じゃ好きな武器でいいぞ。」
「えっ?…考えさせてください!」
「夜までに決めとけよ?じゃあ金の話に戻ろうぜ。」
「そうですね…おかねがないと装備も買えないし…」
「そういうこった。で、いま思い付いたんだけど、ミアハみたいに薬売ってみるか。」
「せっかくもらったポーションを売っちゃうのは気が引けますよ…」
「そうだけどさ。これにかめのこうらでも足せば高く売れそうなんだよなー。」
「薬作れるんですか!?」
「まあな。調合しながらじゃないと負けそうな戦いもあったし。仕方なく覚えたんだ。」
「戦いながら!?どんな状況ですか!?」
「まあそれは良いだろ?とにかくこいつに少し足せば良いのが作れそうなんだ。」
「ポーションは二本しかないですけど…」
「作るのはすぐだし、材料は売った金でまた安く集めれば行けるんじゃないか?」
「たしかに!じゃあ講習が終わるまではそれで行きましょう!バッツにはなんだかおんぶにだっこで申し訳ない…」
「子供がなにいってんだ!気にすんなよ!それよりちゃんと講習を覚えてくれよ。俺は勉強なんて飽きて寝ちゃうかも。」
「ちゃんと受けてよバッツ!」
「自分は戦いかたも怪しいのに厳しいなあ。」
「うっ…それはちゃんと考えます…」
「意地悪言ったな。ごめん。じゃあそんな感じでいくか。」
「はい!」
「早速だけどミアハに相談にいくから、一緒に来るか?」
「行きます!そのあとはギルドで講習ですね。」
腹をならしながらミアハ・ファミリアのホームである薬屋へついた二人は、受付のナァーザへ自己紹介を済ませてミアハに材料の相談をした。
その際ミアハは二人の空腹を指摘し、体調を蔑ろにするのは許さんと、二人の返事を待つこともなくパンを持ってきた。
助かりますと挨拶する二人であったが、満面の笑みを浮かべるバッツと、申し訳なさそうに顔を赤くするベルが対照的でミアハも思わず微笑んだ。
食事をしながら薬を作って売りたいという相談を切り出したバッツの話し声を受付から聞き逃さなかったナァーザも、混ぜてほしいと寄ってきたため、狭いテーブルを四人で囲む。何故かミアハとナァーザは顔を突きだし、やたら積極的である。
気づけば食いぶちを繋ぐためだけだった相談は、まるで密偵と官僚よろしく、誰が聞いているわけでもないのに密談の様相を呈していた。
「さあ、私のポーションをどうしてくれるの。」
「いぃっ、こ、恐いですよ二人とも。」
「まあたいした話じゃないんだ。これをもとにエーテル作ろうかなって。」
「そんなことができるのか!?すぐに書くものを準備するから待っててくれ!」
「この店はいま儲けがないし、新作に悩んでる。閉店の危機。」
「なんですって!?」
「タダで薬を配ってる困った人がいるから。」
「なるほどなー。」
「適当すぎるよバッツ!」
「まあまあ落ち着けって。俺たちも皮算用なんてやる余裕はないんだから。もうやるしかないってことだろ?」
「待たせた!その様子だともうレシピは有るんだろう?」
「ああ、ばっちりだぜ。俺が飽きるほど作ってるクリスタル印のエーテルさ!」
「クリスタル印?なんだかオシャレ。」
「言ってみただけで実はちゃんとしたビンとか無いんだ。大体急ごしらえだったし。」
「作りなれているのは助かる。それでどんな効果なんだ?」
「魔力…こっちでは精神力だっけか?それの回復だな。俺が飲んだ時は大体強い魔法が2回は使えるぐらいだな。」
「驚いたな。まさかファルナ無しで魔法が使えるなど。そんな子に会ったのは初めてだ。いったい君は何者なんだ。」
「バッツは魔法も使えるの!?」
「使うけどまあまあだな。で、強い魔法っていうと、大体立てないくらいの怪我人をまとめて四人は走れるくらいにするのが2回ってとこかな。そんで問題は材料があるかどうかなんだ。」
「そうだな。うちの在庫に有ればすぐにでも試作を頼みたいところだが…」
「正直言って在庫には自信がない。無駄なものは買わないから…」
「でもあると思うぜ。かめのこうらだし。」
「かめのこうら?…そんなものでいいのか!?」
「な?安いもんだろ?生活の知恵ってやつだな。」
「緊急に精神力を回復する生活ってなんなのバッツ…」
「だが、ここにはかめのこうらはない…なぜならそのようなものを使う薬は作ってないからだ…」
「私が持ってる。」
「ナァーザさんが?受付なのに、なんでモンスターの素材を?」
「ベル…私は、元冒険者…」
「まあナァーザの過去は気にしないでくれ。ここを良くしようととても頑張ってくれている。」
「はい…すみません。」
「でもそれ使っていいのか?」
「いいよ。試作品作るくらいしかないけど、そんなに高いものじゃないしどこでも売ってる。」
「さすが冒険者の街だな。じゃあ早速だけど持ってきてくれるか?」
「一個しかないから…大事に使ってね。」
「任せろ。」
ナァーザからかめのこうらを受け取ったバッツはポーションを開け調合を行った。
バッツを見ていた3人は、バッツの頭の上に何かが3つきらめいたのをみた気がした。
さっとこうらを削ってポーションの上から振りかけるだけで終わったと言うバッツ。
まともに設備も道具も必要としないそのシンプルな調合法にはさすがのミアハも目を疑った。
「ナイフと材料だけでよくやるものだ…感動したぞ…」
「そんなに驚くか?…おれは天才かもしれないな。コツはこのこうらの粉が沈まないように上に層を作ること。あとは量が合ってれば自然と沈んでポーションを吸うから、色が変わってどろどろのエーテルになる。」
「なるほど…ポーションの浸透力を活かしてこうら自体を薬として飲めるよう反応させるのか…実に素晴らしい…」
「混ぜたり温めないで素材の特性だけを使うなんて…逆に新しいアプローチ」
「そうだなナァーザ。これから私たちはなにを作りたいのかではなく、素材を出来るだけ有効に使うにはどうするかという視点も意識しなければな…」
「おーい。ナァーザさーん。ミアハさまー?」
「集中してるな。ベル、俺たちもそろそろギルドに行こう。おい二人とも!」
「はっ!バッツか。すまない。見入ってしまった。」
「で、こいつの効果ならいくらで売れそうだ?」
「ナァーザ、飲んで見てくれ。」
「…うーん。味は、びりびり。」
「俺も美味しくはないと思う。」
「効果は十分だと思う。魔法専門の冒険者にもおすすめできる。」
「相場で見てポーションが1000、かめのこうらが4000…設備も道具も時間も対してかからないから儲けを4割で見ても大体7000…相場のマジック・ポーションが8000以上…これは売れる。」
「やったなベル!上手く行きそうだ。じゃあ作り方書いてくからさ、作って売れたら儲けの半分くれよ。俺たちがダンジョンに入れるようになるまでで良いからさ。」
「ダンジョンに潜れるようになるまでなんてすぐ。あまりにこれは破格の条件。」
「そうだな。これほどの発明がそんな安売りされてはいけない!せめてこれからはダンジョンに潜る前にここへ寄ってくれないか?欲しいだけポーションを持たせて送り出すことを約束しよう!」
「それもなかなかの大安売り。でも妥当なところだと思う。」
「いいんですか!?やったー!バッツ!これで講習と訓練に集中できる!」
「そうだな!ミアハとナァーザ!本当にありがとう!じゃあ売り方とか詳しい話はうちの神様に任せるから、明日の夜にでもまた教えてくれ。」
「感謝するのはこちらの方だぞバッツ!ベル!例え儲からなくても君たちの健康は守って見せるさ。毎日でも来てくれ!」
「いつでも待ってる。本当にありがとう。」
これからの生活が上手く行きそうな予感を胸に、二人は足早にギルドへ向かった。
シヴァに会ったヘスティアが帰ってきて、エーテルの話をして、今日の晩御飯はどうなるかなと想像するバッツの顔に、不安の色はなかった。