『豚の帽子亭』in 冥界   作:けし

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衝動で始める感じ。中身は気分次第。他が滞ってるがそれはそれ。

原作?奴はいなかった。

メリオダスは最強。はっきりわかんだね。英霊にしてみるか。
エリザベスは少し元に戻ってる。何となくそうしたかったから。

だから言ったろ?(俺の)ご都合主義だって。


1,猫又 in 『豚の帽子亭』

 街の外れにポツンと立つ酒場。この辺り一帯では知っている人は多く、店は賑わいを見せていた。

 

「ほい!大ジョッキ5つ!」

 

 ガシャンと5つの器をテーブルに置く。「来た来た」と次々と器の手を取り、一気に喉に流し込む。

 

「んっ、んっ、ぷはあ〜っ!うめぇっ!酒が!料理はマズいのに酒はうめぇ!」

「だろ?それがウチの売りだからな」

 

 料理の不味さを指摘されてもあっさり受け流し、むしろそれを売りだと強調する。そんな、一風変わった酒場。だが、不思議なことに店員は先程酒を運んできた少年と料理を運んでいる少女しかおらず、本来カウンターにいて然るべきマスターの姿が見えない。酒のせいか、一度気になると聞かずにはいられなかった男は、軽い口調で金髪の少年に尋ねた。

 

「なぁ、ここの店主って誰なんだよ?アンタみたいなガキがやってるわけじゃねえだろ?」

 

 周りの男たちは一斉に笑う。子供が店長という有り得ないことを想像したのか、その質問の下らなさがウケたのかはさて置き、少年の回答を聞くまでもなく大笑いだった。

 だが、その少年の返事は彼らの笑いを一瞬止めるくらいのインパクトがあった。

 

「ガキじゃねえよ。メリオダス。この酒場の店主(マスター)だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 空は紫色。日光と思しきものはあるがそれでも不気味な薄暗さを感じさせる。そんな環境とは言え、そこは決して不毛の土地という訳ではなく、むしろ発展が進んで多くの観光客がやってくる場所だった。

 

 アグレアス。とあるゲームの聖地とされ、それを目当てに多くの観光客が訪れる。そしてなんと言っても最大の特徴は「空中都市」である事。文字通り空に浮かぶ大都市であるアグレアスは、その景色も観光資源とされていた。ただ、絶景かどうかは見る人によって意見が分かれるだろうが。

 

「さて、ここでの営業も終わりだ。次の場所に行くぞ!頼んだ、ホークママ!」

 

 その時、地面が大きく揺れて酒場であるはずの建物が上へと登っていく。大量の砂煙に隠れてしまい、何も見えなくなる。

 

「おいメリオダス、次はどこに行くんだ?」

「ん、ホークか。そうだな…」

 

 隣にとんとこと歩いてやってきた人語を解す謎(?)の子豚……ホークの質問に、手を顎に当てて考えるそぶりを見せるメリオダス。この酒場の行き先は基本メリオダスの思いつきで決まる。彼は地図を広げて目を瞑り、適当に指を指した。

 

「で、次はドコよ?」

「どれどれ…。お、ここって魔王領じゃなかったか?」

「ふーん…って、魔王領!?お前そんなトコ行っていいのかよ!」

「いいだろ別に。土地なんて有り余ってるみたいだし、ホークママ一体分の土地なんて、あいつらから見たらアリみたいなもんさ」

 

 そう言ってメリオダスはその針路を魔王領の都市、ルシフォードへ向けた。

 

 

 

 

 

 

 

「ストップ!ホークママ!」

 

 メリオダスが声を張った。

 

「何だよメリオダス。お腹でも壊したか?」

「そんなんじゃねえよ。物資の補給ついでに薬買ってくるんだよ」

「薬?そういえばエリザベスちゃんが見当たらねえけど…風邪か?」

 

「みてぇだな」と軽く返して、支度をしたメリオダスは扉を開けて出て行った。残されたホークはというと。

 

「仕方ねえなぁ、残飯もないし、床磨きしてやろうじゃねえか!」

 

 残飯処理騎士団長(自称)である彼の仕事はこれからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてさて、目当てのもんは買ったし、戻るとしますか。」

 

 先ほどのアグレアス程ではないが、中々の賑わいを見せる街で用事を済ませたメリオダスは、そのまま酒屋───「豚の帽子亭」に戻るために歩いていたのだが、その時横から何かがぶつかって来た。メリオダスよりも一回りほど小さな身体で、全身にキズを負っていた。なお彼はぶつかって来た時の感覚でソレが女である事を見抜いた。

 

「っと、悪いな。つーか、そんなに急ぐと危ねーぞ?何があったんだ?」

 

 流石のメリオダスにも、キズを負った少女を見過ごすような真似は出来ず、そう声を掛けた。

 

 だが相手の方はそうは思わなかったらしく、一言謝ってピューと走り去っていった。

 

「ありゃりゃ、何だったんだアレ?」

 

 切羽詰まっていたのは見た瞬間に分かった。メリオダスはその小柄な体躯と容姿に似合わず、とんでもない実力を持つ。そんな彼は、彼女の身に何かがあった事くらいはわかる。

 

「とりあえず、追ってみっか」

 

 そう言って彼は跳び上がり、屋根を駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深い森の中。人の手が入っておらず、空の薄暗さも相まって不気味さが増している。そんな中を二人の少女が疾走する。

 

「はあっ、はあっ、し、白音、急ぐにゃ!!」

「は、はい!」

 

 黒いフードを被って走る。ボロボロになりながらも二人は、その手だけは離さなかった。

 

 がしかし。

 

「オイオイ逃げんじゃねえよ。お前ら俺の眷属だろ?なら、主人の命令には絶対なんだよ!!」

 

 後ろから悪魔のような羽根を生やした男が追う。手を前に出すと、魔法陣のようなものが浮かび、そこから弾丸のように攻撃が降り注ぐ。その攻撃だけで辺り一帯がボロボロになるところを見ると、悪魔のような男はなかなかの力を持っているようだった。

 

「う……ぐっ」

「し、白音っ!……この野郎!」

 

 フードはもはやその役目を果たさず、ただ立ち上がっただけでボロ雑巾のように外れた。そこにあったのは、猫耳。彼女らは妖怪として有名な猫又だ。猫又は先ほど男が使った様な「魔力」とは違った、「仙術」を扱うことが出来る。それに目をつけた男が、その猫又である目の前の二人を眷属にし、服従させた。が、男の態度に反発して逃走した。というのが今に至るまでの経緯になる。

 

 だが、いくら仙術が使えるとは言え彼女ら自身はまだ幼い。扱える力などたかが知れており、またその程度では目の前の男──悪魔から逃れる事など出来はしなかった。

 

「さぁて、ここまでやってくれたんだ、お仕置きはしなくちゃあなぁ!」

 

 黒髪と白髪の二人の猫又は姉妹だ。黒髪の方が姉で白髪の方が妹。二人は揃って天涯孤独の身。だからどこに行くのにも二人で一緒で、そこには家族よりも大きな愛情があった。それが踏みにじられようとしている。姉である猫又、黒歌はそれが耐えられなかった。キレて、己の力が暴走しようとしたその時。

 

「こりゃまーた厄介な事になってんなー。どうしようかね」

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「ふむ、追っかけられてんのか」

 

 自分にぶつかって来た二人の猫又を追いかけながら、自分の中でそう結論づける。そして、彼女たちがヤバい状況に追い詰められていることも理解した。ならば助けてやろう。そう決めた。

 

「あ"あ"!?テメェ誰だよ関係ねぇだろ!ガキは大人しく引っ込んでやがれ!」

「おーい大丈夫かー?」

 

 メリオダスは無視する。兎にも角にも治療が優先だ。幸いな事に豚の帽子亭に戻れば、治癒に長けた能力を持つエリザベスもいる。そう思って2人を連れて行こうとした時、

 

「どけっつっでんだろが!このクソガキがぁっ!」

「うおっと」

 

 キレた男がメリオダスの頭を思いっきり蹴っ飛ばした。メリオダスはそのまま木に激突した。

 

「へっ、悪魔様に楯突くからこうなんだよガキ」

「いてて…、ったく血の気の多いやつだな。カルシウム足りてんのか?」

「ガキぃ…大人を舐めてっと痛い目見るぜぇ……!殺してやる!」

 

 男が魔力を高めていく。その魔力量に黒歌が目を見張り、メリオダスに向けて叫ぶ。

 

「早…く逃げるにゃ!これを喰らったら死ぬ!」

「へっ、もう遅ぇよ!あばよガキ!死ね!」

 

 メリオダスは動かない。龍の意匠が刻まれた背中の剣を抜き、両腕をだらんと下げ力を抜いて立つ。その顔には笑みが浮かんでいた。

 

「オラァァァァぁ"あ"!!!!」

「逃げてぇぇーー!」

 

 男の咆哮と女の悲鳴が響く。それを受けてもやはり、メリオダスは動かない。そして巨大な魔力弾が目の前まで迫った次の瞬間。

 

「グァァァッ!」

 

 吹き飛ばされていたのは悪魔の方だった。黒歌は呆然としている。それが当たり前の反応だ。巨大な魔力弾が当たったと思ったら、何故かそれを放ったはずの男が吹き飛ばされたのだ。

 

「へ……?なん…で」

「さーてな。ンなことより、お前らの治療が先だ。ほれ、行くぞ」

「あ……うん」

 

 思考が追いつかないまま、とりあえずメリオダスの後ろについて行く黒歌。妹の白音はメリオダスに抱きかかえられているものの、その事に対し、黒歌は不思議といやに思わなかった。

 

 





黒歌と白音にウェイトレスさせるスタイル。

まだ幼いけどいいでしょ。

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